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みかづき
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みかづきの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全133件 81~100 5/7ページ
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今まで塾を舞台にした小説は読んだ事が無かったと思う。 まず登場人物が皆個性的で人間的な魅力がある。 家族の中でも母と娘、夫婦、姉妹、それぞれの関係がとても面白い。 ぶつかり合い憎みながらもお互いを思う気持ちがとてもよく分かる。 時代も昭和から平成になり教育を取り巻く状況も大きく変化していく。 かなり綿密に取材された事と思いますが、難しくなく日常生活の描写で上手く描いています。 長い話ですがスッポトライトを当てる人物を上手く変えながら話が進み読みやすい。 全編を読んで感動したし、構成力とでもいうのか、文章力と言うのか分かりませんが 流れるような感じで読み終えました。読んで損はないと思います。 | ||||
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昭和から平成と約40年を生き抜き拡大する1つの塾。その塾に関わる家族や他塾や行政との争い、派生する事業展開など幅広いストーリー展開が描かれている。難しい題材や内容も家族物語が中心となっているため人情ものとしても読める。しかし、約470ページという長編は読んでいて疲れる。 | ||||
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自宅の一室から始まり、やがて、千葉県を代表するようになったある塾とある家族、ある男女の五十年。昭和で言えば三十年代半ばから、平成で言えば二十年代半ばまで。塾も変われば、家族も変わる、男女も変わり続ける、たった一つのことさえ変えなければ。 そう言えば、ぼくんちも塾でした。昭和四十年代、親父は本業だけでは五人の子どもを育てられないと思ったのか、個人塾を職住隣接の家屋で始め、当初は数十人を集めていました。おかげで、ぼくらは皆、大学に行くことができました。大手でなくても、まだ子どもたちが集まった時代です。 その十年後、ぼくの大学時代、塾を開こうと新聞にチラシを入れてみたものの、生徒はたったひとり。もはや、個人塾の時代は終わっていたのでしょう。ぼくは、家庭教師を何軒か掛け持ちしながら、大学生活をやりくりしました。 小説の塾家族たちが、ぼくや親父と大きく違うのは、子育て費用や生活費をどうにかしたいということ以前に、子どもたちに教える、いや、子どもたちを成長させる、成長する子どもたちをサポートすることに並々ならぬ情熱と労力をつぎ込み、並々ならぬ苦悩と喜びを味わっている点です。 反省させられました。けれども、巻末のあたりの物語には、希望を与えられました。時代が近いせいもあるかも知れませんが。 貧困家庭の子どもたちに無料で勉強をサポートする。じつは、これは、昭和三十年代からの伏線でもあったのですが。ぼくも、ちょうど、似たようなことを考えていました。無料ではないけれども、大手塾にあわないような子どもたちのための補習塾、家計が厳しければ、授業料を安くする、そんな塾を開きたいと思っていたところでした。これには、自分の家計の足しに、ということだけでなく、社会的な意味があるかなと。 社会的な意味を考えるのであれば、ポリシーも必要でしょう。軍人として戦死した、塾創業女性の父親は「誰の言葉にも惑わされずに、自分の頭で考えつづけるんだ」(p.176)という言葉を残しました。 これが、女性が始めた塾五十年の通奏低音になるのです。「口をはさみすぎないこと・・・子どもはその場じゃわかったような気になるかもしれないが、それでは基礎学力が」(p.402)。「急ぐことはない・・・まずは神経を鎮め、考える力のすべてを目の前の一問へそそぐこと。その一歩さえ踏みだすことができれば、多くの子はおのずから歩みだす」(p.6)。「教える側が先まわりをしてあれこれ世話を焼きすぎなければ、おのずと頭を使いだす」(p.50)。 けれども、自分の頭で考えつづけることは、勉強のためだけではなく、生きることそのもののためではないでしょうか。考えつづけなければ、「神の国ではなくなって、軍事教育も民主主義教育へとってかわられた」(p.15)と思ったことが「甘い見つもり」(同)だったこともわからないからです。考えつづけなければならないのは、昭和と平成の物語の子どもたちだけでなく、平成を生きるおとなたちもです。 「親がすべきは一つよ。人生は生きる価値があるってことを、自分の人生をもって教えるだけ」(p.153)。自分が満月になってしまったら、もう考えるつづけることもなく、誰かの言葉に惑わされてしまうだけです。みかづきのように、つねに満ち足りず、考えつづけていく、それこそが生きる価値ではないでしょうか。 | ||||
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こんな人が側にいたら、私は数学オンチから脱出出来たに違いない。縁で繋がり、登場人物は皆、魅力的で、飽きずに読めました。私なら本屋大賞はこちらだな。内容が大人も楽しめるし蜜蜂はどちらかというと若者向き感あり。 | ||||
