大いなる眠り

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大いなる眠りの評価:

3.95/5点 レビュー 62件。 C ランク

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平均点3.95pt

Amazonレビュー一覧

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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全94件 81〜94 5/5ページ
No.14
(4pt)

死者は、どんなに汚れた死に方をしていようが、ただ大いなる眠りに包まれているだけだ。

チャンドラーの小説は、プロットは曖昧で、ストーリーはそれほど劇的でもなく、ミステリーとしてみると物足りないかもしれない。
 それでも読み続けられる原因は、その文体からにじみ出るチャンドラーならではの雰囲気を楽しみたいからなのかも知れません。

 たとえばスターンウッド将軍の次女カーメンのくちもとをチャンドラーは次のように描写します。
「小さく鋭い、捕食動物を思わせる歯が見えた。新鮮なオレンジの甘皮のように白く、陶器のように鮮やかだ」

 スターンウッド将軍自身の描写は
「かさかさの白髪がいくつかの房になって、頭皮にしがみついていた。まるで野生の花が、むき出しの岩の上で生命を維持するべく闘っているみたいに」

 長女ヴィヴィアンの素敵な足については
「ふくらはぎは美しく、踵は細くすらりとして、そのなめらかな旋律は交響詩の一節になりそうだ」

 そのスターンウッド将軍と会う温室の植物については
「不気味な肉厚の葉、洗われたばかりの死人の指のような茎、それらは毛布の下でアルコールを沸騰させているような強烈な匂いを放っていた」

 などなど、例を挙げればきりがないほどです。歯の白さを陶器の白さに喩えることはできても、オレンジの甘皮に喩えるなんて思いもつきませんが、そんな比喩をさり気なくさらりと使いこなすところがチャンドラーの凄いところなのでしょう。

 また、主要な登場人物のみならず、ほんの脇役でも実に魅力的に描きます。
 例えば、狭くて小さな書店の女性は、本書の中ではほんの4ページ分しか登場せず、その後も一切登場しないのにもかかわらず、マーロウとの会話は知的で魅力的であり、強く印象に残る。
 本書は「ロンググッドバイ」や「さよなら愛しい人」に比べるとちょっと地味な印象です。
 しかし、上記のような点に注意して本書を読んでいくと、チャンドラー小説を読む面白みが味わえます。

大いなる眠り Amazon書評・レビュー: 大いなる眠りより
4152093420
No.13
(5pt)

世界観

チャンドラーの小説世界ははじめからもう完成されていた。
独特の言い回しや表現が現代によみがえった感じだ。
レイモンドにこだわりながら翻訳する村上さんに感謝しかないのだ。
大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150704643
No.12
(5pt)

世界観

チャンドラーの小説世界ははじめからもう完成されていた。
独特の言い回しや表現が現代によみがえった感じだ。
レイモンドにこだわりながら翻訳する村上さんに感謝しかないのだ。
大いなる眠り Amazon書評・レビュー: 大いなる眠りより
4152093420
No.11
(5pt)

偉大なるスタンダード

チャンドラーの記念すべき第一長編。
威圧的な大富豪と貧しくも高潔な私立探偵の対峙の構造は後続の夥しいエピゴーネンたちに繰り返し模倣されるプロトタイプ。
ハメットの『赤い収穫』と並ぶ所謂ハードボイルドミステリのスタンダードナンバーの如き存在。
創元推理文庫の双葉十三郎訳に馴染んできた者としては今回の版権移動に伴うその絶版は惜しいが、訳者あとがきにあるように既にミステリの枠を超えた存在のチャンドラー作品がアップデイトされるのは全面的に賛成。
卑しい街を行かねばならない騎士としてのマーロウが愛情あふれる訳文で活き活きと味わえる。
『長いお別れ(ロング・グッドバイ)』での憂愁を帯びたマーロウも魅力的だが本作でのチンピラ風な若気の至りを感じさせるヒーロー像もまた魅力。
大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150704643
No.10
(5pt)

