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それまでの明日
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それまでの明日の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.69pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全91件 1~20 1/5ページ
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「そして夜は甦る」から始まった探偵・沢崎シリーズの最後の作品。 チャンドラーのマーロウ物を好んだ筆者が、その日本版の如く描いた沢崎物は、まさに珠玉。 何気ない描写の中や、キレのある会話の中に散りばめられた僅かなプロット等、近年よくある稚拙な単なる謎解き推理物とは毛色が全く異なる。 沢崎の吐く言葉、その行動所作の一つ一つすら至高であった。 練り上げるが故に遅筆であった筆者が、世に残した作品はとても少ない。 そして、これが最期の作品となった事は、とても残念。 ある日、何の前触れも無いままに姿を消したマーロウと同じ様に、沢崎も消えてしまった。 また、「男の話」を読めなくなりました。 | ||||
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老眼が進み、最近本を読むことが少なくなりました。しかし原さんの本を見つけ、久しぶりに読書することにしました。久しぶりに読みましたが、以前と変わりなくテンポよく読み進めることができました。登場人物が複雑に絡み合っており、だんだんと分かってくることもあり、最後まで楽しかったですね。 ハードボイルド小説という括りでなく、単純に楽しめる本だと言えます。多くの人に読んでもらいたいです。 | ||||
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14年の不在から沢崎が帰ってきた。そこから立ちのぼるタバコの香り、独特の間のある語り。息づかいまで伝わるようで、ムリがあっても、老いが感じられても、それだけで良かったんだけど。。。 「さらば沢崎」といわなければならない時がきてしまったんだな。 | ||||
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もう「渡辺探偵事務所の沢崎です」が読めないのは、残念です。合掌。 | ||||
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その依頼人は、<なぜだかこちらの気持まで紳士的にさせる不思議な能力を持ってい>た。彼は、望月皓一と名のり、依頼の内容は、<赤坂の料亭の女将の私生活を調査して>ほしいという凡庸なものだった。しかし、望月皓一という人物は別に存在し、依頼人はまったくの別人であった。そして、調査対象の女将はすでにその時点で亡くなっていた…。 これが、探偵、沢崎の最後の事件なのか、という感慨ももちろん湧くが、それ以上に、いったいこういう小説を何というのだろう、という疑問もわいてくる。何と呼ぼうと作者にとっても沢崎当人にとってもどうでもよいことだろうから、勝手に呼ばせてもらうが、いわば、“奇妙な味の小説”の範疇に入ってしまうのではなかろうか。江戸川乱歩や吉行淳之介の名を出さなくとも、例えば、ここで沢崎は、依頼人に一度しか会うことはなく、結局、彼の名も知らずじまいなのだ。しかし、最期のいわば“解決篇”にあたるパートで沢崎は、この名無しの男と―32と33の二章分をタップリ使った―長電話をかわす。つまり、巻頭の[登場人物]欄にある「望月皓一」の説明書きにある<金融会社の新宿支店長、依頼人>というのは“虚偽”記載であるということ以上に、名前を書けない人物であるということだ。しかも、沢崎の次に書かれているほどの重要人物。彼が渡辺探偵事務所を訪れた動機が、<五年経っても、十年経っても><何事もなかったかのようにいつもちゃんとそこにある>看板だったというのも“らしい”配慮だ。もちろん、3番目に書かれた“調査対象の女将”平岡静子も非在の人物でありながら、名無しの男に劣らず物語の核心に存在している―田中絹代、山田五十鈴、原節子、高峰秀子(彼女の“平岡静子”評が最高!)に伍するほどの美貌でありながら、武勇伝も残すというレジェンドも効いている―これだけでも、“奇妙”であることは間違いないだろう。少なくとも、今まで書かれた“沢崎”シリーズのどれとも異なる味わいを持った作品だ。 [登場人物]の順番では、6番目ではあるが、海津一樹という青年が実際には沢崎の相棒役を務めることになる。<就職・求人ネットの代表>というのも何気なくではあるが、効果的だ。海津との出会いは、沢崎が依頼人と接触しようと訪問した<ミレニアム・ファイナンス>新宿店で、“偶然”銀行強盗事件に遭遇したことが機縁となる。