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本屋大賞2位というのと、好きな作家さんということで読みました。 それぞれ登場人物が自分の信念を持っていて魅力的で、その生き方に触れて私も感じるものがありました。 読んで良かったと思いますし、多くの人に読んでもらいたいと感じた作品です。 | ||||
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塾を太陽(公教育)が照らしきれない子どもたちを照らす月ととらえ、その経営に携わった一族の3代以上にわたる物語。みかづきは、満月になりえない途上の月を表しているらしい。 教育の問題点を浮き彫りにした書としても読みがいがあるが、家族の歴史、時の流れの中でのそれぞれの思いを見事に描いた面白く秀逸な作品と感じた。 小説を読む楽しさを実感できる作品としてお薦めできる。 印象的だった一節をあげれば、「娘たちはそれぞれのタイミングでそれぞれのやり方で羽を開く……家族とは多かれ少なかれ裏切りあいながら生きていくものではないのか」。決して諦念ではなく、互いに自立し生きがいを持った大人の距離感がそこにはあった。 娘が赤ん坊を産み、大人になって父母や祖父母を顧みるという長い家族の歴史の中の物語に心打たれた。 読後に、家族各人の人生・生き方がしみじみと余韻を持って心に広がり、いい読書ができたと感じている。 | ||||
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恩田陸さんの「蜂蜜と遠雷」から間を置かずにこの本を手に取り、4日間で読了してしまうほど、魅せられ惹き付けられてしまいました。私自身は49歳ですが、文中至るところに時代を切り取るキーワードが散りばめられていて、自らの人生を辿っているような感じを覚えました。そんな時代の流れの中、教育現場ではかくも多くの曲折を経ていたとは知らず、自らの教育への無関心ぶりを思い知らされました。この本をきっかけとして、この国の教育のあり方を自ら改めて考えてみようと思います。 | ||||
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分厚いので数日かけて読むつもりでしたが、1日であっという間に読み終わりました。 地名が全て知っているところだったので、人物、塾名などは別として、ある程度本当の話なのでしょうか。千葉のあの辺にそんな歴史があったのかしら?と興味深く読みました。 子ども達は当たり前のように塾に通っていますが、確かに通えない子もいるということ、教育の格差などについて考えさせられました。 | ||||
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実際の教育・学習塾業界の現実歴史にもリンクさせつついろんな展開を見せつつおもしろいフィクションになっていると思います | ||||
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途中、4分の1、4分の2・4分の3でそれぞれ終わった方が良かったような気もしたが、とにかく最後まで同じペースで読むことができました。 塾の通史的意味で価値有りかも。 それが必要かどうかは疑問ですが。 | ||||
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戦後、教育を取り巻く環境が「塾」の変遷とともに少しばかり見えた気がしました。 「教育」というと堅苦しい話にも思えてきますが、読みやすかったと思います。 個人的には第八章の話が一番好きです。 就職氷河期に身をおいた一郎。就職もせずにバイト生活。 でもそこから自分の居場所を見つけていく。この一郎の行く末をもう少し見て見たかったかな。 星五つにならない理由は登場人物のキャラクターがイマイチ伝わってこないということ……。 特に、最初から最後まで登場する、大島五郎の笑い上戸なところが、馴染めなかったところが……大きいデス。 | ||||
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月と太陽。うまい表現で教育現場を捉えていました。 ただ、この構図は全日制vs.通信制高校の構図にも思えて 通信制高校で教えている私にとってはとても辛辣な思いで読ませていただきました。不登校による学力格差をなくしていくよう、通信制高校の利点を活かして頑張っていこうと心新たな気持ちになりました。感謝。 | ||||
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久々に読みごたえがあり面白い小説に出会いました。 テーマとなっている教育にまつわるエピソードはもとより、展開のテンポがよく、気がついたら数年の年月がたってたりして、分厚い本ながら読んでいて全く飽きませんでした。 立志伝中の主人公2人を軸にしつつ、それぞれ個性のある登場人物の魅力に焦点をあてながらの早い展開は、まるでNHKの朝ドラを見ている様でした。 教育に興味があってもなくても、共感したり泣いたり笑ったりできる、お勧めの本です。 | ||||
