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(短編集)
ふがいない僕は空を見た
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ふがいない僕は空を見たの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.91pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全131件 61~80 4/7ページ
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前評判で手を出すと、たいてい面白くなかったり自分に合わなかったりするが、これは違った。 タイトルも軽いなーなどと思っていたが、この作品がデビュー作とは思えないほど完成度の高い小説だった。 各短編の主人公たちのそれぞれの視点で描かれ、全体として絡み合う、よくあるパターンではあるが、何か違う。 表現がうまいといわれればそんな気もするが、どちらかといえば表現の思い切りがいい印象。 そしてこれはすごいことだが、各章にムラがない、すべての人物が深いし面白いし哀しい、その周りの登場人物ひとりとして穴がない。 また個々の人物が抱えるものは極めて重たいが、全体としてみると著者がテーマとしてるものが、じんわりとした読後感を抱かせる。 これからが楽しみな作家。 | ||||
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映画を見損ないましたので購入しましたが有りそうで複雑な内容でした。 | ||||
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主婦とのセックスに耽溺している高校生の斎藤、その相手で姑から不妊治療を迫られている里美、斎藤のことが好きな七菜、斎藤の友達の良太、そして斎藤の母をそれぞれ語り手にした連作長編。 かなり激しい性描写があってたじろぐ。調べたら冒頭の1章は「女性が書く、性をテーマにした小説」を広く募集していたR−18文学賞大賞を受賞していた。それと同時に(フィクションではあるのだが)登場人物の抱えるそれぞれの「欠損」―生育歴や家族の不全や貧困など―と閉塞感にもたじろぐ(その点で同じような構成の『桐島、部活やめるってよ』の「爽やかさ」と対照的かもしれない)。そういった重い性/生を描くからこそ、たびたび登場する(斎藤の母の助産院での)出産のシーンも生きてくるのだろう。「生まれてきたからには生きなければならない」ということか。秀作。 | ||||
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ふがいないボクと照らし合わせてみる。 どんなことがあったにせよ、そこには生きていることのカケラがあり、前を向いてさえいれば、道は細くとも繋がっている。 それぞれの事情、それぞれの立場を受け入れていくことが、生きて行くことなんだと思う。 | ||||
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一つの事件を,異なる複数の立場から書いた作品です.第一章が男,第二章が女,第三章が男に思いを寄せる女の子…と言った具合です. 第一章(表題作)は性描写がしつこくて読むのをやめようかと思いました.第二章はテーマが重く,やはり辛くて途中で読むのをやめようかと思いました. 作者の意図は分かりませんが,「家族という人のつながり」をテーマとして読む事が可能で,そう読んでいくと最終章は非常に読み応えがあります.最終章だけでも良かったのではないかと思います. | ||||
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でも、読後感はしんみりしてしまいます。 いかにも、今風な作品だと思います。 最後、主人公が誰なのか曖昧な感もしますが・・・ | ||||
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他者の評に"どぎつい"と書かれているのを見ますが、僕に歯何が"どぎつい"のかさっぱり解りません。(これを"どぎつい"と思う人ってどんな生活してるのかしら?) 全体を通して感じるのは、爽やかなやるせなさと希望です。 この一作でファンになってしまいました。 | ||||
