長いお別れ
評判
長いお別れの評価:
4.36/5点 レビュー 290件。 A ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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小説の詳細ページを閲覧すると、ここに履歴が表示されます。最近閲覧した小説詳細ページへ簡単に戻る事が出来ます。
村上訳は、誠実に、忠実かつ正確に読みやすく翻訳されており、わかりやすい。
一方、忠実たらんとするあまり、省いても伝わるセンテンスも訳されているためか、時としてくどいと言うか、まどろっこしく感じることがある。
清水訳は、村上訳のあとがきで言及されている通り、村上訳と比べると省略されてる個所がある。(多分意訳もあるのだろう)ただこの欠点が長所にもなっていて、村上訳に比べ、疾走感を感じたり、このシーンにこの言葉みたいなカッコ良く思える文章に出くわすことがある。
これは清水氏が一流の映画字幕翻訳家でもあったことで、映画の流れるシーンを損なわない字幕の文字制限(1画面の字幕の最大字数が1行=13文字/2行まで、1秒当たり4文字)で培った翻訳経験から、
小説の翻訳のアプローチも、原文の情景が読者に伝わるのであれば、意訳や省略も手段の一つと考えて取り組まれたではないか?と勝手に想像する。
で、お薦めはどちらと聞かれると、翻訳に対するアプローチの仕方が違う2つのどちらかを選べと言われてるようなもので、お好みの方を選んでくださいとしか言いようがない。
ちなみに私自身の好みは清水訳で、村上訳よりカッコイイと感じる文章が多いからだ。
これも個人的な好みの結果でしかなく、優劣を付けれることはできないので、アマゾンならば電子書籍で最初の数十頁を試し読みできる。これを使って数ページでも良いので読み比べて、好みの方を買うのがいいと思う。
(※)清水訳も読む気になった二つの理由
一つは、通常同じ文庫で新訳がでると旧訳は廃版になるが、未だに販売されていることから、清水訳には廃版しないだけの魅力があるのでは無いかと考えたこと。(村上訳のあとがきに「翻訳は五十年で大きく改築、あるいは新築」と書かれてるにも関わらず、1958年出版の物が廃版されていないので。)
もう一つは、たまたま入手した、作家で評論家でもある小林信彦氏の『地獄の読書録』に、清水訳『長いお別れ』のコメント(下記)が有り、翻訳レベルが低かったら小林氏がここまで絶賛しないと思われ、清水訳にも興味が出たこと。
「ロス・マクドナルドの『運命』を読んで、文学性と犯人の意外性と動機の必然性が渾然一体となった秀作だと感心したが、『長いお別れ』はそれを上廻る作品だった。ハードボイルドの何のというより、これは、まず、立派な小説なのである。」(小林信彦氏著『地獄の読書録』より)
余談ですが、この小林氏コメントのおかげで今までハードボイルド小説には殆ど縁のなかったのに、なんとか『運命』を入手。その後ロス・マクドナルドの傑作と名高い『ウィチャリー家の女』『さむけ』まで入手し読んでしまいました。(特に『さむけ』はお薦めです)