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(短編集)
黙過
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黙過の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.70pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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「優先順位」、「詐病」、「命の天秤」、「不正疑惑」及び「究極の選択」の5つの作品から構成される連作医療短編集。作者が医学・養豚などに関する事前勉強を良くしていて、真摯な姿勢も伝わって来る上に、全体構成にある工夫を凝らしてはいるものの、小説として良く練れていないという印象を受けた。 各編のテーマは「人命の大切さ及び人命と他の命との大切さに差があるか?」である。この後半の形而上学的問いには正解がなく、上述した通り、作者の真摯な姿勢が伝わっては来るものの、正解がない以上、不完全燃焼の感を免れない。テーマと絡んで、ある種の人間ドラマも繰り広げられるが、こちらもピースが上手く嵌らないといった不自然な印象を受ける。それもその筈で、最終編を除く四編は、最終編のための断章という趣きで、最終編(最後に読む必要がある)で、全体のピースを繋げるという趣向である。しかし、個人的には最終編を読んでも充分に納得したとは言えなかった。 小説だから必ずしも現実に則している必要はなく、警鐘の意味で、現実に先行していても一向に構わないのだが、本作は流石に"ツッコミ過ぎ"なのではないか。更に、これまた小説だから作者の自由とも言えるが、人間関係の偶然性が流石に余りにも高過ぎるだろう。今後、ゲノム編集に関して同様の小説が書かれる可能性が高いが、作者を初めとして読み応えのある作品の発表を期待したい。 | ||||
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最後の「究極の選択」にまとめたいということなのだろうけれど、「優先順位」にしても、「詐病」にしても、途中、疑われる嫌疑での結末の方を読みたかった。その方が下村さんらしいと思う。各々のエピソードが無理矢理ポイントを切り替えられた印象が最後まで残った。下村さんの良さがむしろ歪められた印象を受け、読後感は良くなかった。 命の差というのが、作品の主張なのだろうけれど、うまく伝えられないが、短編各々の中での価値観が多様であることを示すだけでも、命の差は示せると思う。「究極の選択」は決して一つじゃないし、多様な「究極の選択」を示しすことが作家の役割ではないかと思う。 下村さんはそれができると思う。妙なまとめを求めず、切り口の鋭さを描写し続けて欲しい。 | ||||
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生命をテーマにした連作集5編。舞台が大学病院であったり、養豚場であったりと様々で、主人公もそれぞれ違います。中には強烈な違和感を覚えたまま、物語が終わる作品もありますが、最後は一つに収斂していく構成は見事です。 重いテーマだけに登場人物の考え方やラストには、いろんな意見や感想があるかと思いますが、ミステリーとしての面白さを追求しようとした作者の意気込みは分かるような気がします。 | ||||
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うーん、読者層を拡げるためだと思うのですが、最近の下村さんの作品は「重いテーマ」に不要な「軽さ」を盛り込みすぎというか。サクサク読める!的な書き方が、逆に仇となってしまっているように感じます。 下村作品の魅力は「重いテーマをズシリと重く、なのに面白くて一気読み!」な点だと思ってるので、あまり「軽さ」を意識してほしくないなー。 個人的には「本当の意味でのリアリティが無いと!」ではなく「リアリティあるっぽく読ませてくれればいい(知識がある人からすると酷くても)」というスタンスなので、医学的にどーのこーのという部分は気にならなかったのですが。 謎解きやどんでん返しなど、ミステリーに必要な要素は盛り沢山に散りばめられているのですが、「だからなに?」な小粒ネタばかりなので、先が気になって仕方がない!ということは終始なかったですね。 決してつまらなくはないのですが、下村さんへの期待値からすると「ものすごく普通」でした。 星三つとさせていただきます。 | ||||
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前評判がとても良いので期待したのですが、私には合わなかったようです。 移植の件、それの何がそんなにいけないのか私には全然分からない。感染症や拒否反応のリスクが大きいとか認可されていないのが問題なら分かるけど、人間じゃなくなる??? それなら延命で人工心肺に繋いだらそれはもう人間じゃないってこと? 死にゆく我が子を目の前にしたら、どんな方法(殺人以外でなら)でも助けたいし、もうあとわずかの命と分かれば、せめて死に目に会いたい。それが果たされたのになぜそんなに絶望するのか、そこまで絶望するものなのか、たぶん私にはどうやって読んでも分からないし、 分かり合えないと思う。 インフルエンザのワクチンは有精卵を使って作られ大勢の人に注射されているし、豚で人工皮膚だって作られている。 それと変わりない気がするのだが…… | ||||
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