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天使は黒い翼をもつ
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天使は黒い翼をもつの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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読みかけた本を途中でギブアップするのは勿体ないと感じる貧乏性ゆえ、つまらない内容ながら読了しました。 ホワイトトラッシュの脱獄犯がルイジアナの片田舎で呼んだ娼婦がとびっきりの女だった、というのは良しとしましょう、なんとか読めます。 娼婦に入れあげた挙句テキサス、ニューメキシコのホテルを転々とし、女を相棒にしてコロラドで現金輸送車を襲撃、というのも良しとしましょう。まだ読めます。 大金の強奪に成功した後は故郷に近いニューオーリンズで遊興三昧、この辺から思考回路の異常が露呈し始めます。 ニューオーリンズを出て故郷の町に舞い戻ると女がいきなり拳銃で警官を殺害。もういけません、ページを繰る手が重い。 警官殺しで二人とも逮捕され、大陪審前に拘置所から脱走するのはよいけど逃避先は再度コロラドの現金強奪現場。 その後は精神を病んだ男女の心象風景がグダグダと続くだけ。 大して面白い作品ではなかった。 | ||||
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「郵便配達~」に南部ゴシックを横糸で織り込んだような、感傷なき密度で紡がれる特殊文体/象徴的ノワール。 | ||||
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『白い悪魔』に続き、ノワール連チャン。呼び水のように似たような作品を読みたくなる気分というものがあるらしい。 しかも、今度のタイトルは白でなく黒だ。『白い悪魔』が、2016年の新しい作家による新しい作品であるのに比して、こちらは1953年に38歳だった新聞記者が書いたが出版的には不遇をかこってきた幻の作品である。 これまた一人称の語り口だが、こちらは何やら暗い過去のありそうな男、しかも危険な計画を肚に抱え込んでいる様相、そしてファム・ファタール<宿命の女>に出くわして古いキネマのような物語がかたかたと映写され始める。 徐々に明かされる男と女の正体。どちらも犯罪に手を染めて堕ちてきたが、若さや美貌や腕力が、未来を立て直そうという意欲とエネルギーに満ちている。 男=ティムの履歴は語りが進むにつれ明らかになる。太平洋戦争に駆り出されルソン島で日本軍の捕虜となり、戦後は何やらやらかして南部のパーチマン刑務所(『クロスロード』でも有名なロバート・ジョンソン他、何人かのブルース・プレイヤーもここ世話になっていたらしい)に収容されていた。囚人仲間から現金輸送車強奪計画の誘いを受けていたが、脱獄。プランナーはその時点で銃撃を受け死亡するため、ティムがその計画だけを抱える。 脱獄後ルイジアナの石油掘削に従事していたティムは四ヶ月の労働後現金を手にして、宿で娼婦を呼ぶ。これが女=ヴァージニアとの出会いとなる。ヴァージニアにも訳ありの過去があり、二人は意気投合する。 この先は犯罪小説のお決まりの進行となるのだが、文章書きを仕事とする作家チェイズの魅力は何よりもその語り口にありそうだ。時系列ではなく、徐々に明かされる犯罪の全体像。そして計画と準備。襲撃。逃走。ありきたりの犯罪小説と違うのは、まず男と女の愛情と破滅への予感がこの時代、フランス向けに相当輸出されたというロマン・ノワールの流れの王道であるからだ。 象徴とも言えるべき暗い18mもの深さの巨大な立孔の存在。一方で平和な住宅街での水撒きのシーン。白い雪面をおもうままにスキーで滑り転げるシーン。のっぴきならない会話の裏に探り合う疑心と欲望。男と女ふたりぽっちの青春と運命。 自分の生まれる前の小説を久々に読んだが、むしろ新鮮さを感じられるノワールの王道、スリルとその深さに身を委ねてのあっという間の時間であった。昔の映画館を出た時みたいな、、光り眩ゆい現実回帰みたいな、そんな感覚でぼくは本書を閉じた。 | ||||
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主人公とともに迷う | ||||
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