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共喰い



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【この小説が収録されている参考書籍】
共喰い
共喰い (集英社文庫)

共喰いの評価: 3.19/5点 レビュー 192件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.19pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全92件 41~60 3/5ページ
No.52:
(5pt)

評判なので購入した

テレビで話題をまいていたので興味があり購入したが、期待どおりであった。
共喰い (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:共喰い (集英社文庫)より
4087450236
No.51:
(4pt)

文学版『北斗の拳』

千草の凌辱事件を呼び水に遠馬の意志が表出されるまで、快楽が暴力に勝っていた。被害者であるはずの琴子さんも、
「うちの体がすごいええんて、殴ったら、もっとようなるんて」と笑うようにどこか浮ついていて、三十五歳の女の
色気に、父円のみならず遠馬さえも惹かれていくような含みを持たせながら、間違っても三つ巴云々などいうありが
ちな展開に陥ることなく、その代わりといってはなんだが、この息子、父ご用達の街娼の肉体を勝手に拝借し、秘め
たる嗜虐を披露する。

描写の生々しさが目に余るが、十七歳の日本男児の頭をかち割ってみたらこんな具合になるのだと無理強いするより
も前に、中上健次や村上龍、金原ひとみらが表現した世界を再現したに過ぎず、天を仰ぎたくなる、というほどでは
ない。そう割り切ってしまえば新しさが失われてしまい、芸術性は高いが古臭い短編ドラマを見ているような退屈な
時間を解消してくれた大雨に感謝したい。おかげで、泥の中から生まれる鰻のアリストテレス以来の摩訶不思議に迫
ることが出来、海水や淡水や汚水の一緒くたになった道に浮遊する泥・石・植物・ゴミ・植木鉢・鼠・虫・カエル・
魚などを見ることが出来た。当事者以外立入禁止の意味を水質の異なる二つの奔流を通して書いた辺り、さながら文
学版『北斗の拳』である。(決してドラゴンボールではない)

死体となった円に突き刺さる義手が光る。仁子さんを始め逞しい田舎の女達を印象的に書ききれるのは、中上か俺ぐ
らいなものだろうとほくそ笑んでいるかもしれない作者へ一言。赤犬、助けてやれよ。――。
拘置所にいる母親に要らぬ心配をするより、ひとかけらの優しさを持ったほうが読者獲得に繋がるだろうと思ったと
ころで、頭をよぎった街娼の髪の色。失敬。実力作家を甞めてはいけない。
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4087450236
No.50:
(4pt)

素直な表現

芥川賞系の作品が苦手な私ですが、
これは素直に読む事ができました。
なんと言っても読んだことのない文体にビックリして
ちょっと笑ってしまいましたが、凄く好感が持てました。
気持ちいい文章というか、可愛い文章というか。
ストーリーは好みが分かれるかもしれませんが
分かりやすくて良かったです。
他の作品も読んでみたいと思える良い読書でした。
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4087450236
No.49:
(5pt)

引き込まれる圧倒感!

最初からこの古く泥臭い、時間が止まったような川の町の風景に引き込まれます。終始グレーのこの世界には、ここに登場する全ての登場人物は必須です。そして、この性と暴力の世界も自然に敷かれています。グロテスクだけれども最初から最後まで温度差がなく、読み進めることができる作品です。テーマは重いのに、なぜか読了後はふんわりとした気持ちが残る作品です。
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4087450236
No.48:
(4pt)

会見

あの会見の物言いにつられ買った口ですが、
わざとだとしてもあれは良い宣伝になったと思います。
賞賛の意味をこめて☆4で。
いろいろたたかれることもあるかと思いますが、頑張ってください。
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4087450236
No.47:
(4pt)

気分転換や娯楽の為に読書をする人には全く向かない

方言が随所に出てくる時点で個人的にはうわ…と思ってしまいました。
寝る前にちょっと…という風に読むための本ではありません。
それなりの姿勢で以て、それなりに根を詰めなければ、少なくとも現代の若者にはなかなか読めないでしょう。
自分もその「現代の若者」に含まれるわけですが。
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4087450236
No.46:
(4pt)

