■スポンサードリンク
横道世之介
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
横道世之介の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
一つ一つの話はまぁ普通だがありがちでもある。また時代も場所もよくわかり懐かしい。まったりとした時間にまったり読むにはいい。しかし続編の展開が全く読めない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画を見て気に入って原作を読んだが、小説の方がむしろ味わいがなかった。 また世之助君の未来は最終作で明かされた方が良かったのでは? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画を観て、高良さんと吉高さんの演ずる世之介と祥子がとても素敵に、そして切なく思えました。 原作ではどのように描かれていたのだろうと、本作を手にしたのですが… 映画の限られた時間(といっても2時間40分の長尺ですが)で省かれたエピソードや、伝えきれていない背景などがわかり、「映画の理解」をさらに深めることができました。 しかし、なんともいえない違和感を感じ、それは読了まで払拭することはできませんでした。小説で描かれる世之介に対し、映画の中の世之介に感じたような好意を抱けなかったというのが、正直な感想です。 映画では良い人寄りの人物造形だったのですが、小説の世之介はKY系のキャラクターのようでした。交際していた祥子はともかく、他の人たちに関しては、なんでこの程度の人望と関わり具合であるにも関わらず、あいつに会えて良かったと思われるほど皆の記憶に影響を及ぼしたのか、どうも説得力を感じません。 もし、原作から先に読んだのであれば、映画を観終わった後のような気持ちは抱かなかったと思います。 軽い文体で気軽に読める良作だとは思いますが、映画を先に観たせいか、映画の補完としてのおもしろさかなぁという感じです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
長崎から上京した、世之介が都会の喧騒に最初は戸惑いながら 東京に上手く染まり、色々な人との出会いを得て、少しづつ成長していく物語だ。 世之介自身は、どこにでもいる普通の田舎から上京したという感じの大学生で パッと見普通の青春ストーリーのように思えるのだが 魅力的な登場人物であったり(皆一様に普通の人達なのだが) 端々に見える、世之介のすぐに人に好かれるのも納得できる 人の良さに、世之介をすごく好きになってしまう。 読み始めてから、普通の大学生の生活を追っているだけなのに 気付けば引き込まれて最後まで読んでいた。 良くも悪くも吉田修一らしい、人の人生の一部分の切り取り方で 本書が好きか否かで、吉田修一が好きかどうかわかると思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
タイトルは主人公の通称かなにかかと思っていたら本名!本作はザ・青春小説という感じで、その名の通り主人公・横道世之介の青春時代をメインとして彼の人生(半生?)を追った内容となっています。 読んでいくとわかるのですが、名前の奇抜さに反して主人公自身は至って凡人。一期一会という言葉を体現するように大学生の主人公はさまざまな人と出会い、友情を育み、恋をしていきます。そこに際立ったドラマ性はなく、珍しさもなく、読み手を惹きつけるようなスリル満点の大きな事件が起こるわけでもない。本当にただの大学生の青春時代をそのまま切り取っただけのようなお話で、正直エンタメ性はほぼないに等しい。ですが、だからこそ架空でありながら生の雰囲気が横道世之介に吹き込まれていると感じました。作中「すべてのことに対してイエスと言っているような人」と形容されていますがまさにこれ。読み終わる頃にはこの凡人が一番好きな登場人物になっていました。 文章は読みやすく、同作者の「パレード」ほど斬新でメリハリの利いた筆致・ストーリーではないにしろ青春小説としては良質の部類に入ると思います。エンタメ主体ではなく主人公の青春時代を詰め込んだ内容のため彼に共感できるか否かで評価は割れるかな。☆3。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
