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サイレンズ・イン・ザ・ストリート
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サイレンズ・イン・ザ・ストリートの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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商品については、良い状態ですが、到着までに7日間かかっています、読みたかった本なのに残念です | ||||
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カトリック教徒にして北アイルランドの刑事(それは住民から嫌悪され忌避されることを意味する)であるショーン=ダフィを主人公とした警察小説の第2作。 本作ではフォークランド紛争やデロリアン社の北アイルランド進出が時代背景になっている。ストーリーとしては第1作の方が面白かったが、主人公や同僚のキャラクターや、殺伐とした当時の北アイルランドの雰囲気が伝わってくるのがいい。しかしまあ、主人公も同僚たちもよく酒を飲むこと。アル中になる人が出てくるのも当然だ。 フォークランド紛争について「この戦争に動員されて、北アイルランドの治安の一翼を担っている英軍が減ることで警察の負担は増えるし、もしこの戦争に敗れたら、サッチャーが下野し、北アイルランドから手を引くと言っている労働党が勝つだろうから、そうしたら北アイルランドはいままで以上に凄惨な戦場になってしまう」というように主人公らが考えるところで「なるほど、フォークランド紛争はこういう形で北アイルランド紛争につながるのか」と思う。実際にはイギリスは勝ち、サッチャー政権は続いたわけだが。 | ||||
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ダフィのキャラクターのためだろうか、次作も読みたいと思ってすぐに読んだんだな。アイルランドの1980年代は想像がつくんだ。自分が大学にいたころと被るから懐かしさもある。曲名とか出てくるんだが、なぜ、ベン・ワットやトレーシー・ソーンが出てこない・・・なんて私的な好みはさておき、風景が浮かぶのは著者の確かな描写力なんだろう。それにしても、ダフィの踏んだり蹴ったりの状況はなんだろうね。アイルランドの警官はランチから酒飲んでもいいんだね。読みながら飲みたくなる。でも、ジェイムソンは出てこないでジョニーウォーカーだぜ、スコッチだぜ。 プロットとしては虚実織り交ぜて(思わず、デロリアンはググったよww)面白いところを突いてくる。MI5やFBIもこういうことやりそう。それらも含めて背景描写が巧みなんだろうし人物造形も確かなんだろう。雰囲気で読ませてしまう作家だと思う。だから、次も読みたくなるってのは、作者として嬉しいのだろうか?ww | ||||
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「あい」が気になる。日本人の会話っぽく翻訳出来ないのでしょうか。 ストーリーはとても面白い。好きです。 アイルランドが気になります。 | ||||
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高い評価だが、私も含めキリスト教とか彼の地の国情を知らない日本人には本当の面白さは分からないのではないだろうか。それと作者が若いんだろうが、重厚さのない軽い乗りのミステリーは苦手だな。 | ||||
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あまりに、スーパーマンにしてしまったしまって、ソンナ ばかなと とオイラがおもう シチュエーションでも ぶつたたかれても 鉄砲、拳銃で撃たれても、家に火を付けられ ても また たくましくたちあがるのだ。 おハナシも、混みいって 読みずらい。 前作は、おもしろく読ませてもらったんだ けどなあ。期待に応えようと、張り切りすぎたんじゃ ねえのか、? | ||||
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北アイルランドはベルファスト北隣の田舎町キャリックファーガス署勤務のショーン・ダフィ巡査部長を主人公としたシリーズ第二作。時期を待たず次々と三作まで翻訳が進み、出版社・翻訳者の意気込みを感じさせる、何とも心強いシリーズである。 ショーンは、巡査部長と言いながらその実は私立探偵と変わらぬ孤独なメンタリティの持ち主である。警察内マイノリティであるカトリック、大学卒という二点により、組織人でありながら孤独なヒーローという特性を持たせるという本シリーズならではの設定が、何より魅力的だ。 当のショーン・ダフィは、だからと言って疎外感などにめげていない。直属の部下たちとの人間的で率直な会話から見えてくるのは、勝気で直線的でありながらも、仲間たちを思いやる熱く温かい性格である。ショーンの私生活からは、音楽や小説へのこだわりも見え隠れする。