息苦しさと微かな希望。

息が詰まるような濃厚な空気。
本書に収められているどちらの作品も、地方の小さな集団の閉塞感、少年
特有の不安な心持、コンクリートとビルの都会では感じられない土の香りが
巧みに描かれ、濃密でねっとりした雰囲気が伝わり、読み応えがある。
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4087450236
No.45:
(5pt)

負の連鎖

好き嫌いは分かれるようですが、私は好きです。
全体的におどろおどろしく、暗く重い。
フィクションですが、読みながら「私には見えないところで現実にもきっとこんな事実があるんだろうな」と思いました。
人間の裏を見た感じです。

だんだんと、でも確実に父親と同じ性癖が芽生える主人公。
負の連鎖と言うんでしょうか。
きっと父親が死んでも、その『負の連鎖』によって新たな苦しみがまた生まれるんじゃないかと身震いしました。
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4087450236
No.44:
(4pt)

この先どう変わるか?

これまで田中慎弥は二つとして同じ調子のお話を書いてこなかったが、このお話の前後でスタイルが固まってきたように思える。簡単に言えばドラマ性が高まってきていて、その分、私小説性が薄くなった。そういった意味ではこの作品が芥川賞を受賞できる最後の作品だったかもしれない。相変わらず悲惨な話だが、殺人事件が起こっても暗くはならず、いっそさわやかな感じがするから面白い。次回作からどう動くか注目だ。
第三紀層の魚(『すばる』2010年12月号)
 釣りをキーワードに展開される、もはや自己薬籠中のお話。お爺さんの勲章話が泣かせる。
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4087450236
No.43:
(4pt)

芥川賞に賛否あるが中々良かった

「共喰い」、「第三紀層の魚」を収録。以下感想、

共喰い
良くできた恋愛物語以上の何物以外でもない、とか言ってしまうとそれまでだが簡潔に言うとそこら辺で、読後の印象も薄かった。反吐が出る性癖とか、同じ血とか、その手は古いとも思えるが、読み物は流行ではないのであくまで主観ということで。描写も、心理、風景等にわたり緻密かつ丁寧だし、方言を使って人物に会話をさせるとか、結構読ませるが、物語も良くできてるが、やはり、図抜けた感じがするでもない。うなぎの描写の使い方は賛否両論あるのは良くわかり、生理的に受け付けない人も多々居るだろうが、仕方ないとは言えどもやはり大衆向け読み物を書くからには、プロとして読み手の期待に沿う方向で応えていただきたい、だけじゃないなあ、なんちゃらの話でうなぎが絡んでくると、表現として古くて安っぽいなあ。一番良くできてると思ったのは、主人公の少年の心理描写である。ここが受賞のポイントか?
第三紀層の魚
少年と曽祖父の交流を描きながら、少年が周りの人物のことを考えながら成長していく、そんな物語。共喰いより、前の作品のようだが、やはり描写は完成されていて丁寧かつ緻密である。疲れているとなかなか読むのに堪えるかもしれないが、淡々とした日常と魚釣りの描写の中に、想像力を掻き立てる物、想像逞しく想像する余地も準備されていて、なかなか上質な物語に仕上がっている。第三紀層の魚のテーマのつながりは、どうもいろいろとわけがわからないとか、テーマがこれなら、テーマはどうあるべきだと言いたいのか、或いはテーマはどうだと考えているのか、等は思いそうだが、テーマが見えない人は勉強が足らない、そしてテーマが分かったら答えはどうでもいいのではないだろうか?読後の印象も濃いものになるだろう。感受性が強い人なら何か分かりそうだし、そんな人も読んで損はないようには出来てるのではないか?

