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(短編集)

黙過



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【この小説が収録されている参考書籍】
黙過 (文芸書)
黙過 (徳間文庫)

黙過の評価: 3.70/5点 レビュー 20件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.70pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全20件 1~20 1/1ページ
No.20:
(5pt)

難しい問題の提起

医療の進歩はほんらいの生態系とは別の狩猟を生み出してしまった。これは進化としていいのか。
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No.19:
(4pt)

悪くはない

短編としての未完成さが最終章で収束する連作のお手本のような良作。
といいたいところだが、豚女のような小ネタはよかったのに、そんな重要なところは単なる偶然だったの!?という落胆が勝ってしまう。

また根本的な問題として、動物の臓器が体内に入ることに全く抵抗のない人間も一定数存在することを考慮すべきだったかと。
何なら知らんおっさんの腎臓をもらうより、安心安全な無菌の子豚ちゃんの心臓のほうが気分的にいいな、私は。
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No.18:
(5pt)

4つのエピソードを一気に収斂させる作者の力量に感服

消えた重篤患者、パーキンソン病だと偽って職を辞する厚労省の高官、養豚場の母豚の胎内から消えた
多数の子豚、そして細胞研究所の准教授の自殺、この4つのエピソード、短編と言ってもいい、がまず
描かれる。私を含めて、多くの読者はこの作品は短編集なのかと思うかもしれない。その割には
この4つの「短編」にはもう一つ切れがないなあ、とか落ちが分かりにくいなあとも思うだろう。だが、
これら全く関係のなさそうな4つのエピソードが、「究極の選択」という章において、一気に収斂、収束
していく。この手法と筆力には驚いてしまう。この流れはかなり一流の推理小説と評価出来る。
だが、作者の狙いは、現代の医療の抱える問題点と人間の命の大事さをどのように考えていくべきか
ということにある。推理小説の枠を超えたテーマである。いずれにせよ、前半のけだるさを一気に
吹き飛ばして、収束するストーリーテリングの巧さは、この作家の底力を見せつけられた気がする。
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No.17:
(2pt)

非常に良いと商品の状態書いてあったのに!

商品にキス等あったなら「非常に良い 」の表現はおかしいです。綺麗な本届くと思っていたのに残念です。
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No.16:
(5pt)

Good!


読んでよかった。
評判通りの内容。
いろいろ考えさせられました。
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No.15:
(1pt)

読みながら黙過

究極の選択も詐病もそうだが、移植手術かテーマと言うのもあると思うが、設定が強引すぎて入ってこなかった。
すべて決められたラストのために、ストーリーが進められている印象。
ミスリードはこの類の王道だが、特にタイトルが序盤から読者にも当て嵌まる
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No.14:
(5pt)

後半の謎とき(?)は圧巻です

とても面白かったです。
家業が大動物開業獣医師なのですが、余りの情報の詳しさに驚きました。
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No.13:
(4pt)

新刊本が100円

文庫ではなく、新刊本が100円なのはとても得した気分 内容はどんでん返しがあってないような・・・
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No.12:
(4pt)

初めての作家の初めての作品

初めての作家の初めての作品を読了。病気や移植に関する病院で起こる事件にミステリー性があるのか?、どうやら短編集みたいだしこれはミステリーか?と思って読み進めると…。最後で、それぞれの出来事や登場人物がつながっているんだぁ、なるほど。移植という医学の倫理に絡んだテーマで内容が重いです。知っていながら黙って見逃すことも必要ですね。
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No.11:
(3pt)

作者の真摯な姿勢が伝わっては来るものの、小説として良く練れていないという印象

「優先順位」、「詐病」、「命の天秤」、「不正疑惑」及び「究極の選択」の5つの作品から構成される連作医療短編集。作者が医学・養豚などに関する事前勉強を良くしていて、真摯な姿勢も伝わって来る上に、全体構成にある工夫を凝らしてはいるものの、小説として良く練れていないという印象を受けた。

