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横道世之介
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横道世之介の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全141件 101~120 6/8ページ
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さんざん笑わせておいて、最後にそう来ましたか! 涙腺が弱い年代なので、号泣をこらえるのがやっとでした。 いつの間にか愛してしまいましたよ。世之介さん。 作中の方々と同じように。 「悪人」が一番だと思っていましたが、まさに横から「横道世之介」が躍り出ました。 | ||||
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明るくて、人見知りしなくて、どこかとぼけてそうな 世之介。 そんな世之介が長崎県から東京に出てきてからの 大学1年生のお話。 入学式でいきなり失敗したり 世之介以上に馴れ馴れしい男性と初日に友達になったり 間違えて話しかけた男性と 強引に友達になって、しばらくのちに 家にいりびたるようになったり 気後れすることなく、ずんずん進んでいく世之介なのに 途中で交錯する登場人物の未来の生活の中に 彼の姿がなく不安になる。 世之介の未来がというより 世之介ほど、馴れ馴れしく人と関わっていく人間でも 数年、数十年、関わらなくても平気になり 別の人生を歩め 「あんな奴いたなぁ」と思い出の青春の一ページでしかない 存在に、人はなっていくのかなと 寂しさも感じた。 あなたの思い出には 世之介のように、しばらく会っていないけれど ちょっとすれば思い出せる 忘れきらない人はいますか? そう問われているような 読み終わりの感動とともに、そういったことも感じた作品だった。 | ||||
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80年代に大学生となり上京した横道世之介の約1年間の生活と、取り巻く人々の20数年後の話が織り交ぜられていて、世之介と同じ頃大学時代を過ごした人にはなつかしくもせつなく感じる1冊です。 これといった強い野心も恵まれた容姿も無く、複雑な家庭環境で育ったわけでもない世之介は確かに同級生に一人はいたような人物で、それでも困っている同級生にバイトで貯めたお金を躊躇することなく貸したり、捨て猫を拾ったりする「力まず親切」な性格が彼のその後の人生に投影されます。 世之介のGFとして登場する祥子さんの「つくづくどこで自分の人生が変わったのだろうかと不思議に思う」「大切に育てるということは「大切なもの」を与えてやるのではなく、その「大切なもの」を失った時にどうやってそれを乗り越えるか、その強さを教えてやることではないか」という思いを、大学生の頃の自分に伝えたくなりました。 | ||||
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当たり前の日常、何処にでもある物語りだけど、その瞬間は時に誰かにとって大切な日々のほんの小さな思い出かもしれない。 | ||||
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お勧めです。 ただの青春小説ではない、善人を書いただけのお話でもない。 読み終わっても、心に残る。 構成の妙もあるが、、世之介をめぐる人々により過去と現在から語られる、 その世之介の人物像がいい。 ページ数は少なくないが、はいりこんで読める。 いい本だった。 | ||||
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何が良かったと言われても、答えが見つからない。 作者とは一回りくらい年代が違うが、 地方出身者特有の上京時の心持ちに共感。 文体の軽さ、会話の掛け合いの妙、時代との距離感・空気感、 20年後の場面転換による対比など、良いところは沢山ある。 その中でも、最も良かったのが登場人物。 特に恋人役の祥子が魅力的で、 はて、このような女性を私は知っていたのではないか、 青春時代に会っていたのではないか、 そんな錯覚にとらわれた。 作者の技量が十分に発揮されていると思う。 六畳一間の学生アパート、エアコンなど無い暑苦しい角部屋で、 扇風機に呆けた顔を近づけていた。 友人が転がり込んで、勝手に家に泊まっていく。 新宿で酔いつぶれて、そのままぐだぐだになりながら野宿したり、と そんなことも思い出した。 そして20年後の描写が、この作品に厚みを加える。 友人だった加藤が、世之介のことを嬉しそうに相方に語りかける。 加藤の様子が目に浮かぶ。 私は、世之介のように誰かの記憶に残っているだろうか、 そんなことをふと思った。 もう戻らないから美しい、過去の一幕。 非常に共感を持ってこの小説を読んだ。 若い読者は、もしかするとこの小説の空気感に違和感を覚えるかもしれない。 淡々と進む物語に、退屈を感じるかもしれない。 それでいいと思う。 年を経て読み返したときに、 この作品の良さに気づいてもらえればそれでいい。 | ||||
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奔放な主人公と、彼と出会った周囲の人々の日常が描かれている。主人公と関わった過去とそれぞれの現在が人間としての成長を感じさせる。 | ||||
