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マーダーボット・ダイアリー
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マーダーボット・ダイアリーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全73件 61~73 4/4ページ
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久しぶりに最新のSFを読みました。いつもおすすめに出てきてたけど、なんとなく表紙が微妙だったのでスルーしてましたが、読むものが無くなったので購入。 いやー、びっくりしました。こんな面白いSF、ボットもの、初めて読みました。朝までかかって上巻読み、翌日も朝までキンドル閉じれずに下巻一気読み。最後の章にいたっては、このまま読み終わりたくない、この世界を終わりにしたくないと、本気で寂しさを感じながら、1ページ1ページ大切に読みました。 論理やディテールについては新しくない、むしろ普通のSFだったらつまらない内容だったかもしれません。でもロボットのあまりに人間的な物言い、設定、登場人物、その視点の違いでここまで面白くなるものなのかと。 いやーほんと、いまだに読み終えてしまったことが寂しい。 久しぶりにこんな経験できたこと、嬉しく思います。 どうやら続編も出ると聞いて、その寂しさも少し薄れて一安心です。たのしみ。 | ||||
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非常にユニークな作品。何がというと、先ず自分のことを「弊機」と謙遜していることや、やたら人間との接触 特に会話を嫌い、そのくせ人間の性格や交友関係、会話などを子細に観察。気にしている。 次に物語は弊機の一人称形式で進行する。丁寧語を用いたいわゆる敬体文で語りかけているが、一体誰を相手に しているのだろう?いや、対人恐怖症警備ユニットの人間性の現われなのかもしれない。それに一人称形式の特徴 である客観的事象の描写が不能な分、ITシステムを網羅してカバーしているし、自分に降りかかる恐怖などについ てはクールな目線で描いていて、ホラー映画を観ているよう。 謎の調査隊の正体や彼らの意図するものを追求したり、通信システムを駆使した駆け引きや、コンマゼロ秒内の 戦闘シーンはゾクゾクする緊迫感と迫力がある。しかも息つく暇もないノンストップ。何せ語り手の弊機は眠る必 要がありません。すごい作品が登場したものです。 (蛇足) 「フィード」や「ボット」、「ホッパー」、「アーマー」、「キュービクル」などなんの説明もルビもないので、 インターネットでチェックしながら読書再開。なるほど一つ一つの解説は難しいものなんだと納得しました。 | ||||
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弊機という訳はなるほど、面白い。 訳者のセンスがいい。 続編が待ち遠しい。 | ||||
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ヤバイ、何がどうしてなのか全く分からないが、もう1ページ目から面白い。 そして恐ろしい。ちょっとだけのつもりで読み始めたのにやめられず… Kindleの下巻に購入に手が伸びた時も、何度も何度も頭の中で警告がよぎったのにもはや朝。 良い歳して仕事を休む羽目になるなんて、矢張り人間は馬鹿なようです。 ああ、面白かった。 作者と訳者と創元sfに感謝を。 | ||||
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お薦めポイントは1)SFのリテラシーと読解力に対する要求度が低い,2)主人公のキャラが魅力的,3)アニメ化に親和性が高い,の三つでしょうか.高いエンターテインメント性を持つ作品です.主人公の性別,どちらとも読み取れるところも個人的にはポイントが高いと感じました.訳者のセンスの良さが光る翻訳の文体(ですます調)が,本作の魅力を一層輝かせていると思います.お進めです. | ||||
