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ワイオミングの惨劇
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ワイオミングの惨劇の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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19世紀のアメリカのある州で三人の脱獄囚が流れ込み・・・というお話。 覆面作家トレベニアンの最後の作品だったそうで、西部劇小説でした。一癖も二癖もある登場人物、舞台の町の特異な雰囲気、奥の深いストーリーと、トレベニアン節炸裂で、ファンならずとも楽しめる作品だと思いました。 難を言えば、30ページくらい切れ目なく続く文章が些か読みにくかったです。 因みに中に出てくる、「国際陰謀団」というのは、時間が流れてから「シブミ」に出てくる「マザー・カンパニー」になるのですかね。 特異な作家の遺作。機会があったら是非。 | ||||
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このミステリーがすごい!2005年 海外編第5位。 舞台は銀鉱ブームが去った1898年の西部の寂れた町 ”20マイル”。この町は銀山との中継地点にあたり、15人の住民は定期的に訪れる坑夫の落とす金を糧としていた。ともに世間から隔絶しながら、互に互を軽蔑し決して相容れない住民たち。”20マイル”へふらりと現れた若者 マシューを通して、この一種独特のコミュニティで暮らす彼らの人となりがじっくりと描かれていく。陸の孤島ともいうべき閉塞感が漂う。 物語は3人の凶悪犯の登場で大きく動く。刑務所からの脱獄囚が”20マイル”へ逃げ込んできたのだ。主犯格リーダーの悪党っぷりが素晴らしい。頭脳明晰でありながら狂気にとらわれた男なのだ。 暴力により住民を意のままに操るリーダー。横暴な振る舞いに堪りかねたマシュー、貸馬屋の老人B・J、よろず屋のケインは、リーダーらを駆逐する作戦を立てるのだった ・・・ 口先だけで人を篭絡することに長けた、根っからの詐欺師マシュー。今はなき保安官の住居跡を住処としていたマシューは、自らが”20マイル”の治安を守るために行動を始める。マシューが何ものであるかと、凶悪犯との決着に興味がそそられていく。 ところが、クライマックスにかけては、やや、あっけなさを感じる。キャラクター描写に比べて、じっくりと闘いのシーンが描かれていないので、もの足りないのだろう。解説によると『アイガー・サンクション』はパロディだったそうだから、本作品もわざと西部劇的な痛快さへ肩すかしを食らわしたのかもしれない。だから、締めくくりで蛇足とも思える登場人物たちのその後を付け加えたのかな。 邦題より、原題の『Incident at Twenty-Mile』が良いね。 | ||||
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七変化。いろんなジャンルを、いろんな手口で見せてくれる、多芸多才の天才だと、心から感じさせてくれる。 とはいえ、本編は、聊か策に溺れ気味かなあ。マカロニウウェスタンの出来損ないを、「妙な」心理劇に仕立てたと思うのだけど、読む方にとっては、素直に楽しめないという、逆効果の方が、大きかったのでは? 面白かったのは、後日談の方で、主人公が、ヒーローシンドロームで、静かな余生を送ったという「事実」。この、作品が、事実に基づくノベライズなのか、作者の、全くの創作なのか、判断できない所が、この作品の命かもしれない。 そういう意味では、ほんと、面白い作品。 | ||||
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他のレビューで書かれていた"だらだら続く蛇足"が私にはとてもの面白かった。 事件そのものは1週間という短い期間に集約されているが、その後も登場人物の人生は続く…という感じで。 このあとがき的なものを読んで、未だに実話なのかフィクションなのか判断に苦しんでいます。 かなり残酷な描写が多いとか、ハッピーエンドには程遠いとか、前半はちょっともたついているとか、好みの分かれるところだと思いますが、妙に印象的な本でした。 | ||||
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私は20年来のトレヴェニアンのファンであり、また精神科医でもある。そもそも私が精神科医になった理由の一つは、Summer of Katyaにのめりこんでしまったからであるというくらいにコアでディープなファンである。ちなみに作品はすべて原書でも所有しており、可能な限りは英語で読もうと努力している(が全然読めていましぇん)。さてSummer of Katya は多重人格の話だったが、精神科医になってみたら統合失調症のほうがずっとずっと大問題であり、難題であるとわかった。この病気の患者さんというのは、もともと純粋で傷つきやすいが、周囲からはなかなか理解されがたい性格の持ち主。発病はストレスが最大限に蓄積した瞬間の破滅的な爆発であるが、その後は欠陥状態といわれる無為自閉的状態が長く続く。統合失調症の人々とのかかわりは非常な衝撃であったので、私はずっと統合失調症のヒーローを主人公にした小説を書きたいと思っていた。それが、トレヴェニアン様にあっさりと先を越されてしまった。しかもこの完成度。先生、脱帽っす!それにしてもマシューの傷だらけの情熱には、何度読み返しても目頭が熱くなってしまう。だからあまり読み返さないようにしています。 | ||||
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コツコツと物語が積み上げられえ一気に、カタストロフィへ・・・ということもなくあっけない終わり方。そして、だらだらと続く蛇足、これこそ惨劇!期待をあおるような展開は、さすがベストセラー作家だと思いますが、どうも旬を過ぎたような気もします。19世紀末にすでに、極右キリスト教カルト的なものはあったんでしょうか? | ||||
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アイガー・サンクション、ルー・サンクション・・・シブミ・・・メイン(夢果つる街)・・・バスク 真夏の死・・・そして、この爽快西部劇。導入部からのミステリアスなタッチから、活劇あり、淡い恋心あり、そして、見事にトレヴェニアン風なエンディング。全作品好きですが、変幻自在のトレ様風西部劇も楽しませていただきました。 | ||||
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正当な西部劇のように見せながらも、そうではない、トレヴェニアンの特徴が良く出たメタ的作品。よく練られたストーリーに引き込まれ、一気に読んでしまうこと請け合いだが、引っかかる点が残り、純朴には楽しめないだろう。 まず、主人公のマシューには感情移入できないように仕組まれている。100ページを過ぎても、読者はマシューに肩入れして良いものか悩まされる。このあたりの微妙な語り口を楽しめないようでは、トレヴェニアン・ファンとは言えないだろう。その他の登場人物についても同じである。登場人物に対する読者の評価は、場面ごとに書き直して行かざるを得ない。きちんと役を割り振られた西部劇とは違うのである。 しかし、こうした仕掛けがあまりに作為的に見えてしまい、物語の面白さを損なっているのも確か。15年の空白で腕が落ちたのか、あるいは別人なのか。 | ||||
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「夢果つる街」の深い味わいを期待して購入しました。主人公は20にならないリンゴキッドに憧れる若者のようですが、この若者の他の登場人物との関わりとか成長していく様とかが書き込まれていません。で結果としてこの主人公に対する読者側の共感が生まれてこない。ストーリーを追わせる筆力はあると思いますが、19世紀末を舞台にしている割には作者の思い込みとかロマンが感じられません。昔の名前に対する過度な思い出は残念ながら外れてしまいました。 | ||||
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毎回、いろんな趣向を見せてくれるトレヴェニアン。今度の趣向は・・・おっとそれを書いたらネタばれになってしまいますので自粛自粛。脱獄した凶悪犯、そして忘れられた街に現われた一人の謎めいた若者……この2人をめぐってドラマは展開していくのですが、主人公以外の登場人物もまた活き活きと描かれていて、小説の醍醐味を満喫できます。とにかくお薦め! | ||||
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