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みかづき
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みかづきの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全163件 121~140 7/9ページ
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本書は本屋大賞を逃した作品です。 恩田陸さんの「蜂蜜と遠雷」が受賞しました。 なぜか? 個人的に分析しました。 「みかづき」は余分な描写が多すぎます。飛ばし読みしても話がつながります。 しかし同じくらいのページ数なのに「蜂蜜と遠雷」は飛ばし読みするのが惜しいくらい正確な文章がつながっていきます。 その差だと私は思っています。 今のままだと森さんがこの先本屋大賞を受賞することは永久にありえません。 森さん。ちょっと頑張った方が良いですよ。 | ||||
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テーマは誰もが一家言ありそうな「塾」。それだけでひきつけるものがある。 そして、必要悪ともいえる職業に就く人たちには、王道を歩んでいない悲哀と矜持がないまぜになっている。この人間ドラマが面白い。 構成もいい。昭和からの歴史も辿りながらも、倒置やスキップを織り交ぜて飽きさせない。 文章もうまい。最後のエモーショナルなくだりも嫌味なく浸れる。どれをとってもレベルが高い。 | ||||
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児童教育専門、児童文学出身の森絵都さんの渾身の教育論小説。 本来カチコチになってしかるべき題材を、ここまで魅力的な作品にできるのは流石!です。 物語は、主人公・吾郎と、妻・千明による塾経営を中心に進みます。のんきで鷹揚で、子どもを教える才能のある吾郎。戦後の公教育への反発を抱え、文部省と対立しながら、塾ビジネスに没頭していく妻・千明。その母で物語に味を出すおばあちゃん頼子、吾郎夫婦の子どもの三姉妹。さらにその子の代が貧困家庭の子どもたちに勉強を教えるボランティアを開始……。ほぼ50年に渡って、時代、時代の教育問題を細かく織り込みながら、物語は進みます。 公教育の「太陽」に対して、塾は「月」。 また吾郎は、つねにより高みを目ざして求め続ける千明を、「けっして満ちることのない月」と形容します。 そして「教育」もまた、いつの時代も、足りない足りないと悲観され続ける「満ちることのない三日月」。人は満ちたい満ちたいと思えばこそ、研鑽を積むのではないか……。物語は終盤、タイトル「みかづき」に収斂されていきます。 教育問題や家族の葛藤、貧困家庭の子どもたちなどについて、つらい現実を何重にも描きながら、作品のそこここに、フッと笑ってしまう可笑しみが散りばめられています。勝気な次女が、ようやく家族に見せた弱い部分が「口裂け女」が怖かった話だったり。やっとのことで自ら言葉を発し始めた男の子の口調が「べらんめえ口調」だったり。主人公の吾郎が、ここぞという場面で、オヤジギャグで一人笑いしたり、一人笑いが次女に遺伝(?)していたり。会話のテンポも絶妙で、感動に涙しながら、クスクスしちゃいます。 人間が生きるということのかなしさ、可笑しさ、愛おしさを堪能させてくれる作品です。 森さんには児童文学や絵本作品も多いですが、大人向けの小説でも、子どもや若者を描くときの筆の冴えは抜群です。登場人物たちの若さゆえの生意気や不器用、子どもらしい言動に対して、作者自身が愛おしさを抱いているのを感じます。 『風に舞いあがるビニールシート』の世界や、福島を取材している森さんの弱者に対する真摯な眼差しと問題意識が、ここにも貫かれています。 吾郎の人柄に惚れ、泣いたり笑ったりしながら読了しました | ||||
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物語仕立てにしているが、これは学習塾の歴史ドキュメンタリー。 モデルは山田義塾か? 勉強が出来ない子供たちのための補習塾から、受験時代に皆が通う進学塾に。 そして塾に通えない子供たちへのボランティア教室。 学校教育の側にあって、ある時はアンチ学校、ある時はフォロー。 塾は教育の歴史そのもの。 それが丁寧で、熱い筆致で描かれている。 恐らく映像化されると思うが、とても楽しみです。 | ||||
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塾をテーマにした話なので、教育とは何かを考える機会となった。 | ||||
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架空の塾ではあるが、実在の土佐塾や東進などの名前が出て来て、リアリティが感じられる。文科省の教育政策の変遷と、塾業界の歴史が主人公を中心に描かれている。 | ||||
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中学校教諭経験者かつ現在は自宅で夫の塾を手伝っている私にとって身近な題材であり、昭和からの教育会の変遷はリアルタイムで経験してきたものです。これに関しての作者の調査研究はどれだけの量だったのだろうと、呆然とするばかりです。そしてそれを背景として、ある家族が描かれていくのです。 特に後半が涙とともにテンポよく読めた気がします。 | ||||