可はあるが、不可は無くして生きる男 そんなどこにでも居そうでどこにも居ないような世之介の青春ドラマは、感動は無いけど、読んだ後が爽やかでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作家高見順の名言に「描写の背後に寝てはいられない」というのがあります。自分には、この毎日新聞に連載された小説では、作者が描写の背後に寝てしまっている感がするのです。確かに器用な読み易い文章で、登場人物を描き、各人物の動きの細かい部分での仕草の描き方は確かに見事です。例えば冒頭で、土台が大理石の重い時計を持ってこらずにはいられなかった描写だけで、主人公の性格を想像させるなどは秀逸な筆遣いです。会話の展開も誠にうまい!と感心させられます。 ただ、読んでいくにつけて、その他の登場する各々の人物像が何故か性格が明瞭でない、個性がわからない、よってその立ち姿が想像出来ないのは自分だけでしょうか? 器用な描写に安住し、人間が深くには描けていない。作者が寝てしまっているというのはそういう意味なのです。繰り返しますが現代風俗としての大都会での学生像とそれを取り巻く人間模様は描けていて読ませはするのですが、どうも各人の個性が浮かんでこないのです。これでは小説という活字としては物足りません。 映画化された作品を見ましたが、吉高由里子さんの演技力のおかげで、やっと主人公の恋人である祥子像がはっきりしましたし、友人の倉持像、母親像もなるほどと思わされました。祥子の父親像などは映画の人物造形の方がはるかに秀逸でした。監督の演出の見事さを差し引いても、「活字が映像に負けてしまっている」と言っては酷でしょうか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
著者は大好きな作家のひとりでですが、 本作については、最後までなじめなかった。 何がなじめないかというと、時代の空気感といったらよいだろうか 読む人の性格の問題ではあるかもしれないが、 いろんな事件は起こるものの、また、世之介にしても決してふざけているわけではなく 一生懸命に生きているというのはわかるのだが、なんとも全体に流れる空気感全体が あまりにも”青春”、あまりにも”平和”、すぎであり、著書のパレードで描かれた 若者の一種の”しらけ”みたいなものを排除した、パレードの空気感と 真反対の東京青春群像劇であるような気がする。 よって、パレードが好きな人は、あまりなじめないと思うし、 本作が好きな人は、パレードはなじまないように感じた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画を観てから読んだのですが、筆者の自伝的要素が混ざっているのか、何かちょっと美化された記憶のような感じですっきりしませんでした。映画の方が出来がいいです | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読み始める前は世之助がもっと自己犠牲的な博愛主義なイイ奴かと勝手に想像していたがそうでもなく 普通にどこにでもいそうなお調子者だったので少し拍子抜けした なので友人の 「ただ青春時代に世之介と出会わなかった人がこの世には大勢いるのかと思うと、 なぜか自分がとても得をしたような気持ちになってくる」 というセリフがあまり響かなかったし、過剰な気持ちの押し付けを感じてしまった それでも、大きな出来事もないのに、グイグイ引き込まれて一気に読み終えてしまった 日常の小さな幸せ、身の回りの人の温かさを感じるのにはいい作品だと思う | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
タイトルの面白さは買うが、淡々と進む過去と、忘れた頃に出てくる「今」。 その糸がどう捻るのかを最大の焦点として読み進めたけれど、プツンと切れた糸は宙に漂う蜘蛛の糸になる。 特に主人公の元カノが、あまりにも変貌しているため 世之介のブランクが余計に気になるのだが、作者はあっさり線引きしてしまう。 オチの吉田修一に慣れた読者には、物足りない。ノスタルジー以外に、何を読み取ればいいのか、自分には解らない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画化とそのあらすじを読み、これは面白いのではと期待して手に取りましたが、 どうにも求めていた面白さはありませんでした。 というのも、この作品は80年代を舞台にした青春小説ですが、ところどころに仕掛けが有り それをフックにして物語にメリハリをつけています。 ところが物語の9割を占める肝心の世之介のお話自体が物凄くチープ。 世之介自体も良く言えば愛嬌のある性格だが、悪く言えば流されやすいただの若者であり(そこがいいのかもしれません) 東京にガールフレンドが居ながら、地元で元カノとラブホテルに入ろうとしたりと、 正直あまり好感が持てるタイプではありませんでした。 それが青春小説の醍醐味と言われればそれまでですが。 そして物語自体がチープかつご都合主義でありながら(バレンタインのチョコのくだりは酷かった) 文量だけは450ページ超とボリュームがあります。 しかしそのボリュームに反して、メインとなるような内容もない事もあり非常に全体として薄味です。 この描写、必要なのか?というような箇所も多く、ダレる人は途中でダレてしまうのでは、とも思います。 また、作中で他の実在する作家の事を(というよりその作家に影響されすぎる人のことでしたが) 悪い意味でネタにしてしまっている点も気になりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
