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共喰い
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共喰いの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.19pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全92件 21~40 2/5ページ
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価格1円は満足するコストパーフォーマンスです。配送費を削減をして頂けるとさらに嬉しいです。 | ||||
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表題作の「共喰い」は第146回(平成23年度下半期)芥川賞を受賞している。壮絶な男女関係、親子関係の物語。もうひとつの「第三紀層」は少年の心の動きが懐かしさを感じる物語。個人的には「第三紀層」の方が良かった。 ◎共喰い 壮絶な男女の物語であり、壮絶な親子の物語。このような愛の物語もあるのかなと頭の中で考えることはできるが、なかなか容認できない。主人公(遠馬)の父親は女性関係では鬼畜の部類に入る。息子の遠馬はそんな父親に対して憎悪に近い感情を持っているが、それ以上に自分にも鬼畜の血が流れていることに悩む。付き合っている彼女とのセックスを楽しんでいるものの、自分に流れる父親の血がいつ暴れだすのか不安になる。結局、鬼畜な行動をとってしまうのだが、父親はさらに鬼畜な行動をとってしまう。最終的には、遠馬の母親がけりをつける。その結末はある意味で読者を安堵させるものだ。非常に壮絶な物語。しかし、これを壮絶と感じるのは自分が幸せなのか運がいいのどちらかなのだろう。世の中には似たような鬼畜話はありそうだし、もしかすると鬼畜な方が人間の本性なのかもしれない。 ◎第三紀層 少年が見てきた生と死。微妙な時期に経験する微妙な経験。こうやって少年は大人になっていくのだと思いながら、自分の少年時代を振り返ってみた。少年は肉親の死をいくつか経験してきた。私は少年時代に肉親の死を経験したことがない。担任の先生が春休み明けの新学期に亡くなっていたことがあり、クラスを代表して葬儀に参列したことがあるが、その経験が、少年の経験に一番近いだろう。40年近くたった今でもよく覚えているくらいだから、この少年の場合、心に与えたインパクトは相当大きいに違いない。少年の意識にはなかっただろうが、チヌという魚を釣り上げることが、曾祖父に対する供養だったのだろう。願いは叶わなかったが、違う魚が釣れても、残されたものが喜んでいたのは少年にとっても読者にとっても救われるところだ。なんか泣けてきた。同じ経験なんかしてないのに。心にしみる作品だ。 | ||||
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内容的にも読みやすいです。 他の作品も読みたいです。 ほかのも買います。 | ||||
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お世話に成りました。大変満足しています。とても綺麗な本でした。 | ||||
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この本の前に読んだもの 川上未映子 ヘヴン 中原昌也 マリ&フィフィの虐殺ソングブック 芥川龍之介 地獄変・偸盗 (物語の筋や結末などに触れています。) 第三紀層の魚 2010/12 共喰い 2011/10 共喰いの冒頭に「昭和六十三年の七月、」とあるけれど、現在の話であるように思う。昭和の田舎町の閉塞感は、現在の日本の閉塞感を示している気がする。 共喰いも第三紀層の魚も、脱出というか或る状況から出る・切り抜ける話だと思う。(何かを望み、獲得する/失敗する、という話でもなく、重要なものをなくしたというものでもないように思う。そういう話として読んでも構わないだろうけれど) 父、或るいは、父系によって繋がれている人々が開放される。女たちによって開放される。 巻末の対談では、源氏物語を男の目線で読むと言っているけれど、共喰いと第三紀層の魚は、女の物語のように感じる。語り口は男を主人公のように見せつつ、実際は女の物語なのだろう。なので、女の決断により物語が終結することで、カタルシスが生まれる。そこに肩透かしはない。主人公は、多くを語られているが脇役として置かれる。この辺りに面白さがあるし、対談で取り上げられた藤壺の子の読みの面白さとも通じる気がする。 簡単に言ってしまえば、閉塞状況を女たちの手によって打開する、というよく聞くことを、文芸的に洗練させるとこのような小説になる。言うは易し、ではないけど、実社会でも打開するのに手古摺り'踠いているようだ。 | ||||