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久しぶりに感情移入が出来た作品。しかしそれも当然で、著者とは1年違いでH大学の卒業生(全然知らなかったけど)だからだ。作中の倉持もそうだが、第一希望でH大学に入ってくる人間は多くない。早慶の滑り止めという感は否めない。したがって卒業生でも在学生でも母校愛のある人間が少ない。しかし著者は間違いなくH大学を愛していると感じるのである。今まで著者の作品では”パレード”が最高傑作であると思っていたが、今は間違いなくこの”横道世之介”が最高傑作だと思う。 | ||||
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今まで読んだ小説の中で、ベスト3に入る面白さでした!! もっともっと読みたい!! 吉田修一さんは「悪人」が最高傑作と思ってたけど こっちになりました。 | ||||
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ひと昔前の東京と、その頃、上京した横道与之助という主人公がいろんな出会いと出来事をしていく一年間を描いている。 今と何がちがうかといえば、大きくは携帯電話があるかないか、だけではないかと私は単純に捉えている。 だって、東京の朝や山手線のホームの描写に、こんなに涙が出るんだもの。今でもなお。 んなわけで、東京…に限らないが、明け方の街が好きな人には、いいんではないかなー | ||||
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吉田修一の作品はこれまで読んだことがなかった。『悪人』は、映画の予告だけでもう十分という感じで、原作も読む気がしなかった。この本をふと手にとって読んでみようと思ったのは、悪人とは真逆にあるような、ピンク色を使った柔らかな雰囲気の装丁と「横道」「世之介」という絶妙なネーミングのせいかもしれない。 軽い感じですいすい読めるし、こんな調子で続くのかなと思いながら読んでしまう。ところが、突然という感じで世之介と接点のある人の約20年後の話が挟みこまれている。この構成がなんとも効いている。なんでもない話で軽く読めるし、主として大学生の1年間を書いているだけなのに、この構成ゆえに、人生ってそういうものかもなんて思わせてくれる。 しかも、あまりしつこく追いかけていないのがいい。400ページ以上ある長い小説なのに、ちっとも長いとは思わなかった理由もその辺にあるのだろう。もっと読みたいような、これ以上知りたくないような、そんな感じである。 世之介の大学生時代は80年代に設定されている。私よりはすこし下の世代になるが、時代の空気感などはよく伝わってくる。なんだか懐かしいような気分。それは、80年代の空気感というだけではなく、世之介その人の雰囲気でもある。 「世之介に出会った人生と出会わなかった人生で何かが変わるだろうかと、ふと思う。たぶん何も変わりはない。ただ青春時代に世之介と出会わなかった人がこの世には大勢いるのかと思うと、なぜか自分がとても得をしたような気持ちになってくる」 世之介の友人加藤が後から思い出して語っている言葉である。でも、きっと加藤も世之介に出会ったことで変っているはず。ただ、「世之介とで出会ったからこうなった」と思うよりは、「何も変りはないけれど、得をしたような気持ちになる」と思えるところが、たぶん世之介の人柄なのであろう。 | ||||
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今年のシバカン賞ですよね。 なにを書いてもなにか賞を獲る吉田さん。すごいですよね。 私的には悪人とかパークライフとかバーニーズでとか、好きな作品がいっぱいあるんで、 ★は4つにしましたが、でもすごい読みやすい作品です。 横道さんのエピの入れ方がうまい。 どんどんエンタメの技を覚えて、世の中の賞を全部とっちゃうかもしれませんね | ||||
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噂に名高い『横道世之介』を読む。 日本の80年代から90年代にかけての日本最後の絶頂期にあったあの時代の雰囲気をそのままに、その時代をふんわりと生きていたどこにでもいそうな、しがない大学生の横道世之介を描く。 なにげない小市民の生活を描きだして、その人生をなぞってみせるところに吉田修一のうまさがある。 この物語で何を伝えようという目的があるわけでもなく、とってもいい加減で、のんびり屋の世之介が、ちょっとした笑いを提供してくれるところにこの物語の良さがあると思う。 ただ、そういう大学生活を送らなかった私としては、雰囲気は好きでも、懐かしいと感じられることはない。この物語に、書かれたような大学生活を嫌って、運動部に所属した私にとっては、ふーんというちょっと他人事の感じがどうしても否めなかった分、減点で★四つ。B+の評価である。 | ||||
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読み終わって「あ〜面白かった!」と爽やかな読後感。吉田作品は「日曜日たち」に続いて二冊目とビギナーですが、この作者好きだな〜って思います。僕は個人的には世之助が(会う人生と会わない人生では違う)くらいの存在だと思わなかったけど、でもやっぱり魅力的。ほほえましい。心がほっこり。 こういう作品をこれからもたくさん発表してくれたらうれしいです(^O^) | ||||
