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ザリガニの鳴くところ
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ザリガニの鳴くところの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.39pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全203件 21~40 2/11ページ
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少女の抱える孤独と、それを取り巻く偏見についてが巧みに描かれていました。 少女の人生を追う過去と、男性の不審死を追う現代とが交互に描かれています。少女の成長と共に時代が現代へと追いつくと、少女は殺人容疑で起訴されてしまう。 ミステリーではなく偏見と向き合うヒューマンドラマではと思ってましたが、最後にはミステリーとして落ちたので読んだ後は感嘆の声が出てました。 とにかく伏線と情報の開示が巧みで、結末が「どっち」に転んでもあり得そうで、読み進める間は全く安心できないです。 | ||||
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殺人事件の解明でドーパミンがドバドバ出ることを期待した読者には落ちが物足りないようだ。 一方、愛着障害を抱えるような理系読者は主人公に共感し、その心の詩的成長と埋めようのない空洞を我が事のように感じるか。 読後の読み返しが味わい深い。 この寂寥感は森博嗣の「馬鹿と嘘の弓」を思い出した。 | ||||
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湿地に棲む生物や植物の表現がスゴい!筆者は動物学者らしいが、訳者の 叙述も素晴らしい。光景が目に浮かんで、どんどん物語に引き込まれる。 なので、ミステリのサイドストーリーは不要であった気もする。最後のオチ は主人公のキャラをぶれさせ、読後感が少し悪くなる。ミステリを期待して 読まないほうが良い。ただ、繰り返しになるが、湿地を舞台にした壮大なス トーリーとしてとても良く出来ている。おすすめしたい。 | ||||
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率直に言って、この話は、特に傑作でも、特別に優れた作品でもない。 何故、2021年本屋大賞翻訳小説部門第1位を受賞したのか、個人的には甚だ疑問である。 しかし、妙に心を捉えて離さない、不思議な余韻があるのだ。 父親が100パーセントの悪人だったら、家族を殴りいたぶるだけの存在だったら、母親が出て行った時点で、少なくとも主人公と一番下の兄は、福祉に保護されるなり、そういった対処がとられたように思う。 そして、この話は終わりだったと思う。 しかし、ごく僅かだが、子供に目を向けることもあり、釣りの仕方を教えたり、ボートの操り方を教えたり、生きる上での知恵を、父親なりに最低限、教えたのだ。 そして、主人公が賢く行動できる子供だった為、そういった事を身につけて、湿地で生きていく事が可能になったのだ。 そこに、一番下の兄のジョディの友人であるテイトが現れ、彼女に読み書きを教える。 ただ、読み書きや本を貰った程度で、本人の素地あり、ある程度勉強が出来るとは言え、湿地についての本を出版したり、論文を書くほどの学力が身につくのかは、個人的には疑問に思った。 テイトが、大学に行く為に、彼女から離れたのは仕方がない事だと思う。 若ければ、チャンスがあれば、自分の力を試したい、学びたい、と思うのは当然だと想う。 そこにつけ込んだのが、チェイスだったのだが、彼もまた、彼女の独特の魅力に惹かれていく。 ただ、現実の結婚相手としては、育ちが違いすぎる事を最初から分かっていて、遊び相手としてしか見ていないのだが、孤独というのは、そういう相手であっても、自分の元から去っていくのを恐れさせ、ずるずると関係が続く。 ただ、主人公の孤独というのは、一般的な平穏な家庭で育った人間には、到底理解できない、深く、深すぎるものだと思う。 そして、彼女は生涯その孤独から、抜け出すことはなく、この世を去って行った。 茂みの奥深く、生き物たちが自然のままで生きてる場所…ザリガニの泣くところに、彼女と一緒に還っていける人間は誰もいなかった。 主人公に都合の良すぎる展開の連続なので、普通なら読み過ごして終わりなのだが、そこを通り過ぎるだけではない、不思議な何とも言い難い余韻が残る。 図書館ではなく、購入したのだが、多分、ずっと手放さず、手元に置いておくと思う。 | ||||