と言うわけで、中々良い読み物でした。
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4087450236
No.42:
(5pt)

読み終わった後に余韻が残った

昭和のなんともいえぬ雰囲気が漂っていて、自分の生まれ育った時代と地元をしみじみ思い出しました。
作品自体は読みやすく一気に読めました。ただ、主人公が父親と同じ性癖を持っていると分かったあたりの描写に衝撃度がなさ過ぎというか、あまりに淡々と物語が進み
もう少し深かったら・・と思うとこともあります。とは言え、読み終わったあとは読んでよかった、作者の過去の作品ももっと読んでみたいと思いました。
個人的には「共喰い」より「第三紀層の魚」の方が好みです。
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4087450236
No.41:
(4pt)

陰鬱な表題作

「泥の河」を思わせる様な昭和期の川べりの風景ですが、そこに展開されるのは陰鬱で行き場のない閉塞感に満ちた世界です。
私たちが子供の頃には、こんなどうしようもない父親たちが時にいたものです。
そんな自己中心の暴力的な男性に対し、恐れおののき避けて通ったものです。
そんな世界を書くとしたら、やはりこんな結末にならざるを得ないのでしょう。
もし、この作品が芥川賞を受賞しなかったとしたら、決して手に取ることのなかった作品でしょう。
それほど私自身の好みとは対極にある作品です。
むしろ、一緒に収録されている「第三紀層の魚」の方が、個人的には気に入りました。
「死」と「生」、「死に行くもの」と「育って行くもの」の対比が見事で、「死」を通して人が育って行くと言う事が良く伝わってきます。
旧姓に戻しての母子の新たな生活に薄日が見える様です。
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4087450236
No.40:
(4pt)

薄味の時代に現れた、昭和のドロドロ感

石原慎太郎が芥川賞選考委員をやめるきっかけをつくった(?)問題作。就職もせずに文学を追求し続けた筆者らしく、力に満ちそして研ぎ澄まされた文章力はすごく、惹きこまれた。しかし、書かれていることに共感できるかというと・・・。

父から子へ受け継がれる性と暴力。これは文学なのか、と読みながら何度も自問した。バタイユのように陰鬱に描けば文学的なエロチシズムで、田中慎弥のように苛立たしく剥き出しに描けば文学とは呼べないのか。いや、たぶんそれが問題なのではない。

石原慎太郎は「自分の人生を反映したリアリティーがない」と批判したらしい。別のところでも最近の受賞作家に「自我が薄っぺらい」と苦言を呈している。ならば醜いドロドロした自我を文章にして世に問うのが文学なのか。そういえば昭和の戦後文学にはそういうのが多い。

思えば石原の芥川賞受賞作「太陽の季節」も、その反倫理性たるや相当なものだ。ただ数年前TVドラマ化された時には、原作よりも相当薄まったストーリーになっていて、そういう薄味の時代を我々は生きている。そんな時に田中慎弥はドロドロした貧困が残る昭和を思い出させようとした。陰惨さに現代人から目を背けられても、一方で旧時代人から「それはオマエの自我じゃないだろ」と批判されても、彼にはまた次の小説を書いてほしい。書斎で原稿用紙に向き合うだけで次の小説も紡いでいくとしたら、それはそれで田中慎弥の自我になるんだろう。
共喰い (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:共喰い (集英社文庫)より
4087450236
No.39:
(4pt)

筆力ある作家

予想以上には、楽しめた作品だ。

まず、描写力がある。人々の描写、川辺にある町の描写、
細やかな表現力がある。

構成力もある。義手、太刀魚といった言葉が、「ここで
もう一度、出てくるのか」と唸らせる伏線の作り方などは、
手馴れた感さえある。悪く言えば、鼻につく。

宮本輝氏が選評でこう述べている。
「何者かへの鬱屈した怒りのマグマの依って来たる根を
もっと具体的にしなければ」

確かに、主人公の高校生の行動の根っこの部分がわからない
のである。父親の性癖に呪縛されている、という心理はわかるが、
すべての行動に理由は示されず、「こうせざるをえないんだな」
とはならない。

