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蠅の王



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蠅の王の評価: 4.16/5点 レビュー 103件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.16pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全103件 21~40 2/6ページ
No.83:
(2pt)

閉鎖空間におけるモラルの崩壊と権力闘争

有名な作品なので読んでみました。
第三次(第四次?)世界大戦のさなか疎開中の飛行機が敵の攻撃を受け南の島に不時着、
子供たちだけが生き残り・・という話です。
時間軸は恐らく近未来という設定ですがSF要素はありません。
豚がいたり、果物がたわわに実っていたり、飲み水も豊富にあるということで漂流ものとしての要素もゼロ。
平たく言ってしまえば閉鎖空間におけるモラルの崩壊と権力闘争です。
まぁ子供たちが主役という事で1950年代当時はセンセーショナルな作品だったのかもしれません・・
現実の少年犯罪はもっと凄惨ですよね、女子高生コンクリート詰め殺人事件とか。

あと個々人の内面や心の葛藤なんかの描写が圧倒的に足りないと思います。
だから無知で無能なお子様たちがどうでもいい事で喧嘩して死んじゃった~
ぐらいの話にしか感じないのだと思います。
蠅の王 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:蠅の王 (新潮文庫)より
4102146016
No.82:
(1pt)

原書も原作から内容を大幅に削ったそうで、ストーリーの流れをつかめない。ボンクラには向かない本である。

イギリス人に紹介され、イギリスの高校生が読んでいるしノーベル文学書を受けた人の本だと言うので購入したが、原作を大幅に削っているようなのでストーリーの流れが全く理解不のである。どうしてこんな本が有名なのか理解不のだが、こちらの推測力が弱いのかもしれないが。とにかく読んだだけではどうしてそのような話の流れになるのか全く意味不明である。小説だから話の流れなどどうでもよいのかな?

翻訳が悪いわけではなく、原書が原作を大幅に端折るからそういうことになるのであり翻訳者の責任ではない。
蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)より
4151200908
No.81:
(5pt)

化粧の効果

まず、この話はシンプルな物語に詩的な描写を入れまくったってだけのもの。ただ話を動かすのに人物や状況、環境だけでなくキーアイテムがいくつか出てくる。その中でも、個人的に最重要なのは化粧だと思った。ほら貝と違って、彼らが自らつくりあげたもので自分や他者にしっかり意味を伝えている。この小説の中ではほら貝は民主主義の象徴、メガネは科学主義の象徴らしいが、化粧は、化粧こそは人間の象徴なんじゃないだろうか
蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)より
4151200908
No.80:
(5pt)

過去最高のトラウマ本。(笑)

ネタバレ含むから超注意ね。
読んでない人ダメね。

多分今まで読んだ中でイッッッチ番最悪の本だわ。

確か作者って、『ノルマンディー上陸作戦』参加してんだよな。
だからなのかも。

最悪だろこの本。
マジでトラウマになった最低最悪の本だわ。

だけど、作者が第二次世界大戦のあの、『超激戦』、超地獄絵図を見た上で、
『人間てこんなもんだよ』って話してるなら、めちゃくちゃ納得は出来る。

『集団性の恐怖』なんだよね。

昨日まで友達だったと思ってた奴が、群集心理にやられて、
理性の高いコチラが追っかけ回されて無残に殺される。

とか、想像しただけで恐怖だわ。

オレ駄目なんだよ。。

あの『ピギー(だっけ?)』が死ぬ時の描写が、もう、無理。

めちゃくちゃリアルやんアレ。

子供にやらすか??アレを、、、汗

マジで読んでる時も、読んでから数年経った今も、普通にダメだわ。。

でもさ、、もしかしたらこの作者は
『生』でそれを見て来たんでしょ。

プライベートライアンのあの映像のもっと酷いヤツを生で。

若しくは『自分がやって来た』って言うね。

既に降伏してるドイツ兵の自分の親父ぐらいのオッチャンを崖から突き落としたり、捕虜のドイツ兵を首を締めて殺したり、皆んなで寄ってたかって
笑いながら嬲り殺したり、、