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大学で教育学専攻し、指導要領の変遷などを学んでいましたが、見事にそれを反映し、時代に翻弄された教育関係者のそれぞれの生き様が描かれています。 キャラクター一人一人も魅力的で、ストーリーも本当に面白い。 惹き込まれました。 中学生の頃から森絵都さんのファンですが、この作品は群を抜いて素晴らしいです。ますます好きになりました。 教育に関心のある身としては、何度も読み返したい作品です。 | ||||
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いあやー面白かったです。久しぶりに速いテンポで読めました。ほかの方から「面白い」「一気に読んだ」と感想がありましたが、ほんとうにスピード感もあり、親子三代の塾物語ですが、傑作です。森さん児童文学出身だそうですが、これほど面白く展開できる能力は素晴らしい作家ですね。感心しました。 大島吾郎の良い点、悪い点、昔の人はこういうだらしない人がいました。じっくり学習意欲を増す技術は素晴らしい方です。赤坂千明(大島千明)のカミソリのような強引なヒステリックな性格。頭の良い女性にありがちです。3人の子供たち、そして孫たちも大なり、小なり、教育にかかわる展開も自然な感じでした。 私も中学生時代の英数塾で進路が変わり、指導いただいていた先生の私立高校へ進学しました。キリスト教の自由な雰囲気が人格形成に影響していると思います。私も母と親戚のおじさんたちが教師であり、日教組のメンバーだったので「学力テスト反対」運動を覚えています。 60代になり、目が悪くなり、読書がつらくなりましたが、こういう傑作をかける方がいるということは頼もしい感じがしました。 きっと映画かテレビドラマになるのでしょうね。 | ||||
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戦後から現代まで、一家3世代がそれぞれの方法で教育に携わる物語。とても良かった。 家族の血は争えず、三世代はそれぞれ教育関係者になって、でもそれぞれの異なる想いから段々わかり合えなくなり、喧嘩して、離別して。 長い時間を掛けて、最後には和解出来るんだけど、祖父や親の代を読んだ後に描かれる孫の話は、これまでの話と相まって素晴らしい。 登場人物の生き方から、人生には夢や希望の為に一生を掛けるだけの価値があるんだという事が伝わってくる素晴らしい本。 森絵都さんらしく、最後は誰も傷つかず、本当に良かった。 | ||||
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すばらしい! 帯の推薦文に6人も並んでいて煩わしい!?が、北上次郎の「この小説にはすべてがある」が、まさに言いえて妙。 章ごとにスライドしていく時間の運び、主観の切り替え、人物造形、全部がすばらしい。 戦後から21世紀までをたどるテーマを「教育」「塾」にあてたのも慧眼(豊田正子が最終章に出てくるとは意外だったが)。 1日で読んだが、60年の時間の流れを感じた。 まるでその60年間を著者は見てきたような、こんな小説を書けるなんて…本当にすごいと思う。 映画一本をたとえば500人でつくりあげていく作業を、著者ひとりでやっている感じ。 装丁は最初、抵抗があったが、読み終わるとなんだか愛おしい。 友人の教師に勧めておいたので、感想を言い合うのが楽しみ。 人生ベスト10に入る読了感。 | ||||
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若い世代から団塊の世代まで、いずれの年代も体験し、共感できるところが見つかる長〜い物語でした。いい話でした。 | ||||
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私は半分ゆとりで塾が唯一の居場所だった暗記人間。 私の塾生活は正しかったのか?と思い返すために読書。 私が通っていた塾では基本よりも応用問題を重視し、短期的な結果を出す教育をしていたんだな、と懐古。 千葉進塾が近くにあれば。。。。もしあったとしても塾選択権は親が所持していたので無理ですが。 ネタバレになってしまいますが、千明のくそばばあっぷりについて。 千明の最後は泣きましたよ。私も祖母の死を経験してるので被った部分もありました。 ですが、一郎が可哀想で仕方が無いです。 菜々美が一郎に対して「いつも逃げてる」と指摘していますが、どうもそうとは思えません。 一郎自身の本意を引き出すためにもっとねほりはほり聞いてあげるべきす。 それに、千明の死を引きずってしまい本当に可哀想です。 千明のあんな短絡的な忠告では聞く耳持てずむかつきが優先されるのは当然です。 自信喪失マシーンこと就活において例に漏れず自信を徐々に無くしていく一郎。 その時千明の「頭の回転が遅い」と指摘されたところを就活が上手く行かない原因と合致させてさらに落ち込む。 「あーあの時おばあちゃんの言うこと聞いとけば良かったな。」と過去を掘り返し不可逆な時間を呪うんです。 読了された読者の皆さんはお分かりだと思いますが、一郎は人と人の和を正すことができ、様々な人からアドバイスを貰える人望もあります。 勉強もそこそこできるようで、同じ大学の友人が大手出版社に入社できるのであれば、彼も必ず就職できたはずです。 