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湿地に一人で住む女の一生を描いた本。繊細な自然が緻密に描かれていて心に響く。孤独でも自然に慰められ生きていける。汚い男性に示唆を舐めさせられるがそれも人生の妙だ。自然を研究する男性と結婚もするがそれはそれで幸せだ。 | ||||
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綺麗な状態で届きました。ありがとうございます。 | ||||
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『ひとりの双子』もそうですが この位の文量になると 翻訳が上手いと話の世界に 入りやすいですね 友廣先生 ありがとうございます | ||||
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優れた小説家がどれほど自然科学について取材して書いても、ここまで魅力的な小説は書けないだろう。長く自然を研究してきた著者だからこそ書けた、詩情あふれる文芸ミステリーと自然科学が融合した類まれな小説だと思う。 著者のストーリーテリングや詩の引用は巧みで、情景描写や比喩は見事というほかない。科学者として活躍しながらも文学の研鑽も続けていたことは明らかである。過酷な境遇を懸命に生きぬく美少女の物語は、現代のおとぎ話のようではあるが、感受性豊かな読者にはいっそう感情移入をして読まれることだろう。 私が特に印象に残ったのは、前半の舞い散る落ち葉の下で戯れるシーンである。近年まれにみる美しい名場面だと思う。その後の不誠実な男との関わりでは、主人公が傷付かないことを祈らずにはいられず、後半の裁判が始まってからは、判決が気がかりでページを繰る手が止まらなかった。読了後、映画版も観たが、原作を超えることはできなかったように思う。 本書は、読書の楽しさに改めて気付かせてくれるとともに、原生自然についての貴重な学びを得られる良書である。多くのヒトに読んでいただきたい。ただ、こなれた訳文はとても読みやすかったが、一部わかりづらい箇所もあり、その部分についてはいつか原書で確かめてみたい。 | ||||
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生物の繁殖描写と人間のそれとを比較して描いている点で大変興味深いし納得が行くストーリー。 でもブツブツと途切れがちでスムースでない。 すべて予想のつく展開。 | ||||
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動物学者が69歳にして初めて書いたミステリが全米ベストセラーになった。評判は聞いていたけれど、ようやく読む。 陸と海の境にある湿地・沼地とそこに生きる鳥などの生物の描写が見事だ。そして、ヒロインの女性カイアの孤独が迫ってくる描写も。カイアが災厄に見舞われて不幸になりそうで、途中で読むのがつらくなった(そして実際、災厄に見舞われるのだが)。貧乏白人の孤児であるカイアをさりげなく支える黒人ジャンピンとメイベルの夫婦も印象に残る。 後半の法廷部分の緊張はいや増すけれど、読み終わっての感想は、ミステリの部分よりもそれ以外の部分(自然描写や少女の成長の物語)の方がはるかに魅力的である。 | ||||
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時間ができたので、読んでみました。湿地で一人で生きて行く女性の賢さ、力強さ、弱さに共感を覚えました。自然の描写が素晴らしかったです。ミステリーとして読むと?となると思いますが、そんな要素はなくても充分面白いです。登場人物が少ないので、犯人の予測は誰でもできますが、ラストは、そうなのか…と思いました。少し、「その女アレックス」が重なりました。あまり主人公の心情の描写が多くないので、読み手が想像する余白があるのが良いです。ぜひ一読を。 | ||||