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作者についてはいろいろ言われているし、ここでのコメントを見ても嫌悪感を表す人も多いので、どんなにどきつい作品かと思って読み始めましたが、なかなか雰囲気のある作品です。立派な文学です。セックスの描写にしても、前後のコンテクストにすんなり納まっているし、そんなに尖がっている訳でも、違和感がある訳でもありません。確かに人間の人生なんてこんなものだと言えば、こんなものなのでしょう。・・・と思って読んでいきましたが、ストーリーは最後に向けて大変ドラマチックで残酷な転回を見せます。こうなってくると嫌悪感を示す人が多いのも当たり前でしょう。しかし、芥川賞受賞作品としては、表現手法にしてもストーリー展開にしても、非常に完成度が高い本格的な文学作品だと思います。 暗く汚らしい世界というご意見もあるようですが、日本人は果たしてそのような世界から脱出できたのでしょうか?日比谷公園で見かけた素敵な女性やニューヨーク郊外の通勤電車で知り合った白人女性との世界を描いた芥川賞作品も読みましたが、作品の現実感は本作の方が勝っているように思えます。 | ||||
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川と熱気と売春婦 腐った魚の臭い そのなかで肉欲から始まる初恋。ディキシーランドのような猥雑 死の臭い。 こんなシチュエーション作ったら このあとどうするのかちょっと心配になる。 | ||||
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著者の人柄が面白くて、読んんで見ました。小説の中の景色が目に浮かぶような描写で、ドラマを見ているような感覚で読みました。 何処か影のある登場人物が多く暗い感じがしましたが、心の奥に残るような作品でした。 | ||||
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今、一番波に乗っている小説家の本なので楽しみに読んでいます。 | ||||
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早くに送って頂きありがとうございました。映画も観ましたが綺麗な俳優さんでそろえていたので・・本はどろどろでしたね。 | ||||
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映画化されると知り、その前に原作を読みたくなって購入しました。 スピーディな配送に満足です。 | ||||
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以前読んだ短編集でも同様の構図が一貫して描かれていました。父親への憎悪の念は強い思慕の表れであり、身を削るように、喘ぐように吐き出す言葉から成る陰鬱な物語世界は、強く心を惹きつけます。妥協を許さない気迫と熱情。著者の小説に対する真摯な姿勢そのものに、深く深く感動します。 | ||||
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田中慎弥「共食い」読みました。 なまりが多少わかりにくい所があったり、えらく泥臭い描写のオンパレードだったりして色んな意味で凄さを感じました。 終盤、鳥居をくぐらない事を褒めて いる場面がありましたが、つまりあれは大人になったという事ですか?生理とか関係あるんですかね? 答えてもらえたら嬉しい。 | ||||
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芥川賞受賞会見で話題となった父子の性と暴力を描く「共喰い」。小学生が曽祖父の死に触れる「第三地層の魚」も収録。 「共喰い」は昭和の終わりの父子の性暴力の連鎖の話で全体的にグロテスクだ。だが、そのグロテスクの表現が何ともいい。義手のスポンと外れる描写が好き。どこまでもまとわりついて動けなくなる様な何かとそれへの抗いがテーマの様に感じた。 一方「第三地層の魚」は舞台が現代で主人公も小学生で「共喰い」よりポップだ。ネットオークションで勲章を買おうかというエピソードはまさに今だ。祖父と父に自殺され、残された曽祖父と祖母と母と自分という環境で自分というものを考え始める子ども。だが、性も暴力もなく小学生と家族の会話を中心とした「第三地層の魚」は「共食い」に比べさわやかだ。 どちらも同じ様なテーマを持ちながら対照的な二作品のコンビネーションがすばらしい。 田中慎弥の小説は自分を形づくってきたものへのぬぐえなさとそこからの自立がテーマなのだと感じた。「共喰い」とあの会見で非常にクセの強い印象を受けるが、このテーマって言葉にすれば”青春”なのではないだろうか。 田中慎弥が好きになった。 | ||||
