生物学探偵セオ・クレイ 森の捕食者
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正体不明の熊らしき生物による獣害? もうここで、ザワザワと身の毛がよだつ予感。 『ウォッチャーズ』(ディーン・R・クーンツ、文春文庫、1993年)から『慟哭の谷』(木村盛武、文春文庫、2015年)まで、森から怖いケモノが出てくるあらゆる話が思い出され、家中を見回って戸締りを確かめてから読んだ。(駅近住宅街のどこに森があるんだ?) 一言でいえば、憎めない。タイトル(THE NATURALIST)も、語りも、探偵のキャラも。細部の瑕疵を割り引いてなお余りある憎めなさだ。 “Naturalist” は「博物学者」とも訳される。フィールドワークとデータ分析が身上の「オタク」の一種で、好奇心の赴くままに野山を駆け巡って動植物の観察・採集に明け暮れ、集めた情報をコンピューターで数値化することを至上の喜びとする。多数の個体が社交上の儀礼に暗いが科学系アプリには明るい。 セオ・クレイは、エリス・ピーターズの修道士探偵カドフェルにiPhoneとiPadを持たせたらこうもあろうか?という人物である。年齢は40前の30代らしい。 学者であるから、気になるテーマにしつこくこだわり「仮説を立てて証明すること」が第二の天性になっていて、犯罪捜査にとって理想的な資質を備えていると言える。(同じく学者であるから)万年モラトリアム人間の痕跡は消しがたく、人付き合いには苦労しがちで頻繁にナメられているが、時には思いがけず鋭いウィットや力技を繰り出して反撃することもある。 著者アンドリュー・メインは、博学多識というか絢爛たる雑学の宝庫のような人で、そのきらびやかな蘊蓄はセオを通して存分に披露されている。しかし鼻持ちならぬ衒学趣味かと言えば、そうでもない。(スマホを使う人なら話に十分ついて行ける) 本作において、知識の間口の広さはむしろ多様な読者層の開拓に資することだろう。何しろカエルツボカビからサクランボのパイまで、Amazon読者が興味を惹かれそうなあらゆる分野のトリビアが惜しげもなく散りばめられているのだ。 堅実な老舗ミステリに少し飽きたディレッタント、凡百の犯罪小説に共通の杓子定規なマンネリズムを食わず嫌いしてきた人、いずれも食指が動くのではないだろうか。 「掘り出し物」が続々と見つかるあたりからやや停滞するが、反復作業ばかりでなかなか肝心なものにたどり着けないのは現実生活にはままあることで、セオ自身が誰よりも一番強く無力感を覚えているはずだ。 だるい沈滞期も上昇期に劣らず忠実に彼のバイオリズムを反映しており、かえって実人生に近い緩急のある「自然な流れ」を物語の中にしつらえていると見ることもできる。樹木一本に至るまで厳密に計算して植えられた、英国式風景庭園の造作のように。 実際、まどろむような瀞(とろ)を過ぎてゆうるりと岸壁を回った途端に、まさかの大瀑布やメールシュトロームが現れて騒然とするような展開の方が、ドラマとしては面白い。 犯人の職業については、アガサ・クリスティーへのオマージュかと思うようなミスリーディングが一つ用意されている。5ページほどだまされた。本当はクリスティー風に、クラシックに決めてくれた方が私好みではあるのだが、何ともはや勇ましく狂おしく華々しい最後の突撃に免じてゆるす。 クレイ博士、第2話でまたお目にかかるまで、どうぞおだいじに。 | ||||
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面白すぎて読むのを止められなかった… ミステリー小説としても30〜50冊に1冊、 あるいは5〜10年に1冊のウルトラ面白作品。 拍手しかない。 今後への期待が止まらない。 | ||||
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荒唐無稽感は拭えませんが、ドキドキして読みました。面白かったと思います。 | ||||
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頑固者だが気弱で人間との接触の下手な主人公が、犯人を追い詰めるまでの道筋がハラハラ、ドキドキ。 | ||||
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大学で生物工学を教えているセス・クレイ教授。彼がモンタナ州の人里離れた町に滞在中、近くの森で昔の教え子の死体が見つかりました。彼は教え子の死に衝撃をうけ、さらに自分が容疑者になったことから元来の偏屈気質に火がつきました。そして熊に殺されたとされるかつての教え子の死に疑問を抱き、独自に調査を始めるところからこの物語は始まります。事故当時、現場でフィールドワークをしていたセオが容疑者として疑われるのですが、ほどなくしてかつての教え子の殺害は熊の仕業とわかり釈放されることになりました。しかし、彼はこの事件は熊による食害ではなく殺人だと直感します。そしてモンタナの田舎の無能?警察を敵に回しつつ、思いもよらないトラブルに巻き込まれて行くという展開に・・・。 主人公は陰キャラでコミ障かつ体力にも自信がないというキャラクター。しかしその実、真実を手にするためなら法を度外視してでも単身危険に身を曝すことのできる立ち回りを見せ、決断優先の気質を持っていて、警察や殺人鬼に向かっていく気骨も非常に旺盛なところに私は興味を惹かれました。分かりやすく言うと、ダイハード的なハチャメチャなキャラクターということです。この辺は読む人によって感想も面白さも様々かもしれません。 中盤から後半にかけて、私は大いに楽しめました。特に終盤はアベンジャーズを思わせる、いやがおうにも盛り上がる展開でした。反面、行き当たりばったりとか、あるいはストーリーが粗い・ご都合主義などの意見も多いようで、その辺はうなずけるような。いずれにしても、ヒグマの襲撃というきっかけで始まる本書は、熊の出没が話題になっている昨今の日本でも話題になりそうな内容と言えるかもしれません。 | ||||
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