しかし、ここが逆に、この小説の広がりであり、深みであり、
人間の奥深さを描くことに成功している、という見方もあるだろう。

中上健次の世界を彷彿とさせながらも、中上健次の小説から
放射される人が抱え持つ「重力」というものが感じられない。

すでに、三島賞も獲っているだけはある、筆力の優れた作家である
ことは確かだ。
共喰い (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:共喰い (集英社文庫)より
4087450236
No.38:
(5pt)

共喰いの終盤の急展開には驚いた!全体には印象深い話。

ちょっと文章が読みづらくて、最初は
なじめなかった。正直なイメージ。

しかし読み進むうちに仔細な描写に引っ張られて
グイグイ読めた。

高校生の男女の純粋なだけに妙な動物的恋愛の匂い感と
その変な父親の色け、性欲の話が
寂れた日本のとある、よくある田舎町で展開されていくのが
なんだか、懐かしい。

三島由紀夫や、花村萬月のエッセンスのパーツがちらちら
見え隠れして、嫌いではない小説だなと思いながら読んだ。

しかし共喰いの主人公の父の人生の劇的な収束の仕方には参った。
あのような現実のドラマはあるのだろうか?
あったとしたら人間とはなんとも滑稽な物か?

そんな風に思えた。
自分はあんなふうな生き方はしたくない。

一緒に入ってる2作目の「第三紀層の魚」のほうが
面白いと思うところもあった。読者にやさしいし。
でも読んだあとに印象が残らないのはどうゆうことだ。
読んでるときは面白かったのに。

「共喰い」があまりにも印象深いのか??
共喰い (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:共喰い (集英社文庫)より
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No.37:
(4pt)

作品と作家のパフォーマンスは別物

田中はこの作品で芥川賞を受賞した。五回目の挑戦だった。しかし彼は過去に新潮文学新人賞、川端康成文学賞、三島由紀夫賞と主要な賞を取っているので、実力は有るのだ。

何と云っても受賞後のインタビューで「都知事閣下と、東京都民のためにもらっといてやる」の発言は、半ば面白く、半ば傲慢で、いったいどんな小説を書く奴なんだと興味を持ったのは確かだ。

読了して、作品と作家のパフォーマンスは別物だと認識した。

時代は昭和六十三年七月。十七歳の篠垣遠馬は近所の一歳年上の可愛いとはいえない会田千種と、衝動のおもむくまま性交に耽った日々を送っている。この辺り、ブンガクとセックスは相変わらず切り離せないのだなと苦笑する。

六十歳近い生母で義手の仁子は川向こうで魚屋を一人で営んでいた。十歳年下の父の円は仁子と別れて胸と尻の大きい義母の琴子と住んでおり、遠馬も一緒だ。円は性交の時、相手を殴りつける癖があり、仁子は遠馬を生んだあと、それで別れた。お腹の大きくなった琴子も、円の子供が出来るというのに別れようと考えていた。これらの登場人物の他に、アパートの女(娼婦)も出てくる。

猥雑なストーリーなのだが、文章そのものは悪くない。―--アスファルトの路面が夕闇の底から一歩毎に現れてはうしろに退いてゆくのを見ていると、今年の夏ばかりか、川辺の風景や人や時間までもが運び去られてしまうかのようだ・・・。アトランダムに選んだが、この辺りの文章はやはりブンガクのにおいがする。

只、選考委員の宮本輝は、筆力は認めるものの、性交の描写で何を云いたかったのかと疑問を呈し、私も何故ブンガクは性懲りもなく性交と、本書では暴力を持ってくるのか首を傾げる。

後半の流れをみると、この二つが伏線になっているのは認めるものの、だからどうなんだと云う感想は残る。結局、遠馬の立ち位置が判然としないので、狂言回しですらなっていないプロットの甘さが拭いきれない。