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「グレイス・イヤー」と同じように「つまらない」と星1つの読者は多い。 おそらく、自然や女性、絵画や詩を愛する者とは反対側の人たちなのだろう。 - ものすごい孤独と喪失の、後退型女子の物語。 カイアの激しい恥の感覚、すぐその場から逃げ出したくなる心情を痛いほど自分に重ねて読んでいく。 そう、遠くから見ている限り、捨てられたりすることはない。自分の感情を守るために引き退る。 独りで必死に行きてきた拒絶や虚勢ののち、周りの人を受け入れてやっと得たやすらぎに、祝福と羨望を重ねて、ときどき休まないと読み進められなかった、、、 14歳まで読み書きを知らなかったのに、教えてくれた初恋の青年。 カイアは湿地について知り抜いていて、科学者の目と芸術家の技で、描きためていた標本画が、湿地の貴重な本となり収入となる。←ここも私の泣きどころ どんなに独力でやりたがっても、やはりひとりでできることには限界がある。 - 私なら6歳で親がいなくなり、食べる手段がなくなった時点でギプアッフするかもな、、、美人はたいへんだな、、、 私が空腹に耐えられて、ボートに乗って会いに行くような価値ある美人なら、こうなったかもと。 男の子がやってくるのも、本能の一部だし、女の子にも自然の呼び声は、ある。 | ||||
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最初に映画を観てからこの本を購入しました。細やかな風景や人物の心情、鼓動の鳴り響く様子の描写が素晴らしく、翻訳した方の表現力の高さに感動しました。噛みしめるように読み進めています。 | ||||
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とても良い本です。 この本を読んだのをきっかけに、虫や野鳥、植物などへの興味が増して、歩くのが楽しくなりました。 | ||||
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you tubeで「捨てられて迫害された犬が悲しい目で、ブルブル震えながら人間を拒否 し続ける。保護しようとする愛犬家の熱意ある長期の優しさに徐々に心を開き、尾を 振って愛情を返すように変化してゆく。この小説を読んでゆく途中で浮かんだ映像だ。 まさに、カイアと重なる。 最後までグイグイと引っ張られてゆく物語性、DV、ネグレクト、差別、そして湿地 の自然史、孤独の中でも強く生き抜く少女の知恵と人間力、読み手の魂をこれでもか と揺さぶる。 何よりラストに愕然とする。チェイスの裏切りに対する報復?あんなに、深く自然 を愛する人間なのに、、、、、。 その矛盾に、どこにも救われなかった彼女(カイア)の深き悲しみと怒り、 そして、孤独ゆえの苦悩を知る。 また、ケイトのこころに想いを馳せると、さらに、その悲しみは深まる。 本当に凄い作品です。 | ||||
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予備知識なしで読み始めたけど、すぐ引き込まれていきました。冒頭の死体発見から、すぐ時を遡り、少女の成長譚になるので、それが魅力的でなければ間が持たないところ、実に素晴らしく湿地のどん底暮らしが描かれており、後半の裁判劇がなくても十分な成功作になっていたと思えるほどです。 で、この少女が不細工だったら、恋愛も事件も起こらないのだけれど、そこは小説、美女に育って教養まで身につけたから・・・。 この小説が好きな人にはランズデールのボトムズなんかどうでしょう。おすすめです。 | ||||
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作者の表現力の巧みさと緻密な描写に、すぐに引き込まれました。最初はどうなっちゃうのか心配でしたが、主人公はたくましく成長しました。最後の最後で真相についてのヒントはありますが、結局答えは霧の中です。あっという間に読み終わって、読んでよかったなと思います。素晴らしい小説です。映画も見ました。主人公の女性は魅力的ですね。私は小説を先に読んだので、小説の方が好きです。でも映画も良かったなぁ。この小説は知っていたのですが、買うまでに時間がかかりました。読んでみないとわからないものですが、まだ未読の方にはお勧めします。作者へ、素晴らしい小説をありがとう。 | ||||
