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生物学探偵セオ・クレイ 森の捕食者
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生物学探偵セオ・クレイ 森の捕食者の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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正体不明の熊らしき生物による獣害? もうここで、ザワザワと身の毛がよだつ予感。 『ウォッチャーズ』(ディーン・R・クーンツ、文春文庫、1993年)から『慟哭の谷』(木村盛武、文春文庫、2015年)まで、森から怖いケモノが出てくるあらゆる話が思い出され、家中を見回って戸締りを確かめてから読んだ。(駅近住宅街のどこに森があるんだ?) 一言でいえば、憎めない。タイトル(THE NATURALIST)も、語りも、探偵のキャラも。細部の瑕疵を割り引いてなお余りある憎めなさだ。 “Naturalist” は「博物学者」とも訳される。フィールドワークとデータ分析が身上の「オタク」の一種で、好奇心の赴くままに野山を駆け巡って動植物の観察・採集に明け暮れ、集めた情報をコンピューターで数値化することを至上の喜びとする。多数の個体が社交上の儀礼に暗いが科学系アプリには明るい。 セオ・クレイは、エリス・ピーターズの修道士探偵カドフェルにiPhoneとiPadを持たせたらこうもあろうか?という人物である。年齢は40前の30代らしい。 学者であるから、気になるテーマにしつこくこだわり「仮説を立てて証明すること」が第二の天性になっていて、犯罪捜査にとって理想的な資質を備えていると言える。(同じく学者であるから)万年モラトリアム人間の痕跡は消しがたく、人付き合いには苦労しがちで頻繁にナメられているが、時には思いがけず鋭いウィットや力技を繰り出して反撃することもある。 著者アンドリュー・メインは、博学多識というか絢爛たる雑学の宝庫のような人で、そのきらびやかな蘊蓄はセオを通して存分に披露されている。しかし鼻持ちならぬ衒学趣味かと言えば、そうでもない。(スマホを使う人なら話に十分ついて行ける) 本作において、知識の間口の広さはむしろ多様な読者層の開拓に資することだろう。何しろカエルツボカビからサクランボのパイまで、Amazon読者が興味を惹かれそうなあらゆる分野のトリビアが惜しげもなく散りばめられているのだ。 堅実な老舗ミステリに少し飽きたディレッタント、凡百の犯罪小説に共通の杓子定規なマンネリズムを食わず嫌いしてきた人、いずれも食指が動くのではないだろうか。 「掘り出し物」が続々と見つかるあたりからやや停滞するが、反復作業ばかりでなかなか肝心なものにたどり着けないのは現実生活にはままあることで、セオ自身が誰よりも一番強く無力感を覚えているはずだ。 だるい沈滞期も上昇期に劣らず忠実に彼のバイオリズムを反映しており、かえって実人生に近い緩急のある「自然な流れ」を物語の中にしつらえていると見ることもできる。樹木一本に至るまで厳密に計算して植えられた、英国式風景庭園の造作のように。 実際、まどろむような瀞(とろ)を過ぎてゆうるりと岸壁を回った途端に、まさかの大瀑布やメールシュトロームが現れて騒然とするような展開の方が、ドラマとしては面白い。 犯人の職業については、アガサ・クリスティーへのオマージュかと思うようなミスリーディングが一つ用意されている。5ページほどだまされた。本当はクリスティー風に、クラシックに決めてくれた方が私好みではあるのだが、何ともはや勇ましく狂おしく華々しい最後の突撃に免じてゆるす。 クレイ博士、第2話でまたお目にかかるまで、どうぞおだいじに。 | ||||
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面白すぎて読むのを止められなかった… ミステリー小説としても30〜50冊に1冊、 あるいは5〜10年に1冊のウルトラ面白作品。 拍手しかない。 今後への期待が止まらない。 | ||||
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荒唐無稽感は拭えませんが、ドキドキして読みました。面白かったと思います。 | ||||
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頑固者だが気弱で人間との接触の下手な主人公が、犯人を追い詰めるまでの道筋がハラハラ、ドキドキ。 | ||||