とはいえ、あっけない幕切れだが、ここまで読ませる力量は認めよう。
共喰い (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:共喰い (集英社文庫)より
4087450236
No.36:
(5pt)

これは素晴らしい

性描写があり、「性器」という言葉が何度も出てくることで
誤解を受けやすいかもしれないが

もっと本能的な、そしてそういったことに対しての苦悩を感じた。

自分の性衝動と葛藤する主人公や
そういったものは、とうに無くなったのか欲求のままに行動する父親と

そんな男たちを嫌悪しながらも
関わる女性たちの姿が偏り過ぎずに描かれているようで

だからこそ、ストーリーのオチや
話のどこかに正義性を求めるのがナンセンスに感じられる。

何名かの方が書かれているように
受賞に納得。

芥川賞作品が好きな人におススメしたい作品。

こういった文章を書ける方は
案外、いるようでいなかったのでは無いでしょうか。
共喰い (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:共喰い (集英社文庫)より
4087450236
No.35:
(4pt)

「共喰い」が「共食い」じゃない迫力

なるほど。田中慎弥さんが,芥川賞をもらってもちっともおかしくない力量であることは了解できました。タイトルの「共喰い」が「共食い」じゃないところですぐに一つ迫力が感じられ,田中さんが文字の「威力」を意識している方だということがわかります。でも,このネタかあ〜。暴力とセックスと血脈と田舎のどん詰まり感。
 『どん底』というか『復讐するは我にあり』というか。映画にしたらお客さんが入りそうですねえ。AKB48からヒロインを,嵐から主役の男の子を選んでねえ。大人の役を考えるのが楽しいですねえ。ロクでなしのオヤジ役は…昔なら緒形拳さんがはまったでしょうが,今はだれですかねえ??? 女優陣もねえ,かなり考えるのが楽しいです。昔なら倍賞美津子,岩下志麻,岸田今日子さんの組合せなんてどうです? 今の女優さんだとさっぱりわかりませんが…(笑)
 …というわけで,生理的に受け入れられない人も少なくないでしょうが,しっかり出来上がった面白いお話です。
共喰い (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:共喰い (集英社文庫)より
4087450236
No.34:
(4pt)

絶対的な貧困の連鎖

この話に出てくる登場人物は、知的にも精神的にもとにかく貧困である。暴力的SEXに夢中になる父、それに目覚めつつある息子、かつてその犠牲者だった実母、暴力を振るわれながらもそれに耐える愛人、父子それぞれから暴力的SEXをさせられる娼婦。
この地では、何代にもわたって、そういうことがまかりとおっていて、これからも繰り返されるのだろうけど、皆、この地にとどまっている。
なかなか迫力のある文章を書く人かなと思う。

第三紀層の魚は、ほのぼのしていた。エログロだけではないんだなという感じ。

あのインタビューがなかったら読むことのなかった作品だが、あいつがこんなの書いているんだくらいの気持ちで読む価値はあるかな。
共喰い (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:共喰い (集英社文庫)より
4087450236
No.33:
(5pt)

賛否両論も,文章自体は秀逸

2つの内容の物語に分かれた作品。本自体は薄め。賛否両論ありますが,作者の表現が素晴らしく,純粋に,文学作品として楽しめます。僕が言うのもなんだけど,芥川賞にふさわしいと思います。 僕は,最初の2ページ読んだだけで引き込まれました。 例えば序盤にある,「欄干に結びつけられた白い風船に見えていたものに細い首が生え,鷺になって飛び立つ。」という表現の文章を読んで,上手いな…と唸るのは僕だけかもしれませんが…(笑) 議論のある2つ目の物語も,実際にひいおじいちゃんがいたからかもしれないけど,どこか懐かしく,ジーンと来ましたね。 全体的に,表現内容がうまく,僕は芥川賞に納得します。
共喰い (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:共喰い (集英社文庫)より
4087450236

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