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天上の葦
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天上の葦の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.55pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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犯罪者、幻夏が面白かったので期待してたが、途中からものすごい違和感を感じながら読むことに。 物語の流れ、いつもの3人の活躍する姿はもちろん面白い。よくこんな駆け引き思いつくよなあと思う。戦時の描写は凄惨でとても引き込まれたし、戦争は何としても回避しなくてはという思いを強くした。 けど特に後半、物語の背景に微妙な思想をねじ込まれた感があってなんだかがっかり。現代の日本でマスコミが政府に忖度してます?しょっちゅうテレビで首相の批判をしてましたが。誤報しても大した処分もないし。どうみても暴走しているのはマスコミで、小さい火のうちに何とかしなきゃいけないのはそっちじゃないでしょうか。 参考文献や、解説をみたら、”あー、そういうことか…”と納得した。情報がいかに重要で、ともすれば危険を孕んでいることをテーマにするなら、インテリジェンスに主眼を置いてほしい。 | ||||
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素晴らしい作品だけれど、思想がにじみ出ていて気味が悪かった。 報道のあり方については、政府に忖度した報道より、とりあえず政府批判をする報道が蔓延っているように思えるのだが。 「政府に忖度」も「とりあえず政府批判」も危険だと思う。 | ||||
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太田愛の『天上の葦』を読了。 表紙の絵はジョルジュ・ラ・トゥールの「聖ヨセフの夢」。上巻には天使、下巻には聖ヨセフが描かれています。ひとつの絵をふたつに切っています。 長い小説で、特に戦時中(第二次世界大戦です)のことが丁寧に描かれているのは、若い人たちに、その時代に何があったのかを知ってほしいからでしょう。 太田愛はウルトラマンシリーズの脚本を皮切りに、ドラマ「相棒」の脚本家のひとりとなり、いままで三作を上梓しています。三作はシリーズであるらしく、特に主人公三人のひとりである鑓水の出生の秘密は、この三作目を書きたいがためのように思います。オススメです。 | ||||
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太田愛の『天上の葦』を読了。 表紙の絵はジョルジュ・ラ・トゥールの「聖ヨセフの夢」。上巻には天使、下巻には聖ヨセフが描かれています。ひとつの絵をふたつに切っています。 長い小説で、特に戦時中(第二次世界大戦です)のことが丁寧に描かれているのは、若い人たちに、その時代に何があったのかを知ってほしいからでしょう。 太田愛はウルトラマンシリーズの脚本を皮切りに、ドラマ「相棒」の脚本家のひとりとなり、いままで三作を上梓しています。三作はシリーズであるらしく、特に主人公三人のひとりである鑓水の出生の秘密は、この三作目を書きたいがためのように思います。 | ||||
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本シリーズは幻夏、犯罪者と読み進め、本書も文庫化を心待ちにしていた。相変わらず主人公3人の軽快さと、背景にあるドラマの重厚さとのバランスが良く、楽しみながらも心に染み入る読後感となった。一方でジャーナリスト立住を人間的に抹殺しようとまでする動機づけとしてテレビ番組の企画以外に決定的な何かがなかったのが、山波をめぐる大騒動の動機の弱さにもつながり、引っかかりを感じた。 本作のテーマが、事実を事実として伝えにくい空気感の危険性にあるとするなら、政権への忖度とは逆に、政権を敵視する行き過ぎたジャーナリズムもまた危険であると解釈して読了した。都合のよい情報のみを切り取り粉飾や誇張を加えて扇動したり、仮想敵を作り上げ、打倒すれば全ての人が幸福になれるかのようなミスリードは、ネットワークの発達した現代においてはジャーナリズムによってこそ生じやすいように思う。このような「ジャーナリズム」精神により、世界平和を標榜しながら他人を口汚く罵ることに疑問を持たない人々にも恐ろしさを感じている。 そのような目で本書の解説を読んだとき、この解説こそが、自由であるべき思想を一方向に誘導しようとする怖さを感じさせるという落ちとなった。 | ||||
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政治色がちょっと強いなぁ。作者が力みすぎて引いてしまう場面さえあります。やっぱりね的なラストの方にもっと力を入れてくれたらよかったのに。非常にもったいない。 | ||||