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映画版を観てから、即読み始めました。 見比べると、話の時間軸が所々異なる点や、原作にしかないシーンもあれば、映画版にしかないシーンもありました。 個人的には最初に観たこともあってか、映画版のほうが感動は大きかったです。 原作にはないチェイスの発言で、チェイスのカイアに向ける気持ちがどういったものなのか、またチェイスの人物像の補完にもなりました。 また、物語終盤のカイアの発言も原作にはなかったもので、私個人としてはその発言、思いの吐露がそのタイミングでくるのがしっくりきました。 裁判結果の印象も、その発言でより深いものに感じました。 あとは主題歌が良過ぎて‥歌詞とともにエンドロールまで楽しむと、本当に素敵だなと感じる作品でした。 ですが、映画版にはない原作のシーンは多く、映画ではどういった背景でそうなったのかよく分からなかった父と母の過去、軌跡などが細かく描写されていたり、町の人の人物描写も映画より深く掘り下げられており、原作を読んで良かったなぁと更に感動しました。 湿地、沼地の表現などは実写も良かったですがやはり、原作の表現が素敵ですね。 所々に詩が出てくるところも好きです。 そこそこ長さもあり、話も比較的ゆったり進むので、結末がどうなるか知っていることもあり読む手が止まらない!という程ではありませんでしたが、2日かけてゆっくり噛みしめるように読んで、読了後はなんともいえない、素敵な気持ちになりました。 とても好きな作品ですが、映画版であった発言や表現がない分、ほんのすこし物足りなさも感じてしまい、そこで星を減らしました。 | ||||
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①ブッダにもイエスにも矛盾と「悪」はある。 (悪でないなら、殺生という形の食物を摂れぬ。なら餓死しかないではないか。 でもブッダも高齢まで生きたという。最期は食中毒死説が有力だが。) (「悪」の反対は「善」ではなく「愛」だ(と言う人が居る)。) 「いじめに遭った者は、いじめ返す」などと訳知り顔に言う脳科学者や心理学 者に簡単には堕さぬ【⇒”レジリエンス”の心こそ”臨床哲学のエッセンス!”】。 他人を批判せず、避難もせず。ゆえに人の批判・非難(ことに世界で仮に軽蔑・ 差別)されても屈しない。 ②「自然に還る」のも手。 (自然とは、”nature”と限定するのは必ずしも当たるまい。しかし空海に近 いと考えるのは、わかりやすかろう。本書の自然描写(=エコフィクション) は秀逸の極み。) (本物のエコロジーにこのマインドはある。生態学界がそれを理解している か否かは不詳(⇒不問)。少なくとも尋常の科学的センスではあるまいが。) (その埒・関心外;かつ羅什・最澄的ではない。観念と原理主義的だけでは 人は生きられぬと思う。「不二」は「空」ではなく、(空海的)全肯定。) ③学校だけが教育の場ではない。生涯のあいだ、いつでも、何からでも学ぶ。 (一方で”unlearning”のマインドも視野に。必要に応じていつでもそれも実 践。ネット時代のパソコン操作の”delete”の実践(⇒今流行りの「リスキリ ング」。) ④まさに、生老病死・四苦八苦。 (著者は仏教徒ではないはずだが、その心がわかっている。キリスト教でも、 その他すべての宗教が達しうるであろう意。) (69歳で初(?)と言う自然科学論文以外を書いた著者の創作力と意欲に乾 杯! 感服! まさに人生100年時代の鑑!) ⑤読まずにおれまい。 (今からでも。) (心にしみる小説。) (こういう例は、音楽、絵などなどにもある。でも現在の政治・経財界、及び マスコミの上層部には、そのごく一部を除いて、概して無さそう。いやマスコ ミには多いか? いずれにせよ、なくてもやむなし。諦観・諦念。) ⑥世界は広い。そういうものが現れ、現に在り、接し、心に沁みる珠玉に接し、 体験できる「幸福ってあるもの」とつくづく思う。 ⑦わが子には③を除いて残念ながらもはやおおかた間に合わぬが、まだ見ぬ孫 には十分間に合う。その時期を見計らって話をしたい。そして本書も贈りたい。 楽しみが増えた。有難い。 | ||||
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文芸ミステリの最高傑作。 私の拙い言葉ではお伝えできない。 是非、読んでみてください。 | ||||
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