長いお別れ
評判
長いお別れの評価:
4.36/5点 レビュー 290件。 A ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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村上春樹ファンなら,必ず知っている組み合わせでしょう。
学生時代に『ノルウェイの森』を読んで以来,村上春樹の作品は,ほとんど読みましたが,作中に『ロング・グッドバイ』というタイトルや,『レイモンド・チャンドラー』という人名が良く出てきます。『グレート・ギャツビー』というタイトルや『フィッツジェラルド』という人名が出てくるのと同じくらいの頻度で出てきてたと思います。
数えたわけではないので,何回ぐらい出たのかと聴かれても,答えることはできませんが,そのタイトルや人名を村上春樹の作品で知り,
『そのうち読んでみたいなぁ』
という印象をボクの脳に刻みこむくらいの頻度で出てきたことは確かです。
フィリップ・マーロウという私立探偵が,ひょんなことから知り合った,友人テリー・レノックスの自殺を契機に,謎解きを始め,隠された真実を詳らかにするというストーリーです。
今回,自分自身で読むまでは,この手の小説は,『ハードボイルド』と呼ばれたり『推理小説』と呼ばれたり『ミステリー』呼ばれたりするカテゴリーに分類される,いわゆる『大衆文学』の領域の作品だと思ってました。
『純文学』と『大衆文学』を比べた場合,文章の美しさ,表現の緻密さを追求した作品を『純文学』と呼び,読者の想像力を刺激できるだけの最低限のシンプルな文章で,エンターテインメント性を重視した作品を『大衆文学』と呼ぶものだと,個人的,ステレオタイプ的に認識しておりました。
小説をカテゴライズすること自体がナンセンスなのかもしれませんが,ボクはこの作品を勝手に『大衆文学』にカテゴライズしてました。
しかしながら,フィリップ・マーロウという孤独な探偵の視点を用いて,純文学的に皮肉めいた長いセンテンスで語り,エンターテインメント的な事件を解決に導いて行くという,単純にカテゴライズすることが困難な作品です。
原作が優れていたのか,翻訳が優れていたのか(おそらくその両方だと思いますが)ボクの予想を見事に裏切り,感動を与えてくれました。
500ページを超える大作で,最後に村上春樹による60ページの解説付き。
皮肉だらけの長いセンテンスが多用されているので,多少,文章の理解と読了までに時間がかかりますが,面白い作品です。
ぜひ,みなさんもお試しください