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羊と鋼の森
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羊と鋼の森の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.87pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全382件 341~360 18/20ページ
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静謐にして堅固な意志を感じる。作中で調律師が理想とする音について原民喜の「明るく静かに澄んで懐かしい文体、……」という文体論を語っているが、これがそのまま作者の理想とする文体に繋がっているのだろうと思う。 特別な音楽の勉強をしてこなかった主人公が、急に調律師になる決意をするところから始まるので、些かの心配から読書も始まる。しかし物語には極端な破調はなく細波ほどの揺れだけで進むので安心して気持ちよく読める。調律師の先輩たちや顧客、中でも双子の女子高生ピアニストとのやりとりは美しく映像化された。試行錯誤しながら一つ一つ探って発見していく努力だけの人生にシンパシーを感じる。嫉みと虚栄心だらけの社会で、たまにはこんな嫌みの無い淡々と描かれた小説を読んでも良いんじゃなかろうか。 | ||||
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最後に小説を読んだのは二十歳過ぎのころ、 それはたしか村上春樹の三作目だった。 それ以来全く小説を読んでいない。 いや、正しくは読めなかった。 いい小説がなかったわけではない。 「ノルウェーの森」も「1984」も 読んでいない。 その間、優れた作家もたくさんデビューしているはずだ。 私自身の問題で小説との関わり方に原因があったと思う。 たぶん読み方を間違っていたのだ。 うまく説明出来ないが。 心のどこかで文学にリアリティーの表現を求めていたのだと思う。 宇宙の真理の、人間の本質の探求者みたいに。 たぶん若かったのだ。 30年を経て今、巡り会った。 この人に巡り会うために今まで小説を読まなかったと言っても 大げさ過ぎることはない。 一週間くらいかけて最後まで読んだが、 共感して涙がにじんできて もうそれ以上読めなくなるから、その日は本を閉じる。 そんなに時間がかかったのだ。 なにが素晴らしいかって、 小説との関わり方を 小説の美しい読み方を 気づかせてくれたから。 文学って、音楽と一緒。 宇宙のカオスのなかから 美しさを抽出して 目の前に差し出してくれる。 | ||||
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変わりました、良い意味でです。 「ピアノで食べていくんじゃない、ピアノを食べていくんだ!」。この言葉にとても勇気をもらいました。 | ||||
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同業者の方の批判的レビューもありますが、決して現実離れした内容ではないと思います。 しかし外村のような調律師と彼の所属するような会社は少ないと思います。 調律師の役割や目標の考え方は、理想的でとても良いと思います。 | ||||
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まったくkindleは便利なもので、読んでみたいと思った本がすぐ読める。「本屋大賞」受賞作を初めて読みました。 あまり抑揚のない、淡々とした流れの中で穏やかな気分になれるお話だと思います。 音を、音無しで表現するのはとても難しいと思います。 「ピアノの森」というマンガがあります。それと重なる雰囲気があります。 もしかすると、宮下さんも「ピアノの森」にインスパイアされたのかな、と思いました。 ちょっと文章がくどいかもしれないです。 表現が上手いのだろう、と思います。 読み始めて上手いなと思いましたが、だんだん疲労を感じました。 飽きてきたかもしれない。 でも、飽きた頃にお話に新しい展開があったのでもう一度向かう気になりました。 上手い、が先に立っているかもしれない、と思わせたりもします。 落語を聴いていても、「上手い」と思わせるうちはまだ若いと感じます。それと共通しているというか。 私は高校生の時、ブラスバンドに入っていました。その時の同級生(女)と一つ上の先輩が二人して調律の会社を 経営しています。二人とも調律師です。 ああ、あの人たちは元気かなぁ。と思いだしました。 私は学生時代、オーケストラで Trombone を担当していました。 あの楽器は和音が得意なので、三人でドミソの和音を吹く時に、ミの人が少し低く取って、ソの人が少し高くして きれいな和音にする、なんていうことが得意な楽器です。 ピアノでもそんな調律が出来るっていうことを実は初めて知りました。 またこの作家の小説を読みたいと思います。 | ||||
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今年の本屋大賞1位の作品です。調律師見習の視点から、こんなに音を、ピアノを、演奏者を表すことが出来るのか。感動しました。本当に旋律が頭に直接響いてくる感覚が初めから終わりまで愉しませてくれます。読中読後共に心地よく、爽やかな風が周りを抜けていくような気持ちのいい作品です。登場人物がみな個性的で、作中ではそこまで深く描写されていないのにも関わらず、全員にすっと感情移入できるところがすごい。この人たちの中にいない自分が残念に感じられます。 | ||||