各編のテーマは「人命の大切さ及び人命と他の命との大切さに差があるか?」である。この後半の形而上学的問いには正解がなく、上述した通り、作者の真摯な姿勢が伝わっては来るものの、正解がない以上、不完全燃焼の感を免れない。テーマと絡んで、ある種の人間ドラマも繰り広げられるが、こちらもピースが上手く嵌らないといった不自然な印象を受ける。それもその筈で、最終編を除く四編は、最終編のための断章という趣きで、最終編(最後に読む必要がある)で、全体のピースを繋げるという趣向である。しかし、個人的には最終編を読んでも充分に納得したとは言えなかった。

小説だから必ずしも現実に則している必要はなく、警鐘の意味で、現実に先行していても一向に構わないのだが、本作は流石に"ツッコミ過ぎ"なのではないか。更に、これまた小説だから作者の自由とも言えるが、人間関係の偶然性が流石に余りにも高過ぎるだろう。今後、ゲノム編集に関して同様の小説が書かれる可能性が高いが、作者を初めとして読み応えのある作品の発表を期待したい。
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No.10:
(3pt)

無理なまとめ方に対する違和感が漂う

最後の「究極の選択」にまとめたいということなのだろうけれど、「優先順位」にしても、「詐病」にしても、途中、疑われる嫌疑での結末の方を読みたかった。その方が下村さんらしいと思う。各々のエピソードが無理矢理ポイントを切り替えられた印象が最後まで残った。下村さんの良さがむしろ歪められた印象を受け、読後感は良くなかった。 
 命の差というのが、作品の主張なのだろうけれど、うまく伝えられないが、短編各々の中での価値観が多様であることを示すだけでも、命の差は示せると思う。「究極の選択」は決して一つじゃないし、多様な「究極の選択」を示しすことが作家の役割ではないかと思う。
 下村さんはそれができると思う。妙なまとめを求めず、切り口の鋭さを描写し続けて欲しい。
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No.9:
(4pt)

新しい下村ワールド

下村作品は全て読破しています。
途中まで短編集なのかと思えるような構成、それも中途半端な内容に残念な気持ちに。
最終章で今までの伏線回収と、良い意味で裏切られるいつも通りの下村ワールド炸裂。
過去作品と比べても上位に入る良い読後感。
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No.8:
(4pt)

良質の「お勉強ミステリ」

連作の形をとっていますが、実質的には一つの長編です。
4編目まで読み終えた段階では、どれも謎の解決の部分が腑に落ちないという感想で、その上、帯にある「「生命」の現場を舞台にしたミステリー」としては、文体や会話が軽く、コミックを読んだような印象を持ちました。
ところが5編目に入ると、それまでの各編の結論が覆り、また、各編の繋がりが見えてきて、驚かされました。
リアリティーの無さを指摘する向きもあるようですが、巻末の「謝辞」によれば、東京慈恵医大の教授による、医学的な誤りの訂正とアドバイスを経ているようですから、フィクションとしては許容範囲なのではないでしょうか。少なくとも、素人の当レビュー子は違和感なく読めました。
かつて一連の乱歩賞受賞作が「お勉強ミステリ」と呼ばれた時代がありました。その頃を思い出させる良質の作品です。
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No.7:
(5pt)

連絡短編集のお手本のような一冊

連作短編集とはこうあるべき、というお手本のような一冊です。

 全部で5つの短編から構成されており、4作目まではそれぞれが独立したお話かと思っていたら、5作目でそれらが見事にまとまる様はまさに圧巻です。伏線も全て回収されます。驚きです。

 しかも、扱っているテーマが重いし新しい。全く知らなかった分野で、著者の社会派としての面目躍如といったところでは。とにかく、何から何まで素晴らしいの一語です。
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No.6:
(3pt)

ハイペースで刊行していると思います

生命をテーマにした連作集5編。舞台が大学病院であったり、養豚場であったりと様々で、主人公もそれぞれ違います。中には強烈な違和感を覚えたまま、物語が終わる作品もありますが、最後は一つに収斂していく構成は見事です。
重いテーマだけに登場人物の考え方やラストには、いろんな意見や感想があるかと思いますが、ミステリーとしての面白さを追求しようとした作者の意気込みは分かるような気がします。
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No.5:
(3pt)

