それまでの明日

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評判

それまでの明日の評価:

3.69/5点 レビュー 91件。 C ランク

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平均点3.69pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全182件 161〜180 9/10ページ
No.22
(5pt)

必読

14年待たされたかいはありました。
著者の作品を初めて読むかたは出版された順番に読むことをお勧めします。
それまでの明日 Amazon書評・レビュー: それまでの明日より
4152097485
No.21
(5pt)

会えて良かった!

もはや、どうこうという問題ではなく14年ぶりに読めた事に感激です。寧ろ次はどう繋がるのか気になります!
それまでの明日 Amazon書評・レビュー: それまでの明日より
4152097485
No.20
(4pt)

もう一作是非出版していただきたい…

うーむ…懐かしい沢崎。
しかし設定にこだわりすぎて物語の面白さをないがしろにしてしまった感が強い。
それはそれで職人芸なのだが…。
これが最後の作品になったらちょっと悲しい。
それまでの明日 Amazon書評・レビュー: それまでの明日より
4152097485
No.19
(2pt)

残念ながら

個人的には原寮は「そして夜は甦る」と「私が殺した少女」、短編集の「天使たちの探偵」までと改めて思いました。まあ、それらの作品に魅了されたので、新刊が上梓されれば読んでしまいますが....
それまでの明日 Amazon書評・レビュー: それまでの明日より
4152097485
No.18
(4pt)

秀作

日本のレイモンド・チャンドラーの予想もしなかった新作が読めただけでも、久しぶりに古い友人に会えたような嬉しさがある。平凡な比喩的表現や登場人物による説明シーンなど、今までの練りに練った構成、切れのある文体ではない(書いている本人もわかっていると思われる)が、キャラクターの魅力はさすが。
それまでの明日 Amazon書評・レビュー: それまでの明日より
4152097485
No.17
(1pt)

全く面白くも何ともない

以前の作はまあまあ読めたので久しぶりに出たので購入、全く面白くも何ともなく大落胆。筋は判りにくいし、人物は全く面白くも何ともない。小生頭が悪いのか、内容を全く理解できない。ダラダラとイタヅラにページを増やしているだけの超退屈な作品、最近
読んだなかで最悪でした。お金を返して下さい。
 DVD「決斗ウエストバウンド」とともに最悪の買い物でした。
それまでの明日 Amazon書評・レビュー: それまでの明日より
4152097485
No.16
(5pt)

前作までの内容をすっかり忘れましたが

「・・・なのだ」「・・・したまえ」等、そのまま実写化したらギャグにしかならないような翻訳調の台詞回しに、ああ確かに読んだことのあるシリーズだという記憶がぼんやりとよみがえりました。
 もちろん作品的には独立しており、過去の作品を読み返さなくても支障はないのですが、ところどころそれを知らないともどかしい部分もありました。
 一番魅力的な登場人物は、介護をするヤクザものでした。出番が少ないのが残念です。
 ともあれ、カムバック歓迎です。
 おかえりなさい。
それまでの明日 Amazon書評・レビュー: それまでの明日より
4152097485
No.15
(5pt)

14年。

14年待っただけのことあり。緻密な構成、緊密な文章、すべてに満足。ただただこの作品に会えたことを感謝です。
それまでの明日 Amazon書評・レビュー: それまでの明日より
4152097485
No.14
(3pt)