自分の妹ぐらいの村の娘をレイプしたり、、

なんてね。
『見るのも』嫌だけど、
『自分がするの』ってもっと嫌かもね。

『自分の中にその残虐性がある』って、めちゃくちゃ辛い事だよ。
『破壊』は人間の本能だからね。

まあ、『猿』の部分だよね。
モンキーだよ。大抵は。
人間ほど残酷でグロテスクな奴は居ないよ。
『野獣のようなSEX』って言葉があるけど、野獣のSEXはエロく無いよ。
嫌らしくも無い。『交配』だもん。
あんなもんただの交尾だよ。

『快感』云々でやってないでしょ。

全てをイヤらしく、グロテスクに出来るのは人間だけだよね。

『人間は元々悪である。』そんな事を言ってる本だよコレは。

人間が本来『完璧な悪』か『完璧な善』であればそもそも『性善説』かんて説か無いよ普通。

性善説の『善』ってのは、まあ所謂『良心』の事だろうね。

『罪悪感』て奴だよ。
記憶してるから残ってるだけだろ。

『お前にも色々あっただろうけど、ついカッとなって殺しちゃってゴメンなさい』てだけだと思うよ。

チーターやライオンが獲物を食い殺してるのと、人間が殺すのは圧倒的に違うからね。

人間は『楽しいから』殺したりするでしょ。
イジメとかね。

そんなもんが一杯詰まった作品がコチラの一作です。

是非是非ご賞味あれ‼︎笑

オレは過去最高のトラウマ本だよ笑
かなりオススメ本だねコレは。

皆んなこんぐらい闇を抱えた方が少しは良いよ。
マジでね。

『闇』ってのは痛み、『傷口』だからさ。
蠅の王 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:蠅の王 (新潮文庫)より
4102146016
No.79:
(4pt)

新品だが印刷にムラあり

古本で購入したつもりだったが新品が届いた。読み進めていくと印刷にムラがあり薄いところがある。読むには問題のない薄さ。古本ではなく印刷ムラがあったため市場に出なかった物なのか。安価で購入できた点は良いが、どのような商品なのかを載せていただけると安心感がある。
蠅の王 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:蠅の王 (新潮文庫)より
4102146016
No.78:
(5pt)

『様々な読み方ができる』読書会向けの本を探す方にオススメ。

"世界が、道理の分る、法の守られる世界が、今や消え去ろうとしていた。かっては、ここに何があり、かしこに何がある、といえた。"1954年発刊の近未来小説であり様々な作品に影響を与えた本書は、少年漂流物語の形式をとりつつ子供の残酷さ、社会や政治などを寓意的に考えさせてくれる。

個人的には、ガンダムとかウテナとかメタルギアとか本当に様々なアニメやゲーム、映画について本書の影響が度々指摘される中、実は未読で【居心地の悪さ?を感じていた事】また3度目の、今度は何と登場人物を【少年から少女にチェンジした】新作の記事(https://www.google.com.tw/…/artic…/2017/08/31/52199.amp.html)を見て、このタイミングで読んでおかなければ!と本書を手にとりました。

さて、最初に印象的だったのは【情況描写がとても素晴らしい】という事でした。少年たちを取り囲む自然の姿がコントラスト強く私に伝わってきて、南海の孤島に自分も閉じ込められたかの様な没入感を与えてくれたり、一方で忍び寄る『獣』が恐怖心や不気味さを的確に煽ってきて、訳文にも関わらず本当に文書が上手い人だな!と感じました。

また一方で本書は【危うくも無垢な少年達の平和な世界】が、次第に殺伐かつ陰惨な世界と変化していくわけですが。特に決定的な対立が生まれてからの【後半部分の展開に関しては圧巻で】久々に読み終わるまで"どうにもページをめくる指がとまらない"そんな興奮を与えてくれました。(未読な方はぜひ、ネタバレを事前に読まずに体験してほしい)

子供時代を苦々しく思いだす誰か、今スクールカーストで苦しんでいる誰か。あるいは前述したアニメやゲーム好き、はたまた『様々な読み方ができる』読書会向けの本を探す方にもオススメ。
蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)より
4151200908
No.77:
(5pt)

色あせない衝撃作

訳については、無駄がなく簡潔で、読みやすいと思います。
年齢が上がってから読んだからかもしれませんが、情景が絵画のように浮かんできて、
この世界にすんなり入っていけます。

内容は、評価が定まっているので、今更加えることはないのですが、
人間のネガティブ面を、まざまざと見せつけてくれる迫真の内容です。
ストーリー展開、情景描写、人物設定などがすばらしく、
しかもエンタメ性もある(これは映画化したくなるでしょう)
まさに神がかり的な傑作です。
蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)より
4151200908
No.76:
(5pt)