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大学で生物工学を教えているセス・クレイ教授。彼がモンタナ州の人里離れた町に滞在中、近くの森で昔の教え子の死体が見つかりました。彼は教え子の死に衝撃をうけ、さらに自分が容疑者になったことから元来の偏屈気質に火がつきました。そして熊に殺されたとされるかつての教え子の死に疑問を抱き、独自に調査を始めるところからこの物語は始まります。事故当時、現場でフィールドワークをしていたセオが容疑者として疑われるのですが、ほどなくしてかつての教え子の殺害は熊の仕業とわかり釈放されることになりました。しかし、彼はこの事件は熊による食害ではなく殺人だと直感します。そしてモンタナの田舎の無能?警察を敵に回しつつ、思いもよらないトラブルに巻き込まれて行くという展開に・・・。 主人公は陰キャラでコミ障かつ体力にも自信がないというキャラクター。しかしその実、真実を手にするためなら法を度外視してでも単身危険に身を曝すことのできる立ち回りを見せ、決断優先の気質を持っていて、警察や殺人鬼に向かっていく気骨も非常に旺盛なところに私は興味を惹かれました。分かりやすく言うと、ダイハード的なハチャメチャなキャラクターということです。この辺は読む人によって感想も面白さも様々かもしれません。 中盤から後半にかけて、私は大いに楽しめました。特に終盤はアベンジャーズを思わせる、いやがおうにも盛り上がる展開でした。反面、行き当たりばったりとか、あるいはストーリーが粗い・ご都合主義などの意見も多いようで、その辺はうなずけるような。いずれにしても、ヒグマの襲撃というきっかけで始まる本書は、熊の出没が話題になっている昨今の日本でも話題になりそうな内容と言えるかもしれません。 | ||||
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前半、あまりにも情けない主人公の行動…、つっこみどひろ満載だが 後半はいいぞ。冒険小説に早変わり。たぎる血潮に渦巻くアクション…。一冊で2度おいしい。次も買います。 | ||||
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主人公の人物像、新鮮な捜査手法 好みは分かれる作品だが一度は手に取ってほしい | ||||
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推理小説のふりをした何か。冒険小説という表現ではこの作品の本質を損なう。一言でいうと、この作品は……(以下ややネタバレ) バットマン的なコスプレ怪人と対決する話です。アメコミをモチーフにしたおバカ小説。面白いことだけは間違いないです。 | ||||
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すさまじく読みづらい文章。訳者の問題か!?こんな読みづらい作品は初めてだわさ! | ||||
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変わった趣向のミステリーである。真犯人が熊?生物学の先生らしい解決方法を披露しているのだが、 期待しているほどの知識も盛り込んでほしかった。 まあ、終わり良ければ総て良し。後味はよかったので星4。 | ||||
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気弱な主人公が想像以上に危ない橋を渡り過ぎだとか、人工知能MAATが万能過ぎだとか、ご都合主義的展開にツッコミどころは多々ありつつも、データの蓄積や生物学的見地に基づく観察眼によって、あたかも野生動物の生態を探るがごとく連続殺人鬼の行動様式を推理する手法は斬新。終始ワクワクしながら読了。幸福な読書体験でした。 | ||||
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本格ミステリ(パズラー)において、科学者が自らの知見を武器にして事件解決に当たる名探偵を演じるのは、けっこう例がある。本書はその系列に連なるもので、たとえばアーロン・エルキンズの「骨の探偵」ギデオン・オリヴァーなどの後継者と思えばいいだろう。その点では、そう目新しい趣向でもない。 だが、事件の真相が露わになってくると、そこには従来のこうした作品にはあまり見受けられなかった恐ろしさが姿を見せる。そこに描かれるは、分断と貧困に苦しむ、現代アメリカの「闇」だ。この点が強く印象に残った。 著者の本領、その力量がパズラーにあるのかこちらにあるのか、それとも両方なのか。次回作以降で見届けたい。 | ||||
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主人公セオ・クレイが、理系の研究者に実際にいそう。 コミュ障気味で、他人との会話が微妙にずれるところとか、くすっとできてよかった。 ところどころにちりばめられる理系ミニ知識も、まあまあ面白い。 ただ終盤のアクションシーンは、出来の悪いハリウッド映画みたいだった。 本作の後始末(長期欠勤している職場とか、心配かけている家族とか)がどうなったか気になるので、続編もたぶん読むと思う。 | ||||