作者自身を投影しているのではないかと思えるほど、描写に鋭い洞察が感じられる。作品タイトルが、トム・ウェイツの曲から抽出されていることからも音楽へのこだわりを強く見ることができる。 前回はショーンの独走が良い結果をもたらしたものの、本書ではまたも部下を巻き込まぬ単独捜査での決着を選択することでショーンは苦行を強いられる。バラバラにされたトランク詰めの死体がアメリカ人のものであることから、事は各政府機関や権力機構の一部を成す企業までを巻き込む厄介な代物になってしまう。 途中で投げ出したくなるような事件だが、関連する第二第三の殺人との繋がりがうっすらと見え隠れしてくる捜査を通し、ショーンは謎を秘めた女性と出会う。荒れ果てた北アイルランドの海辺の寒々しい土地にたくましく生きる女性とショーンとの会話や映画のようなシーンは、美しくもあり、危険の匂いも漂わせ、本書の中でもとりわけ印象深く強いアクセントとなっている。 アメリカは、ボストンにまで舞台を移すこの大がかりな事件のさなか、ショーンは苛烈な試練を負わされながら、真実に辿り着こうと徹底してあがく。苦しみの果てにしか生まれない決着を求めるこのショーン・ダフフィこそ、このシリーズの最大の魅力であり、彼の生きた土地と時代がその個性を際立たせる。 グッド・シリーズとの出会い。早くも三作目に取り組んでいる当面の喜びだけでも、とりあえずお伝えしたいと思う。 | ||||
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ショーンダフィーシリーズの第二弾。 あるコンテナから見つかった首なし死体。身元も判明しない中、今度は元軍人の射殺事件が起こる。 政治や権力の圧力を受けつつ、相棒のクラビーと共に事件の捜査に取り組むダフィーだが、捜査の進展を好まない勢力が現れて・・・という展開。 軽妙な遣り取り、立っているキャラクター、フォークランド紛争の最中の不穏な空気感、そして実話を下敷きにしたストーリー。どれも1級品で最後まで飽きずに読み通せます。 本国では第6弾までの刊行が決まっているそう。 ハヤカワ書房の習い性である、シリーズものの刊行を途中で止めるという悪癖が出ないことを望みます。 | ||||
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作者は、エイドリアン・マッキンティ。2冊目の翻訳です。 サイレンはサイレンの語源であるセイレーンについて何らか語られるのではと想像しましたが、セイレーンへの言及、比喩を見つけることはできませんでした。しかし、そのタイトルは、1982年の北アイルランドを取り巻く殺伐とした状況と小説終盤の主人公、刑事ショーン・ダフィの叫びをシンボライズしているとてもいいタイトルだと思います。 時系列から言うと前作「コールド・コールド・グラウンド」の後、アルゼンチン軍によるフォークランド諸島への侵攻、「フォークランド紛争」が起こった時期の北アイルランドのある事件が描かれています。「フォークランド紛争」はアンダーカレントとして、物語の時代性を醸し出してはいますが、直接関わりがあるわけではありません。 ストーリーはいつものように書くことができません。読者は、プロテスタント対カトリックという単純な図式では俯瞰することができないその頃の北アイルランドという世界の複雑さ、混沌、暴力性に否が応でも思いをはせることになります。確かに、この小説世界が美しいとは言えませんね。でも、ここ数十年、わが国では度重なる銃声も篝火も20%にも及ぶ失業率もなかったかもしれませんが、今日、今、この時、この国が「美しい国」だったのかどうかを結論付けることもまたできません。 常に水銀スイッチ式爆弾が仕掛けられていないかどうか確認してから車(ビーマー(BMW)だけど(笑))に乗る主人公は、物語の早い段階で大切な恋人が去っていきます。そして、「君たちが信じられないようなことを俺は目にしてきた」というタイトルの22章では、女性警官とある映画を見に出かけます。 「。。。一緒にベルファストのABCシネマで「ブレードランナー」を観た。映画館に客は俺たちしかいなかった。外に出ると雨で、暗く、どこかで爆弾事件があり、通りは煙と兵士たちで埋め尽くされていた。まるで映画が現実になったようだった。検問と雨をやりすごすのに一時間かかった。。。。」 また、小説中、1982年、フィリップ・K・ディックが亡くなったことも語られます。「ブレードランナー」の中のあの有名なセリフが海を越えて、ここでも暗示されています。「君たちが信じられないようなことを俺は目にしてきた」、その思い出もまた時間と共にやがて消えてしまう。Like tears in rain.雨の中で流す涙のように。作者は、作中でも日本の「もののあはれ」について言及していますが、おそらく「もののあはれ」にも似た「ブレードランナー」の無常観という通低音でこの北アイルランド・クロニクルを覆い尽くしたいのかもしれません。 クロームの世界の中で、僕たちははもはや家に戻ることはない。 | ||||
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