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冷たい方程式
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冷たい方程式の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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読めばわかりますが、深くて浅く、重くて軽い物語。 | ||||
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所謂、「方程式モノ」といわれるジャンルを確立した、SFの名作古典です。 極限の条件下で、何かを諦めないと何もかもを失ってしまう、究極の選択を迫られるのが「方程式モノ」の特徴で、本作が原点と言われており、藤子F不二夫も、お気に入りのジャンルのSFです。 今となっては、ありきたりに見えますが、当時は斬新だったと思います。 また古典だけあり、真空下の生物の状況の記述は当時の理解に基づくため、誤った表現になっています。 SFとしては、科学考証が少なく物足りませんが、「方程式モノ」というジャンルを確立した名作に違いありません。 SF好きを称するなら、一度は読んでみては如何でしょう? | ||||
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小品が数作収められた短編集です 主題作を読みたくて購入しました 幼い心の未成年が情動のままに密航します しかし彼女が飛び込んだ宇宙空間は甘えも優しさも通用しない、 そもそも生きるためには周到に厳重な準備が必要な世界です 納得しながら読了し この顛末は地上での様々な場面においても実はありうるのでは?とも思いました 誰だって嫌われたくないし辛い役目は担いたくないでしょう それでも、 生きるためのルールを教え導く役割を様々な立場の大人たちは放棄しないで逃げないで欲しいなと願います | ||||
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主に50年代に発表されたアメリカのSF短篇を集めたアンソロジーを再編集したアンソロジーだそうです。 収録された9篇とも、今読んでも利する所のある(と思う)作品で、読んで何かしら心に残る作品が揃っていると思いました。 この頃のSFは、理系の知識よりもセンス・オブ・ワンダーが重要で、如何に読者を驚かせるアイデアがあるかが、作品の要諦になっていた様で、最近の物理学や量子力学等で武装した感じのSFと100万光年離れたアイデア・ストーリーが多い様に思いました。 今年(2019年)は中国のSF「三体」が話題になりましたが、あの作品も理系の知識よりもセンス・オブ・ワンダーに満ちた、SFを読む喜びに溢れた作品だったと思うので、またここに収録されている感じの作品が復活するのでは、と期待しております。 逆に、今読むと少し古びている、というか著者のイメージが奔放過ぎてついて行けない感の作品も少しあったので、☆を一つ減らしました。私の感性の問題かもしれないので、すいません。 今も読む価値のあるSFアンソロジー。機会があったら是非。 | ||||
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表題の冷たい方程式 が、面白かった。淡々と描かれていますが、その淡々とした文章に感情移入できる気がします。 | ||||
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表題の作品を含む短編集。どの作品も古いのだがまったく古さを感じさせない。ハードなSFだけではなく、むしろファンタジーというか法螺話の方が多い。星新一さんのショートショートの海外作品版のような本だ。 以下、個々の作品の感想。 ■徘徊許可証:ロバート・シェクリイ 犯罪がない星で犯罪をしろ(しかも殺人)と市長から命じられる。いかに犯罪を実行するのが難しいのか徘徊許可証を与えられた主人公は葛藤する。結末は想像の範囲だが、滑稽な感じがいい。 ■ランデブー:ジョン・クリストファー 愛の物語というか愛憎の物語というか、お伽噺としてどこかで実際に語られているような感じだ。 ■ふるさと遠く:ウォルター・S・テヴィス まったく意味が分からなかった。別の中長編作品の一部なのだろうか。盛り上がる前に話が終わっている。 ■信念:アイザック・アシモフ 理屈は不明だが空中浮遊してしまう物理学者のお話。物理学者たちが戸惑っている風景が面白い。 ■冷たい方程式:トム・ゴドウィン 冷たい。冷たいよ。何も救いがない。関係者(読者も含めて)すべてが不幸になる物語。トラウマになりそう。 ■みにくい妹:ジャン・ストラザー 『冷たい方程式』では救いがなかったが、これを読んで救われた。笑った笑った。ガラスの靴やカボチャの馬車の真相はこうだったのか。笑った。笑った。 ■オッディとイド:アルフレッド・レザー こんな人いるよなあと感じる話を極限まで突き詰めたお話。少し中途半端かな。 ■危険! 幼児逃亡中:C・L・コットレル 題名からは想像できない恐怖を味あわされる話。無邪気な恐怖というか、やはり子供は怖いということか。怖いけど面白かった。 ■ハウ=2:クリフォード・D・シマック 今風にいえば、技術的特異点(シンギュラリティ)を迎えた後の世界の1つだろう。昨今のロボットが活躍している現実を見ると、この物語は今となってはリアリティを帯びてくる。50年くらい前に書かれた作品だと思うが、ここまで将来を見通した作者の眼力には驚くばかりだ。 | ||||
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9篇のアンソロジーで表題作の「冷たい方程式」は1966年11月号のSFマガジンに掲載された。この頃私は中学生で、毎月ではないが頻繁にSFマガジンを買っていたので、「冷たい方程式」を読んだはずだが、細部は忘れた。 先日、大型書店で本書を見つけた時、懐かしさもあって躊躇なく買った。他の作品群も概ね1950年代に発表されたものばかりらしく、当時のTV映画「ミステリーゾーン」のような意外性のある作品なら歓迎なので、とりあえず全作品を読もうと思った。 「ふるさと遠く」は僅か6頁のショートショートであるが発想が面白い。内陸部のアリゾナの公共プールの管理人が、早朝、プールに生きている大きな鯨が居るのを発見するが、オチが秀逸である。逆に70頁弱の「信念」は空中浮揚が出来る人間の苦悩を描いているが、後半それを逆手に取って逆襲するところが面白かった。「危険! 幼児逃亡中」のタイトルは何とかならないか。単純に「ジル」で良いではないか。それと意外と力作だったのが「ハウ=2」。ロボットの合法的反乱の未来が怖い。 さて「あとがき」によると、SFの世界五大名作短編の中に入ると云われる「冷たい方程式」に取りかかろう。これはやはり別格だった。 銀河系の星間で血清を運ぶ緊急発進小艇(EDS)が目的地に向かっていたが、計器に密航者の存在を示す異常が発生した。星間法規に「EDS内で発見された密航者は、発見と同時にただちに艇外に遺棄する」とあり、これは守るべき法であった。 燃料をギリギリしか積んでいない小艇での重量オーバーは死を意味するし、血清を運ぶことによって6人の命を守らねばならない。しかし、密航者は若い娘で、ただ兄に会いに行きたいだけの動機だった。この娘を宇宙空間に投げ出せるのか。自然の法則にとっては、彼女は、冷たい方程式のなかの余分な因数にすぎないのか・・・・・。 プロットが良いし、緊張感はあるが判りやすい文章も良い。パイロットと娘の心境も納得できるし、これはどういう結末を迎えるのだろうかと思うと興味津々で、うーむ、なるほどのラストは、不覚にも視界がぼやけた。 | ||||
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短編集なので内容はそれぞれです。全般的に面白い話が集められているので買ってそこそこ満足ではあります。 翻訳も言葉を選んで行われている感じはあるのですが、ところどころ、話の腰を折って、テンポを悪くしている部分もあるかと。 | ||||
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とり・みき先生の「SF大将」で知った表題作ですが、個人的には表題作以上に他の作品も楽しめました。 皮肉な結末「徘徊許可証」 シュール怪奇譚「ランデブー」 奇妙な味わい「ふるさと遠く」 SF人生相談「信念」 そう来るか!「みにくい妹」 オーメンな「オッディとイド」 スティーブンキング作品の元ネタ?「危険!幼児逃亡中」 ロビタがもし法律を覚えたら「ハウ=2」 巻末の解説に「1950年代を中心に」とあってびっくり。 訳文もこなれていて、とても読みやすい作品集です。 SF初心者にもおすすめです。 | ||||
