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たゆたえども沈まず



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【この小説が収録されている参考書籍】
たゆたえども沈まず

たゆたえども沈まずの評価: 4.16/5点 レビュー 188件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.16pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全151件 41~60 3/8ページ
No.111:
(5pt)

ゴッホと日本美術の世界評価という二大世界的テーマを題材にした極大スケールのアート小説

--おれはアルルへ行く。そこに、おれの「日本」があるんだ。

 原田マハの描くゴッホと言えば、2021年、『リボルバー』を読んでいたのだが、もう一作、別のゴッホ作品があったことを本書で知ることになった。『リボルバー』は、画家で言えばゴッホとゴーギャンの二人に焦点を当てていたのだが、本作はゴッホを主題とした単独作品である。

 ちなみに本作中にもリボルバーという銃器は登場する。この頃に後作のアイディアが既にあったのか、孵化したばかりだったのかは不明だが。

 本作の目線に浮上するのは、ゴッホだけではない。実は当時知られざる日本の、知られざる美術である浮世絵が、世界的に評価をされ始めた時代でもあり、本書では、日本美術を世界評価に繋げる動きに貢献した人物として、パリの実在の美術商・林忠正が描かれる。

 作者の創造した愛すべきキャラクター加納重吉が、林忠正の影響を受けパリにゆき経験してゆく物語が一つの縦軸であり、もう一方の縦軸は、テオを中心とした物語として、不遇な兄であるファン・ゴッホとの深い兄弟の絆を描く。本作で最も心が許されるのはテオの兄へのあまりに献身的な人生であるかもしれない。

 重吉とテオの物語は時々交錯しつつ、パリの美術界と、その歴史的推移となるエポックとしての日本画・また新しい印象派の画家たちの登場による美術界の価値変革が、セーヌの流れの如く雄大に描かれてゆく。

 後半になり、『リボルバー』と重なる時期が描かれる。アルルに画作の新天地を見出したファン・ゴッホと、彼の狂気にも似た耳切り事件が描かれる。

 ゴーギャンとの共同生活。その後の耳切り事件。ゴッホは、孤独とニヒリズムを抱えながら、熱情を絵筆に変え作品を作り出してゆく。彼の生きている間には認められることのなかった強烈な個性と才能をカンヴァスに叩きつけてゆく。それをパリから見守り、無心に援助する弟テオの愛情が、とにかく心に痛い。物語でありながら現実に即した事実でもあるからこそ、なお。

 ぼくはパリのセーヌ河畔やアルルの跳ね橋の辺りなどを、この物語で語られた歴史的事実を事前によく知らぬまま、旅情ばかりを胸に抱いて訪れたことがある。折々のガイドによる説明を聞きながら、片耳のないゴッホの胸像を見つめた。真に生きた人間ゴッホ、またその弟テオの物語として、そのとき眼にしたものが今、蘇る。

 本書はパリという町やセーヌ河畔の活気を美しく描きながらも、恵まれぬゴッホの生涯と狂気を、また恵まれ過ぎたかもしれない弟テオとの兄弟愛とを描きつつ、世界の美術が大きな転換点を迎える時代、評価され始めた日本美術の存在などをぐいぐいと読ませる力作である。

 原田マハという稀有な作家の<読ませる力>は、凄い。日本作家でありながら世界を駆けるスケールの大きな物語を、元キュレイターという作家自身の体験と歴史的事実の上に積み上げて読ませる作品力が、何とも頼もしく感じられる一作であった。
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4344031946
No.110:
(5pt)

生きた軌跡が濃い‼️濃すぎる!

