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まほり
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まほりの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.69pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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【良かった点】 ここはおおむね事実なのだと思うけれど、過去の貧しい時代の、人々の恐ろしく過酷な状況には慄然とさせられた。 このような歴史の上に今の自分たちが存在しているのだと思うと、襟をただしたい気持ちになる。 「まほり」の意味が判明する場面は、ぞくっとした。 【良くなかった点】 他の方も書かれているが、耳慣れない単語と専門用語で埋めつくされた、神社や民俗学関連の膨大な量の情報が全体の7割ほどを占めていて、それがある内はほとんど動きがないので、読み進めるのにかなりの忍耐力が必要だった。 物語は下巻の100ページ目あたりから、ようやく動き出す。 ただその展開は、表紙の妖しさや、古文書の凄惨な内容から連想されるようなものではなく、とりたてて残酷なことや恐ろしいことも起こらず、むしろ爽やかな結末を迎えるものになっている。 好みの問題かもしれないが、個人的には物足りなく感じた。 地味で目立たないオタク系男子大学生の主人公と、彼の幼なじみの美人で朗らかなヒロインとの、ムズムズする、ラノベや萌え系アニメのような恋愛描写。 方言丸出しの男言葉でしゃべるヒロインの設定も、悪い意味で漫画的。 主人公と同世代の男性読者を意識してのものなのかもしれないが、大人の鑑賞に耐えるとは言いがたい。 子供がいないという設定の集落にいる少女の、出自の説明がない。集落の誰かの子なのか、さらって来た子なのか。 二重丸が書かれた紙が、なぜ橋脚に大量に貼られていたのかの説明がない。 緻密に状況が描かれる神社やその近辺の場面とは対照的に、そこ以外の場所の風景、建物、部屋などの状況描写がほぼない。 【総評】 メインの事件自体は誰もが想像する通り、閉鎖的な共同体の因習に起因するもので、特段、目新しいものではない。 民俗学的アプローチから謎を解いて行く点が、本書を特徴づけているのだけど、やはりそこの分量が多すぎる(著者の博識には感心するが)。 ここをある程度けずって、もう少し人間ドラマと動きのある物語に振ってくれていたら、高評価できたかもしれない。 | ||||
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折角主題のストーリーが興味深いのに付随する蘊蓄が多すぎる。話が進むかと思いきや脇にそれるような感じ、蘊蓄は飛ばし主たる話筋のとこだけ読むようにしている。もしかして上下に分ける必要もなかったのかと・・・ 私個人は思う。残念。 | ||||
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古文書の解読が多くて退屈な感じ。 その辺を省いて1冊にまとめたほうが面白そうに感じた。 | ||||
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民俗学ミステリーとのことで期待したものの期待外れ。 本筋のストーリー200p、学術知識や資料の集め方、データの整理方法300p。 一体何を読まされているのか。小説を買ったはずですが。。。 一見ムダに思える記述もストーリーの伏線なのかと真面目に読んでみたものの全く関係なし。 膨大な知識量を扱う作家といえば京極夏彦氏や三津田信三氏が想起されるが、両氏の作品はあくまでもストーリーが主体。しかも語られる学術知識は事件に対して重要なファクターとなっている。 本作のような知識>ストーリーな作品は小説である以上、「こんなに知識豊富なオレすげー」的な自己満足本といった印象を持ってしまいます。 | ||||
