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カブールの園
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カブールの園の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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表題作(「カブールの園」)と「半地下」という2つの中編を収録した作品。双方の表題は共に人種差別、人間(特に親子)間の誤解(無理解)、子供の頃のトラウマ、社会を覆う閉塞感といった「現代の檻」の象徴であり、その「檻」の中で生きて行く事の難しさを綴っている。双方の主人公は日系アメリカ人(あるいはアメリカに住んでいた日本人)であって、現代なら、これをイスラム教徒と置き換えても差支えない、というか、むしろ苛烈な物語になっていたと思う。 作者が示唆する「檻」の中の生き方はかなり"救いのない"もの(良く言えば諦観)だが、作者は<怒り>を1つの対抗策と考えている様に窺えた。また、作家という職業柄もあるが、この「現代の檻」を"言葉"として残そうとの意図も感じられ、好感が持てた。VR(Virtual Reality)治療法など作者得意のSF風味も感じられるが、それを極力抑えて(同様に得意のゲームと神秘感も抑えている)、全体を乾いた雰囲気に仕立て上げているのは新境地を目指したものか。 初めから中編を意図しているので無理な注文だが、登場人物や物語展開を更に膨らませた長編を読んでみたいと思った。余談だが、両編にジョンという同一名の人物が登場するのだが、その関係や意図が汲み取れなかったのは少し残念。 | ||||
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本を読み終えての感想ですが、何だか切ないです。最近の人種間や宗教感での軋轢を見る限り、最近のインターネットの発展に伴う、グローバル化が、本当に人類にとって幸せなのかと考えさせられる一冊です。 本書は表題の「カブールの園」と「半地下」という2つの物語が収載されています。カブールの園では、日系3世である女性が、複雑な親子関係、幼少期のいじめによるトラウマに、大人になっても苦しめられているのですが、職場から言い渡された休暇を消化すべく、戦時中の日系人の収容所を訪問したり、母親との再対面を果たす様子が描かれています。日系3世とも言えども、米国の社会から疎外され、なりたい自分になるために立ちはばかる障害があることには、悲しくなります。 半地下では、幼少期に突然、ニューヨークに不法移住した少年が成長する様が描かれています。プロレス団体で商品として扱われる姉の存在、日本人であることと、米国人であることのアイデンティティーの葛藤が描かれていますが、東京に戻ってからの展開が少なく、少し物足りないです。 | ||||
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