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むらさきのスカートの女
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むらさきのスカートの女の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.46pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全115件 41~60 3/6ページ
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いつもむらさき色のスカートを履いている近所のちょっと変わった女性を、語り手である「わたし」が観察し、過去に知り合った誰かに似ている、あの人だろうか、いやいやあの人だろうか、と妄想する場面から始まる本書、読み進めていくうちに割と早い段階から、「むらさきのスカートの女」よりも語り手である「わたし」の方が、よっぽど個性的、「むらさきのスカートの女」と友達になりたいと思いながら行動する姿は、見方を変えればストーカーと言われてもおかしくないほどの、ブラックユーモア的執着を見せます。 今村夏子作品を読むのは『こちらあみ子』に続く2作品目ですが、今村夏子ならではのオリジナルな文体を再び味わうことができ、今村夏子の書く小説の面白さは間違いない、と確信しました。 特に、クスッ!(場面にによっては「グハッ!」)と思わず笑ってしまうさりげない一文がところところに散りばめられているのが良いですね。 たとえば、公園で「むらさきのスカートの女」にかまってくる子供たちに、一粒980円もするホテルの高級チョコレートを配る場面では 「普段食べているチロルチョコレートとの違いが彼らにもわかるのか、子供たちは至福の表情を浮かべながら味わっていた」 と突然リアルな商品名が出て、「チ、チロル!ククククッ」と笑いで息が詰まり悶絶しそうになりました。 「わたし」が中学時代に今まで出会った人間の中で一番の危険人物と思っていた不良の同級生有島さんから一度だけガムをもらったのだが、くれたガムが「梅ガムだった」という、なんでもないこの一文も私の笑いのツボにはまりました。 今村夏子面白いなあ。 巻末のエッセイで、「水曜日のダウンタウン」を観ながら缶ビールを飲んだ、とあり、なるほどユーモアの感性に私の好みと通じるものがある、と妙に納得。 次は『星の子』『あひる』あたりを読んでみようかと思います。 | ||||
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2019年芥川賞受賞作品の小説です。 紫色のスカートの女性に執着する女性の物語です。ある意味ホラー作品のようで女性同士の百合作品のようにも解釈出来ます。 賛否両論ありますが、敢えてこの作品は高評価したいと思います。 何も解決しない解答がない中途半端なミステリーのようで、読者は作品の中に置いてきぼりになるので評価が低いレビューが多いですね。 でもこの紫色のスカートの女は実在したのか?また主人公と紫色のスカートの女は同一人物でないのか? そんな解釈をするととてもメッセージの深い小説だと思いました。 ドライな文章が現代の孤独と閉塞感を表現していて素晴らしいと思います。 著者の今井先生は就職氷河期世代であり、大学卒業後は正社員になれずにアルバイトを転々としたとの事です。その中でもっとも長く続けた職場が、この小説の主な舞台となっているとの事なので体験に裏付いたリアリティーがあります。 現代の日本の格差社会の中、見捨てられたような境遇で孤独な生活を送る女性たちの哀しさ。 このメッセージは現代の芥川賞に相応しいと思いました。 また個人的には百合作品でもあるので、百合好きな方にもお薦めです。 いまの閉塞的な日本社会を生きる孤独を表現した素晴らしい傑作だと思います。 この印象的なエンディングの解釈をどのうように受け止めるか。 この賛否両論のエンディングこそこの作品の魅力だと私は思います。 機会あれば是非読んで頂きたい小説です。 | ||||
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『星の子』に続いて 今村夏子氏の作品は2度目 このジャケットはおかしい。 絶対ホラー小説と思ってしまう。 まぁある意味ホラーではあるが。 映像化したら、ホラーにもミステリーにも人情話にもなってしまう。 『星の子の今村夏子が描く本格ホラー小説、遂に映画化!あなたはこのラストに耐えれることができるか!?』ってなるのかな。 いや、そうは言っても『星の子』よりは好きです。この歪んだ人物たまりません。 『星の子』もかなり歪んだ人々いましたけど、主人公の女の子でほがらかになる。 今回は歪んだ人や何も救われない感は今村夏子氏の『えっ!これでラスト?』 に何も違和感がなかった。 芥川賞の基準は分かりませんが、コンピューターから算出させれば選考から漏れるんでしょうけど、過去の受賞作と比較しての選考でしたらそれこそバイアスがかかります。 この作品は良い作品です。 | ||||