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※以下多少のネタバレを含みます 「京極堂をはじめて読んだ時と同じ衝撃を味わった」「百鬼夜行シリーズ好きな人におすすめ」とのレビューを見て購入しました。 結論から言えば、百鬼夜行シリーズをはじめて読んだ時ほどの衝撃を私は感じませんでしたし期待はずれでした。 タイトルにもなっている「まほり」の由来を割と序盤で察することができるのがひとつの原因だと思います。 なので読んでる側としては大体察しがついている「まほり」の意味に主人公が気付くまで冗長な史料解読を延々と読ませられます。これが正直苦痛でした。 主人公があれだけ作中でデータがデータがと繰り返していたのに、最初に「まほり」の由来だと思った間引きの隠語である「芋掘り」という言葉が実際にこの地域で使われていたのかすら調べないのはどうなんですかね。院を目指している優秀な学生という設定なら尚更。 洞から出てきた子供に眼球が無かったという古文書の記述になんの関心も違和感も持たないのも不自然だと思います。普通そんな記述があったらそこに引っかかると思うのですが…… これは私が浅学なのもありますが、作中に出てくる言葉が「借問、規矩準縄、濫觴、浩瀚」など普段あまり使わないようなものが多く、もう少し平易な単語に置き換えてくれた方が話に入り込めたと思います。 それと、余計な描写が多いように感じました。主人公が集めた史料をパソコンにどのように纏めているかなんて読み手としてはそこまで詳しく知りたいことではないですし特に物語上重要なわけでもなかったので、そこを詳細に書くならもっと物語上で鍵となる主人公の母親の事や巫女の少女の事を描写してほしかったです。特に母親に関しては主人公がこの調査をはじめるに至ったきっかけともいえる存在なのに、後半ほぼ母親に対する言及がなく最後に急に話に出てきて終わりだったのが残念でした。 主人公の母はどういう経緯で父と出会ったのか、巫女の少女の出自、あの儀式を終えた巫女は村でどのように過ごすのか、過去の巫女たちはどうなったのかなど、読んでいて1番知りたいと思った事がほぼ謎のままなのはどうかと思います。 最後の少女救出シーンも主人公が少しかじった程度の法律知識で村人たちをやり込めるという方法で少々肩透かしを食らいました。残酷な儀式を現在まで続けているのにちょっと法律を持ち出されたら何も言い返せなくなって主人公たちを開放する村人たちっておかしくないですか? 現代社会において非人道的といえる儀式を行う理由をもっと村人たちの口から直接聞きたかったです。主人公が法律知識ベラベラ喋ってただけなので京極堂の憑き物落としの時のようにカタルシスを感じることもないですし…… あと、主人公の恋愛パートは別にいらなかったと思います。自然な流れならよかったのですが急に恋愛描写がねじ込まれて読んでいて不自然に感じました。 全体的にストーリーに緩急がなく、主人公はほぼずっと史料集め、もう1人の主人公である中学生が冒険パート担当って感じで続いて特に大きな山場もなく終わります。 ネットでよく見るいわゆる洒落怖的な話を豊富な語彙と史料でそれらしく見せているだけという印象。作者の知識をひけらかすためにここまで長編になっただけ。 百鬼夜行シリーズを読んだ時の様な、全てのピースがラストの京極堂の語りで綺麗にはまるあの感覚がまた味わいたかったのですが、それを期待して読むと少々期待はずれだと思います。 | ||||
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どんでん返しを期待して、最後まで読みましたが、かなり無理して読み続ける必要がありました。そして、その努力は残念ながら報われませんでした。 不満を覚えた点は、下記のようにいくつもありました。 - 物語を引っ張る要素が散漫で魅力も乏しい。(二重丸の札の由来、少年が山中で出会った少女の謎、主人公の出自、山村に伝わる因習など、それらしき要素は出てきますが、どれも中途半端です) - 起承転結が無く、物語が単調な割りに長い。 - 3人の視点人物を切り替えながら、三人称で記述しているが、切り替えが分かり難い。さらに行動の背景などを説明するために、視点人物以外の地の文を使う場合も多く、唐突な説明が入るため、ストーリーが分断されたような印象を受ける - 基本的に過去形を使って記述しているが、ところどころ現在形の記述が混じり、読んでいて違和感を感じる - 文献等のコピーがいくつも挿入される章があるかと思えば、同じような文献、碑文などの史料を扱っている他の章では一切ないなど、全体的な統一感に欠ける 古くからの因習とか、まじない、伝承といったモチーフを使った小説はたくさんありますが、残念ながら本書は、作者の書きたいことと、作者の書けたことの乖離が大きかったように思います。 | ||||