このときの強盗の主犯・河野というのが、俳優の河野秋武に似ていたというのが笑わせる。「姿三四郎」「続姿三四郎」をはじめとした黒澤作品などにも出ていた名わき役だ。その海津に、<あなたはぼくの父親かも知れない>と言われるのだが、一方で、<あなたはぼくの父親だったら言うだろうことを決して言わないし、ぼくの父親だったら言わないだろうことはかならず言う>とも言われてしまう。この微妙な距離が沢崎という男の在り方を十全に表してもいる。常連の橋爪や錦織、相良との腐れ縁ともいえる距離も今回的確に測定されている。 <交番の中年の巡査は><はるか彼方にある犯罪者のいない世界でもながめているように見えた。>だの、<ゴム紐を売りに行って、タワシを買わされた押し売りのような気分>だの、<依頼人に会うことさえできない探偵が事務所に持ち帰ってきたのは、消費期限の切れた炭酸飲料のあぶくのような徒労感だけだった。>だのといった章はじめの冴えたレトリックも健在だ。そうそう、<二人の女は共通の電源につながっている機械のように、同時にうなずいた>というのもこの際入れておきたい。そして、警句というのではないが、平岡静子が経営していた料亭・業平の“家訓”にも感心した。<まず第一に政治家に諂わざること、次に会社経営者に媚びざること、最後に、自分のお金で飲食しない文化人にも媚びざること。><お客様はすべて“さん”>付けで平等に呼ぶことを徹底したというのだ。こういう話が延々と続くハードボイルド小説というのもほんに乙なもの、ではなかろうか。5つの長篇小説と1冊の短篇小説集。その一切を沢崎という探偵を主人公にして30年間書きつづけた著者の最期の長篇が、『それまでの明日』というタイトルになったこと。そして、その最後の一行が<私はどうやらまだ生きているようだった。>で終っていること。これ以上のものは考えられない。 | ||||
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素晴らしい作品です | ||||
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この本が出版されていることを知らなかった。 他のコメントにもあるように、著者の高齢化が心配。 今時携帯を持たない、しかも私立探偵が存在するか? キャストがみな犯人に至るまで喋ること喋ること。 こんな現実離れした小説はありえない。 ハードボイルドとはおしゃべりなのね、、。 | ||||
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私が本って面白い!読書って楽しい!という事を教えてくれた のは、35年前に読んだ直木賞受賞作「私を殺した少女」であった。 それ以来、原尞作品を楽しんで来たが、、、、、、。 14年ぶりの新作は、無理を感じる。 沢崎が心赦す梅津青年も、不思議な父親捜しのストーカー的な感じ。 偽りの依頼人で超紳士も、実は強姦犯で、絵画泥棒。 ストーリーの展開もダラダラで、管理人、料亭関係者も、ぺらぺら と刑事でもない沢崎探偵に全面自供する不思議! 挙句の果てに、警察関係者も情報を流すし、、、。 懐かしいシリーズのため高評価が多いようですが、私的には ど~もスッキリしない展開を感じで残念な作品でした。 | ||||
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やはり、不安は的中しましたね。 前作までは沢崎も元気がありましたが、本作は少し年を取りすぎたようです。 50歳くらいの設定ですが、もう少し上のような気がしました。原尞さんもすでに70歳を過ぎているので、仕方ないのでしょうが。 アクションシーンや女性との色恋要素は皆無で、警察の錦織や、ヤクザの橋爪も同様に年をとった印象でした。 さらには、沢崎の息子のような年の青年とタッグを組むシーンや、ヤクザが親の介護を理由に足を洗うシーンなど、およそハードボイルドとは無縁の要素が増えました。 そしてラストは、会話が延々と続く種明かしでした。 やはり、年には勝てないということのようです。 | ||||
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ということで間違いなくおっさん垂涎の大好物です。 もはや初期作品とは全くの別物ですが、我々読者も歳を重ねて枯れてきており全然OK。 もちろん若者にも白黒映画の感覚で楽しんで欲しいけどね。 | ||||
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原寮氏の著作は30数年振り。 直木賞受賞作品というだけで購入した「私を殺した少女」のタイトル名が30年以上も脳裏から消えなかった理由がわかりました。 金にも名誉にも執着なく、こだわるのは自分自身の矜持だけという姿を当時は理解できなかったとはいえ、どこかで感度の鈍い琴線には触れていたのでしょう。 沢崎の渋さを理解するに30年の歳月を要した私が未熟だっただけですが、著者の作品すべて(寡作ゆえ高が知れてますが)を読むハメになりました。 晩年の沢崎、スポンサーの援助を固辞して守衛でも駐車場の交通整理でも黙々とこなしていそう。 | ||||