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ほかの方々が、専門用語の使い方がおかしいからどうとか、言いたい気持ちも解らなくもありませんが、登場人物の人格設定や物語の展開はよく練られてると思いましたよ。後半は双子との関連性で何度か涙腺が緩みました。 あとはやっぱりピアノと森の想像力を掻き立てる異質同士の変に相性の善い存在感 共通点が『美しい』なら合うもんなんですねぇ。 普段ギターロック音楽を中心に楽しむ私ですが、この小説のおかげでピアノが前より更に好きになりました。これからはピアノが絡む音楽も沢山聴いてみようって再実感しています。 当然ですが、森や自然に生きる動物の美しさも再認識出来た『善い』作品だと思いました。 | ||||
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とても良かった。 久しぶりに素敵な本に出会えた。 天職ってこんな仕事なんだろうと思う。 | ||||
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安くてきれいで満足です。読んだらとても面白くあっという間に読破しました。 | ||||
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本屋大賞で知り、本日一日で読み終えてしまいました。 始めこそスローで読みましたが、それは数ページの話で…後は、時間も忘れて一気に読み終えてしまいました。 | ||||
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Amazonでの購入ではないですが、レビューさせてください。 他のレビューを拝見させていただきましたが、音楽に造詣が深い方は用語の使い方などが気になるようですが、私は音楽に精通していませんので、違和感なく、楽しく読ませてもらいました。 つい先日読み終わりましたが、ラストの軽快に流れる物語は未だ強く印象に残ります。単純な言葉では表現できない繊細な音を上手く描写しており、あたかも耳元でピアニストたちが音を奏でているようにも感じました。 羊と、鋼と、森、それぞれに込められた意味を理解した上で文章を読むと、単純だと思っていた世界はあっという間に複雑になり、そして面白くもなります。 この文章は、単にピアノの調律のことだけでなく、主人公、外村の人としての成長を、周り恵まれた環境とともに暖かく描いています。答えが見つからない時、この本をお勧めします。満点の解答なんてない、それに近づこうとする人たちからきっと勇気をもらえると思います。 | ||||
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このような偶然で天職が見つかるのは幸運なのだが、人は職業選択にあたり能力(才能)を気にするあまり本当の天職を見失うこともあるかもしれないと思った。主人公はまさに孔子の言うような「楽しむ者」になっている。何を楽しいと思うかは人それぞれだが自分もそうなりたいと思った。 | ||||
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最初のページを読んだ瞬間に、あっこれ好きな本だと感じました。まだ半分しか読んでませんが、急いで読み進めたくない。ゆっくりとじっくりと読みたいと思います。 | ||||
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読んでいる間中、 とても静かで上質な時間を過ごせました。 本を読んで、こんなに贅沢な時間を過ごしたのは、 久しぶりのことだったかもしれません。 調律する時間が、静謐さを必要とするからでしょうか。 双子のピアニストのお話が一番好きです。 本屋大賞受賞とのこと。 本当におめでとうございます! | ||||
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純朴な新米調律師の物語、本屋大賞にはずれなし。 物語を読んでどこかでピアノの演奏を聴きたくなりました。 | ||||
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ピアノを弾く人間にとって、調律師は欠かせない存在です。 彼らの調律した後のピアノを触り音を出した瞬間に、ピアノが生き返った、と思った調律師さんとは1度会った事があります。 私の最初の古いピアノで、転勤で何度も動かし、調律もかなり難しかったそうですが、その音の豊潤さとキーの適度なタッチに、とても幸せな気分になりました。 そういう調律師さんばかりではなく、ただ音を合わせるだけの方、音叉ではまだ合わせきれない未熟な方は機械で調律していた方もいました。 この本に出てきた調律師さんたちのようなピアノを愛して、お客様のために、という調律師さんに調律してもらったピアノは本当に幸せだろうな、と思いながら読みました。 この小説はとても透明で静香な空間を纏っていました。 透明で静かで純粋で心地よい緊張感がずっと続いている、そういう小説は少ないと思います。 ストーリーが何か事件をはらんで劇的なものでもなく、人物が特異な設定でもなく、ただピアノに寄り添い、自分の道を探しながら不器用に自分の進む道を確信していく主人公。 そんな静かなストーリーなのに、すべてが愛しい気持ちになる、そんな小説でした。 文章の隅々から情景があふれ出し、一瞬たりとも無駄のない、そんな世界でした。 ずっと浸っていたい、彼らと共にずっと歩んでいきたい、そう思いながら読み進めることができました。 この作家の本は初めてでしたが、ぜひ、他の本も手に取ってみたい気持ちにさせられる、そんな本でした。 出逢えたことに感謝しています。 | ||||