偉大なるスタンダード

チャンドラーの記念すべき第一長編。
威圧的な大富豪と貧しくも高潔な私立探偵の対峙の構造は後続の夥しいエピゴーネンたちに繰り返し模倣されるプロトタイプ。
ハメットの『赤い収穫』と並ぶ所謂ハードボイルドミステリのスタンダードナンバーの如き存在。
創元推理文庫の双葉十三郎訳に馴染んできた者としては今回の版権移動に伴うその絶版は惜しいが、訳者あとがきにあるように既にミステリの枠を超えた存在のチャンドラー作品がアップデイトされるのは全面的に賛成。
卑しい街を行かねばならない騎士としてのマーロウが愛情あふれる訳文で活き活きと味わえる。
『長いお別れ(ロング・グッドバイ)』での憂愁を帯びたマーロウも魅力的だが本作でのチンピラ風な若気の至りを感じさせるヒーロー像もまた魅力。
大いなる眠り Amazon書評・レビュー: 大いなる眠りより
4152093420
No.9
(5pt)

待望の村上春樹訳待ってました!!

いつかこの「大いなる眠り」も村上春樹が訳してくれると思っていました。
チャンドラーの作品は邦訳されているものはすべて持っていますが、この「大いなる眠り」だけは唯一早川書房からではなく東京創元社からの刊行であった。
邦訳されたのも1950年代とかなり古く、読むには読めるがあまりに古くさい訳の為、いつかは新訳で読んでみたいとファンなら誰もが思っていただろう。
それが、チャンドラー作品を村上春樹が次々と邦訳することになり、「ロンググッドバイ」「さよなら、愛しい人」「リトルシスター」を経て、ついにチャンドラーファンが待ち望んでいた長編処女作の『大いなる眠り』が新訳によって、しかも早川書房より蘇った!!ありがとう早川書房!!
処女作にして、名作ロンググッドバイとほとんど変わらない完成されたマーロウは素晴らしいの一言。
そして最後に、村上春樹によるもはやあとがきではなく解説と呼べるにふさわしい読むべきに値する文章。
これだけでも読む価値はあると思います。
大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150704643
No.8
(5pt)

待望の村上春樹訳待ってました!!

いつかこの「大いなる眠り」も村上春樹が訳してくれると思っていました。
チャンドラーの作品は邦訳されているものはすべて持っていますが、この「大いなる眠り」だけは唯一早川書房からではなく東京創元社からの刊行であった。
邦訳されたのも1950年代とかなり古く、読むには読めるがあまりに古くさい訳の為、いつかは新訳で読んでみたいとファンなら誰もが思っていただろう。
それが、チャンドラー作品を村上春樹が次々と邦訳することになり、「ロンググッドバイ」「さよなら、愛しい人」「リトルシスター」を経て、ついにチャンドラーファンが待ち望んでいた長編処女作の『大いなる眠り』が新訳によって、しかも早川書房より蘇った!!ありがとう早川書房!!
処女作にして、名作ロンググッドバイとほとんど変わらない見事な文章の出来映えは素晴らしいの一言。
だけど個人的に表紙は何とかならんかったのだろうか。。。笑
大いなる眠り Amazon書評・レビュー: 大いなる眠りより
4152093420
No.7
(4pt)

村上春樹が翻訳予定です!

現在、創元推理文庫から出版されていますが、既に絶版状態が続いているため、
チャンドラー作品をほぼ出版している早川書房に問い合わせたところ、
『大いなる眠り』は村上春樹による翻訳で刊行予定であるとのことです。
ただ、刊行時期は未定とのこと。
清水俊二氏も翻訳していない作品だからこそ、是非とも新訳で読みたい作品です。
皆さん気長に待ちましょう。
大いなる眠り (創元推理文庫 131-1) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (創元推理文庫 131-1)より
4488131018
No.6
(5pt)