相変わらず着眼がすばらしい吉田修一さんお得意の日常あるあるを のんびりした気持ちで心地よく読み進めていると、 中盤、ノーモーションで強烈な一発が飛んできます。 あまりにすごいタイミングなので避けるのは困難。 自分も思わずのけぞって、本から顔を上げてしまいました。 そうか。これ、そういう話なのか。 完全に油断してた。 そこからは、このお話との向き合い方が180度、 とまでは言わないまでも94度くらい変わります。 まわりに流されて興味もないサンバサークルに入ってしまうような お人好し野郎、横道世之介のしょうもない物語は、 やがて多くの人が心に留めているであろう実在の出来事につながっていきます。 自分もあのときは言い知れぬ憤りを覚えたっけ。 正しいことをしちゃいけない局面だってあるんじゃないのかと。 自分ならどうするだろうと、みんなが少なからず考えた出来事だったと思います。 そこへいくと最後の母親の手紙の一節がひとつの答えになっていて、 憎いことするなあ。あざとすぎるぞ吉田修一め。と。 身をよじりながら本を閉じることになりました。 主人公である横道世之介のパートは第三者視点で、 その他の人々は一人称で書かれる逆転の構造も とてもうまく機能していて、さすがです。 うっかりサイトで映画の予告編見たら泣きそうになりました。 あっぶねー! 「思い出の片隅の真ん中で―」ってコピー、誰が考えたんだろう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
リーダビリティの高い小説である。しかし誤解を恐れずにいうと、面白いような面白くないような小説でもある。僕はシリアスな吉田修一は好きだが、コミカルな吉田修一は肌に合わない。心の暗部に訴えてくるものが多い前者に対して、後者は頭でこねくり回してでっち上げているような印象がある。ほら、こんな面白いこと思いつきましたよ、どうぞ笑ってね。と言われているようで…何だかなあ。本書はその色合いがちょっと強いと感じた。 世之介や祥子といった主要登場人物たちが、いかにも頭の中で創り上げられた存在のようで(まあ、それはその通りなんだけど)、生々しいキャラクターに感じられない。いや、確かに面白いことを言っているし、うーむと考えさせられるところはあるんだけど、ハートを直撃してこないというか、どうにも作者の体を通した生の声として伝わってこない。あくまで演劇用の「台詞」という感じなのだ。 でも、今回はそれが狙いなのかな、とも思ったり。そもそも横道世之介という造形が、類まれな天使性を持っている。本書は実際に起こったある事件にインスパイアされているが、社会派のミステリ作家ならもっと濃いドラマを紡ぐであろうところを、吉田修一はいとも軽やかな青春小説に仕上げている。“汚れちまった現代社会のフェアリーテール”といった趣なのかもしれない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
あの時、が懐かしく思い出せる人には、堪らないかもしれない。 あの時を知らない自分は、バブルだねえ、としか…。 読後感は爽やかで、少し切なかった。 それにしても吉田さん、韓国に関係がある人なのかしら。 それが少し気になった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
吉田修一さんの小説を読むのは3冊目なのですが、 何気ない、淡々とした日常を描くのが上手い作家さんなのだなと 思います。 この作品も、長崎から上京してきた主人公の1年間と彼をとりまく 人々及び彼らのその後が描かれます。 80年代に大學生活を送った人については、特に懐かしい作品でしょう。 この先ネタバレあり ひっかかったのは、そう多くはない登場人物の中から、国連職員(しかも勤務地は難民キャンプ)、 国際報道カメラマン、画家のプロデユーサー兼ラジオでも番組を持つ人、と3人も あまり普通でない職業についた人が出たこと。 彼らの青春時代は、最後の一人を除いて、かなり普通だったのに。 国連職員と報道カメラマンには、特に違和感を感じました。 主人公の最後もドラマチック。 親しみやすい若い主人公の淡々とした毎日を、彼をとりまく人々と共に描く、 ということで、「ガープの世界」を連想したのですが、ガープの最後は もっと日常的なものだった。 それにより、小説世界がよりリアルに感じられ ガープが死んだことが、しばらく信じられなかった。 主人公には、もっと普通の仕事と普通の最後が相応しいような。 って思うのは、私だけ、私の勝手な要望なのかもしれませんが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
草食系男子とは、この物語の主人公のような人のことを言うのだろうかと思いました。 心優しく、ちょっと気弱で、それでも正しく生きる。恋愛もする。周囲を取り巻く人々にも生活がある。 たいていの物語は主人公が主人公であるのですが、この物語は何となく主人公を取り巻く人々が主人公のような感覚でした。 現実の私たちの周りにも横道くんのような人がいて、そこにも物語がある。 それに気付かされる。 そんな感覚でした。 今まではわりと「小説(原作)>映像化」でしたが、この作品は映像化したほうが良さが出るような気がしました。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!