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マジシャンの書いた小説。なるほどと思う。東野圭吾の『ガリレオ』シリーズのような理系探偵のサイエンス・ミステリかとの予想を大きく覆し、本書はまるで、全体が仕掛けにみちたイリュージョンのようなエンターテインメント小説なのだった。火器や炎や鉤爪の活劇とバイオレンス・アクション。一人称現在形でのリズミカルな文体に着いてゆくだけで、探偵セオ・クレイの被る肉体的被害を自分が受けているかのような痛々しさに痺れてくる。 生物学探偵というタイトルから地味な先入観を持ってしまうこのヒーローは、一見普通の大学教授、かつフォールド・ワークと最先端のデジタル技術を駆使する研究者でありながら、実は真実を手にするためなら法を度外視してでも単身危険に身を曝すことのできる動きと決断優先の、もろにダイハード型でハチャメチャな主人公なのである。 熊による獣害と見られる女性遺体が、かつての教え子であったことから、当時事故現場でフィールドワークをしていたセオが疑われる。殺人パレードの開幕である。 独自のプログラムを駆使してのデータ解析を得意とするセオは、行方不明案件が異常な確率で発生しているモンタナ州のある地域に眼をつける。続いてセオは、複数植物の発育分布を調査することで、最近掘り返されたことのある土壌に眼をつける。前後のデータを重ね合わせたセオはピンポイントで遺体を次々と発見するが、それぞれの管轄警察には信じてもらえず、個々の遺体は熊による獣害として扱われるばかりか、セオへの警察の疑惑さえ拡散してゆく。 この事件のすべてに、一人のクレイジーな大量殺人者が存在するのではないか? そうした確信を貫こうと単身真犯人を追うセオだが、関係機関からも危険な聞き込み先からも異端視され逆に追い詰められてしまう。姿の見えない殺人者を捕らえるにはなかなか一筋縄では行かなそうだ。 何十年も殺人を続けている男は本当に存在するのか? そいつは何故捕まらないのか? 遺体たちは何故探されていないのか? 孤独に襲撃され土の下に埋められて行った若い女性たちの無念さは、満身創痍のセオを先に進ませる。 捕食者である何者かに常に先を行かれるジレンマ感。単独捜査を進めるたびに痛手を負ってゆく我らがヒーローには、どんな手が残されているのか? 最初に書いた通り、本書は手に汗握るアクション作品である。本書の日本語タイトルからは、そんな内容を想像して頂くことはなかなかできないかもしれない。しかし、書き手はプロのマジシャンである。執筆者の名前を英語スペルAndrew MayneでYouTube検索して頂くと、楽しいトリックやイルージョンの動画を観ることができる(もちろん確認済み)。 そうしたマジカルな作者の手中で踊らされれゆく被害者的快感を否応なく味わわせてくれる本作は、人気を得てシリーズ化され、既に4作目の執筆にかかっているそうである。楽しみなエンターテインメント・シリーズがまた一つ。結構大きな爆弾を炸裂させてしまったシリーズの開始。今後、声を上回る怪事件をどれほど生み出してくれるのだろうか。マジシャンのお手並み拝見と行きたいところである。 | ||||
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面白くて1日で読了。 でも読んだ後、いろいろ腑に落ちない気がしてとっても消化不良。 たとえばMAATっていう人工知能プログラムで犯人の行動パターンを絞り込んでいくんだけど、そのシステムが謎だよ。 とってもご都合主義に読めちゃうね。 小説としたら、あんな無茶な物つかわなくても話が成立するんでないの? 超天才がひらめいた、ってほうがまだ説得力がある。 あと、犯人の行動パターンからすると、主人公の教え子は他の被害者と共通点が無いよね。 最後の場面も、そんなことする犯人像なんかい、って。 いろいろ読み飛ばしたこともあろうと、もう一度読み返すべきだが翻訳がイマイチで読み返す気力も起きず。 一晩の暇つぶしにおススメ、そんな小説。 | ||||
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生物情報学者セオ・クレイはクマに殺されたとされる教え子の死に疑問を抱き、独自に調査を開始する。生物情報学に関してはググってもらうとして、彼は研究のために自ら開発したコンピュータソフト「MAAT」を使い調査するのだが、この「MAAT」にクマの襲撃事件、失踪者情報、人口、仮説などを入力すると同様の事件の被害者と思われる遺体をバンバン発見していきます。まるで石を投げれば遺体に当たるといった感じです。こうして発見した遺体が犯人への道標となり、犯人に迫っていきます。どうして調査が的確に進むのか、もっともらしい説明をしていますが、その実、全く説明になっていません。ただ、様々な情報の羅列と専門用語を多用した説明でごまかしているだけ。犯人が分かってからの展開は馬鹿馬鹿しすぎて何も言う気になりません。続編があるようですが、絶対に読みません。 | ||||