かくも長き不在

あるいはヒッソリと鬼籍に入られているのではと失礼な想像も巡らせていた著者の望外の新作、ファンが欣喜雀躍するのもむべなるかなです。チャンドラーに魅せられ、かの特徴的なスタイルを踏襲しようとした作家は多くあれど、中でも著者は亜流に終わることなく見事に衣鉢を継いだと考えるのは、まんざら同国人としての身贔屓ではないでしょう。 
 そもそも本家チャンドラーが読者の好みで毀誉褒貶が分かれる作家ですが、著者は一歩間違えば単なる悪趣味になりかねない、気取りと諧謔と怜悧さと若干の感興をブレンドした一人称の文体を全面に押し出し、都会の喧騒から抽出された事件達を探偵に絡ませ、やがて再び一人になる孤高の探偵の姿を描き出して、中毒性の高い読み物を作り上げました。著者がかくも遅筆で読者を焦らせてきたのは、独自の美学を妥協なく貫徹するため、文章表現やプロット、著者の心眼たる探偵の立ち位置を、一ミリの狂いもなく満足のいくまで、ひとえに推敲し尽くしてきたからだと思料します。
 新作に邂逅した喜びはさておき、本作においてもトレードマークの原節が健在であるかが最大の関心事でしたが。読後感としては、構成が過去作品に比べて捻りが少なく若干御都合的で、本のボリュームは以前と変わらないものの、紆余曲折が乏しいだけにスラっと読め過ぎ、巧緻なプロットで事件の様相を万華鏡のように変化させて読者を瞞着した過去作品のような緊迫感は味わえませんでした。冒頭登場した「紳士」のような依頼人をどう絡ませるかが謎を魅力的にする成否のポイントだったと思いますが、蓋を開けると当該人物の依頼の動機はメロドラマ的で他愛なく、拍子抜けします。また従来のような緊密なプロットに守られていない分、沢崎探偵の言動がやや戯画的に見えてしまったという印象も持ちました。やはり精妙な構成があってこそ沢崎のキャラクターが成立するのだと実感します。 
 気になったのは、強盗未遂事件から姿を現す青年の存在です。この青年に対して沢崎は最初から好意を見せており、2人が意気投合している雰囲気が最後まで続きます。過去には沢崎は全ての関係者と頑なに距離を置いており、ここまで感情移入した相手はなかったと思うので、読んでいて何だか居心地の悪い気分になりました。さしもの沢崎も年を重ねて軟化したということでしょうか?軟化と言えば御馴染みの錦織警部とのやり取りも、ややルパンと銭形警部化した感じでした。
 ドイルは一旦殺したホームズを読者の熱望により、仕方なくライヘンバッハの滝から復活させましたが、その後のホームズが以前と違うと苦情を述べた読者がいたとか。著者がかくも長き不在から沢崎を復帰させたのは、決して自身の意に反しての出来事でなく、必ずや新たな沢崎像を造形するべく心中期するものがあったと思いますので、期待を込めて今後の成り行きを見守るしかないのでしょう。ファンとしては、アナクロニズムまがいであっても古風な優雅さを纏った著者の世界の中で、いつまでも鋭く輝き続ける沢崎の姿を再び見たいと願っています。
(キンドル版、せめて章別の目次くらい付けてください。読みにくくて仕方ないです。)
それまでの明日 Amazon書評・レビュー: それまでの明日より
4152097485
No.13
(4pt)