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変な人を観察する人も変だし、その人に説教してきた人も実はおかしい。それなら、この作者はまともか。登場人物たちを変な人だな〜とわざわざお金を払って本を買って観察している自分はどうか。 こういう話であるとひとことで説明できない小説だなあ、と思いながら読み進めていたが、最後の病院のシーンで上のように感じた。オチがないというレビューが多いが、私にとっては充分だった。 今村夏子さんの作品を読むといつも、後ろめたさやきまり悪さのようなものが残る。一人称わたしによる視点で終始進むが、人物の見え方はくるくると変わり楽しかった。 | ||||
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個人的にはこの作品で芥川賞受賞は納得です。この作品の良さがわからない方は、賞を取った本だけでなく、せめて文芸誌を一年通読してみるか、選考委員の最新作と代表作くらいは読んでから貶したほうが良いと思います。見てる方が恥ずかしくなっちゃいます。 100円おばさんのところと、真実の告白をしそうなところで斜め上の行動に出るところで笑ってしまいました。親身ぶっているのに、さりげなくイジメに参加している語り手を、さらりと描写してるのもすごいと思いました。 | ||||
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むらさきのスカートの女はどうなるのか‥と読み進めたら、最後のページじゃないか! でも、ああなった、こうなったと結末が書かれていたら「ありきたりな小説」だろうな。 同じ匂いがする彼女と仲良くなりたい「私」。でも、孤独なのは自分の方だって気づくんだよね。なので、同じ孤独になってもらって唯一の友達に‥いざ逃亡先のホテルへ!ってのは私の考えすぎかな?友達にはなれなかったけど、お互い同じ孤独にはなれた‥。 | ||||
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「こちらあみ子」を読んで今村夏子さんのファンになりました。「ピクニック」以上に職場のリアルが描かれているのは作者様の自体験でしょうか?(wiki参)今作を酷評されている方も多く、確かに物語としては『な~んだ』で終わりますが、あみ子や七瀬さんのような『変わってる』人に焦点を当てる着想は面白いと思いました。「コンビニ人間」同様です。変わってる度合いで言えば、紫<<<<黄色<<<<<<<<<作者!って感じの不思議な読後感でした。『あちら側』の視点を持つ稀有な作家さんです。 | ||||
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届くの早いし不満はない | ||||
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綺麗でした | ||||
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他の人のレビューを見て購入。一気に読みました。他の今村先生の小説も買ってしまいましたね。 | ||||
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数頁読んで、この作品のすばらしさがタイトルから既に始まっていたことに気づきました。松葉づえの女でも、頬ヒゲの男でもなく、むらさきのスカートの女、です。日常に埋もれて踏み固められた足元の何でもない物に、世界に待たれる特効薬並み注意を向けて見せます。それでいて仰々しさや手柄顔を覗かせません。大多数の平均的芥川賞作に残念な共通項が実にその仰々しさことさらさと手柄顔、つまり外連味なのですが。 文章展開の切れの良さは、これこそが芥川賞、まさに芥川賞のために書かれたと言っていい作品で、芥川賞はこの作品のためにこそある賞と言っていいのではないか。と言うと多少褒めすぎではあるにしても、こんなにスッキリ納得でき喜べる受賞作に出会うのは久しぶり。村田紗耶香さんのコンビニ人間以来ではないか。加えて或る種の幻想味も含めて言うならひょっとしたら川上弘美さんの蛇を踏む以来かもしれません(川上さんは百年単位別格の方ですが)。 小説技法面からも注目すべきものがあります。黄色の何とかの女をそっと頁に忍びこませるその手腕たるや、溜息が出ます。 ただ残念な点もあります。終結に向けての仕掛けはただものではないし、最後の最後で強烈な余韻に引っ張り込む手腕もさすがのものですが、しめくくりをずいぶんバタバタと片づけてしまった感のあるそのためも含めて、まさにその見事な仕掛けのゆえに通俗的になってしまったのが惜しまれる気もする。