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最初の内こそ、この一人称を「弊機」と表現する主人公の独白で進行する形式にとまどった けれど、テンポよく進む展開にどんどん引き込まれて行きます。 あと、言葉遣いこそ淡々とはしてますが、人工知能ものに付きものの感情の取り扱い的には この主人公にはバリバリ感情があります。表面的には感情なんてないただのロボットです 的な風を装っては居ますが。その感情の在り方は、ロボット的と言うよりは誤解を恐れず に言うとサヴァン症候群やある種の精神疾患を抱えた普通の人間に近いような感じを受けました。 通常の人間を超えた能力を一方で持ちながら、表情を読まれるのを極度に恐れたり、人間関係 の構築に興味が無く趣味の連続ドラマに何時間でも耽溺するなど。 実際、このロボットには生体部分もあり、脳に相当する部分にも生体部分があるようなので 完全な機械に寄るAIと言う訳では無く、機械と生体に寄って作成された合成生命体と言える 存在のようなので、そういうあり方もある意味当然と言えるかもしれません。 また、この主人公以外に登場する他の人工知能もなかなか良い味を出しています。 一口に人工知能と言ってもその知能レベルにはかなりの差があり、2話目に出て来る宇宙船 の人工知能はかなり高度で、宇宙船のAIでありながら人間っぽさで言えば主人公を超えて 居るかもしれません。そして一時的な旅の道連れだった筈が、主人公が巻き込まれる事件 に対して停泊中の宇宙船のAIと言う身でありながら実に良いコンビとなって主人公を サポートしてくれます。時に監視カメラのハッキングを担当し、時にワームに操船AI を破壊された小型艇の操縦を肩代わりし、時にショックを受けた主人公に主人公の好きな ドラマのサントラをさりげなく流して慰めたりと。 まあ主人公はおせっかいで煩いとか言ってますがw 船のAIだからか、口調が女性のもので、過度に人間的では無く子供と言うほど無邪気では 無いが大人の女性と言うほど老成してもいない、20台くらいの女性のイメージ。 あまりに有能でコンビもしっくりしているので、これはこのままコンビ続行かと思いきや 目的地に付けばあっさりと(でも別れの際には思わず感情的で愚かな事をいってしまいそうに なりそうなので務めてあっさりと)別れるのがなんかもったいない気さえしました。 あと小道具と言うか全面に渡って効いているのが「フィード」という概念。いわゆるネット 空間なんだけど、最小単位で言えば個人レベルの情報空間で、概念的には単なる情報 ラインと言うより空間的な広がりを持つイメージ。そこでは情報だけでなく音声や映像 も視聴出来たり、概念図を複数の人間と共有する事に寄って会議のような事も出来る。 (主人公はいつもそこで趣味の連続ドラマを視聴している。 新しい場所に行けばそこで新しい連続ドラマを違法ダウンロードしてはストレージに溜め込んで 暇があればそれを見て過ごす。) これは主人公のようなロボットやAIは元より、機械的な補助を受けた人間も利用しており、 通信機能もその「フィード」に乗っかった形で行われて居るので、この世界での基本的 なインフラになっています。そしてこの「フィード」は人間たちがその一部機能しか使えて いないのに対してAIやロボット達は人間たちのあずかり知らないところで秘密の世界 を築いているような描写になっているのです。つまりはAI達は表面の人間たちと付き合う 現実世界と同時にフィードという電子世界でも同時に生きているかのような状況 と言えるでしょう。 そこでは人間たちが思いもしない活発な交流がかなり勝手に行われているという世界観が独特で面白い点です。 あと、このマーダーボットの容姿については基本的に男性型か女性型かの描写すら無いのですが、 ただ一点だけ女性型では無いかと思わせる描写があります。それは人間社会に人間のふりを して溶け込む為に自動販売マーケットで衣服を買う際、販売機から提示された衣服候補 の中に「ロングスカート」があったのです。まあジェンダーフリーが進んだ社会なので 確実とも言えませんが…それまで男の子仕様だとばかり思っていたので軽い驚きでした。 | ||||
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上下巻一気読みした | ||||
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対人恐怖症でプチ引きこもり。有機・無機部品ハイブリッド機体の警備ユニット"弊機"が主人公のハードボイルドSF、中編4編(上下巻)。 "統制モジュール"をハックすることで「自由」になっているが、他にやることも無く"弊社"の命ずるままに人を守る警備任務を続けている。楽しみは、連続ドラマの鑑賞。そんな中、あるミッションでトラブルに巻き込まれ『システムの危殆』、自分探しの旅に出て『人工的なあり方』、過去と出会い『暴走プロトコル』、友人達を見つける『出口戦略の無謀』。 風変わりで、でも魅力的な主人公で読ませます。 | ||||