疎開する少年たちの「愉しくも怖ろしい」孤島体験

評判どおり、とてもおもしろかったです。
登場する少年たちは「遊ぶのが愉しく、生気に満ち満ちていて、希望は必要なく、必要がないから忘れられる、そんな時間」(98頁)を楽しんでいるように感じられたからです。サバイバルゲームのような愉しさの感覚かもしれません。

この物語の舞台設定は、疎開する少年たちを乗せた飛行機が不時着した無人島。
この極限状態のリアリティーに置かれても、少年たちの生命力は「遊び」感覚を忘れない。
現実を忘れ、現実を超えて、遊んでいる、愉しんでいるようにも思えます。

仲間割れをして離れていった少年たちとの激闘も、野蛮人との戦闘「ごっこ」みたいです。
ジャックとモーリスとロバートの三人は「顔に戦化粧をして、部族ごっこ」(259頁)をしている、と主人公のラルフは「分別」しているのです。少年の分別です。

ラルフは、「戦化粧という仮面」(246頁)を付けて野蛮人になった三人のことを
「なんだか愉しそうだな」(248頁)とまでいいます。この状況で、この余裕。すごすぎ。

そんな風だからラルフの「演説」は、真剣な目の「おチビたちにさえ物足りなく」(249頁)思われます。
その程度のリーダーシップなんです。愛される近所のガキ大将みたいです。

豚のはらわたの山の上で黒いかたまりとなっていた蠅たちも、
サイモンの「腿の上で馬飛びをして遊んだりした」(242頁)

蠅たちまでも「馬飛び」をして遊ぶとは。可愛すぎて絶句。

偉い〈蠅の王〉様までもが、サイモンにのたまい、警告します。
「わたしたちはこの島で愉しくやろうとしている。わかるかね。この島で愉しくやろうとしているんだ!」(253頁)

この本のタイトルにもなっている〈蠅の王〉までもが
「愉しくやろう」としているなんて。この本は絶対に愉しい、はずです。

なお、巻末の「訳者あとがき」によりますと、
1992年、演劇版の『蠅の王』を学校で上演した少年たち(七歳から十三歳)に向かって、原作者のゴールディングは、「小さな野蛮人をやるのは愉しかったかい」と訊いたところ、少年たちは興奮して「はい、愉しかったです!」と答えたそうです。

この本の刊行は、1954年。

《備考》
「『蠅の王』も、少年たちが凶暴化するのは幼児虐待を受けたというような環境のせいではなく、特殊な遺伝子のせいですらなく、要するに人間は誰でも暴力性を生得的にもっているという人間観に基づいている。作者の言葉にしたがえば、“この少年たちは人間であるという恐ろしい病気にかかっている”、“人間は蜜蜂が蜜をつくるように悪をなす”」(「訳者あとがき」)
 原作者のゴールディングの言葉では、少年たちは恐ろしい「病気」(360頁)にかかっている! というのです。
愉しい物語の裏には、恐ろしい「病気」が隠されていたのです。裏を読むのは難しいです。
 訳者の「黒原敏行」さんは、「この愉しくも怖ろしい孤島体験を味わいつくしていただきたいと思う」(「訳者あとがき」)と、「愉しくも怖ろしい」と適切にうまく表現しています。
 この物語は、怖ろしさが背景になっているからこそ、愉しさが浮き上がってきているのではないかなと思いました。涙を経験してこそ、心から笑えるように。泣き笑いの人生なんですから。
 読書は、表面を読んで楽しんだ後に裏面も考えてみると、意外に怖くなって、味わい深くなることもあると、この本は読者に示唆してくれているように思いました。
蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)より
4151200908
No.75:
(5pt)

人間の闇について考えさせられる作品

赤い表紙とタイトルに魅かれて購入。惹き込まれて2日で読破しました。

 無人島に不時着した少年たちが、最初は15少年漂流記の様に協力して難局を乗り越えようとするものの、しのびよる獣の影におびえ、野蛮化し、悲惨な状況へ陥っていく物語。表面的なストーリーのディストピア的な臨場感を楽しむこともできるが、物語の背景には聖書的な寓意のみならず、第2次大戦に従軍し、悲惨な戦場を経験した著者の文明・科学信奉への懐疑、少年期の実体験や教師として教鞭をとったこともある経験から来る、子供を含めた人間の持つ普遍的な闇への感性が反映されており、様々な読み方ができます。

