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コンテクスト・オブ・ザ・デッド
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コンテクスト・オブ・ザ・デッドの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.72pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
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内容は面白いです。 無駄に暗くなることもなく、偶にクスッとするところもありました。 読み終わって…いや、読んでいた途中から少し思っていたのですが、 ちょっと長すぎるのかな…? 羽田さんらしい批判的示唆に富み、ユーモアもありました。 因みに私は普段ブックカバーはしないのですが、珍しくしました。 表紙のモデルの女の子がとても可愛いです。 | ||||
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本の中の世界観に引き込まれ、夢中で読んでしまうほど。おすすめです! | ||||
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人間がゾンビになるのか、ゾンビが人間になるのか、区別がつかない。ゾンビの地球侵略を描くSF小説ではもちろんない。不思議なのはゾンビ化した人間とゾンビ化していない人間の区別がつかなくなることだ。著者は、ゾンビを人間の心に巣くう魔性として描きたかったのかもしれない。しかも、ゾンビ化した人間のほうがゾンビ化していない人間よりはるかに人間らしい心を持っている者がいることだ。さまざまな人物が登場し、次々とゾンビ化していくことで、ストーリーは混乱を極めるがそこがこの小説の面白さでもある。映画化されれば面白いと思う。小説なので、主人公をもっと明確に描いてほしいという感想をもった。次作にも期待したい。 | ||||
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「生きている」とはどういうことだろう。 改めて考えてみる機会を与えられた。 購入するときは、作者名で興味を持って購入したのだが、読み始めてみると読みやめられなかった。 描かれている世界はゾンビが襲来してきた近未来。 オチャラけた物語かと思ってただ楽しめるだけのものかと思って読みだした。 だが、簡単に読み進められない深さがあった。 ゾンビが急繁殖し始めてからの時間経過や社会の対応には、少々精査されていないようにも思えたがそのようなことが気にならない面白さがあった。 羽田圭介氏、さすが。 次作品も期待。 | ||||
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最初は、もし現存世界にゾンビが現れたとしたら..?という、云わばシンゴジラのような(日本にもしゴジラが現れたならば)世界観で読み進めてしまっていた(こんなに軽い気持ちで読んでいて申し訳ない、そんなわけはないよね)。 最初の渋谷でのゾンビ初登場シーンから吹いてしまった。誰かしら一度は考えるであろうことを文章化しただけで、ここまで笑いは生まれるのか。確かに、日本はゾンビって生まれるわけないよなって思ってしまった。このクスッではなく、噴き出して笑ってしまう文章から引き込まれた。飲み屋での大学生たちを表現している件でもこれと同じ笑いが在り、どっと笑ってしまった。友人に見せたところ同じように大笑いだ。このような笑いも多く組み込まれていて面白い。また小説の中の殆どの登場人物が作家や、出版関係者であり出版業界の裏側を垣間見ることが出来る。また、その登場する作家たちが叫ぶ文句、鬱憤は彼の現出版業界、社会への嘆きなのだろう。それがまた正直で面白い。 この作品のテーマが著書タイトルの「コンテクスト・オブ・ザ・デッド」から来るように「文脈」だ。『文脈』というテーマに死体のままに生きている人間である『ゾンビ』が絡まり物語が紡がれている。私たちが作る、文脈は誰かしらが作り上げたもののコピーでしかない、すべてはオマージュでしかない。オリジナルに、自由に己で考え、行動できるものがどれほどにいるのか。すべては誰かから影響され。誰かに同調して、何も考えずに適当に相槌を打ち、適当に共感し笑い、みなそうやって、生きている。 多分、いまの人間は殆どの者がゾンビだ。 そして、俺もゾンビだ。 | ||||
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ジョージ・A・ロメロ監督の「ドーン・オブ・ザ・デッド(ゾンビ)」以降「○○オブ・ザ・デッド」とのタイトルのゾンビ映画が量産され、シリアスからコメディまで、あらゆるタイプのゾンビ作品が流通するようになって長い昨今、遂に文学作品から「○○オブ・ザ・デッド」と題される作品が出版されようとは。 本書はカヴァー表紙から想像されるB級テイスト満載のエンタメ作品かと思いきや、しっかり真面目に文学について考察するゾンビ純文学作品でした。 直訳すると「死者の文脈」といったところか。 純文学文芸誌の編集者須賀、10年前純文学新人賞を受賞したものの最近は忘れられつつある作家K、美人の寡作作家の桃咲カヲル、区の福祉事務所で生活保護申請を対応する新垣、作家志望の南雲晶。 それぞれを主人公とした章が個々に進んでいくのですが、それぞれの章に、「場の空気を読む」世間の風潮に対する冷静な批判や「文学」に対する自身の想いが込められ、なかなかに面白い内容となっています。 羽田圭介の作品は本作が初めてでしたが、誰も書いたことのないもの、既成の「純文学」の文脈にとらわれない真に新しい小説を書き上げるとの信念を持って、読者の関心を引くエンタメ要素を持ち込みながらもしっかり文学しているその文体には好感が持てます。 「個々の人々の手に情報端末機器が普及し、あらゆるローカルな文脈もネットを通じてごく短期間で世界共通の文脈へ変化する」ようになった現代社会において、「内輪にしか通じないコミュニケーションをとり、他者が作り出した流れや考えにのっかったり盗んだりしがちで、かつそのことに対する自覚やためらいが薄い」者たちへの警鐘としても、本作は著者の真摯な態度が感じられる面白くて優れた作品だといえます。 | ||||
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勝手な第一印象で,当たり前に現れたゾンビを用いた,すごく笑える物語を想像していました。ゾンビの流行も念頭において,裏切ってくれる展開を期待していました。けれど,ゾンビは裏切りません。漠然と知っている分だけ,その怖さは倍増です。 ゾンビを通して見えるもの,と書いてみても悪い冗談のように感じてしまうぐらい,痛々しい笑いと,深刻さに付き合う人たちの姿の最後が,こちらにも映り込んでくることを止めることは出来ません。うーん,と腕を組むのもいけない気がして,読み終えた本書に対しては,言い訳みたいに「すごかった」と繰り返しては,書き直したくなります。丸を打つ度に,身が引き締まる思いです。 インパクトのある表紙の彼女も含めて,本書をお勧めします。 | ||||
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