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クローン人閒を作り、それを改造した「ポット」が道具として使用されている宇宙が舞台。過去に不良品のパーツを組み込まれていた為に暴走し多くの人を殺して仕儛った経驗を持つ若干コミュ障の警備ボットが主人公。 最初の作品で警備ポットの主人公は任務を100パーセントどころか、それ以上の活躍を見せ、殺される筈だった顧客を助けてしまう・・・その後の主人公を描く続篇群とシリーズ四作品を譯出した際、一つに纏め二分冊で出したもの。だったら一冊で良いのに・・・。 主人公の造形が面白く魅力的。コミュ障氣味で趣味のメディア視聴に耽溺する若干オタク氣質の主人公は、昨今のアニメやラノベの主人公にも通じるものが有る。 又、ベットロボットや宇宙船にも人格が有り、それぞれが個性的なのも面白い。 | ||||
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はっきり説明はされないけれど、ワームホールを利用して人類が行動範囲を宇宙に大きく広げた未来が舞台。それ以外の技術や社会は現代の延長的で、そこまで飛躍した印象のものはない。 そんな世界で、かつて大量殺人を犯した(高価な機械なので、記憶を一部消去して再利用)警備ユニットである、自称マーダーボットの「弊機」が語り手となるアクション・スリラー中編が上下巻に2本ずつの4本収録されています。 どれも話は単体でまとまっていますが、ストーリーにつながりがあるので順番に読む方がいいでしょう。 対人恐怖症であり、もう引きこもって大好きな連続ドラマ三昧な日々を過ごそうかと思ったりもするのに、結局は人間たちと関わる道を選んでしまう警備ユニット。 そんな風にひねくれて、人間への複雑な感情に振り回されている存在のユーモラスな語りが楽しい連作中編集でした。 | ||||
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最近に読んだSF物では一番面白かった。 少し冗長さを感じる文章も耐えられないほどではなく、 ジョージRRマーティンの『タフの方舟』の語り口や 清水玲子『ミルキーウェイ』『天使たちの進化論』の設定が面白いと思う人なら 本作も気に入るはず。 ただし解説では主人公を"女性"と断定しているけど、 この自閉症で凝り性な気質は(中性的ながら)男性に近いのではないか。 作者が断言するまで判断保留。 カバーの絵が少年とも少女とも見える雰囲気にしているのは賢明。 | ||||
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保険会社の警備ユニット〈弊機〉は会社の統制モジュールの束縛を自らハッキングして解除したことを隠して業務についています。ある任務で出会った顧客の恩で会社の所有物でなくなり自由を得た弊機は、過去に自分が起こした大量殺人事件の真相を探る旅に出ます。弊機は人間の不可解な行動をきらい、人間のようになりたくはないと思いつつも、人間の娯楽メディアを楽しみ、行動や感情に関心を持ちます。そんな弊機が出会う人間たちのトラブルに巻き込まれ、内心愚痴りながらも、ついつい人助けしてしまい、また、そんな自分自身を愚痴るのです。それでもやるとなったら一生懸命の弊機。とってもいい奴なのです。その姿に愛着を感じます。正直、行動を妨げる数々の障害をハッキングで簡単にかたづけるのは都合がいいと思いましたが、そこは「高度なスキルや方法についてはあえて日誌(ダイアリー)に記録してないだけだ!」と自分を納得させました。続編が発売予定とのことで、また弊機に会えるのを楽しみにしています。 | ||||
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とりあえず上巻だけ読んだけど、連作形式で上巻で中編二つある。 で、これは面白い、人型警備ユニットが主人公で終始ユニット視点で話が進むけど、これの描写が秀逸。 警備会社に所属する警備ユニットは自分のことを弊機と呼ぶが、この呼称その他から醸し出される作品の雰囲気とそれをうまく伝える翻訳は素晴らしい。 AIが主人公のヒューゴー賞、ネビュラ賞作品だと、叛逆航路があったが、あの作品のような銀河を股にかけるスケールタイプではなくもっとリアルよりかな。 警備ユニットの心の動きも?それだけに理解しやすく感情移入もしやすい。 頑張れ警備ユニット、頑張って殺人ボットの汚名を返上するのだ!! ドラマなどの娯楽メディアに逃避するのはほどほどにな。 | ||||
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