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(短編集)
〈あの絵〉のまえで
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〈あの絵〉のまえでの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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著者お得意の「長編美術歴史小説」ではなく、初期によく書かれていた「善人の善人による善人のための小説」であり、読むとエネルギーをもられる短編集です。こんな時期ですので、世界中の美術館自体も閉館中ですが、活力をいただけたことに感謝しつつ、ここでみんなでがんばって再開を待ちます。 日本人あるある、で「海外旅行中の著名美術館」や「海外美術館からの借り出しによる特別展」には足を運びますが、やはり近所の美術館でその地域にゆかりのある作品をゆっくり見ることが正しいファンのありようかとも思います。 もちろん作品ごとに出来不出来もあり、オチが予想できたり、ちょっとまえに流行った歌とネタが同じでは?というものもありますが、半年にわたって毎月書き続けた著者の熱量に脱帽です。 | ||||
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全世界的に外出が憚られる今日この頃、よくよく思い悩んだ上で美術館にも行けず、ひとつの代替案として「<あの絵>のまえで」(原田マハ 幻冬舎)を読むことになりました。原田マハは、勿論「楽園のカンヴァス」が嚆矢と言っていいのかと思いますが、実は「暗幕のゲルニカ」に違和感を感じて、少し読むのを控えていました。気軽に読めた「いちまいの絵」からしばらく経過しますが、今回の読書に至ります。テーマは、日本各地の美術館。6つの短めの「短編」が収録されています。 ①ハッピー・バースデー・広島。ゴッホ。帰るべき場所、出会うための場所。 ②窓辺の小鳥たち・・・・岡山。ピカソ。かつてはたくさんいたような二人、でも今はあまり見つけられない二人。 ③檸檬・・・・・・・・・箱根。セザンヌ。森の中の美術館は終わりのはじまり。 ④豊穣・・・・・・・・・豊田。クリムト。そうなんだろうなという展開ですが、そうであってほしい結末ですね。 ⑤聖夜・・・・・・・・・長野。東山魁夷。そう、<あの絵>のまえで。 ⑥さざなみ・・・・・・・直島。モネ。好きな絵のまえに佇むとき、湧き上がる「感謝」を誰も抑制することはできない。 あまり難しいことは言わずに、ある時間の流れの中で六ヶ所もの美術館を訪れることができたことを「さざなみ」の私のように感謝したいと思います。 だいぶ前のことになりますが、「檸檬」で描かれた美術館にて、一緒に行ってくれたある女性がピカソの絵の前でしばらくの間佇んでいました。青の時代、海辺の小舟の前で幼子を抱いた女性が花を手向けながら祈るそのピカソ・ブルーの一枚の絵を前にして、彼女は一言「私は誰の子供でもいいから、子供が欲しい」と言ったことがありました。手向けた花の「赤」を思うとき、そのことを度々思い出します。 | ||||
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