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2000年代の芥川賞受賞作をすべて読んだが「もらって当然」と著者がいいたくなる気持ちは理解できました でもそれは本作がレベルが高いというのではなく、他の受賞作がレベルが低いという捉え方もできるかもしれませんが、それは読者の感じようでしょう 性的描写が過激だとの印象を受けませんでしたが、読んでいて気持ちがいい作品ではないことも確かでしょうね セックスで女を殴り、そしてまたセックスに対して抑止がきかない父と、それに似てくる息子・・・ でもそいった性的な連鎖の問題は、ある一時期までに確かに日本で見られた傾向かもしれませんが、この現代でどうなのだろうか?? との印象も受けましたが・・・ | ||||
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読み始めの情景描写の丁寧さにしつこさはあるが、 読んでいくうちにいつの間にか綺麗に細かく頭に描けた。 人物もすんなり想像できる ストーリーとしても悪くない。芥川賞らしいという感じだった。 ただ「。」だけは気になったくらいで とにかく綺麗な作品だなと思いました。 | ||||
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この人の作品には安定感があります。 特別異質なストーリーではないにしろ、 非現実的と思える物語を違和感無く読めるというのは作者の技量がすばらしいということだと思います。 レビューを見ていると「新しさ」が見当たらない、というおっしゃってる方がちらほら見受けられましたが、この人の作品の良さはいわゆる「古さ」のような気がします。それでいて決して読みにくい文体でもないので純文学が苦手な方でも割りと抵抗無く読めるのではないかと思います。 | ||||
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深い問題を淡々と進めている気がします。 私のような文学的ではないものにもわかりやすい文章なのに平易な感じがせず、心に残る作品でした。 | ||||
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登場人物は子供以外皆影があって、全体的に鬱々としていて、 曇天で晴れなくて、狂気が今にも溢れ出しそうな不安がある。 父の暴力性と自分の中に流れるその血。制御できない衝動。 そういったものが汚い川、潮、雨の流れと、 時間の流れの中でドロドロと混ざり合いながら、 全編を通して流れていて、圧倒的ですごいなと思った。 昔からある正統な文学作品という印象がしたのは、 現代的なテクニックを使わずに、川を中心にして、 執念深く様々な対比の構造で、 起承転結まで力でしっかり描かれているからかと思った。 おもしろかった。 | ||||
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受賞会見が印象深く、どんな話を書いた人なのか著者に興味を持って読んでみました。 「共喰い」について、性と暴力についての作品ということで、ただただ暗い作品だろうと覚悟して読んでみたものの、そこまで暗くなかったのが意外でした。 もやもや〜っとした感じで終わるのかな?と思っていましたが、ラストの展開は驚きです。面白く読ませていただきました。 ただし、性の直接的な表現があるので、満員電車の中で読むのはちょっと躊躇しました。読書は主に電車の中でという人は注意してください。 「第三紀層の魚」については、 主人公の少年の心の動きのみならず、主人公の母親や祖母のそれぞれの心情がとても伝わってきます。 あまり小説では泣かないのですが、思わずこちらも泣いてしまいそうになってしまいました。 電車の中で泣くのも周りの視線が気になるため、こちらも電車の中で読むときは要注意です。 両方とも舞台が海沿いの地方の町なので、使われている方言がより一層いい味を出していると思います。 逆に都会で育った人には読みにくい部分かもしれません。 著者はとても心が繊細な方でそれをうまく文章化できる人なんだなと思いました。 昔から著者の作品を知っている人はあの会見でがっかりした人も多いみたいですが、わかる気がします。 受賞会見でいい印象を持たなかった人もぜひ一読を。 文庫版は瀬戸内寂聴さんとの対話収録のおまけ付です。 | ||||
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