なんとドラマテイックな人生、でもゴッホの精神性に心揺さぶられます。せつない‼️
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4344031946
No.109:
(4pt)

ゴッホの作品を見るのに参考になった

ゴッホの生前の境遇がよく理解できた気がします。彼の作品が理解されず、恵まれない生涯を送り最後は自死するに至った悲劇は衝撃的だった。
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No.108:
(5pt)

悲しい余韻

華やかなパリを舞台に、人間が抱く寂しさや孤独感、憧れがゴッホ兄弟や主人公を通して描かれています。

ゴッホ展の年表などで見たことがある史実も織り交ぜて描かれていて、へぇ〜!あの出来事はそういう理由が背景にあったのかもしれないなぁ〜と美術史に詳しくない人でも楽しめます。
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4344031946
No.107:
(4pt)

アートに興味がない人にこそ読んでほしい一冊

ゴッホの名画誕生までを描いた史実に基づくフィクションの物語。
一つ一つのファクト(史実)に対して意味付けをすることでストーリーを作り上げる原田マハさんのお家芸を思う存分堪能できる。
”アート=芸術品への解釈”とすると、本ストーリー自体がアートそのもの。想像力で芸術品を楽しむことの魅力を伝えてくれる、アートに興味がない人にこそ読んでほしい一冊。
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No.106:
(5pt)

ドラマチック

フィンセント・ファン・ゴッホ、テオ兄弟と、パリの日本人美術商の物語。

美し過ぎる兄弟愛と友情がつづられていますが、そこはフィクションということで。本作品と同時代の画家たちが主役の短編集『ジヴェルニーの食卓』も併せて読むと、絵画史におけるこの時代の位置付けについて理解が進む。

本作品は、ゴッホの生涯に、林忠正を絡ませて、よりドラマチックに仕上がっている。実際に、ゴッホ兄弟と林に交流があった事実は見つからないそうだが、著者の想像としてもリアリティを強く感じるだろう。タイトルの意味が印象的だ。
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4344031946
No.105:
(5pt)

静かな環境で読書をすると、ストレスが60%減ずる。

畢生の大作と呼ばれるものを、完成させたい。
他の誰とも違う、自分だけの表現を形にしたい。
このために生きているという実感の中で生活したい。

3日と空けずに記録する。
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4344031946
No.104:
(5pt)

ゴッホ展に行く前に読んでみた

フィクションと分かっていながらもゴッホの人生に寄り添うことができる素晴らしい作品でした。
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4344031946
No.103:
(5pt)

読み終えたあとに

アートフィクションと聞くと、安っぽく思われてしまうかもしれないが、これはあくまでも人にフォーカスした小説です。
ルソーしかり、ゴッホしかり、生前認められなかった画家もいうものは少なからずいると思います。

そんな画家たちが文字通り命をかけて作品を創る様が、その身近な人々を通じて描かれています。
終盤、自然と涙がこぼれました。たくさんの愛を感じる作品です。

読み終えたあとは、是非序章を読み直してほしいです。
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4344031946
No.102:
(5pt)

素晴らしかった

まるで自分が明治時代の頃のパリにいるかのような、主人公と一緒にパリにいるかのような気持ちで見ることができた。後半、読んでいる途中に、以前行ったゴッホ展が賑わっている様子を思い出し、テオとフィンセントの願いが叶ってよかったという気持ちになり涙が出てきました。
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4344031946
No.101:
(4pt)

悪くはないけど

悪くはないけど、暗幕のゲルニカや楽園のキャンバスと比べると、ちょっと深みに欠けます。アメリカ人やヨーロッパ人や白人やら色んな人に囲まれて暮らしてる自分からすると、違和感あるようなエピソードもあり。作者の願望がかなり入ってます。でも、ゴッホへの愛は伝わってきました。
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No.100:
(4pt)

古い本でもきれいですぐ手に入るのがありがたい

値段も買い求めやすい
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4344031946
No.99:
(4pt)

初めてゴッホに近づく切っ掛けを作ってくれたことに感謝

フィクション(ストーリー)としては他の辛口レビュアーの何人かの方と一緒で、可もなく不可も無くくらいが妥当と思います。
一方で、ゴッホの人生を辿るノンフィクションとしては(著者自身も述べている通り)加納重吉という架空の人物の設定をはじめ該当しないでしょう。
そういう背景から、本書の位置づけは、ゴッホ兄弟と林忠正の邂逅が生んだ人類史上の奇跡へのオマージュということになるのかと。
その意味で、私は本書と出会えたことに感謝しています。正直なところ、ゴッホは関心あれどどこか食わず嫌いで、世間が持ち上げるほど(オークションで史上最高値での取引があったなどのニュースとか)真価を理解したいとも思っていませんでした。いわんや、一歩踏み込んでその壮絶な画家人生や、活動の地を訪れるなど彼の作品が生まれた背景などを知る由も無かった。
実は、家族がパリ郊外のゴッホ終焉の地オワーズ川流域の大学に留学していたことがあり、一度その地を訪れたことがあったのですが、今となってはゴッホのことを知っていればもっとセンチメンタル・ジャーニーになったのではと後悔までしています。
本書の力は、当時を生きるゴッホ兄弟の視点で世界を感じられることでしょうか。着飾った文体や、蘊蓄過多で辟易とすることがなく、あくまでも主人公達の心情を慮った暖かい筆致に好感が持てました。