 訳も新訳となって良かったのか、発表から60年以上経った今読んでも全く古臭さを感じさせず、時代の先行きが見えない今日だからこそ、普遍的な闇を持ち、集団狂気に陥ることもある人間たちが、破滅的な局面を回避するためにはどうすれば良いのか、考えさせられる作品です。
蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)より
4151200908
No.74:
(4pt)

蝿の王

十五少年漂流記さえ見た事のない中、尊敬する先生がオススメしていたので読んでみました。万人受けする内容ではないとは思いますが、考えさせられることは多々あります。あまり長くはない本なのでぜひ気になった方は購入をお勧めします。
蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)より
4151200908
No.73:
(5pt)

人間らしい物語

何万年もの間、破壊と再生を繰り返し科学技術以外なんの進歩もないいかにも人間らしい物語。
蠅の王 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:蠅の王 (新潮文庫)より
4102146016
No.72:
(5pt)

これからは、この訳がスタンダード。

これまでの邦訳(新潮と集英社)の問題点がしっかり修正されています。主人公の名前も「ラーフ」ではなくて「ラルフ」となっているし。
従来の邦訳は、詩的で重厚な文体が魅力ではあったけれども、原文と照らし合わせると首をかしげたくなる箇所も少なくなかった。この新訳ではそれが激減している。1頁目でラルフが立っている場所"scar"は、従来訳だと「長いだらだらと突き出ている岩場」となっていたけれども、これを黒原訳はちゃんと、(飛行機の客室部が地面にぶつかってできた「傷跡のような場所」と解釈している。また、従来訳が勝手に「赤」「紅色」「淡紅色」「深紅」などと自在に訳し分けていた"pink"という単語を、新訳は「ピンク」で統一している。この作品では、色はきわめて大事な象徴性を担っているので、こういう誠実さのほうがありがたい。第11章のおわりにある「それじゃだめだ」という台詞、新訳では正しくロジャーの発言としている(従来訳ではサムの発言として処理されていた)。その他いろいろ旧訳の誤解が直っていて、今後『蠅の王』を読むならこの黒原訳で読むべきでしょう。ただ、第9章のタイトルはあまり変わっていなくて、従来訳「ある死への展望」、今回の訳では「ある死の眺め」。"A View to a Death"という原文の英語表現は、狩猟用語のもじりで、「狙い(照準)をつけられたら確実な死が待っている」みたいな意味だと思うのですが、違いますかね。
蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)より
4151200908
No.71:
(5pt)

名訳

某出版社より出版されている同翻訳本は、著名な英文学者によって訳されているが、いまいちだった。
比べて本書は断然読みやすい!
蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)より
4151200908
No.70:
(4pt)

15少年漂流記とは真逆のディストピア小説

1963年版と1990年版の映画を両方観ているがこの度新訳版の刊行に伴い原作を読んでみた。
近未来で戦争が勃発し疎開先に向かう飛行機が南太平洋の上空で墜落する。
無人島に辿り着き生き残ったのは少年達のみ。大人の居ない楽園での暮らしは徐々に崩れ始め
秩序を守ろうとしたリーダーの少年は次第に孤立し、野性と暴力性に目覚め無秩序になった集団から追い回される。
やがて仲間が殺され人間狩りが始まる・・・

作者が着想した疑問、少年は本当に無垢なのか?と言う考えからこの小説は成り立っている。
生まれ育った環境から邪悪になるのでも無く、遺伝が原因でも無く、内面には性悪さと残酷性を元から孕んでいる。
人間の本質は悪であり本来自分の中にあると言う恐ろしい認識。それがある状況では露呈する。
この小説が時代を経ても色褪せないのはその部分のリアリティにあるのだろう。
蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)より
4151200908
No.69:
(5pt)

そんなに悪いのか?いや、悪くない新訳。

旧訳は読んだことはないものの、新訳が出たことを契機に読んでみましたが…ひとつめのレビューがこき下ろしているのと同じ印象は受けませんでした。

スラスラ読めるし、文章としての味わいが薄っぺらいとも思われず、むしろ生き生きと迫ってくるように感じられました。調べてみれば、もはや定評のある訳者によるものでもあり、少なく見積もっても悪くない邦訳だと思われました。もっとこの新訳が広く読まれ、どんな風に評価されるのか見守りたいと思います。