これからの日本に必要な男性像

自分の職業(双葉流に訳すと商売かな)に対する矜持。
自分のスタイル流儀を貫く意志の強さ。
異性 弱者に対する優しさ。 ありきたりとおっしゃる向きもあろうが、
やっぱり男子たるものかくありたい。
 この作品のマーロウが一番好きです。
定番落ちは何とも残念。双葉さんの訳文も歯切れがよくて読みやすい。
東京創元社さま 復刊期待してます。
大いなる眠り (創元推理文庫 131-1) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (創元推理文庫 131-1)より
4488131018
No.5
(4pt)

なんともいえない心地よさ

 いわゆるハードボイルドを読んだことの無かった僕は、最初、正直退屈だと感じた。探偵が登場するから推理小説なのだろうけれど、事件の形がはっきりしない。死体が登場するけど、殺人現場の細かな検証が行われるわけでもなく、暗号が登場するけど、それが論理的に解読されるわけではない。
 しかし、途中からなぜかはまり込んで、一気に読めてしまった。その原因は、マーロウをはじめとする登場人物の魅力、軽妙な会話、巧妙な情景描写にある。それらが、なんともいいようのない心地よさを生み出しているのだ。そして、読後に感じるむなしさも絶妙である。
 僕がこの作品に感じた魅力が、ハードボイルド一般の魅力なのか、チャンドラー特有のものなのか、それとも、この作品特有のものなのか、僕には分からない。だが、この作品が(本格推理の前提を忘れて読めば)傑作であることは間違いないと思う。
大いなる眠り (創元推理文庫 131-1) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (創元推理文庫 131-1)より
4488131018
No.4
(4pt)

大いなる楽しみ

双葉十三郎氏(映画評論家)の翻訳ってどんなだろうと思い、読んでみた。
半世紀前の訳で古くなった用語も当然あるが、いかにもハードボイルドというような気取りがないのがよく、まずまず手堅い印象(原文を見たわけではないので、何となくですが)。
作品については、いまさら言うまでもない名作。
マーロウは、もしこんなことで死んだら割に合わないだろうと思わせる行動もあるが、そこはお約束というか、ご愛嬌。
女性に対してはストイックで、感心したりあきれたり。
そんなところも含め、大いに楽しめた。
大いなる眠り (創元推理文庫 131-1) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (創元推理文庫 131-1)より
4488131018
No.3
(4pt)

フィリップ・マーロウの誕生

マーロウ・シリーズの第一作.マーロウだけでなくその他の(ひと癖もふた癖もある)登場人物の描写もいいし,状況描写も巧み.そして読み終わった後に押し寄せるやるせなさというか脱力感もいつもながら.今ではある程度一般的なハードボイルド物の特徴ではあるものの,これが1939年に出版されたというのが何といっても驚きで,偉大な先駆的作品なことを再確認させてくれる.
大いなる眠り (創元推理文庫 131-1) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (創元推理文庫 131-1)より
4488131018
No.2
(4pt)

カッコイイです

レイモンド・チャンドラーの処女作である本作。表紙も素敵です。半身不随の老将軍から強請の処理を依頼されたマーロウが思わぬ事件に巻き込まれていくというお話です。人物造詣が魅力的で読んでいて面白いです。また、ねっとりと絡みつく雰囲気が最初に老将軍に会った蘭の温室を始めとして作品のいたるところで感じられます。雨の場面が重要な所で出てくるのがその印象を強くしているでしょうか。主人公の格好良さももちろんですが、作品を形作っている雰囲気が魅力でしょう。何度も読み返すとそれだけ味が出てくると思います。個人的には騎士のモチーフが印象的でした。
大いなる眠り (創元推理文庫 131-1) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (創元推理文庫 131-1)より
4488131018
No.1
(5pt)

すばらしい翻訳

富豪のあばずれ娘の周りで起こる不可解な事件。それに巻き込まれて、いつもながらに無骨にうろつきまわる、マーロウの姿がある。双葉さんの翻訳がすばらしい。ぜひ原書と読み比べてみてほしい。マーロウのせりふの雰囲気が余すところ無く表現されている。
大いなる眠り (創元推理文庫 131-1) Amazon書評・レビュー: 大いなる眠り (創元推理文庫 131-1)より
4488131018