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新潮文庫の100冊で扱かわれている「ワタシの一行」を 単行本で、しかも僭越ならば選ばせてもらうと、 P.184(セイタカアワダチソウの空) 「おれは、本当にとんでもないやつだから、それ以外のところでは、とんでもなくいいやつにならないとだめなんだ」 という一行が自分の抱えていたもやもやをすっと解決してくれました。 学校では、別にいい子でいたい訳ではないけれど、 なんとなく言われたことを守ったり、全力で頑張ってみたり、肩を張って過ごしていました。 友達から、「真面目だよね」とか「いい子だよね」と言われても、そういう訳じゃないんだけどなと思っていました。 たぶん、自分は不器用なだけで、いい感じに手を抜くとか、楽をすることが苦手なだけです。 この一行に出会って、自分が生きてきた人生はそういうことだったんだなと思えるようになりました。 本筋である「斉藤くん」を中心とした話ではなく、 友達の「福田」が主となった話である「セイタカアワダチソウの空」は、 全体としても個の作品としても読者をぐっと惹きつける話です。 | ||||
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文句のつけようがないほど端正な文章と見事な筆力。随所にキラリと光る美しく豊かな表現には何度も驚嘆しましたが、あまりの出来すぎ感に何故か否定的な思いを燻らせながら読み進めました。そしてたどり着いたラスト二十数頁、わだかまりはすぅーっと消え去り、無性に空を見上げて泣きたい気分になりました。 | ||||
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他の方のレビューみたいな文学的素養を垣間見るようなレビューはかけないのですが、この本を読み終わったあと、急に視界が開けたような気がしました、どうしようもない穴だらけの人生だけど、精一杯生きる、たったそれだけのこと、でもそれが難しい、だからこそ苦しい、でもそれは自分だけじゃない、頑張ろう、この本を読んでそう思いました | ||||
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性描写は大したこと無いです。 多かれ少なかれみんなこんなもんでしょ。 それより、なんかある種の女性作家特有の対象に対する甘さ、というか夢見がちな部分が所々にはみ出そうとしていて、 それをかなりの努力で押しとどめている、という気がします。 それを消すために、背景の設定を暗く救われなくしたのかな、という気もしました。 助産師という設定が出て来たところでステレオタイプの「生命讃歌」みたいになりそうで、 白けた気分になりそうだったんだけど、そこをなんとか頑張って回避しているという感じ。 勉強を教えてくれる人のところもね。「よく頑張ったな」と作者に言ってあげたくはなるが、 ちょっとその乙女チックな幻想は消した方が楽だろうな、と思いました。 作者は本当はものすごく乙女チックな世界を夢見ているんだと想像されます。 でも、見聞きしたり、知りたくなくても知ってしまう現実はそれを許していなくて 必死にその現実に合わせようとしている感じがします。 この小説ではなんとか踏ん張りきったかな、と思うし そのおかげでなんとかバランスを保っているけど、 たぶん、他の作品では失敗もしているだろうな、と容易に想像されます。 登場人物たちも作者の持つ感傷を、体現しています。 ただ、それって実はものすごく現実的というか センチメンタリズムを諦められなくて、人生の苦みにめったうちにされるってのは よくあることなので、逆にリアルになっちゃってて そこがこの小説のできを良いものにしているように思えました。 気に入りました。 | ||||
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かなり性描写が多い内容、と読む前にレビューを見ていたので 読んでみてそこまで・・・と、思ったのは私だけだろうか。 第一章は過激だったが、そこからは薄れていく。 著者が伝えたかったのは性に関してのなにかではなく、命についてであろう。 それぞれの登場人物の命に対する思いが語られていて、前半は性について後半は命について描かれている。 最初性に関してそれほど驚きがない内容だったために本を読む手を止めようとしたが 読み進めるうちに手が離せなくなった。 是非最後まで読んで著者の想いを味わってほしい。 | ||||
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最初は、率直な性の描写に抵抗を感じましたが、次章へと読み進めるうちに、性を切っ掛けとして生命や人生を伝えているのだという事がわかってきました。 主人公が変わる事で、一面性からだけではわからない、苦しみや愛が伝わってきました。 私も、バカな恋をした事のある人間として、母として、子供として。 感じるものはたくさんありました。 素晴らしい作品だと思います。 | ||||
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予想通理かなりエッチっぽいとこらがありましたが、どんどんとのめり込むようにすぐに読みきってしまいました。 とてもおもしろい作品とおもいます。 | ||||
