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ゲームの王国
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ゲームの王国の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.97pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全61件 1~20 1/4ページ
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上巻のあらすじが「運命と偶然に導かれたふたりは、軍靴と砲声に震える1975年のカンボジア、バタンバンで邂逅した。」、下巻のあらすじが「復讐の誓いと訣別から、半世紀。政治家となったソリヤは、理想とする〈ゲームの王国〉を実現すべく最高権力を目指す。」とあることから分かる通り、作品背景が非常に「三体」(の第一部)的です。また、物語におけるサスペンスとSFとのバランスや、作中で時代を遷移させることに伴う大河感の演出も「三体」に近しいものを感じました。 よって、「三体」にハマった人には文句なしにオススメ出来る一方で、未読の人が「三体」との択一が求められるならば「先に三体を読んでからでも良いのでは?」とアドバイスしたくなるのが正直なところです(「三体」ならば、第二部、第三部、と話が続いていくので、より大きな満腹感が得られますし)。 ただ、それはあくまで相対的な評価であって、絶対的には非常に満足出来る「読んでよかった」と感じられる作品でした。伏線となり得る要素がふんだんに散りばめられていた一方で、それらの回収が甘かったのが惜しい...(それが出来ていれば、よりインパクトが大きな作品になっていたはずです) | ||||
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上巻のポルポト暗黒時代、下巻の脳機能研究と未知の領域を覗かせてくれて、そこはとても面白かったけれど、心に残ったのは愚民の中で特別賢く生まれついてしまった「2人の孤独」かな。互いに呼び合う2人が最後に交わせたゲーム越しの会話が切ない。 | ||||
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ポルポト時代から現代まで、超能力の様な特殊能力を持ったカンボジア人達による政治&闘争バトル!という感じなので、SFというよりは歴史ファンタジーに近い内容。歴史小説だったりハードSFを求めている方にはおすすめしません。近代カンボジア史を知っていれば少し理解しやすくなる程度で、本質はXMENとかマーブルとかDCとかのアメリカンスーパーヒーロ物に近い。それをカンボジア人特殊能力者に置き換えたクライム・サスペンス・エンタメ作品として読んだ方がしっくりくるかも。 | ||||
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叔父さんが「結婚した」と言ったのは共産主義となのもあるかもだけど、ノイちゃんと結婚したんでいいんですよね? 甥の賢さを使ってお嫁さん探しもしてたんですよね? | ||||
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上巻丸々が、主要な登場人物たちのエピソード+ポルポト政権下の凄惨なシーン(現実はもっと悲惨だったようですが)だったのですが、下巻はそれを踏まえた上での話にしては、割と駆け足で掘り下げが足らないキャラ、シーンが多かった印象でした。 しかし全編に変なキャラがたくさん出てきたり、このエピソードいる?っていうシーンが面白かったり、読み応えはありました。 カンボジアが舞台という事もあり、躊躇していた部分もありますが、書き始めるとあっという間でした。 | ||||
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無駄に長いと感じた。 あまりにもたくさんの登場人物が出てきて、それぞれ人生(半生?)の描写があるがその人物必要か?ってのが多かった。 コメディ的な笑いを入れているところは、虐殺の描写の残酷さを際立たせておりうまい。上巻のラストは読むのがつらく、心が震えた。 下巻でムイタックとソリアがもっとバチバチに対決するのかと思ったがそうでもない。終わり方も含めて、下巻は全体的にモヤッと感が残った。著者が何を伝えたいのかもわからなかった。 | ||||
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SF小説としても秀作だが、社会派推理小説、歴史小説としても良く書けていて、これだけの小説は見たことがない。読後の印象では「蒼穹の昴」と少し似ているが、繊細な心理描写や圧倒的な情報量ではこの本にはかなわない。 カンボジアで起きた悲劇を舞台に、そこで生きる人々の生きざまを通じて、現代社会の矛盾や人間の心理を分かり易く書き上げている。(迷信やおとぎ話的な部分は、未開の村社会の本質のような気がした) 特に上巻から下巻への移行部分では、こんな展開があるのかと思わず引きずり込まれてしまった。 近未来の脳科学とゲームの世界を融合させた記述は中々に説得力がある。(ご本人の専門分野か?) そして、「人生はゲーム」と現代の「ITゲーム社会」を見事にリンクさせたセンスには脱帽だし、すごい作家が出てきたものだと嬉しくなった。 今後、ご本人はこれ以上に楽しみながら小説が書けるか判らないと言っているが、読者としては次作以降も期待したい。 | ||||
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内容は読んでください。とにかく傑作です。小川哲さんは日本人で一番ノーベル文学賞に近いんじゃないかな?と思ってます。 そしてこの作品は、余り多くはない、何度も読み返す作品です。私にとって、それほどの傑作です。 しかし、これが詰まらない人もいるんだなぁと思うと、かえって人間の面白さを感じます。すごいなぁ、これのどこがつまらないんだろうか・・・。 | ||||