いっそ前半路線のままで全うしてもよかった。というかそうしたらよかったのではないか。この著者の力をもってすればそれでじゅうぶんもっと堂々とした芥川賞作品にできたでしょう。その路線でこそ著者力量を存分に発揮してほしかった。小賢しい作品ばかりが増えていく中で特に、そんな直球作品が読みたかったと思う。 あと細かいところだが、ときどきふっと気が抜けたように月並み惰性的な表現が混じってオヤと思うことがある。一作に1つか2つの稀なことだが、これだけの作家になればたった一つでも許されないだろう。 ところで余談ながら、表紙絵のスカートがイメージと一致しないように思うのは私だけなのでしょうか。絵作者はこんなスカートを頭に描いたのだろうかそれとも何か単純でない意図が絵作者の中にあるのか。とにかく私とはずいぶんかけ離れたイメージだが、ただよく考えてみると、この平凡を絵に描いたような実に平凡中の平凡たる水玉模様こそが、踏み固められた足元の何でもない、と不足なく一致するかと、そうも思う。 | ||||
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この本の文章は全て「わたし」視点でしか書かれていないため「わたし」の事を客観的に描かれることが一切無いのが面白い。「むらさきのスカートの女」をストーカーしてる「わたし」の数多くの側から見たらおかしな行動や考えがさらっとしか書かれていないのもあくまで「わたし」視点だからだろう。 途中から「わたし」の存在感の無い孤独さが気になるようになった。 職場で会話に一切入れておらず周りから無下な扱いをされる様子や所長の所々の発言やストーカーしてるのに気付かれないことや食い逃げしても追いかけられない等、「わたし」の存在を周囲から気にしてもらえていない描写が数多くある。 働く前の「むらさきのスカートの女」は孤独という共通点がありながら、「むらさきのスカートの女」というあだ名がつけられる程の存在感があることが「わたし」からしたら羨ましかったのではないか。孤独仲間の彼女となら仲良くなれるはず、そして仲良くなって孤独から抜け出したい気持ちが強くあったのと、「むらさきのスカートの女」と言われるくらい自分の存在を周囲から意識してもらいたいという気持ちが強くあったのではないか。 自分の事を「むらさきのスカートの女」に対し「黄色のカーディガンの女」と似たような名前を名乗ったのも彼女と似たような名前で友達のような感覚になれるのと、彼女並みの存在感がほしかったからではないか。 この本を読みはじめたときの感覚とは違い、読み終わる頃には切なさを感じた。 | ||||
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(ネタバレ注意) 読み終えた人から感想を聞いていた限りでは、純文学にありがちな単に淡々としたリアリティに欠けるオチのない話なのかと思っていた。むらさきのスカートの女を或る女(自称:黄色いカーディガンの女)がストーカーしている。髪の毛のパサついた女が公園で子供たちと遊んだり、商店街で注目されていたり、職場の上司と不倫したり、全く現実味がない。 確かにストーリーだけ追っているとわかりづらい。 でもこれはストーカーの話ではない。 むらさきのスカートの女と語り手の「わたし」は同一人物なのである。 語り手の「わたし」がむらさきのスカートの女の一挙手一投足を熟知している一方で、語り手自身は他の誰とも接触していないことにお気づきだろうか?私は三分の一まで読み進んで、これ、なんか変だなと思った。むらさきのスカートの女と同じ職場で働いているようだが、語り手は他人と言葉を交わすシーンがない。一応「権藤さん」という名称はあるようだが、第三者がその名を呼ぶとき、二人の間の空間は奇妙にズレ、まるで二人の人間が別個に存在しているかのようなぼかしかたがなされている。語り手は自分自身をむらさきのスカートの女という分身人格に投影している。はたまたむらさきのスカートの女が「自分自身を観察する語り手」として「わたし」を設定している。どちらが主体でどちらが客体なのか、ストーリーが進んでいくにつれ茫漠としてくる。 物語の終盤でこの両者が言葉を交わすシーンがある。語り手がむらさきのスカートの女の逃亡幇助をする場面だ。逃げる場所や必要な物の在り処などあれこれ指示を伝えている語り手に、むらさきのスカートの女が顔を向ける。 「(中略)どうして…」 「え?」 「どうして権藤チーフがそこまで…」 わたしは静かに首を振り、権藤チーフではないよ、と言った。 「わたしは、黄色いカーディガンの女だよ」 あなたが、黄色いカーディガンの女? むらさきのスカートの女が、そう言った気がした。 実際は、何も言わずにわたしの目を見ていただけだ。 (引用終わり) 色彩学的に紫色にとって一番遠い色は黄色である。 対になるような色という意味で、紫色は黄色の補色といえる。むらさきのスカートの女と語り手はお互いがお互いであってお互いではないような相互補完的存在だ。 自分と他者の境目、あるいは自分の内部で生じる境目、これらが曖昧模糊としてくる感覚は誰もが一度は感じたことがあると思う。この奇妙な重なり合い、またはズレを肌で感じたことがある者にとって、この物語は自分の物語となりうる。むらさきのスカートの女はいつかの自分であって、語り手の「わたし」はどこかから観察しているもう一人の自分。重複し合い、収斂し合い溶け合う自分と自分だ。あなたにとっての補色は何色だろうか。どこにいてなにをしているのだろうか。 | ||||