我らが沢崎の帰還と新たな沢崎ワールドにまずは喜びたい。

原寮の14年ぶりの長編小説「それまでの明日」を貪り、いや、じっくりと読み終わり、嗚呼終わってしまったみたいな感覚に襲われた。

「ミステリマガジン」3月号の特集でその待望の新作が3月に刊行される事を知り、まるで部屋の大掃除で古い書棚を整理していたら本と本の間に挟みながらいつしかその存在を忘れていた封筒に入ったへそくりを十数年ぶりに見つけたような(って、まるで、ハードボイルドらしくないが~笑)、そんな驚きと喜びを覚えながら静かに発売日を待っていた。
で、実際に読み始めると、「ミステリマガジン」にも掲載されていた第1章からぐんぐん引き込まれた。
ハードボイルドならではの自嘲的思索的な考察に極めてシニカルなでも洒落っ気のある会話の妙、そして洞察力あるディテール描写に文学性薫る硬質感。1章の最後の2行で見事に読者の心を鷲掴みしノワールな世界に誘う巧さ。
本来ならオモシロ本って一気読みしてしまうものなのだが、今回は逸る気持ちを落ち着かせ、時間を掛けてじっくり読んだ。
我らが沢崎の帰還に14年間の渇きを癒そうと思いつつも、果たして次はいつ逢う事が出来るのかとの想いが去来し、一気に読み切る事に躊躇したからだ。
結果として、それは本書の読み方としては良かったと思える。醸成された原寮ワールドにどっぷりと浸る事が出来たから。
錦織や橋爪らとのへらず口なやり取りも相変わらず魅せる、読ませる。
でも、正直、ミステリやサスペンスとしての劇的な展開を期待した方には物足らない部分もあるかも知れない。
確かに、死体や銀行強盗、危ないスジモノたちは登場するものの、それらは飽くまで探偵の仕事の中で不可欠な味付け程度の役割しか与えられていない。
その代り、強く意識させるのは、沢崎と彼を取り巻く人物たちの人間ドラマ。原寮の言葉を借りるなら、沢崎の探偵人生の中に踏み込んできている人間たちとのドラマである。
「ミステリマガジン」誌上で原寮は語っている。
“ハードボイルドに専念して良いものを書きたい、人間同士のぶつかり合いや良い台詞を書きたい。その思いを胸に意識して取り組んでいたら14年の年月が過ぎてしまった”と。
思えば、これまでも、原寮は作品の中で人間と人間、社会と人間の関わり合いを描いてきた。今回は親と子である。
終盤、なんかロバート・B・パーカーの「初秋」みたいだなと感じながらも、新たな沢崎ワールドの誕生を好意的に受け止めたい。

そして、現代を描く作家として避けては通れない未曾有のあの大惨事。
今作は東日本大震災を挟んでそれが起こるまでの物語であり、次作は震災後の物語になると言う。
正しくそれが起こる瞬間で物語が結ばれたあと、次なる沢崎の帰還はいつになるのか分からないが、その時が来るまで静かに待ちたい。
それまでの明日 Amazon書評・レビュー: それまでの明日より
4152097485
No.12
(4pt)

余韻のある終わり方でした

前作を読んだ時は、自分も喫煙者だったせいか特に気がつかなかったが、煙草を吸うシーンが多いのが気になった。
それまでの明日 Amazon書評・レビュー: それまでの明日より
4152097485
No.11
(4pt)

時は過ぎて行くけれど

「このミス」が20周年となった2008年に出版された別冊、「もっとすごい、このミス・・・」に掲載されていた当著者のインタビュー記事中に、新作はもうほぼ出来上がっているというような文章があり、その時からでもまさか10年待つとは思わなかった。その待望の新作、ワクワクしながら、しかしじっくりとページを繰る。まず何より文章がいい。一つ一つの言葉が丁寧に選ばれており、滑らかに運ばれる。難しい言葉が使われている訳でもないのに、品位ある雰囲気に覆われている。カタカナ語の使用は最小限、携帯電話を携帯とは縮めず、ましてやスマホとは絶対言わない。主人公の性格に合わせた描写だと感じる。
 物語は静かに滑り出す。初冬の空気が漂うようなピンと張った緊張感、そして事件は突然起こる。そこからハードボイルドというよりは推理小説のように謎が次々と提示される。この辺りはテンポ早くどんどん展開していく。そして本筋の筈だった最初の流れが一段落したところから物語は姿を変え、主人公と主人公を取り囲む人物たちの‘生きざま’を巡る話になる。ここの部分は過去からのいきさつや説明が多く、地味だしスムーズでない。そもそも生きざまと大げさに言うほどのことが語られていない訳で、この点が他のレビュアーさん同様、物足りなさと違和感を覚えるところである。また(ネタバレ)最後に東日本大震災が起こり、何かを暗示するような形で物語は終わる。この終わり方も何故?ではある。
 本作、全体を通して正直手放しで絶賛とはいかない内容ではあった。しかし私は読んで良かったと思っている。ただストーリーを追うだけではない読書の楽しさが確実にあった。後半部分は少し時間を空けもう一度読み返してみようと思っている。その時に違った感想が出てくると予感させられるだけでも価値がある。そして皆さん同様、願わくは次作がそう遠くなく読めることを期待したい。
それまでの明日 Amazon書評・レビュー: それまでの明日より
4152097485
No.10
(1pt)

どこがおもしろいの?

