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赤毛の男の妻
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赤毛の男の妻の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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バリンジャーでは、歯と爪とNo.1を争うと思います。 短いが臨場感あふれる、スピードのある展開がすばらしい。 | ||||
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脱獄囚ヒュウ・ローハンは、生き別れになった妻マーセデスが結婚していることを知る。マーセデスはヒュウが戦時中に死亡したと思っていたのだ。逃亡中のヒュウがマーセデスを訪ねたとき、現在の夫アルバート・ターナーとの間に悶着が発生し、ヒュウはアルバートを射殺してしまう。ヒュウへの愛を失っていなかったマーセデスは、ヒュウとの逃避行を決意する。 ・・・ ストーリーは、ヒュウとマーセデス、そして彼らを追跡するニューヨークの刑事(作中では”ぼく”)の行動を軸として展開する。章毎に、追うもの=刑事と、追われるも=ヒュウとマーセデスの視点がスイッチする構成。沈着冷静に逃亡の計画を主導するマーセデスと、除々に精神状態が不安定となるヒュウを三人称で、彼らの行動を推理し、追跡を続ける刑事を一人称で語っていく。 最初、ちょっと違和感を感じたのだけれど、これが実に練りに練っていることに気づく。ストーリーが進むにしたがって、重荷になっていくヒュウと、それでも愛をつらぬき、有能さを発揮していくマーセデス。淡々と語られるほどに、二人の切迫感が強い印象を残すことになる。 捜査の過程で、ヒュウにシンパシーを感じ、二人の関係性を洞察する刑事。読者はマーセデスの繰りだす打ち手を知っているだけに、刑事がどのようにそれを看破していくか興味をそそられていく。 刑事と、刑事の存在を心の中で感じつづけていたヒュウが交差するとき、クライマックスがおとずれる。 決着のつけ方は、これ以外ないはないと思うのだが、この作品の味わい深さを高めているのは、なんといっても最後の2行。ここにきて、作品が意図するところ、つまり、ヒュウがなぜ赤毛の男でならなければいけないのかわかる。刑事の心情や、行動を振り返るにつけ、余韻にひたりながら本書を閉じることになるだろう。 | ||||
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脱獄囚ヒュウ・ローハンは、生き別れになった妻マーセデスが結婚していることを知る。マーセデスはヒュウが戦時中に死亡したと思っていたのだ。逃亡中のヒュウがマーセデスを訪ねたとき、現在の夫アルバート・ターナーとの間に悶着が発生し、ヒュウはアルバートを射殺してしまう。ヒュウへの愛を失っていなかったマーセデスは、ヒュウとの逃避行を決意する。 ・・・ ストーリーは、ヒュウとマーセデス、そして彼らを追跡するニューヨークの刑事(作中では”ぼく”)の行動を軸として展開する。章毎に、追うもの=刑事と、追われるも=ヒュウとマーセデスの視点がスイッチする構成。沈着冷静に逃亡の計画を主導するマーセデスと、除々に精神状態が不安定となるヒュウを三人称で、彼らの行動を推理し、追跡を続ける刑事を一人称で語っていく。 最初、ちょっと違和感を感じたのだけれど、これが実に練りに練っていることに気づく。ストーリーが進むにしたがって、重荷になっていくヒュウと、それでも愛をつらぬき、有能さを発揮していくマーセデス。淡々と語られるほどに、二人の切迫感が強い印象を残すことになる。 捜査の過程で、ヒュウにシンパシーを感じ、二人の関係性を洞察する刑事。読者はマーセデスの繰りだす打ち手を知っているだけに、刑事がどのようにそれを看破していくか興味をそそられていく。 刑事と、刑事の存在を心の中で感じつづけていたヒュウが交差するとき、クライマックスがおとずれる。 決着のつけ方は、これ以外ないはないと思うのだが、この作品の味わい深さを高めているのは、なんといっても最後の2行。ここにきて、作品が意図するところ、つまり、ヒュウがなぜ赤毛の男でならなければいけないのかわかる。刑事の心情や、行動を振り返るにつけ、余韻にひたりながら本書を閉じることになるだろう。 | ||||
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本作は『歯と爪』の翌年に発表された作品で、同作と並ぶバリンジャーの代表作です。あらすじは実に単純。逃亡する殺人者と追いかける刑事の模様を描写したという、それだけの話です。普通の推理小説であれば、クライマックスの数ページ分のエピソードで済むような話を延々と一冊にわたって書いているわけです。逃亡者がどうやって逃走資金を調達するかとか、刑事がどんな手続きで別の州の警察の協力を仰ぐかといったディテールを丹念に描くことによって、犯人と刑事の双方に対して読者の心に思い入れを起こさせることに成功しています。犯人が主人公の章と刑事が主人公の章が交互に表れるのですが、読者としては前者を読んでいる時は犯人を応援したくなり、後者を読んでいる時は刑事を応援したくなるのです。 | ||||
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本作は『歯と爪』の翌年に発表された作品で、同作と並ぶバリンジャーの代表作です。あらすじは実に単純。逃亡する殺人者と追いかける刑事の模様を描写したという、それだけの話です。普通の推理小説であれば、クライマックスの数ページ分のエピソードで済むような話を延々と一冊にわたって書いているわけです。 逃亡者がどうやって逃走資金を調達するかとか、刑事がどんな手続きで別の州の警察の協力を仰ぐかといったディテールを丹念に描くことによって、犯人と刑事の双方に対して読者の心に思い入れを起こさせることに成功しています。犯人が主人公の章と刑事が主人公の章が交互に表れるのですが、読者としては前者を読んでいる時は犯人を応援したくなり、後者を読んでいる時は刑事を応援したくなるのです。 | ||||
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追うものと追われるもののふたつのシチュエーションが並行して展開され、最後に見事な結末を迎える。その手法は同じくバリンジャーの「歯と爪」と同様で、先の展開が気になって読むのを飽きさせない。感想をそのまま書くとまだ読んでない人に結末がわかってしまい申し訳ないので、「人間の真の気持ちはわからないものだ」くらいにとどめておきます。刑事が犯人を追い詰めていく過程に少し無理があるような気がした(これも作者のミスリードか?)ので、限りなく星五つに近い星四つ。 | ||||
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追うものと追われるもののふたつのシチュエーションが並行して展開され、最後に見事な結末を迎える。その手法は同じくバリンジャーの「歯と爪」と同様で、先の展開が気になって読むのを飽きさせない。感想をそのまま書くとまだ読んでない人に結末がわかってしまい申し訳ないので、「人間の真の気持ちはわからないものだ」くらいにとどめておきます。 刑事が犯人を追い詰めていく過程に少し無理があるような気がした(これも作者のミスリードか?)ので、限りなく星五つに近い星四つ。 | ||||
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