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「わたし」のやばさにハラハラした。 | ||||
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奇怪な話 でも素敵な世界 | ||||
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なかなか面白い。 紫のスカートの女でこんなに盛り上がれるのか、と思ったり、よくここまでかけるな、と。 さすがは芥川賞受賞作品です。 | ||||
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タイトルと表紙に惹かれて読んでみました。帯には、芥川賞受賞の文字と、おおまかなあらすじが。むらさきのスカートの女と友達になりたい私が、自分の職場に誘導する、そんなようなことが書かれています。 そのあらすじを見たとき、わたしは何故か「真似女?」と思ったものです。真似女、それはその名の通り頼んでもないのに勝手にオソロのものを買ってきて○○さんとお揃いにしちゃった〜って言ったり、髪型やメイクまで何でもお揃いにしてくる、一見無害そうに見える女。 読んでみると、ストーカーがストーカーをストーカーする……みたいな話だったわけですが。でも、最後の、黄色いカーディガンの女がむらさきのスカートの女専用席に座ってクリームパンを食べるシーンは、もしかしたら真似女っぽいかもしれないなぁと思いました。。このあと、黄色いカーディガンの女はどのような人生を歩んでいくのでしょうか。 全体的な感想としては、要所要所笑えるシーンや感情を揺さぶられるシーン(主人公がさらっと食い逃げしたのを告白したとき、えぇっ!?ってなりました)はあったものの、この女たちは何がしたいのかよく分かりませんでした。黄色いカーディガンの女はなぜこのむらさきのスカートの女と友達になりたいのか、なぜこんなストーカーみたいなことをしているのか。その理由を明確に書いてほしかったです。 もしかしたら理由なんてないのかもしれないけど、それならそう書いた方が良かった気がします。謎のままの方が良い物語もあるし、主人公の心情を読者があれこれ考えて楽しむ作品もあるけど、この作品は謎のままじゃない方が良かったと思います。黄色いカーディガンの女が突飛すぎるし、物語の描写があまりにも淡々としていて共感できない。想像できない。分からない。 芥川賞受賞ということで、読む前はすごい本なのだなぁと期待をよせていたのだけど、そこまでではなかったかなぁという印象です。 でも、「星の子」や「こちらあみ子」は面白そうだなと思うので、読んでみたいです。期待を込めて星4です! | ||||
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芥川賞受賞作という事で気になってました。するするっとあっという間に読めてしまいます。 始終一人称で第三者の観察模様を語るだけですが、読者は次第に日野さんでなく権藤チーフの内面に強い好奇心を持つように仕向けられます。まずは果物嫌い。下戸なのに生ビール三杯飲めたり、無銭飲食したり、ホテルの備品を盗んでバザーで売ったり・・影が薄くて誰の記憶にも残らないような存在。 彼女のむらさきスカートの女に向ける感情が、愛なのか羨望なのか嫉妬なのか。。色々と想像が膨らみます。 | ||||
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今村夏子さんの本は文章がそれほど長く無くあっさりしていて読み易いと感じた。 内容については外見の変人を、内側の変人がストーキングして不倫や職場横領等の物語だった。 映像化はシュール過ぎて難しいだろうと感じた。 何かに憑依して第三者として観察し話を進める独自の作家さんだと思い他の本も読んでみたくなった | ||||
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謎の女の物語です。 むらさきのスカートの女がどこに行ったのか?気になります。 田舎の都市伝説が具現化した一冊です。 | ||||
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