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鑓水、相馬、修二シリーズの第三作目。結構このシリーズにはまってきている私には待望の文庫化とともに購入。 期待に違わぬ上質のエンターテインメント作品だ。正午の渋谷のスクランブル交差点で空を指さしてそのまま亡くなった 高齢の老人。彼は一体なにを言おうとしたのか。その真意を探るべく鑓水達の冒険が始まる。その背景は 70数年前の戦争時代にあった。今回鑓水達の活躍のハイライトは瀬戸内海の小島。ここで渋谷で亡くなった 老人の過去が次第に解かれていくというストーリーだ。鑓水達の相手とするのは国家権力の手先と化した 公安警察。まさに極上のエンターテインメントシとして出来上がった作品は、やはり太田愛とうならせてくれるのだが。 この作品を単にサスペンスと冒険が散りばめられた犯罪小説ということで割り切って読めればそれはそれでいい。 だが、読んでいるうちに、これちょっと今のマスコミやジャーナリストといわれる人間たちを美化しすぎじゃないの、 と鼻白む表現がちょっと多くてページをめくる手が遅くなり始める。そして、巻末の解説で、今の時代は 戦争時代と同じくジャーナリズムの自由がなくなりつつあり、政府が権力をほしいままに使っているという 意味の言葉が出始めると、ああ、やはりこの作品の意図はここかとがっくりとする。引用はすべて 朝日新聞と堂々と述べているのも挑発的だ。敢えて、このような上質の犯罪小説で政治論議をしたく もないが、余りにも自己反省のない偽善的な現代のジャーナリストのための作品を読まされたと思うと この作品の評価もやや低くせざるを得ない。 | ||||
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上巻はスピーディーな展開で一気に読めました。問題は作者が最も訴えたかった政治的なメッセージが、小説の流れとうまくリンクしなくなった下巻にあります。事件の落としどころもやや安易な気がします。権力の恐ろしさを描くのならば、もう一波乱欲しかったですね。とはいえ、作者の訴えたかった点にはまったく同感です。恐ろしいことに、もはや世界はそのような作者の声すら一切呑み込むようなレベルに到達しつつあるようです。 | ||||
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前作に続き、3人のキャラが立ちつつも、かなり緻密な展開を見せる物語。渋谷のスクランブル交差点といった現代の話から満州事変や第二次世界大戦時代に移ったりして、ぐいぐい引き込まれて下巻待ちです。 | ||||
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島でのシーンが人の気持ちの揺れ動きがたくさん描かれていて一番好きでした。著者の作品は同じ主人公が出ていたものを以前にも読んでいて、入り込みやすかったのですが、途中すこし間延びしてるようにも感じられ、読むスピードが落ちました。最後、正光が指差した謎を解く描写は良かったです。 | ||||
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母のすすめで読みました。一気に読めるとのことで、期待してましたが、期待以上でした。 | ||||
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細部にわたって正確無比と言え日本語の扱い方に一分の狂いなし。 細部を拡大し、拡大していって、最後まで遊びが全くないので疲れる。 人間の一生の感情はもっと緩い時空を飛んでいるんだけど。 結局この小説の大筋はなんだ。小説風に話をつくりあげないで正面から ドキュメントとして事実を重ねて文章に遊びと虚飾の凹凸をつけていけば、もっと明快に筋道がわかる。話自体のスケールの割には細部描写に凝った通好みの小説。日本人にはこういう小説が合うんだな。 | ||||
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上巻を読んだ時点での感想。渋谷のスクランブル交差点で突然死した老人の最後の謎の行動(天空を指差した)の意味と失踪した公安の刑事の行方という2つの事件(?)解明を交差させて描いた骨太の作品。前者の捜査は倒産寸前の(一見)冴えない興信所の2人が担当し、後者の捜査は停職中の刑事が担当するのだが、この3人は過去の経緯から、ある大物政治家に睨まれているという趣向。更に、前者の捜査依頼主がこの大物政治家という点がミソで、2つの事件がどう交差するのかという点で読者の興味を惹く工夫を凝らしている。 この設定だけ見ると、公安絡みのハードボイルド・タッチの作品かと思いきや、筆致は飽くまで堅実である。問題の老人や失踪した公安の刑事の身辺捜査の模様等が木目細かく描かれ(その度に人物関係が広がるのだが)、むしろ地味な印象を受ける程。「天上の葦」という題名を鑑みると、もしかしたら"形而上学的テーマ"を持っているとも考えられ、中々作者の意匠が掴めない。読み進むに連れ、事実関係が次第に分かって来るのだが、小さな謎も同時に増え、全体像が掴めない。元産婦人科医だった老人が、元海軍の主計長(後、大本営の報道官)だった事が本作全体に関与しているらしい事が窺えるが、それ以上は見えない。何となく、「<報道の自由>と<平和の尊さ>」をテーマとしている様に映ったが。 某TV局が企画している戦争ドキュメンタリ番組が肝という印象を受けたが、相変わらず、老人の最後の謎の行動、大物政治家の関与、公安の動き、上述した小さな謎の繋がり等の間の関係が曖昧模糊としている。上巻でこれだけ張り巡らした謎と伏線とを、下巻でどう収斂させるかが楽しみである。 | ||||
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