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横道世之介というどこにでもいそうで、実はなかなか出会えないのかもしれない大学生の東京での最初の1年(おそらくは1987年)を描いた小説。世之介の魅力を数百字で伝えるのは難しい。敢えてまとめれば、彼の魅力はその気負わない前向きさだろう。流れに巻き込まれて、意図せぬ状況に立ち至っても、後悔したり、言い訳したりせずに、とりあえずその状況を生きる。楽しもうとしたり、立ち向かおうとしたりしているようには見えない。そういう気負いはない。受け流しはするが、逃げはしない。後ろ向きではない程度の前向きさ。 作中、まるで過去を回想するように、約20年後の「現在」が挿入される。そこでは、40歳を過ぎて大人になった登場人物たちが、日常の隙間にふと世之介のことを思いだす。そういえばあんなヤツがいたな。おもしろいヤツだったな。あいつと知り合いになれてよかったよな、と。ずっとつきあいがつづいているわけではない。今、どこでどうしているかもわからない。でも、ふとしたきっかけで、楽しい思い出として、ほんの少し思いだす。ぼくはたぶん世之介よりひとつ年下で、やはりいま20年後の「現在」を生きている。ぼくに、そんな人物がどのくらいいるだろうか。 終盤、世之介が恋人のために用意したあるものが、当人の手にわたる。日々、人は人になにかを渡しながら生きる。気楽な思いだったり、重大な意図だったりを込めて。でも、言葉やモノに込めた意味は、そう簡単に正しくは伝わらない。意味は変容し、でも繋がって、受け継がれていく。「横道世之介」の終盤に描かれるのも、そうした弱い連鎖だ。意味を変えながら、手渡されるモノ。その脆さ。でも、表層的な意味が忘れられ、あるいは誤解されても、もっと深いところでは、ちゃんと繋がって、引き継がれていく、その強さ。なんてことのない日常、なんてことのない友人、家族のかけがえのない愛おしさを、そのまんま書いてしまったこと、書けてしまっていることが、この小説を、かけがえなく愛おしいものにしているように思える。 | ||||
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1987年4月。大学進学のために九州から上京した横道世之介。彼が東京で新たに出会った人々との、さほど波乱に富まない一年の記録。 2010年度本屋大賞の候補作という程度の知識以外に情報もないまま手にしたのですが、10頁ほど読んで、今さら80年代の青春小説? と思い、一度本を措いたのです。 一日おいて、別に手にし始めていた長編小説にほんのいっとき飽いたものですから、再度手にして読み始めたところ、あるところから俄然物語が魅力的に見えてきて、一日で読み切ってしまいました。 世之介の一年は、彼を飛躍的に成長させるわけではありません。なんとなく入部したサンバ・サークルで大活躍するわけでもなければ、カモミール・ティーが何だかも知らないし、年上の魅力的な女性・千春とも接点がありそうでなさそう。 彼の何が具体的に魅力かというと、それは「いろんなことに、『YES』 って言っているような人」という以外には「ほんとになんて言えばいいのかなぁ…」という印象の男の子です。 そんな男の子の一年を読むこの小説ですが、ところどころに世之介と出会った人々の20年後が差し挟まれるに至って、これが彼の物語ではなくて、彼と出会った人々の物語であることに気づくのです。 「世之介と出会った人生と出会わなかった人生で何かが変わるだろうかと、ふと思う。たぶん何も変わりはしない。ただ青春時代に世之介と出会わなかった人がこの世の中には大勢いるのかと思うと、なぜか自分がとても得をしたような気持ちになってくる」(171頁)。 世之介の人生と接点をもったことで、そんなに大きく自分の人生が変わったという手ごたえを得られるわけではないけれど、それでもヤツとの出会いは自分の人生に意味があったという気がしてくる。 そんなヤツ(ら)との出会いが人生を少しずつ形作っていく。 自らの人生を振り返ってそんな風に思わせてくれる小説です。 | ||||
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新聞連載小説だったということで、読みやすかったです。内容は大した起伏も無く80年代の学生生活が淡々と進んでいくので、少しイライラしながらも当時学生だったころを思い出しながら読んでいたところ、急に20数年後の展開が挟まり、その後主人公の将来を暗示させる挿話があったりと、今度はハラハラしながら読みだしてしまいました。 作者の小説は初めて読みましたが、視点が変わる話の進み方に、誰でもが自分の人生の主人公であり、自分を取り囲むそれぞれの人々にとっては逆の立場になるということを考えさせられました。 最後の方で再登場してくる祥子さんの姿にほれぼれしました。読み終わってしまうのがもったいなかったです。 | ||||
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淡々と話が進むが引き込まれていく感じ。作者の代表作になるんでしょうね。自分の若い頃にリンクさせて読んでしまいました。世之介くん、最高やね!! | ||||
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ノスタルジックに語られていく横道世之介の濃い1年と、短い人生に、悪人が一人も出てこない。切ないほろ苦さに、心地よく酔わされて最後まで。どれだけ上手いのか。今後、目の離せない作家である。 | ||||
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登場人物の20年後が一人ずつ突然ちょこっとだけ投下される構成がすごくよかったです。“今”と20年後の各登場人物の雰囲気の乖離がなかなか強烈で……。終盤は祥子ちゃんの20年後がいつ来るかハラハラして、いよいよ来た時はページを早くめくりたいようなもうめくりたくないような……そんな気持ちにさせられました。そういったところも含めとても魅力に溢れた作品でした。絶妙な構成だったと思います。吉田修一作品の中では最も印象に残りそうな作品です。 | ||||
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