既刊5作もかつて読みましたが、フィリップ・マーロウ気取りが鼻につく以外にほとんど印象に残っていない。今作も同じ穴の狢である。おもしろくない。退屈である。表現や描写が古くさい。わざとらしい。kindleの画面をタップするのが億劫になる。というわけで、50%を越えたあたりで読むのをやめ、マイライブラリからさっさと削除した。これが1,750円の対価か? あまりにも「待ってました!」の絶賛しきりなので、あえて物言いを付けたくなった次第。
それまでの明日 Amazon書評・レビュー: それまでの明日より
4152097485
No.9
(4pt)

期待が大きかった分だけ......

ここに感想を寄せられた方々はまず例外なく原尞のこのシリーズの熱烈なファンなのではないかと思います。かくいうわたしもその一人で、多くの皆さんと同様にもう原尞の新作を読むことを半ば諦めていました。それが14年ぶりの突然の新作発表! あわててアマゾンさんに注文を出したというのもみなさんと同じだと思います。またこの新作を読み終わって何となく戸惑いのようなものを感じていらっしゃるのも皆さん同じなのではないかと推察します。前作の時代設定からほぼ10年が経過しているのに、主人公の沢崎や彼を取り巻くおなじみのメンバーの間だけ時間が止まっているように感じられる、という感想を寄せておられる方もいらっしゃいましたね。そういう面も確かにあります。しかしそれはこうしたシリーズものではある程度許容されないとシリーズそのものが成り立たなくなってしまうことが多く、作品に破綻をもたらすような性格のものでなければ許容されて致し方のない問題だとも思います。しかしそうした点を除外しても、この作品は弱いなぁというのが偽らざる感想でした。ただ申し添えるなら、小説を読んでこれだけああでもない、こうでもないと考えたのは久しぶりでした。それは原尞とこのシリーズの持つ力であることは間違いないと思います。ではどうして「弱い」と感じたのか、わたしなりの分析を書き込ませて下さい。