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セス・クレイ教授は大学で生物工学を教えている。 モンタナ州の人里離れた町に滞在中、近くの森で昔の教え子の死体が見つかったことから、地元の警察から容疑者扱いされるが、殺害は熊の仕業とわかり、釈放される。しかし、彼はこの事件は熊による食害ではなく、殺人だと告発し、田舎の悪徳+無能警察を敵に回して、大変なトラブルに巻き込まれて行く。 生物工学というのがなんだかよくわからないが、データをもとにあらゆることを数値化するようだ。このセオ教授は、自然科学の広範な知識を最新のソフトやら計算式やらでデータ化して、「真実」に迫っていく。 それにしても、本人が自己分析しているように、最初は、「頭はずば抜けてよいけど、世渡りがものすごく下手で、社会性に欠けるオタクっぽい大学教授」というスタートだった気がする。つまり「一般社会の刑事事件なんかはまったく無知な学者」。 ところが中盤以降は、FBIの行動分析課も真っ青になるくらい、アメリカの連続殺人事件や悪名高い大量殺人犯について、データから内面までとうとうと、かなり強引な論法で論じるようになる。もちろんそれだけでなく、彼がデータをもとに歩くところ死屍累々となり、クライマックスは・・・ ということで、最初に期待していた展開とはずいぶんとかけ離れたストーリー展開となりました。作者はマジシャンでもあるらしく、登場人物からストーリー展開まで、ずいぶん強引にギリギリ無理させています。 主人公も、いやはや、とんでもない目に遭い続けるわけだが、警察が当てにならないとはいえ、とにかく発想も行動も強引すぎて、魅力的とは言い難かった。 しかし、だからといって、この作品が面白くないわけではなく、1日であっという間読了。 ただ、これは作者本人の問題なのか、翻訳の問題なのか、文章に一貫性とテンポがなく、また原文にとらわれて訳しすぎたのか、現在形と過去形が入り乱れて非常に読みにくかった。 テーマと材料がものすごく魅力的なのに、すべてにおいてもうちょっと整理するとか、なんとかならなかったのかと残念なところの多かった作品です。 アメリカでは続編も出版済みにようなので、次回作に期待です。 | ||||
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モンタナと言えば、ジェイムズ・クラムリーが創造した私立探偵ミロとスルーが懐かしい。原液のようなピュア・ハードボイルド・モルト。 シリーズ1作目という「生物学探偵セオ・クレイ 森の捕食者("The Naturalist")」(作:アンドリュー・メイン、早川書房)を読む。 モンタナの森で若い女性の死体が見つかり、熊に襲われたという死因に疑問を持った生物情報工学者、セオ・クレイは、森羅万象を網羅するかのような広範な知識とサイバー空間を操る直観力を持って、森の捕食者=犯人を孤軍奮闘、追い詰めていきます。これ以上は、いつものように語れません(笑) キャラクタリゼーションが特異だと思います。「象牙の塔」の住人、知識人でありながら、情に振り回され、弱虫のようでいて、頑固者、そして満身創痍の状況の中「あきらめる」ことを知らない。一人称で語られる物語であるにもかかわらず、中盤から少しトーンが変わります。探偵というより、一人の破天荒な冒険者としてのキャラが全面に押し出され、ブライアン・ガーフィールドの「ホップスコッチ」かと思わせるようなマジックを駆使して、アマチュア探偵として迂回しながらも強大な犯人へと辿り着きます。少し不満を言わせていただくと、布石が少なく、唐突な場面転換に戸惑い、中盤は少し「だれる」という感は否めません。 それでも、言ってしまっていいのか悩みますが、クライマックスは、我が国の絶頂期の志水辰夫の著作のようでした。 「彼女を守れ。本質はそこだ。ぬぐいがたい男性優越主義。わたしたちはそうするように生物学的にプログラムされている――どんな男でも」 (Kindle の位置No.5189-5191) この小説の好みは分かれると思いますね。ぬぐいがたい「マチズモ」に囚われた読者は快哉を叫び、異なる読者は静かに首をふるかもしれません。私は前者です。なぜなら、一途な思い=<霊性>は<科学>を超えると信じているから(笑) | ||||
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