内容的には人の本質を抉る名著で、文句なしの五つ星です。

追記しますが、私がレビューを書いたことに呼応して、先行して書かれていた低評価レビューが、いつの間にか元の文面がほとんど残っていない皮肉たっぷりの賞賛する文章に書き換えられていることに驚きを隠せません(苦笑)自分のレビューに自信があればそんなことはしないはず。全く笑止千万です。

くだらないレビューを読んで、「読むのやーめた」と思うより、自分で読んでみて良いか悪いか自分で判断してもらうのが正しいやり方です。少なくとも私は悪くないと思いましたので、読んでみることをお勧めします。

既に名作の誉れ高い作品です。翻訳の良し悪しは大切なことですが、まずは読んでみないとはじまらない。
蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)より
4151200908
No.68:
(2pt)

新訳だというから期待したのに

「良質な海外文学作品を若い感性を持つ読者に向けて発信」が売り文句のハヤカワepiからの新訳。
さすがもはや定評のある訳者によるものですね!素晴らしかったです。
蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)Amazon書評・レビュー:蠅の王〔新訳版〕 (ハヤカワepi文庫)より
4151200908
No.67:
(5pt)

よくあるテーマだが

閉鎖環境での少年たちの心理状態を描いた作品。
似たようなテーマの本は多いが、この作品はどこか独特な雰囲気がある。
蠅の王 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:蠅の王 (新潮文庫)より
4102146016
No.66:
(5pt)

描写があまりにも美しいので返って残酷さが分る

孤島に残された子供たちがどんどん残酷になっていく様、人間の本能が、木々の緑、日差しの光の中でコントラストを帯びます。描写の美しさがあるからこそ、話の内容が栄えるし、読んでいて、目を見張るのだと思います。私がこの作品と出会ったのは、20年前になりますが、まだあの太陽の光の中、裸で遊んでいる「子等たち」(原本ではLittle Ones)の姿が目を閉じると浮かんで来ます。後に、この作品がノーベル文学賞を受賞したと聞いて、「あー・・、そうなのか。そうだったのか」と納得しました。映画の方も見ましたが、原作を読んでの自分の頭の中に浮かぶ木々や緑、太陽から海、夜の心地良さや明け方の訪れが全く表現されていなくて、とてもがっかりした覚えがあります。
蠅の王 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:蠅の王 (新潮文庫)より
4102146016
No.65:
(5pt)

むき出しの世界

戦時中に飛行機が無人島に不時着し、孤立した少年たちの物語。
美しい南国の楽園で、少年たちは、元の生活から切り離され、社会のないむき出しの世界で生きる恐怖に曝される。秩序が壊れ生存が脅かされる混乱の中、彼らは遺伝的な獣性と原始宗教的なドグマに支配されてゆく。これは悲劇的な結果を招くのだが、その世界から解放される瞬間に、少年の自我は己れの精神が獣に蹂躙された事に傷つきおののくのだ。
蠅の王は聖書に登場する悪魔ベルゼブブを指し、物語は無垢が悪に汚される様を描いたと評されるが、これは戦争や、いま現在世界で頻発するテロルの状況にも通じる普遍的な物語だと思う。
1950年代前半の同時期に書かれた、大岡昇平の『野火』を思い出した。ここでも日本兵の狂気は、生存する上で自我が意味を失い、すべてが偶然に支配されるところから生まれるのだ。
蠅の王 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:蠅の王 (新潮文庫)より
4102146016
No.64:
(4pt)

リーダーとは、を感じながら読んだ

本書の存在は知らなかった。amazonが薦めてくれたので読んでみた。

深いモノは感じなかったし、読み物としてもソコソコおもしろいと言う印象。

死ぬまでに読んでおいてよかった、とまでは思えなかった。

自分が中年なので、リーダーとは何か、を意識しながら読んだ。

実利(本書では肉)を与え多くの支持を得るジャック、理想(救助)を最優先するラーフ。

理想(狼煙が象徴)に固執するラーフは結局孤立化し、実利組が起こした不用意な山火事

により救助された。

実社会でも人を使うには、理想より実利が大事だと感じる。

部下は一見実利のために動きながら、実はそれが徐々に組織の理想にも近づいている状態が

ベストなんだろう。
蠅の王 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:蠅の王 (新潮文庫)より
4102146016

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