 そもそも論で申し訳ないのですが、ハードボイルドとはどういう小説のことか? これはスタイルから定義されることが多いのではないかと思います。まず一人称で書かれていること、語り手である主人公の目に映ったものだけが独特のリズムを持った皮肉っぽい文体で書き込まれ、さらに主人公はそこに一切自分の感想のようなものを差し挟まない。さらに付け加えられるべき重要点は主人公は絶対に譲れないモラルコードのようなものを持っており、その点に関する限り全く妥協がないこと、などでしょうか。しかし、わたしはハードボイルドをその構造から押さえておく必要もあるのではないかと思うのです。まず都会の片隅に事務所を構える私立探偵がいます。「都会の片隅」というのが重要で、名前と勤務先を言えば大体のことが分かってしまうような、共同体がまだ充分機能している地方都市ではハードボイルドは成立しません。ここに何か裏のありそうな調査依頼が持ち込まれます。この段階で一頻りのやりとりがあった後、主人公は捜査に乗り出すのですが、思わぬ事件に巻き込まれます。そしてその進行過程でさらに1つ、2つの事件に巻き込まれます。こうして、物語は主線・主旋律はあるものの複線化、複々線化してゆき、何本かの糸が絡まり合うようにして進行してゆきます。ハードボイルドが「巻き込まれ型の物語だ」といわれる所以です。次第にもつれた糸が解れるように副旋律は解消していき、最後に主線・主旋律に解決が与えられて物語は終わり、主人公は特に感想を述べることもなくまたいつもの孤独な日常に帰って行く、これがハードボイルドの大体の構造ではないかと思います。とくにアッと驚くようなどんでん返しはないことが普通で、その一方で主人公には何も語らせない裏側で、著者の世界観や人生観が強く織り込まれることになります。ここで物語として重要なのは、副旋律がいかに面白くても、主線・主旋律がしっかりしていないと物語としての魅力・完成度が半減してしまうという点です。
 そう考えると、わたしも含めて多くのファンが今回の作品に物足りなさを感じている理由が明らかになるのではないかと思います。主線・主旋律がしっかりしない、というよりそもそも主線たりうる問題なのか、という点に帰結します。名前の明かされない紳士の持ち込んだ問題は、彼の社会的・経済的な力をもってすれば、何も場末の探偵に依頼しなければならないような調査内容ではありませんし、海津青年の問題にしても彼がどうすべきか迷っているのは事実としても、事実関係は、彼が口外しないというだけで、1年前には分かっていました。複線の役割を果たす問題も、特に複雑といえる程の問題ではなく、またその捜査過程で登場人物たちが妙に素直に回答してくれるのも気になりますね。本来どこの馬の骨とも分からない探偵など、聞き取り以前に門前払いを食わされるのが関の山なのではないでしょうか。そうした社会的評価をくぐり抜けてどうやって情報を入手していくか、というのも本来は魅力のひとつであったはずです。つまり、本作品はハードボイルドとしての体裁は忠実い整えつつも、その構成要素一つひとつがいかにも弱いといわざるを得ないと思うのです。

 原尞は我が国ではじめてハードボイルドとしての体裁のととのったハードボイルド小説を書いたひとである、といっても過言ではないと思います。当然のように沢山のファンがおり、新刊が発行されるのを多くのファンが心待ちにしていました。期待が大きかった分、肩すかしを喰った感があるのですが、充分楽しませてもらったことは事実です。原尞のことになると、書きたいことは山ほどあるのですが、とにかくもう1作書いて欲しいというお願いをして、感想とさせていただきます。
それまでの明日 Amazon書評・レビュー: それまでの明日より
4152097485
No.8
(5pt)

久しぶり、沢崎さん

初めて沢崎さんに会ったのは高校生の時です。夢中で読んでいて、あべの橋から古市で乗り換えるのを忘れて気づけば尺度についていました。あれから20年以上経ち、寡作である原さんの新作の情報もたまにきこえてくるだけで、自分の人生に追われる年月を過ごすなかで、ここ数年は古い本を開くこともなくなっていました。そうした折に、偶然こうして原さんの新作を読むことができたことは、何だか信じられない気持ちです。先ほど読了し、わたしの記憶のなかの沢崎さんと何一つ変わっていないことが分かりました。これが小説というフィクションのよさでしょう。著者が登場人物を「生かして」くれさえいれば読者はいつでもその人に会うことができる。小説のなかで生き続ける沢崎さんはいつまでもクールでカッコいい憧れの大人です。その沢崎さんを産み出した原さんの筆致も驚くべきことに全くどこも変わっていません。原さんの真骨頂である静かにカタルシスが漂う読後感に浸りながら、いまでは緩い老眼鏡を身につける年になった自分がセーラー服姿で原さんの本を抱えて慌てて乗り過ごした電車から飛び降りた在りし日のことを懐かしく思い出しています。
それまでの明日 Amazon書評・レビュー: それまでの明日より
4152097485
No.7
(2pt)

20世紀の設定で良かったのに…

1ヶ月くらい使って「そして夜は甦る」から順に読みかえして、新作を楽しみにして、発売初日の未明にkindleでダウンロードしました。
が…どうもダメでした。
「ミステリマガジン」の特集号も買ってしまったくらい楽しみにしていたのに…