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最初の9行で、物語の世界に引き込まれました。むつかしい言葉はひとつも使っていないのに、なんと芳醇なイメージを与えてくれるのでしょうか、この作者は。 ストーリーというより、文章の美しさにほれぼれする本でした。すみからすみまで品がいい。 この本に出合えたことを感謝します。 | ||||
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冬はマイナス30度になる北海道の山村で育った青年・外村がピアノ調教師をめざす物語である。高校2年の時、彼は高校の体育館でピアノ調律師に運命的に出会い、進路を決めた。調律師養成学校を出ると楽器店に勤め、先輩たちから教わりながら歩み始める。大きな振幅のない物語だが、彼の内面は大きな成長をとげていく。 外村は特に音感が優れているわけではなく、ピアノも弾けない。だから彼には不安も迷いもある。尊敬する先輩の調律師からは「焦ってはいけません。こつこつです」とアドバイスをもらう。「この仕事に正しいかどうかという基準はありません」とも言われる。それを聞いて自分なりの努力をして技術を身に着けていくしかないと気づく。努力と苦悩と葛藤の末に「才能があるから生きていくんじゃない。あるかないかわからない。そんなものにふりまわされるのはごめんだ。もっと確かなものをこの手で探り当てていくしかない」と彼は考えられるようになった。 ピアノと向き合う毎日の中で、外村は顧客の希望する音の背景にあるもの、そのピアノと顧客の歴史やピアノを弾く環境や弾く人の力量までも理解して音作りをすることの重要性を学ぶ。絶対的ないい音ではなく、顧客にふさわしい音をつくるのである。そう気づいたのは人間としての彼の成長の証なのだろう。あたたかな職場の人たちに支えられて外村は確たる道を見出していく。自意識を捨ててピアノと演奏者のために尽くす心境に達したとき、彼に転機が訪れる。 ピアノは羊毛を固めたフェルトでできたハンマーが鋼の弦を叩くことで音が鳴る仕組みになっている。弦がずらりと揃った状態を外村はまるで森のようだと思う。その羊と鋼の森からは芳醇な音楽が生まれる。そして、外村がピアノの音を聴くときまってふるさとの森がよみがえる。音が連れてくる景色が鮮やかに浮かぶのだ。音を言葉で表現するのは難しいはずだが、著者は、響き渡るピアノの音と彼の心に起こった変化を美しい言葉を用いて伝える。 緊張を含みながら静謐で澄み切った文章がここちよい。背後でショパンのピアノの気配を感じつつ読み進めた。インタビューで著者は「外村が私を励ましてくれた」と述べている。それは私も感じた。ひたむきに努力する外村の姿に心動かされる読者は多いだろう。じっくり味わいながら読むべき小説である。 | ||||
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読みやすい文体で、サラッと読めた。素人ピアノを弾いているが、ピアノの音と、ピアノの構造を垣間見られて面白かった。 | ||||
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2016/2/28読了 「王様のブランチ」で取り上げられていて、 ピアノを弾く身として、調律をテーマにするとは、どういう内容になるのだろう、 と思い、手に取った次第。 あくまで個人的なとらえ方だけれど、ピアノという楽器は、調律という面では ほかの楽器と少し違う、と思っている。 ひとつ、プレーヤー自身が調律(チューニング)をする、ということがほとんどない。 ふたつ、この楽器は持ち運びが簡単にできないため、「マイピアノ」を持っていても ごく一部、著名な演奏家を除いた大多数は、出先ではそこにあるピアノを弾かなければいけない。 楽器だから、当然、個々の楽器で音が違う。 そこにあるピアノを(仮にどんな音がするにしても)弾かなければいけない。 私の好きなピアノ弾き語りのミュージシャンたちは、「行く先々のピアノとの出会いがある」 みたいに言うけれど、それは間違いではない。 もちろん、プロとは程遠い私でも、普段弾いているものとは違うピアノを弾くと、 好い悪いよりも前に、違和感を感じる。言い換えれば、ピアノごとの個性を感じる。 静かな深みをたたえた文章で、音の表現がとても豊か。読後感もさわやか。 言葉の数々が、すうっと浸みこんでいく。 映画化の原作、といっても不自然ではない。でも、映画化されたら音を伝えるのが難しいのだろうな。 文章を読んでいて、この著者、本を書くために 楽器屋や調律師へ相当に取材を行っているのだろうけれど、 その前に、著者自身がピアノを(結構なレベルで)弾けるに違いない、と思った。 そうでなければ、これだけの音についての豊かな表現は出てこないと思う。 我が家にも、調律師が年に1回くるけれど、そんなにあれこれ注文したことはなかったなぁ。 次に調律するときにはぜひとも聞いてみたい。嫌がられるかもしれないけれど。 | ||||
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