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若冲
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若冲の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 1~20 1/2ページ
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若冲は京の錦高倉市場の青物問屋の長男として生まれた。23歳で家督を継いだが商いは弟任せで専ら部屋に籠って絵を描いており、外出といえば相国寺慈雲院の大典和尚の処だ。妻の三輪を娶ってからもこの生き様は変わらず、三輪は姑にいびられ蔵で首を括ってしまう。三輪の弟弁蔵は姉を死に追い詰めたのは義兄らだと若冲の贋作を作って責めたてる。怨憎の相克の中で生きる二人であったが、年月を経て祇園の宵山に飾られた二双のそれぞれの手になる升目描きの鳥獣図屏風を見て若冲が何れも自分の絵だと言いきったとき彼我の別は消えていた。作中には、池大雅や与謝蕪村、丸山応挙らとの関わりも描かれてその交遊を通して京の暮らしや町屋の風情、はては公家町の様子も垣間見える。また、画技研鑽で京に来ていた松平定信の近習で文人画の谷文晁の最後の仕切りも鮮やかだ。 | ||||
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しっかり梱包されてました | ||||
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若沖の作品は細かい上に色彩が綺麗で有名と思っていたが、その裏にこんな凄い境遇にいたとは驚きました。司馬さんとは全く違う歴史小説で今後が楽しみです | ||||
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文体が美しい。広重ブルーと合わせて読むと、当時の京都の文化と江戸の文化のコントラストがくっきり浮かび上がる。京都画壇の少々陰湿な競争や、若冲の肉親への愛憎が細やかに描かれる。それにしても、京都の文化レベルは明らかに江戸より高かった! 若冲の絵の見方が変わる事請け合い。読了後の静かな感動に酔いしれた。 | ||||
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満足しています | ||||
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妻、お三輪が最後まで強調されているが、私はお志乃の描き方が不満。一番長く、一緒に暮らしたお志乃との心身の繋がりの関係、感情が淡白すぎる。 | ||||
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やはり時代を越えた作品残す人のドラマは 捉え方で 面白い | ||||
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奇想の画家 伊藤若冲の生涯を描いた芸道小説である。 残された画業から若冲の懊悩を析出する著者の想像力が素晴らしい!戦国時代の権謀術数を描くより、ハードルは高めだろうか。 大店の放蕩息子でありながら、非凡な才能の持ち主である若冲。資産があってこそだが、現代ならば社会人失格の、まさに芸術の申し子。 若冲の贋作作家とのひりつくような因縁話しを含めて、無駄のない展開も良い。まるで見てきたかのような臨場感があるのだ。 池大雅、与謝蕪村、谷文晁ら、有名どころも登場し、物語を盛り上げてくれる。 | ||||
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最高級の岩絵の具を使って、丹念に描かれた絵画。 そのビビッドな色彩に、そのどこかに寂寥を感じ、見るものを惹きつけてやまない。 絵はその人の心を映すものであると実感。 若冲の絵から若冲の心模様を映し出していく。 人嫌いで無機質、内に責めて、そのアウトプットはただひたすらに描画へと向かう。 池大雅、与謝蕪村、円山応挙、谷文晁が登場し、往時の京都界隈が描かれていく。 | ||||
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若冲さんの作品の集中感の裏にはこんな事もあって当然だな。って納得してしまう。 意外に面白かったです。 | ||||
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時代背景や日本画について、かなりの資料を読み込み、綿密に構想を練ってから書かれた重厚長大作で、夜を徹して読んだ甲斐がありました。残念だったのは、縦軸となる制作動機(妻の死とその弟の存在)がすとんと腑に落ちなかった点。特に何の修行もしていなかった義弟が突然絵師となって若冲を苛み続けるという部分に大きな無理を感じ、それがため最後まで感動が得られませんでした。 | ||||
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絵を描くのにためになりました | ||||
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大変気に入りました。 | ||||
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"彼が取り上げる画題はおおむね、ありがちな四季折々の花鳥。問題は、その描き方だ。破れ、穴の開いた糸瓜の葉。茶色く枯れた茎の上を這う蝸牛。生き物の生死をあるがまま写し取ったが如き絵に、お志乃はうすら寒さを覚えずにはいられなかった"2017年発刊の本書は、史実に基づきつつ大胆にイメージを膨らました時代長編。直木賞候補作にして親鸞賞受賞作。 個人的に広く日本美術に興味があるので、河鍋暁斎の娘・暁翠を描いた『星落ちて、なお』で、直木賞を受賞した著者の最初の一冊として手にとりました。 さて、そんな本書は当時はもちろん、現在でも人気の絵師、伊藤若冲の齢40の隠居からの画業にかけた生涯を題材に、同時代の絵師たち。池大雅や与謝蕪村、円山応挙や谷文晁らとの交流、そして隠居後は作画三昧と思われていた若冲の長年の定説を覆した『錦市場再開を巡っての町年寄としての活躍』京都市街の約8割と応仁の乱以上の被害をもたらした京都史上最大規模の火災『天明の大火』と史実に基づいた部分をしっかりと描きつつ、一方で、記録にはなく、生涯未婚であったと思われている若冲に【実は愛した妻が存在した】と、小説ならではの想像を膨らませて描いているのですが。 