蛇足にちょっとだけ苦言を。
憧れのパリに渡り、粉骨砕身で日仏のカルチャーの橋渡しに奔走する林と加納の二人の生き生きとした描写は良いが、第三者に委ねるなどして、もう少しフランスのコミュニケーション文化の検証や監修をきっちりとさせた方がリアリティが上がったのではないでしょうか?
アメリカではあるまいし、初対面はおろか、多少面識がありそれなりに親しかったとしても、ビジネスの現場でファーストネームで呼び合うことは決してありません。ましてやニックネームもご法度。プライベートで食事に呼ばれでもしない限り、会話の相手とは貴方・貴殿という代名詞(vous)を用い、呼びかけもムッシュゥ+「苗字」ということ以外は考えられません。よって最初からシゲ、テオとは呼び合いません。ここに関しては臥龍点睛を欠き残念でした。
たゆたえども沈まずAmazon書評・レビュー:たゆたえども沈まずより
4344031946
No.98:
(5pt)

ゴッホの苦悩

アート小説はすごいですね。
芸術家の苦悩、精神の極限で作品を描いてもその時代では認められない苦しみ。
ひまわりが好きでゴッホさんの自画像を見ましたが、30歳代とは思えませんでした。
たゆたえども沈まずを読みながら訪れたことのない地に思いをはせてたくさん涙しました。
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4344031946
No.97:
(5pt)

ゴッホは、なかなか沈まず。

ゴッホの絵画が見たくなりました。
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4344031946
No.96:
(5pt)

ゴッホや美術に無知でも面白かった

読み終わったあとにゴッホの絵(ポスタータイプ)を買って部屋に飾りました。
そんな風にしたくなるような良い作品でした。
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4344031946
No.95:
(4pt)

たゆえども沈まず

浜田さんの小説は初めて読みました。絵画には殆ど興味がない私も(ゴッホ)のひまわりは知ってました。この小説はゴッホと弟のテオ、そして、二人を見守る日本人、林とシゲの物語です。精神を病みながら書き続けるゴッホ。その兄弟の人生は、マサに、たゆえども沈まずでした感動しました。みたいです‼️ひまわりの実物が。
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4344031946
No.94:
(4pt)

満足

満足しています
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4344031946
No.93:
(5pt)

ゴッホの筆遣いのような生々しさとダイナミズム

オリジナルのキャラクターを加えて描かれたフィクションではありますが、ゴッホ兄弟の生き方がゴッホの筆遣いのように生々しく切り取られていて、心を揺さぶられました。
19世紀後半のパリの時代背景が分かりやすく描かれ、その時代にタイムスリップしたような気になります。
その時代の中で、ゴッホ兄弟が生きづらさを感じながらも格闘して、新しいアートを生み出していった軌跡をリアルに感じます。
そしてゴッホの絵を堪らなく観たくなりました。
林忠正とゴッホ兄弟の関係が描かれたことで、ゴッホと日本、パリと日本の関係をダイナミックに感じました。それがフィクションだと指摘するのは野暮な話で、ゴッホをそういうダイナミズムの中で描いた構想力は素晴らしいと思います。
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4344031946
No.92:
(5pt)

堅牢

ゴッホの絵は好きか嫌いかと言ったら好き。表紙の絵も素敵。小説の内容も原田マハ先生の読みやすい文体。ゴッホのことがますます知りたくなるきっかけの1冊だった。因みに読み終えて1番残った単語が堅牢だった。
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4344031946

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