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最低の作品。 とにかく展開が行き当たりばったり。 一応ミステリということになるのだろうが、気になる謎はひとつもない。 まだ最後の種明かしで、ほんの少しだけ驚かされはするが、20枚の短編小説の方がまだ驚かせてくれる。 この程度の作品だったらこの1/5の分量で十分。 つまらなくて、謎も大したことがなくて、その上、やたら長ったらしい。時間の無駄以外の何物でもない | ||||
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もはや時代に置いていかれている。このシリーズは大好きで10年くらい前から読んでいるが、今回は作者が歳をとりすぎたせいか、完全に時代に付いていけてない。無理やり携帯電話を出したって感じだが。なくても成立するするし、時代を今にしているならもっと今の時代背景を投影して欲しい。物語は複雑にしすぎ感はあるがいとも通り面白い。 | ||||
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当初の3部作、短編を期待して読まれる方は注意して下さい。前作から予兆が有りましたが以前とは全く別物として考えた方が良いです。それでも良いと覚悟を持つ方が読まれて下さい。 先にこちらを読まれると当初の作品のアンチになる可能性が高いです。 作品から卒業したいと思われるなら最適かもしれません。 昭和は遠くなりにけり。 | ||||
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14年ぶりの新作楽しみました。 連作との事で次作も近い将来読めるのを 楽しみにしています | ||||
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前作の「愚か者死すべし」から14年経ってこの作品「それまでの明日」が刊行された。もともと寡作の作家 である原尞にとっても些か長すぎる「長き眠り」であったかも知れない。寡作ゆえに、彼の作品の主人公 である探偵の沢崎の再登場を待ちに待った多くのファンもいることであろう。今回の作品では、沢崎は 金融会社の新宿支店長からその会社が融資を検討している赤坂の料亭の調査を依頼されるところから 物語が始まる。そして、何とも締まりのない強盗事件に巻き込まれたり、それに絡んだ暴力団抗争が起きたり するが、この物語の大きなテーマは父と子の愛憎であると言ってもいいかもしれない。原の作品に共通する やや複雑な筋書きと謎解きはあるが、彼がずっと登場させたいと考えていたと言う副主人公も出てくる。 沢崎自身の年齢設定は、本来の時の流れとは関係なく50歳ほどに設定されているが、全体的に過去の作品 に比して、いわゆるハードボイルド感が減じているように思うのは気のせいか。あるいは、設定とは関係なく 沢崎が老けたのか。テーマが父と子の葛藤や愛憎(と私が勝手に言っているだけだが)の為か、やや 盛り上げりに欠けた作品になっているような気がしてならない。 | ||||
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謎解きが主じゃない。主人公の生きざまを読むもの。 世の中の謎に対して全て答えられるほど万能ではなく、能力も時間も財力も限りがあるものとして、それを承知しながら、提示された課題に予断を排除しつつ勇気と知恵で挑んでいく主人公の生きざまを愛でる。いとおしむ。それが、この本との付き合いかただと思う。 | ||||
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どんでん返しのないハードボイルド風の文章を読むだけの本を、十数年もかけて書くのはいかがなものかと。 シリーズを重ねて、レベルが落ちていくよくある傾向の作品の一つとなってしまった。好きだったのに。 | ||||
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初版本でとっても綺麗な本で、大変気に入りました。 | ||||
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内容については、登場人物に感情移入してしまいすぎるので、冷静にみれない。 でも、自分は好きだと断言できる。 文庫化されて、いつものようにあとがきが追記されたのだが、今回のはこの物語が生まれるまでの長い時間を詳細に語っていた。 そして、次作というか、次作も含めての連作であることが明かされている。 その事実だけで自分は感動する。 平行して構想されているようなので、それほど時間を置かないで読めることを期待しています。 | ||||
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