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カブールの園
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カブールの園の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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先日、日経新聞で「記憶の美化」をテーマとした著者のエッセイを読んだ。時間と記憶の美化について簡潔に書かれたもので、世代が近いこともあってかとても共感できた。それで、ふと著者に興味を持ち、本作を手に取った。どの著作でも良かったのだが、三島賞受賞作ということでこれを選んだ。 著者の作品には、SF作家ならではの独特の時間感覚やスピード感があるのだろうか。『カブールの園』では3世代にわたる日系アメリカ人女性が、独特の時間感覚・スピード感で描かれている。その感覚についていくのが最初は大変だったが、50ページくらい読んだところで慣れてきた。だが、結局、この小説は私には合わなかった。心に響いてくるものが何もなく、正直、落胆した(三島賞にも)。文章も決して読みやすいものではないと思うし、倒置法が多用されてて純粋にウザかった。日経のエッセイは良かったので著者のエッセイならいつか読んでみたい気はするが、小説はもういいかな。 | ||||
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移民大国アメリカでマイノリティーとして生きる日本人を描いた二作品。どちらも日本語と英語の相克と言うのが共通したテーマで、英語を話せない親と英語しか話せない娘が、三世代に渡って互いに距離を置いてしまう表題作では、使用言語がアイデンティティーを規定する事の苦しみを考えさせられた。そして、明らかな人種差別を受けていた自分を偽り、架空のボーイフレンドまで創作して優等生ぶりを母に語っていた小学生時代。それを仮想現実で追体験する事により精神治療を行う切なさが、深く心に染みた。嫌でもグローバル化が進むであろう日本でも、目を背けてはいられないテーマと真摯に向き合う作者の姿勢を髙く評価したい。より悲劇的でダイナミックな「半地下」も傑作。近未来の日本に十分起こり得るグローバルな問題を提起している。 | ||||
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サンプルを読んで興味を持ちましたが、三島賞受賞というのも納得できません。 | ||||
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思いのほか良かった。 二つある物語のうち最初の方が良かった。著者の今後の作品に期待したい。 | ||||
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「カブールの園」 母と子、人種、精神と肉体。さまざまなものが絡み合い、一つの物語を形成している。 この作家の作品はエンターテイメント系のものしか読んだことがなかったので、ひどく驚いた。 多面性を持った作家。 | ||||
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表題作(「カブールの園」)と「半地下」という2つの中編を収録した作品。双方の表題は共に人種差別、人間(特に親子)間の誤解(無理解)、子供の頃のトラウマ、社会を覆う閉塞感といった「現代の檻」の象徴であり、その「檻」の中で生きて行く事の難しさを綴っている。双方の主人公は日系アメリカ人(あるいはアメリカに住んでいた日本人)であって、現代なら、これをイスラム教徒と置き換えても差支えない、というか、むしろ苛烈な物語になっていたと思う。 作者が示唆する「檻」の中の生き方はかなり"救いのない"もの(良く言えば諦観)だが、作者は<怒り>を1つの対抗策と考えている様に窺えた。また、作家という職業柄もあるが、この「現代の檻」を"言葉"として残そうとの意図も感じられ、好感が持てた。VR(Virtual Reality)治療法など作者得意のSF風味も感じられるが、それを極力抑えて(同様に得意のゲームと神秘感も抑えている)、全体を乾いた雰囲気に仕立て上げているのは新境地を目指したものか。 初めから中編を意図しているので無理な注文だが、登場人物や物語展開を更に膨らませた長編を読んでみたいと思った。余談だが、両編にジョンという同一名の人物が登場するのだが、その関係や意図が汲み取れなかったのは少し残念。 | ||||
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中編が2編。 英語と日本語の狭間で生きる主人公や、その周りにいる人々が淡々と描かれている。 日系三世の玲。 帰国子女のユウヤ。 それぞれの物語は、それぞれに精一杯、その場で生きていて、とても切なかった。 対象に対しての深い愛を感ずる。 | ||||
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本を読み終えての感想ですが、何だか切ないです。最近の人種間や宗教感での軋轢を見る限り、最近のインターネットの発展に伴う、グローバル化が、本当に人類にとって幸せなのかと考えさせられる一冊です。 本書は表題の「カブールの園」と「半地下」という2つの物語が収載されています。カブールの園では、日系3世である女性が、複雑な親子関係、幼少期のいじめによるトラウマに、大人になっても苦しめられているのですが、職場から言い渡された休暇を消化すべく、戦時中の日系人の収容所を訪問したり、母親との再対面を果たす様子が描かれています。日系3世とも言えども、米国の社会から疎外され、なりたい自分になるために立ちはばかる障害があることには、悲しくなります。 半地下では、幼少期に突然、ニューヨークに不法移住した少年が成長する様が描かれています。プロレス団体で商品として扱われる姉の存在、日本人であることと、米国人であることのアイデンティティーの葛藤が描かれていますが、東京に戻ってからの展開が少なく、少し物足りないです。 | ||||
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ほぼ米国を舞台にした日本人の物語2篇。アメリカンドリームを掴める国というイメージがまだ残っている米国。ただし、そこに住む日本人は果たして夢を追えたのだろうか。米国での日本人が差別を受け、虐げられ、それでも日本人であることから逃げられなくて、どうにかなってしまう。「カブールの園」を読んだ時点では日系人の過酷さが伝わってきた。そして「半地下」を読んで、“過酷”という言葉で表現するのが失礼に思うくらい何とも言えない悲しさに襲われた。 | ||||
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