悪い意味で軽い

うーん、読者層を拡げるためだと思うのですが、最近の下村さんの作品は「重いテーマ」に不要な「軽さ」を盛り込みすぎというか。サクサク読める!的な書き方が、逆に仇となってしまっているように感じます。
下村作品の魅力は「重いテーマをズシリと重く、なのに面白くて一気読み!」な点だと思ってるので、あまり「軽さ」を意識してほしくないなー。
個人的には「本当の意味でのリアリティが無いと!」ではなく「リアリティあるっぽく読ませてくれればいい(知識がある人からすると酷くても)」というスタンスなので、医学的にどーのこーのという部分は気にならなかったのですが。

謎解きやどんでん返しなど、ミステリーに必要な要素は盛り沢山に散りばめられているのですが、「だからなに?」な小粒ネタばかりなので、先が気になって仕方がない!ということは終始なかったですね。
決してつまらなくはないのですが、下村さんへの期待値からすると「ものすごく普通」でした。
星三つとさせていただきます。
黙過 (文芸書)Amazon書評・レビュー:黙過 (文芸書)より
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No.4:
(4pt)

(2018年―第92冊)私は最後まで読んで思いのほか楽しめた小説だが、最後までたどり着けない読者がきっと多いのではないかと、作者の代わりに心配してしまう。

黙過:知っていながら黙って見逃すこと。(大辞林 第三版より)――カバーのそでにこうあります。

◆『優先順位』
:光西(こうさい)大学付属病院に轢き逃げ被害者が意識不明で運ばれてくる。若き医師・倉敷敬二は肝臓移植をすれば一命はとりとめると見るが、指導役の進藤准教授は患者が臓器移植に同意していたことを知り、心臓などの移植を考えるべきだと主張する。そこへ女医の都准教授がやってきて、肝移植を検討すべきと進言。板挟みとなる倉敷だが、そうこうするうちに患者が忽然と姿を消す。同じ日、進藤医師による心臓移植手術の予定が入って…。

 ミステリー調で物語は進み、倉敷医師ならずとも読者の疑惑の目は進藤准教授に当然向けられるでしょう。しかも患者が轢き逃げに遭った晩、進藤が飲酒運転で病院に駆けつけていた映像が見つかる始末。
 しかし、最後に明らかになる事の成り行きに万人が納得いくのか、私には疑問に感じられました。それは<黙過>のひとつの形であるとはいえ、現代の医師はもっとドライに厳格にルールに則った医療をおこなうのが常だと思います。患者の失踪のからくりはいくらなんでも都合がよすぎると思いますし、その後の患者の行く末まで考えると、<黙過>で済ませられるほど事は単純に終わらないと思うのです。

◆『詐病』
:総司は兄から老父が行方不明になったと連絡を受け、実家へ戻る。父に勘当されてから初めての帰郷だ。兄が言うには、1年半前に父はパーキンソン病を患って厚生労働省事務次官の職を辞していた。果たして父はどこへ行ったのか…。

 タイトルに『詐病』とあるので、父のパーキンソン病が偽りであることは早い段階で予測できます。問題はその理由ですが、最後に父が明かす真相には、全く納得がいきませんでした。父は詐病によって世の中を動かしたいと壮大な計画を立てていたのですが、「それで世の中が動くのか?」と総司が問うのも当然です。父の介護のために大手広告代理店での仕事を休まざるを得なかった兄の不憫を思うと、<黙過>で済ませられるほど事は単純に終わらないと思うのです。

◆『命の天秤』
:仙石養豚場は動物愛護団体から過激な抗議を受けていた。そんなある日、出産間近だったはずの母豚たちの体内から胎児が抜き取られる事件が起きる。その数およそ100頭。犯人は誰なのか。そうこうするうち、次々と豚たちが感染症にかかり始める…。

 豚畜産農家にかなり徹底した取材をしたうえで書き上げた一編なのでしょう。豚は人間と異なり、胎盤を介して免疫を受け継ぐことができないが、生まれた直後に初乳に免疫抗体が含まれているのでそれを生まれて3時間以内に与えると抗体吸収能力が100%であるとか、子豚は尻尾をかじられると細菌感染を起こすので尻尾を焼き切る必要があること、子豚が母豚の乳頭を噛まないように歯切りをほどこす必要があること、去勢して肉質をやわらかくすること、などなど養豚の舞台裏が様々垣間見られる面白さがあります。