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初めての作家の初めての作品を読了。民俗学、社会学、歴史等の知識のオンパレードであり、ミステリー小説の要素がほぼゼロ。約500ページの長編小説であるが、最初と最後の合計100ページだけで十分で、エコを無視した紙の無駄遣い。紹介した資料が正しいものであれば、ミステリー小説にせず、社会学の本として出版すれば良いだけ。 | ||||
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題材的にはものすごく好きな部類でしたが、とにかく色々説明が長くて回りくどいし要らないやり取りもかなりあって途中で何度も挫折しそうになった。 しかし、好きな人はものすごく読み応えがあると思う そして、読了してもどうも消化不良の部分が多くて、無駄に長くするな両親の出自や少女のもっと掘り下げた説明をきちんとしてほしかった。 文章も読みにくいし実際は半分ほどのページで事足りるのではないかと思ってしまった | ||||
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神仏習合を初めとする神仏(宗教)に関する作者の薀蓄が多くて、本作のテーマが良く掴み難いが、概ね、以下の様に物語は進む。主人公は不思議な和装の少女の振る舞いを目撃した疎開少年の淳と、琴平と記す金毘羅伝説(二重丸(蛇の目)の札貼り伝承)に興味を持つ社会学専攻の大学生の裕。裕の亡母は戸籍を持っていなかったという謎を持つが、旧姓は琴平または毛利と言うらしい。群馬県に帰郷した裕は神楽で淳とすれ違うので、2人の生活空間は近接している。裕は伝承の通りに山道を歩くが、天明大飢饉の際の食人・間引きに辿り着く。 しかし、飢饉の際の食人・間引きの話は全国各地の農村にあった筈なので、ワザワザ本作のテーマとする謂われがない上に、和装の少女や裕の亡母との関係はどうなっているのか ? 裕は更に山村の探索を続け、毛利神社(廃社)を発見し、「琴平=水神、毛利=竜神」とする。裕が巣守郷という集落から追い出された時、やっと淳と出会う。淳は和装の少女が"蛇の目"の紋の下駄を履いていたと言った上で、少女が巣守郷で監禁されていると言う。ここまで読むと、巣守郷は毛利神社を信奉する周囲と隔絶した(された)ほぼ廃村の禁忌の集落で、裕の亡母も巣守郷出身ではないかと思う。更に、裕は文献を調べて、「毛利」の古い読みが「めほり」あるいは「まほり」であった事を突き止める。少女は巣守郷の巫女候補あるいは生贄であろう。「毛利」が「めほり(目堀り)」だったとすれば、目を生贄として捧げる巫女という事になる。 ラスト、裕が母の形見と称して"蛇の目"の縞が入った義眼を取り出した時点で全ては繋がるが、500頁近くを費やして特殊集落の儀式を浮き彫りにするだけじゃ物足りない。読者を楽しませようとする姿勢に欠けた物語性に乏しい作品。文献学・言語学・民俗学の史料を読まされている様で読破するのに苦労した。 | ||||
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国語学等から字の語源を探る等面白い面はあったが、実際現在そんなことがあるのかという事件設定で入り込めませんでした。残念 | ||||
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ストーリーもキャラクターもいいが、小説としては失敗作だと思います。 地の文※にやたら難解・難読な漢字が出てきて 「俺の小説読むんだったら、これくらいの漢字、トーゼン理解できるでしょ」 的な、作者のチンケなインテリジェンスの大盤振る舞いが鼻につきます。 少なくともわたしは(最後まで読んで)再読したいとは思えませんでした。 ※ 民俗学や社会学的な背景のために学術専門用語が出る、ではありません。 平易な用語で言い換え可能にもかかわらず 「浩瀚さ、肯った、繙く、法面、蟠る ...」などの文言がひっきりなしに出てきます。 ルビもあったりなかったりなので、辞書を引くのも一苦労です。 法学関係者の冗談で、正しいプロポーズとは 「君、僕と婚姻してくれたまえ」である ならば、まだ笑える範囲ですが、本作は ... | ||||
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