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蒼き山嶺
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蒼き山嶺の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.92pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 21~24 2/2ページ
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二人が出会う偶然性とか、三人目が合流するさらなる偶然性とか、難癖をつけようと思えばいくつかあります。 しかし、今の日本で、けがや病気に耐えながら、通信による救助要請をせずに、黙々と日本海目指して山岳を縦走し続けるという舞台設定に成功したのは、さすがの力業でした。 あとは視点を動かさず、山岳シーンにいかにリアリティを持たせられるかの勝負になりますが、この部分がすごいのひと言です。 久しぶりに、読み始めたらやめられない本に当たりました。 | ||||
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県警を退職して山岳ガイドになった得丸は、大学時代の仲間池谷に出会った。 池谷は公安警察に就職したはずだが、なぜかその公安に追われている。池谷は白馬岳を越えて日本海までのガイドを依頼する。 極寒の道中で、二人は共通の縁を持つ女性に出会った。更に背後からは謎の刺客が迫る。 冬山の描写は痛みを感じるほどだ。南国で読んでも脳内に寒さが立ち上がってくる。 過酷な自然は、それ自体が悪意を持って命を奪いに来るかに見える。 札幌雪祭りで震えあがった私などは、数時間で死ぬだろうな。冬山登山だけはやりたくない。 経験者に言わせれば、それを乗り越えてでも登りたくなる魅力があるのだろうが。 刺客の正体や池谷の目的は、かなりショッキングだ。陰惨な真相だが、現実にありそうなところが怖い。 得丸の救助隊員としての義務感は甘すぎるようにも見えるが、山男とはこういうものなのかもしれない。 極寒の極限状況で息詰まるサスペンスと山屋(専門的登山家)の誇りを描いた力作である。 | ||||
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馳星周のバイオレンスな作風を期待している人には物足りないかもしれないが、全体の構成や練り込まれた登場人物の背景等、流石は馳星周といったところ。 素晴らしい作品でした。 | ||||
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4月残雪の残る北アルプス。元長野県警山岳救助隊で遭難対策協議会の得丸志郎は覚束ない足取りで歩く登山者の男に注意喚起するため声をかける。 その男は現在警視庁公安部の刑事で大学時代登山部の友人だった池谷博史で卒業後20年ぶりの再会であった。 池谷は白馬岳を目指すがと言ったがすっかり登山技術と体力が衰えており、得丸にガイドとして一緒に登ってくれないか?と頼み得丸はそれを了承する。 登るにつれへばっていく池谷。予定よりも遅れるという旨を遭難対策協議会に電話連絡した所、下界では公安がらみの検問が敷かれているという情報が入る。 その会話を聞いた池谷は電話を切れと友人である得丸に拳銃を向ける。 池谷の目的は山頂を目指す登山ではなく、公安警察に見つからず北アルプスを越え日本海に抜けることだった。 登山中に怪我をする池谷。同じルートを登っていた為に巻き込まれるプロっぽい女性登山者。技術はないが化け物じみた体力だけで追跡してくる謎の男たち。そして変わっていく天候。 なぜ公安の刑事が同じ公安に追われるのか?なぜ日本海を目指すのか?山で追ってくる謎の男たちは何者なのか?この小説は山岳小説と銘打ってはいるがミステリー要素も強い。 登山の部分に関しては主人公の得丸だけなら簡単に登れるが、体力がなく、しかも怪我をした池谷を連れて歩くことによって進むのが困難になるよう設定してある。 話はこの他に大学時代の山岳部の思い出にもおよぶ。得丸と池谷が目標とした友人で、大学卒業後プロの登山家になりK2で遭難した若林の昔話に結構ページを割いている。私はこの話がメインストーリー同じくらい面白く感じた。 ミステリー要素のおかげで先が気になる作り、純粋な山岳小説だと途中で飽きてくる方に特におススメ。 | ||||
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