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個人塾から中堅・大手塾に成長する塾創業一族の、昭和から平成を駆け抜ける一大教育サーガ。連作短編集の趣で、主役が代替わりしながら、運命をつづら折りに繰り返していく。大河ドラマ的かつ朝の連ドラ的な壮大な展開であり、何十年にもおよぶ「塾」vs「文部省」の因縁の対決ストーリーでもある。 各時代の教育問題をリアルに再現し、一族が運命を繰り返してく緻密で大胆なストーリー展開はもちろんなんですが、やっぱり本書の最大の長所は、これ以上ないほどに洗練された現代小説随一ともいえる「お涙頂戴」な展開と演出(良い意味で)。 「風に舞い上がるビニールシート」が流行った頃に数冊読んでどれもおもしろかったけれども、それが今回さらに進化した感じ。 究極の大衆小説。圧倒的庶民小説。文章は平易なわかりやすさに徹して、絶対にてらった表現は使わない。読みやすさだけを重視、児童小説も書く人だからか。 それでいて、陳腐さはなく、退屈でもなく、スリリングで物語に巻き込まれることは必至。 一貫してほのぼのとしたのんきなユーモラスな文体の中に、突然、泣かせの荒技が鮮やかにきまる。 小説で泣くことなんか、まーありませんが、この本には最低3箇所はやられましたですね。すげーうまい、超狙ってる。あれはやられる。 この小説にオススメのハッシュタグはですね 「子育て」「塾」「シングルマザー」「教育格差」「文部省」 等です。非常に質の高い小説でした。あーおもしろかった。 | ||||
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知人に勧められてアマゾンで購入しました。絵本かと思っていたら、分厚くて長くてびっくり。読み始めたらどんどん読める。主人公一家の一員になった気持ちで読み終えた時、タイトルの意味がこころにぐっと来ました。本当に面白かったです。 | ||||
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昭和から平成の移り変わりの中のリアルな社会背景を登場人物に絡めノンフィクションかと錯覚するほどでした。 学力のみの話題ではなく、人を育てる教育について考えさせられる本です。 千明が人として丸みを帯びてきてからの話の展開が感動的でした。いい本です。 | ||||
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テーマは誰もが一家言ありそうな「塾」。それだけでひきつけるものがある。 そして、必要悪ともいえる職業に就く人たちには、王道を歩んでいない悲哀と矜持がないまぜになっている。この人間ドラマが面白い。 構成もいい。昭和からの歴史も辿りながらも、倒置やスキップを織り交ぜて飽きさせない。 文章もうまい。最後のエモーショナルなくだりも嫌味なく浸れる。どれをとってもレベルが高い。 | ||||
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児童教育専門、児童文学出身の森絵都さんの渾身の教育論小説。 本来カチコチになってしかるべき題材を、ここまで魅力的な作品にできるのは流石!です。 物語は、主人公・吾郎と、妻・千明による塾経営を中心に進みます。のんきで鷹揚で、子どもを教える才能のある吾郎。戦後の公教育への反発を抱え、文部省と対立しながら、塾ビジネスに没頭していく妻・千明。その母で物語に味を出すおばあちゃん頼子、吾郎夫婦の子どもの三姉妹。さらにその子の代が貧困家庭の子どもたちに勉強を教えるボランティアを開始……。ほぼ50年に渡って、時代、時代の教育問題を細かく織り込みながら、物語は進みます。 公教育の「太陽」に対して、塾は「月」。 また吾郎は、つねにより高みを目ざして求め続ける千明を、「けっして満ちることのない月」と形容します。 そして「教育」もまた、いつの時代も、足りない足りないと悲観され続ける「満ちることのない三日月」。人は満ちたい満ちたいと思えばこそ、研鑽を積むのではないか……。物語は終盤、タイトル「みかづき」に収斂されていきます。 教育問題や家族の葛藤、貧困家庭の子どもたちなどについて、つらい現実を何重にも描きながら、作品のそこここに、フッと笑ってしまう可笑しみが散りばめられています。勝気な次女が、ようやく家族に見せた弱い部分が「口裂け女」が怖かった話だったり。やっとのことで自ら言葉を発し始めた男の子の口調が「べらんめえ口調」だったり。主人公の吾郎が、ここぞという場面で、オヤジギャグで一人笑いしたり、一人笑いが次女に遺伝(?)していたり。会話のテンポも絶妙で、感動に涙しながら、クスクスしちゃいます。 人間が生きるということのかなしさ、可笑しさ、愛おしさを堪能させてくれる作品です。 森さんには児童文学や絵本作品も多いですが、大人向けの小説でも、子どもや若者を描くときの筆の冴えは抜群です。登場人物たちの若さゆえの生意気や不器用、子どもらしい言動に対して、作者自身が愛おしさを抱いているのを感じます。 『風に舞いあがるビニールシート』の世界や、福島を取材している森さんの弱者に対する真摯な眼差しと問題意識が、ここにも貫かれています。 吾郎の人柄に惚れ、泣いたり笑ったりしながら読了しました | ||||
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物語仕立てにしているが、これは学習塾の歴史ドキュメンタリー。 モデルは山田義塾か? 勉強が出来ない子供たちのための補習塾から、受験時代に皆が通う進学塾に。 そして塾に通えない子供たちへのボランティア教室。 学校教育の側にあって、ある時はアンチ学校、ある時はフォロー。 塾は教育の歴史そのもの。 それが丁寧で、熱い筆致で描かれている。 恐らく映像化されると思うが、とても楽しみです。 | ||||
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塾をテーマにした話なので、教育とは何かを考える機会となった。 | ||||
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