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久しぶりに面白い本に出会えました。 前作よりもパワーアップした、ドライブ感のある展開で 一気に読んでしまいました。 読破後も余韻の残る素敵な作品です。 | ||||
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久しぶりに本を読みました。 映画を見る前に原作を…、と思い購入。 本は読むとすぐに眠くなってしまうのですが、そんなことはなく、気がつけば読み終わっていました。 切ない気持ちにもなり…、どんな風に映画化されているか楽しみです。 | ||||
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性にフォーカスした五つの物語。それが全て連関して、最後には崇高とも思える、しかも地に足のついたラストへと昇華する。 いくつも賞を受賞したのがうなずける傑作です。 ただ、感情移入という点から言いますと、「八日目の蝉」と同様、あまりにも女性女性した視点で、男性である私にはいまひとつ入っていけませんでした。 文章や内容に感嘆しつつも、「感情移入」の点で星ひとつのマイナスとしました。 しかし、この窪さんという作家は大変な実力者であることは間違いなく、別の作品を読んでみたいと思いました。できれば性がからんでいないものが読みたい。性がからむと、男女差が大きく現れてしまいますから。男性が書いたポルノを女性が読まないように、女性側から見た性は、男性の生理とはやはり少し違うのです。 | ||||
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第二章では、ですます調の文体に、久しぶりに声を出して笑いながら小説を読んでしまった。 私が大学生の頃、東京都稲城市を一つの国家として、想像しながら遊んでいたことがあった。 是政駅に行くときは、パスポートが必要だ、なんていいながら。 多摩川の対岸で起こる出来事に、島田 雅彦さんの「彗星の住人―無限カノン」を思い出した。 | ||||
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本作は窪美澄氏による山本周五郎賞受賞作。 全5編を通じ、斉藤君を中心とした「コスプレ・不倫」事件を共通の背景としていが、 5編とも主人公は異なり、それぞれが抱えたやっかいなことに向き合う様が描かれている。 最も印象に残ったのは「セイタカアワダチソウの空」である。 主人公・セイタカの境遇は、周囲の同年代に比べて決して恵まれているとは言えない。 幼い頃に父を亡くし、一緒に暮らす祖母は痴呆、母はほとんど家に帰ることがない。 彼は生活のために複数のアルバイトをこなすしかない。 そんな彼にアルバイトの先輩である田岡が手を差し伸べるが、田岡も人には言えないやっかいごとを抱えていた……。 私自身にしろ他の読者にしろ、真にセイタカ少年に共感できる者は少ないだろう。 痴呆による徘徊を繰り返す祖母の面倒を見ながら、明日の米の心配をした経験がある者がどれほどいるか? 空腹でふらふらになったとき、友の母から差し入れられたおにぎりをむさぼり食べた経験がある者がどれほどいるか? 作者は決して「困窮する少年」を描きたかった訳ではないのだろう。 しかし、大人と子供の狭間ともいえる年頃、「ぼくは何かに守ってほしかった」という彼を思うと胸が痛くなった。 (そして現れたヒーローも決して完璧ではなかった) 本作5編を通じて、大団円はない。 幸せな結末も、不幸せな結末もない。 「それでも彼らは現実を受け止めた上で、彼らなりに前に向かうのだろう」と勝手に想像して、ふがいない読者は自らを納得させるしかないのかも知れない。 | ||||
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生臭い、泥臭い、なのにどこか爽やかな物語です。 大賞を幾つも取ってるだけに面白いのは確かです。 人の人生のようにスッキリしない、そんな感じがこの本の面白さでしょう。 高校生男子と主婦のコスプレ不倫変態セックスの場面から始まり リレー形式で主人公が変わり、回想しながら時間軸が未来へと進んで行くショートストーリの映画でも見る感じの小説です。 リレー形式で主人公が変わりますが、視点が変わると人物の印象ががらりと変わって驚きます。 人生の陰に隠された過去の傷が、彼(彼女)も人也ってのをよく表現されている思います。 高校生の子供から大人に成長していく、成長物語がテーマの一つ だと感じたのですが、高校生時代をキーワードとしてその後を繋いでいく感じは、この物語では重要な感じが致しました。 生きるって綺麗ごとだけじゃないし、男の性、女の性・・・性欲も物欲も人はあるのだし、間違え、傷つけ、傷ついても、それでも共に生きて行く、人の強さも描かれています。 おすすめの一冊です。読んで損はありません。 | ||||
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