しかし、誰も手を伸ばさず放任主義、いや放置主義を極めます。 本人に任せる、まだ若いんだから、ってことでしょうか。 一郎が救われたのはアドバイスを貰うため訪れた吾郎じいちゃんのおかげです。 吾郎じいちゃんはマイナス部分ではなくてプラス部分に目を向けます。 マイナス部分をなくそうとする千明とマイナスはある面ではプラスになるんだと進言した吾郎。 人間個人の性格、性質も英語のように補修してやるわよ!という気概を感じます。 千明の忠告に対して「ちょっとお母さん!一郎には良いところの方がおおいわよ!」と蕗子お母さんが対決してくれれば救われたのかも。 一郎は婚約者ができるまで成長しよかった良かったとほっとしました。 千明ありがとうENDだったら体調壊すところでした。 それでも、凄く楽しい時間をありがとうございました!! | ||||
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三世代にわたって奮闘を続ける学習塾を舞台にした物語。 塾の創設から拡大、衰退、統合など、昭和から平成にかけての塾の存在意義や、在り方がどのように変わっていったのかが丁寧に描かれていて読み応えがあった。 初代塾長の吾郎、吾郎の妻で教育に妥協を許さない千明、二人の孫の一郎と、3者の視点から物語が展開されていくのだが、単なる成功物語ではなく、さまざまな紆余曲折があり、教育とは何かを考え抜いていく。 塾以外にも、文部省、マスコミ、学校など、塾の敵ともいえる組織との攻防も楽しめた。 暗記のためだけの受験勉強、単なる詰め込み教育とは違った「自主性を育む」という吾郎が掲げた理念には非常に共感できるのだが、すぐに結果を求める保護者との壁をどう乗り越えていくのか、最後まで目が離せなかった。 | ||||
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表紙の三日月が向きが逆です。夕方なら右側が光ります。小学校で学びます。他の本の挿絵ならともかく、タイトルが描かれている表紙が間違えていると興醒めです。教育を語る内容なので残念です。 | ||||
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森絵都さんの作風はいつもどこかほっこりとした温もりがあります。 が、この本の登場人物の中には千秋や蘭という、誰がなんと言っても 頑として自分の主張や行いを曲げない者達が作品に緊張感を生み出して います。小気味良いやらおかしいやら…キャラが立っていて凄く面白いです。 祖母の人柄や孫の一郎の気質や伸びしろまで見事に描ききっています。 登場人物たちのセリフまわしがとにかく秀逸です。勿論ストーリー構成も。 最初の1行から引き込まれて、最後の1文に至るまで一気読み。 笑ったり泣いたりで、読書の楽しみを深く味わえました。 ひとつ気になるのは、吾郎が家族を離れて体験してきたことが 読者には詳しく知らされないことです。吾郎本人もひどく寡黙に なってしまいます。そこも枯れててまたいいのですが 『みかづき』の続編も読みたいものです。 | ||||
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感動しました。仕事をして「生きる」とは何なのか、夫婦のあり方とは、家族のあり方とは、教育とは そういった、社会の構造、諸々を含んでいながら、三日月を眺める描写の美しさ。 素晴らしい運びの文体は一気に読ませる力を持っています。 塾の経営者、全国の教員にぜひ、読んでほしい現代的な課題を含んだ超オススメの本です。 | ||||
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20世紀から21世紀、教育の在り方が変わったのかがテーマ。 教育の重要性は全く変わっていないし、子どもも変わっていない。 変わったのは大人だと感じた。 | ||||
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教育関係者です。時代とともに塾の立ち位置が変わるさまは、背景として面白く読めますが、教育問題を読むというよりは、やはり中心はこの家族たちの大河ドラマです。揉めに揉めて、一時崩壊した家族達も、過ぎてみれば。。と読後感は悪くありません。主人公は、駄洒落好きなのんびり屋なのに、生徒にも女にもモテる、得過ぎる性格。最も心に残ったことは、教育に対し、ものすごく教育に情熱を持っていた千明さんが、早々に自分はそんなに教師には向いてない、と言う所。良かったのは、その烈し過ぎる千明さんが、最後の方では、母親や祖母としての感慨に浸れる場面があったことです。 | ||||
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何だろう、この作品を読み終わった後の感動は? 多くの小説のように人生の一部分だけにスポットライトを浴びせれば眩いばかりの 感動を描くのは簡単だ。吾郎が塾経営で成功したところまで描けばそれも可能だったろう。 しかし、実際の人生は紆余曲折、浮き沈みの繰り返し。それをいろんな人物にスポットライトを 浴びせつつ、日本の危うさや教育行政の危なさまでストーリーの足をひっぱる事なしに表現してみせた。 筆者の力量に完敗です。 | ||||
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