まず、伊藤若冲はもちろん、他の登場する絵師たち、そして作品も脳裏に浮かぶ日本美術好きとしては、作品制作の様子や、若冲の人生が視点となって絵師たちと言葉を交わす姿が活き活きと見事に再現されていて【江戸時代の絵師や作品をより身近に感じさせてくれる】楽しみが本書にはありました。 ただ、史実に『確かに近い気がする』のですが、周りの絵師たちが生に対してアクティブな印象が強い中、対照的に主人公たる伊藤若冲は画業はともかく『優柔不断な引きこもり』体質。自分勝手なのにたまにキレる(笑)と、なかなかに【感情が寄せにくい人物になっていて】私には『小説』の登場人物としては、ややぎこちない印象を受けました。 伊藤若冲好きはもちろん、日本美術や江戸時代の絵師たちが好きな方や、京都好きな方にオススメ。 | ||||
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文春文庫 澤田瞳子著『若冲』のレビュー。 最終章に描写される<伊藤若冲>晩年の代表作「石灯籠図屏風」。 石灯籠の質感を点描により表現した六曲一双の名画だが、この画の場所はどこなのか、そして誰が若冲に注文したのかは分かっていない。 本書の著者は、この画の遠景たる山々が京と近江を隔てる東山であり、その彼方には若冲の妻の生まれ故郷である醒ヶ井宿がある、と想定している。 この想定から逆算してこの物語を始めたとすると、作家の構想力ってすごいなと思う。 上田秀人の解説にもあるように、若冲に妻がいたという史料はない。 日本美術史上独特の位置を占めるこの人物を語るにおいて、何かしら強烈なものを、彼は生涯抱えていたのではないか? そう考えた著者は、若冲に嫁いで丸二年で自害した妻・お三輪とその弟・弁蔵、異母妹・志乃を配置し、その関係性の中で紡ぎ出される諸作品を通し、若冲(桝屋源左衛門/茂右衛門)を描いた。 彩色花鳥画三十幅の傑作「動植綵絵(どうしょくさいえ)」が相国寺に寄進された経緯。 二股大根を釈迦に見立て、その周囲を野菜や果物で囲んだ墨絵「果蔬涅槃図(かそねはんず)」の意図するところ。 無数の桝目に絵具を埋めて描く前衛的な「白象群獣図(はくぞうぐんじゅうず)」は、弁蔵の子・晋蔵に作画を手伝ってもらうための一方法として考え出された・・・。 このように、若冲の周りに伏線のように配置された人物たちが、謎も多い若冲とその作品を浮き彫りにしてゆくのだ。 これに加えて、池大雅、与謝蕪村、円山応挙、谷文晁という同時代の大家たちが彩りを添える。 さらに、十八世紀の京都画壇の豊穣さ、雰囲気、朝廷と幕府の関係なども伝わってくる。 若冲七十三歳の天明八年(1788年)に起きた「天明の大火」では、若冲の自宅も相国寺も焼失したが、「動植綵絵」は運よく生き残った。 それでも、この大火で焼失し、現代には伝わってない作品が多くあったと想像される。 もしこの火事で、「動植綵絵」や「旭日鳳凰図」や「仙人掌群鶏図(さぼてんぐんけいず)」までもが失われていたらと思うとゾッとするが、その場合、今の若冲の評価はどうなっていただろうか? それにより、本来の伊藤若冲の価値が下がるべきではないはずだが、わずかに残った史料や作品だけで評価をしたならば、現在の若冲ブームはなかったかもしれない。 歴史上の人物を評し描くのは、かくも難しく、また勇気も必要だと思う。 禅僧・売茶翁(ばいさおう)は若冲について、「その腕前、神のようだ」と評した。 そのような男を著者は、無事現在まで残された作品や史料などから得たインスピレーションおよび想像力をフルに働かせ、“澤田瞳子の若冲”として描いてみせたのである。 なお本書は、若冲の画集を見ながら読むと、より理解が深まる。 最後に。澤田さん、第165回(2021年上半期)直木賞受賞おめでとうございます♪。 | ||||
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若冲の絵が好きです。 樹花鳥獣図屏風、見た時は圧巻でした。 こんな絵を何百年も前に描いていたのには驚きでした。 今回、澤田瞳子さんの本で色々な面から、 お志乃を通して若冲を感じる事が出来て感動! あっと言う間に読んでしまいました。 澤田瞳子さんの本を読むのが楽しみになりました。 | ||||
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惹きこまれました。 本棚に残しておく本でした♪ | ||||
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問題無し | ||||
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大変面白く読ませて頂きました。登場する人物像も興味深く個性的な描写、応挙や蕪村まで現れ楽しめました。 | ||||
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若冲の、特に鶏がいっぱい描かれている絵が好きで、こんな凄い絵を描く画家さんって、どういう人物だったんだろうと、フィクションも交えてる部分があるとはいえ、興味を持って読みました。 本書の若冲は、絵はうまくても、人付き合いが苦手で、妻を愛していたものの不器用で、うまく伝えられなかったゆえに悲劇の連鎖が起きてゆきます。出だしから凄まじくて、一気に引き込まれます。 芸術と家庭を両立する難しさも感じました。 一つの道に没頭すると、他に手が回らなくなるという犠牲が生じるようです。 この一冊から二つの点が生きるヒントとして得られました。 若冲を憎む義弟は、絵で若冲を超えることで復讐しようとし、若冲を苦しめますが、若冲は自分を超えられないように奮闘したりしてます。実は芸を成長させ、憎い相手なのに認め、理解しつくしてくれてるのは、そうした敵だったりするのかもしれない。何か目標を持って励む者は、その点を気に留めるべきかもしれません。 そして、何かに没頭するとき、若冲のように、一つの分野を究めてゆくためには、孤独に引きこもってコツコツ努力することが肯定される、ということです。 史実がどうかというより、これらの点が、励みになりました。 | ||||
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