 しかし豚舎に感染症が広がった理由にあまりにもひねりがなく、豚の胎児の抜き取り事件の背景に意外性が見られないので、ミステリーとしてのおもしろみがありません。仙石養豚場が選択した<黙過>が、真に消費者の利益になるのかが疑問でした。

◆『不正疑惑』
:精神神経医療研究センターの医師・小野田は有名大学の細胞研究所に勤める友人医師・柳谷彰浩の自死に衝撃を受ける。柳谷の幼い娘は心臓の移植を受けた後に急変して亡くなっていて、さらに彼自身も死を選んだのだ。ところが真崎という医療ジャーナリストによれば、柳谷は娘の移植順位を不正に操作していた疑いがあるという…。

 これまでの三作に比べれば多少なりとも移植をめぐる柳谷の疑惑の真相が知的に明らかにされていく過程に引き込まれました。とはいえ、この『不正疑惑』はこの書の中では最も短い一編で、わずか40頁ほどしかありません。ですからミステリーはいささか短時間で解決される点が残念に思えます。

―――と、ここまで読み継いできて、ミステリーとしてのクォリティーの低さ、論理展開の強引さばかりが目につき、不平をたれながら頁を繰る読書になってしまいました。残念な時間を過ごすことになってしまったなと思いつつも、ここまで読んだのだからと、最終作『究極の選択』に足を踏み入れて、私は目を見張らされることになりました。

◆『究極の選択』
:これまでの『優先順位』『詐病』『命の天秤』『不正疑惑』それぞれの終幕で真相とされたことが、一気に覆されます。いかに自分が騙されていたのかを思い知り、同時に、作中の探偵を騙すだけでなく、読み手も騙す手立てに長けたものこそが上質のミステリーの名にふさわしいことを再確認させられました。
 そして書を閉じたときにまず思ったのは、私自身が前4作に向けた疑念がごく当然のものであったという安堵、そして次に心をよぎったのは、作者・下村氏の大胆不敵で見事な構成力、さらに考えてしまったのは、読者の多くが最終作にたどり着く前にこの書を放擲してしまうのではないかという、作者に成り代わっての懸念でした。

 この最終作の内容には敢えて触れません。どうか前4作は少しの間辛抱しながら読み進めて、この最終作まで到達することを多くの読者に薦めておきたいと思います。

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 一か所校閲漏れがありました。文庫化の折に修正されることを期待します。
*262頁:「改ざんしている可能がある」と書かれていますが、「可能」ではなく、正しくは「可能性」でしょう。

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黙過 (文芸書)Amazon書評・レビュー:黙過 (文芸書)より
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No.3:
(2pt)

最後で台無し

四話目までは良かったんです。続きが気になり、ぐいぐい読まされました。
しかし、最終話で全てが台無しです。
ネタバレになるので詳細はコメント欄に記しますが、肝心なオチの部分で有り得ない無茶な設定が出てきます。
心底がっかりしました。
この内容・作風で、ここまで大きくリアリティを欠く記載があるのは致命的だと思います。
黙過 (文芸書)Amazon書評・レビュー:黙過 (文芸書)より
4198646082
No.2:
(5pt)

構成がすごい

とにかく最後まで読んで!しか言えません。
構成が本当に素晴らしかった。
人はどこまで許されるのか――考えさせられる作品でした。
黙過 (文芸書)Amazon書評・レビュー:黙過 (文芸書)より
4198646082
No.1:
(3pt)

分かり合えない

前評判がとても良いので期待したのですが、私には合わなかったようです。
移植の件、それの何がそんなにいけないのか私には全然分からない。感染症や拒否反応のリスクが大きいとか認可されていないのが問題なら分かるけど、人間じゃなくなる???
それなら延命で人工心肺に繋いだらそれはもう人間じゃないってこと?
死にゆく我が子を目の前にしたら、どんな方法(殺人以外でなら)でも助けたいし、もうあとわずかの命と分かれば、せめて死に目に会いたい。それが果たされたのになぜそんなに絶望するのか、そこまで絶望するものなのか、たぶん私にはどうやって読んでも分からないし、
分かり合えないと思う。
インフルエンザのワクチンは有精卵を使って作られ大勢の人に注射されているし、豚で人工皮膚だって作られている。
それと変わりない気がするのだが……
黙過 (文芸書)Amazon書評・レビュー:黙過 (文芸書)より
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