学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

高校卒業と同時に三重県の山村に放り込まれた平野勇気19歳。林業の現場に生きる人々の1年間のドラマと勇気の成長を描く。

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。

強大な帝国・東乎瑠にのまれていく故郷を守るため、絶望的な戦いを繰り広げた戦士団“独角”。

幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。

東京のはずれに位置する‘まほろ市’の駅前にある便利屋「多田便利軒」に舞いこむ依頼はどこかきな臭い。

コンクール入賞者ツアーのはざま、亜夜とマサルとなぜか塵が二人の恩師・綿貫先生の墓参りをする「祝祭と掃苔」。

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。

「愛美は死にました。しかし事故ではありません。

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。

100年先を見据えて作業をしている、神去村の林業の現場。

記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した…。

江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

7年前、25歳で死んでしまった一樹。

36歳未婚女性、古倉恵子。大学卒業後も就職せず、コンビニのバイトは18年目。

僕たちは「その日」に向かって生きてきた―。昨日までの、そして、明日からも続くはずの毎日を不意に断ち切る家族の死。

おいしいと評判のレストラン「ハライ」に、同じ時に訪れた６組の客の物語。仕事に納得がいっていない。

『のぼうの城』から六年。

５２ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一頭だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。

北海道トムラウシの山村留学から福井に帰ってきた宮下家。当時、子供たちの妄想犬だった白い柴犬ワンさぶ子が家族の一員に。

津村沙世子―とある地方の高校にやってきた、美しく謎めいた転校生。

激化する独ソ戦のさなか、赤軍の女性狙撃兵セラフィマが目にした真の敵とは──デビュー作で本屋大賞受賞のベストセラーを文庫化

天才ギタリストの蒔野(38)と通信社記者の洋子(40)。

箱根駅伝を走りたい―そんな灰二の想いが、天才ランナー走と出会って動き出す。

新たな代表作の誕生! 20年ぶりの書き下ろし あたしは、月のように死んで、生まれ変わる──目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。

伝えられなかった言葉。忘れられない後悔。

頭脳明晰で剣の達人。将来を嘱望された男がなぜ不遇の死を遂げたのか。

第153回芥川賞受賞作 「早う死にたか」 毎日のようにぼやく祖父の願いをかなえてあげようと、 ともに暮らす孫の健斗は、ある計画を思いつく。

国立署の新米刑事、宝生麗子は世界的に有名な『宝生グループ』のお嬢様。

CIAの『伝書鳩』とともに、父の仇である『リヴィエラ』を追っていたジャック。複雑怪奇な諜報機関の合従連衡。

きっと誰にでも「やり直したい」ことがある。

みんなは知らない、ちょっとだけ特別なちから。

人に不用意に近づきすぎないことを信条にしていた大学一年の春、僕は秋好寿乃に出会った。

小夜は12歳。人の心が聞こえる〈聞き耳〉の力を亡き母から受け継いだ。

夜になると、僕は化け物になる。 寝ていても座っていても立っていても、それは深夜に突然やってくる。

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。

専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが…。

クラスでは目立たない存在の結佳。

敗戦の夏、異端の石油会社「国岡商店」を率いる国岡鐵造は、なにもかも失い、残ったのは借金のみ。

広告代理店営業部長の佐伯は、齢五十にして若年性アルツハイマーと診断された。

太平の世に行き場を失い、人生に惑う武家の男たち。身ひとつで生きる女ならば、答えを知っていようか―。

その愛は、あまりにも切ない。 正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。

世界大戦をきっかけに、人工授精が飛躍的に発達した、もう一つの日本(パラレルワールド)。

昭和36年。小学校用務員の大島吾郎は、勉強を教えていた児童の母親、赤坂千明に誘われ、ともに学習塾を立ち上げる。

「できることが目的じゃないよ。

生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。

毎日が黄金に輝いていた12歳の夏、少年は川辺の流木に奇妙な印を残して忽然と姿を消した。

今から100年前、殺人は悪だった。10人産んだら、1人殺せる。

婚約者・坂庭真実が忽然と姿を消した。 その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。

京都でテーラーを営む曽根俊也。自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。

ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。

とある街の、とある喫茶店の とある座席には不思議な都市伝説があった その席に座ると、望んだとおりの時間に戻れるという

直木賞受賞、第一作 待望の書き下ろし長編 母と祖母の女三代で暮らす、伸びやかな少女、朱里。