最大の違和感は沢崎の年齢ですね。
以前のインタビューで、沢崎は作者より1歳上となっていました。
だから、沢崎は1945年12月生まれだと思って読んでいました。
「そして夜は甦る」は1986年、「私が殺した少女」は1988年、「さらば長き眠り」は1993年、そして「愚か者死すべし」はおそらく2001年の話です。
「そして夜は甦る」で40歳だった沢崎が、「愚か者死すべし」で55歳になったと解釈して読んでいました。
それが今作では2010年の話なのに、おそらく50-51歳になっています。

別に登場人物の年齢が変わらないとダメだと言っているわけではないんですよ。
”新宿鮫”シリーズだって”疫病神”シリーズだって、時代背景は変わっても登場人物の年齢はゆっくりとしか変わっていません。
ただ、この沢崎シリーズに関しては違うと思うんです。
丁寧に時事を取りいれていましたからね。
「<毎朝新聞>で事足れりとすることがどうしても出来なかった」と著者が後記で書いているくらい、実在のものと同一の固有名詞が頻出していました。
それによって、本来はありえないはずの個人営業の私立探偵(しかも、かなり仕事を選ぶ)という設定にリアリティが出たのではないかと思っているのです。
新宿で探偵を続けている沢崎が実際に存在しているように感じられていたのです。

だから、このシリーズだけは時代に合わせて年齢を重ねてほしかった。
60歳代、70歳代の沢崎に会いたかった。
ダメなら、その時代で止めるべきだった。

今作でも、沢崎は携帯電話もパソコンも使っていません。
デジカメも持っていなさそうです。
ちょっと21世紀の私立探偵としてはありえない設定です。
どうやって証拠写真を撮っているのでしょう?
2001年を舞台にした「愚か者死すべし」でも違和感があったのに!
これなら20世紀のままで良かったですよ。
藤田宜永の浜崎順一郎シリーズみたいなので良かったんですよ。

また、これだけどこででも喫煙してしまうというのは2010年の物語としては非常に違和感があります。
タバコも我慢できないダメな探偵というイメージしか持てませんでした。

刑事やヤクザに横柄な口調をとりつづけるというのも、違和感が出ています。
最初のころの作品なら、橋爪や相良にこんな口調で話して大丈夫なのかな?と感じてハラハラしたのですが、完全に馴れあいが出ているというか…
刑事も、単なる探偵の前で、こんなに簡単に事件の詳細を語ったりしないだろうと思いました。

ハードボイルドを気どるのであれば、もう錦織、橋爪、相良あたりは登場させず、事情の分からない刑事やヤクザだけにしてほしかった。
孤独な探偵のままでいてほしかった。

マンネリを好むひととか、この嘘っぽい沢崎がひたすらにカッコイイと思えるひとにしか向かない小説だと思います。

若いひとが改めて、今作から読んでも面白くないんじゃないかな?
それまでの明日 Amazon書評・レビュー: それまでの明日より
4152097485
No.6
(4pt)