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良質な蒸留酒を口に入れた様な感じのする短篇集。 1960年代と1930年代の作品が一遍ずつ含まれているが、それ以外は1950年代の作品が選ばれている。 1950年代。 世界では、朝鮮戦争、共産主義と資本主義の対立による東西ブロックの緊張からの軍拡、宇宙開発競争、赤狩りが起き。 日本では、テレビの本放送がスタートし第五福竜丸事件が起き、ゴジラが公開され東京タワーが完成した時代。 そして、SF雑誌・映画の黄金期といわれる時代。 伊藤典夫氏らしく、真面目で上品な作品が集められている。 全体的な印象は、ソフトSFという感じで、これまでSFを読んだことのない読者がすんなりと入り込める作品ばかりが集められているが、 とにかく完成度の高い、腐らないSFばかりが選ばれており、古めかしさは全く感じない。 個人的には、この作品を読むだけでも購入する価値があると思うのだが、「危険! 幼児逃亡中」がいい。 街に潜入したとてつもない超能力を持つ八歳の少女ジルと軍の攻防を、緊張感あふれる筆致で描いている。 1977年にSFマガジンに訳出されているので、もしかして大友克洋の「童夢」や「アキラ」の元ネタか? 「信念」もいい。科学者に超常現象の存在をいかに認めさせるかという話だが。 研究者としては非常に納得できる話。新しい発見や概念というものを研究者仲間に理解させるのが、 いかに大変なのかということを機知を用いて描いている。 「ふるさと遠く」。好きだな。こういう五感に訴えるような懐かしさの表現は文学でしかできないと思う。 でもオチは無くても良かったのじゃないかな。 海外で「五大名作短編」のひとつに数えられている表題作「冷たい方程式」については、人によって違うんだろうけど、 クラークの「メイルシュトレームII」のようにどんでん返しがあってもいいんじゃないかなと僕は思いました。 いずれにしてもSFとファンタジー、ホラーが別々の分野に分けられる前の、SFにとっても読者にとっても、 ある意味で最も幸せだった時代からの作品集。 SF入門者にとってもコアーなSF好きにとっても楽しい作品集に仕上がっている。 伊藤典夫様、同様の作品集をあとひとつ作っていただけませんか? | ||||
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表題作。母船から離れ辺境惑星に救援物資を運ぶ小型宇宙船。 悪戯心から密航を試みる少女。しかし小艇には操縦士1人分の重量を運ぶ燃料しか積まれていない。 少女を宇宙空間に遺棄することで救助を待つ6名の命を救うか、 直接手を下さないことにより結局少女と自分を含めた8人全員が死ぬかの決断を迫られる男。 場面設定はSFだが映画化というより二人で演じる状況劇にピッタリのテーマ。 どんな奇想天外な解決策が用意されているのかと頁を捲るのももどかしく読み進める。 その結末は… 善意と悲嘆の記憶。この小品を復刊する為に編まれた短編集か? | ||||
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旧版(SFマガジン・ベスト 1)もずいぶん昔に購入して持っているので、表題作の評判に依存して他の作品を抱き合わせするのか...と当初は手を伸ばす気にならなかったのですが... 伊藤典夫さんのあとがきを読んでついつい購入してしまいました。 表題作が名作なのは今読んでも変わらず。インパクトの強い作品だけに設定も文章も脳裏に焼き付いてしまい、逆に再読する必要性を感じていなかったのですが、やはり実際に読むのと頭で反芻するのとは違います。 新規の7作品は、メインストリーム寄りのファンタジーが多いですが、期待以上に面白かったです。 50年代のSFとしてイメージする、無邪気なセンスオブワンダーの匂いもあり、テクノロジーや政治が人間性を失わせるというイデオロギーの痕跡も残しつつ、純粋なSFでないだけに古びるのを免れた作品たち--2011年になってこれらをアンソロジーに組んでくれた伊藤さんと編集部には、やはりその商売っ気を別にして敬意を表さなくてはならないでしょう。 表題作未読の方ならぜひ、既読の方も損したとは思わない短編集に仕上がっていると思います。 | ||||
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言わずとしれた、タイトル作品につられて購入。 「冷たい方程式」と、「危険! 幼児逃亡中」は星5つの出来です。 他は平均的な感じですが、古き良きSFといった趣を感じることも出来る、 良作なのではないでしょうか。 出来れば、全くSFに興味が無い方に、または 現在中学から高校生の方に読んでほしいですね。 何故40にもなるのに未だSFから離れられないかが、わかるかと思います。 | ||||
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