それまでの14年間

まず何より、待ちに待った(ほぼ諦めていたとも言える)原尞の新作に出合えたことが喜ばしい。
もちろん一気読みなどせず(^-^)味わうように読ませていただいた。
ミステリー色は薄くなったが、懐かしいメンバーの登場シーンは頬が緩んでしまう。しかしどうだろう、その他の人物とのやり取りのシーンでは沢崎の存在が少し浮いてくるような気がしたのだ。この14年間の世の中の変動は凄まじかった。
そしてそれ以前の14~5年間、沢崎が登場したころからの移り変わりも尋常なものではなかった。それがこのリアリティを持っていたはずの(ケータイ電話を持たない)沢崎の存在がファンタジーに感じられてきたのだ。沢崎の半径3mだけが時間停止している。
若竹七海の女探偵葉村晶の方が今日的でハードボイルドだと思った方はいないだろうか?
探偵は物語の中で決してそんな存在ではなかったはずだ。もちろん作者がチャンドラーが好きなことは理解している。
しかし、マーロウはマーロウの生きていた時代の中でアーチャーはアーチャーの時代の中で取り残された存在ではなかったはずだ(もう昔のことで記憶が定かではありませんが)。
また物語の終わりは震災で終わっている。
それからもう現実の世界は7年たち、未だにケータイを使っているものでさえ探さなければいけない状態になっている。
もう不自然な設定に力を使わなくていいではないか、次回は愚痴りながらも是非普通にスマホを持っている沢崎の登場を願っている(もちろん使い方はほとんど理解してない設定で結構である)。
時代はもっともっと不公平で過酷な状況になっている、事件はよりパーソナルで深刻で残酷なものが溢れている(少なくともそんなものがクローズアップされる世界になっている)その中で沢崎は決して時代遅れにならないで輝いて欲しいと願うばかりである。
もっと動きが欲しい。
ストーリーにも探偵自身の行動にも(事務所の電話に制約されなければずっと自然で動きが出てくるはずだ、電話代行サービスなんかやめてそのおねーちゃんと付き合えばいいじゃないか)。
スタイルのためのスタイルになってほしくないのである。
本来なら新作を読めたというだけで★5つにしたいところだが・・・これでは終わらないことを願って★★★1/2
それまでの明日 Amazon書評・レビュー: それまでの明日より
4152097485
No.5
(3pt)

こんなもんかな

読めます、一気に読めます
読んで損はないと思います
が、買う必要はないと思います

ネタバレあり
調査中に、偶然に強盗事件に巻き込まれる
その強盗事件の関係者のなかに事件の鍵になる人間がいる
その人間は、いまどき、少々の金で人間性がどうとか、
彼女に本当のことがどうとか、いう
前時代的な男である
また、若い時、料亭で介抱してくれた女将を犯した上に、
思い出にと絵画まで持ち去るような輩を、若気の過ちを犯した成功した紳士と描写する
全てが旧い
一言でいうとそういうことです
共感が持てないし、ズレてると感じてしまう
筋立てにしても、本筋から離れたところを本筋に錯誤させようという
意図が早くから見え見えです
ハードボイルドは独りよがりではないと思います
なんかがっかりです
それまでの明日 Amazon書評・レビュー: それまでの明日より
4152097485
No.4
(4pt)

Bye,Bye,Bluebird

探偵沢崎シリーズ、まさかの新作! 

前作『愚か者死すべし』に続いて、ミステリ的な要素は少なめで、小さな事件が沢崎の周囲で絡み合う展開。
初期三部作を期待すると地味に感じてしまうかも。
原りょう版『ロング・グッドバイ』を目指して書かれたらしいけれど、それにしては作品世界にあまり広がりを感じなかった。
何というか、「事件に関係することしか起こらない」というか、悪い意味でテンポが良すぎるというか……。
あまりに待たされすぎて、時おり過去作をひもといては沢崎シリーズへの乾きと飢えを癒やすような状態がだったので、
こちらの吸収率が異常に高かっただかけもしれないけれど。
それでも400ページを一気に読ませる筆力はさすがのひと言。錦織をはじめ、お馴染みのメンツたちとのやりとりも楽しい。
それまでの明日 Amazon書評・レビュー: それまでの明日より
4152097485
No.3
(5pt)

14年になりますか。

デビュー当時から原さんを読み続けている読者の一人ですが、前作を読み終えた後、あと15年は待つ事になると、自分なりに思っておりましたが、1年早く出版された事を嬉しく感じております。
次回作も愉しみですが、これからまた15年後になると私も70歳に手が届く事になりますが、老後の愉しみにとっておきたいと考えております。
それまでの明日 Amazon書評・レビュー: それまでの明日より
4152097485