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内容は読んでください。とにかく傑作です。小川哲さんは日本人で一番ノーベル文学賞に近いんじゃないかな?と思ってます。 そしてこの作品は、余り多くはない、何度も読み返す作品です。私にとって、それほどの傑作です。 しかし、これが詰まらない人もいるんだなぁと思うと、かえって人間の面白さを感じます。すごいなぁ、これのどこがつまらないんだろうか・・・。 | ||||
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オーディブルで聴取しました。 上巻は、ポルポト時代前後のベトナムの話が中心。本作の背景となる。 下巻は、新時代ゲームを媒体としてかつての復讐?を果たしていこうとする現代の話。 小説自体は平易な文章でとても聞きやすくわかりやすい。 ベトナムの実の歴史を背景としたことで、小説の背景に深みが加わっていることも楽しく感じた。 いまいちわからないのが、いわゆる漫画やゲームでいうところの「能力者」の存在。 この小説にそれらの登場人物は必要だったのか? しかも、数人しか登場しないために能力者の話がメインになることもない。 かつ、能力者の能力の威力が違いすぎ不自然に感じた。 上記一部の違和感はあったが話自体がわかりやすく楽しかったため最後の最後直前まで非常に楽しめた。 残念なのはオチというか、結末がいまいちに感じたこと。 もちろん主観なので、人によって感じ方は様々だろうがこれだけ長い物語をその終わらせ方にするの?というのが私自身の感想。 できれば、この作者さんにベトナムや東南アジアの近代史の本などをわかりやすく書いてもらえればぜひ読んでみたい。 | ||||
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カンボジア史のリサーチが徹底されている。登場人物一人一人のキャラクター・行動原理が非常にユニークで、作者独自のユーモアが感じられる。下巻の中核を担うオリジナルゲームに発想力の高さが伺える。伏線回収についてはあまり気にせず読むのがよいと思います。 | ||||
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上巻だけの評価です | ||||
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かなり絶賛されていますが、そこまでではない感じです。 上巻は大河小説的な感じで、物語の構成、人物描写とも秀逸かと思われます。 下巻もそのままの感じでいくかと思いきや、大風呂敷を広げて、とっ散らかった感じになってしまいましたかね。巨悪は残ったままですし、ソリヤはそこまで悪人ではないので、復讐対象とするには弱いというか、無理がある感じですね。読後は、もやもやが残る感じですかね。 ゲームの王国が主題なら、そもそもカンボジアもポルポトも不要だった気がします。 そうそう、泥とか異能者の描写は秀逸で笑えました。これは素晴らしかった! | ||||
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下巻では、時が2003年になっている。渡辺智美というNPOの職員が出てきて、ソリヤと一緒に仕事をする。ソリヤはその頃、「ワンコイン・プロジェクト」を担当していた。カンボジア人に1年に1500円払ってもらって、予防接種やサプリメントを提供し、飲み水を消毒する塩素なども与える。まず「健康」問題を解決することで、「教育」や「収入」の問題も解決しようという考えである。 しかし、住民に説明して予防接種を行っても、当日にはたった1人しか来ない。基本的な医学知識がなく、クルーという医師兼呪術師みたいな人物のほうを信用しているのだ。 それから10年。ソリヤは選挙に出馬する。比例代表制のようで、最初は当選可能な名簿の順位ではなかったが、ソリヤは汚い手を使って順位を上げた。 一方、ムイタックの出身地であるロベーブレソン村で、アルンという少年が脳波測定の器械を使いこなそうとして取り組んでいた。 さらに時は経ち、2023年になっている。ソリヤは出世して次の総選挙で首相になろうとしている。もちろん、ポル・ポトは死んでしまっている。 ポル・ポト時代に家族を殺されたムイタックと兄のティウンは、その殺戮を行ったソリヤとその夫に復讐すると誓った。しかし、ティウンはソリヤを殺せなかった。 ムンタックのほうは、なんと大学教授になっていた。 アルンは、ムイタックの助けを借りて、脳波を使ったゲーム「ブラクション・ゲーム」を開発する。このゲームは後に「チャンドゥク」というゲームに発展する。しかし、このゲームには思った以上の可能性があった……。 カンボジアの歴史、脳科学、農村の風俗などが散りばめられ、虚実がない交ぜになって話が進行する。著者独特の世界観を作り上げている。最初予想していたような話ではなかったが、いい意味で予想を裏切られた。賞を取ったのもうなずける内容である。 | ||||
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舞台はカンボジア。プノンペンに住むヒンとヤサ夫婦はサロト・サルの子とされる赤ん坊を預けられる。最初は困惑したヒンだが、だんだん情が移り、ソリヤと名付けて育てる。サロト・サルは共産党で活躍していた。後のポル・ポトである。 だが、夫婦に赤ん坊を預けたクイ・ティヌーという運転手が秘密警察に逮捕され、6つの事件の主犯であると自供した。そして、その共犯の筆頭としてヒンの名が出たのだ。 捕まって拷問を受けたヒンは、ソリヤがサロト・サルの娘だと告白する。 秘密警察のソムは、それを聞いてソリヤを助けに行く。ソムは共産党員で、サルをよく知っていたのだ。 ソムはソリヤを連れてベトナム人街へと逃れる。最初は自殺しようとしたソリヤだが、その後は逃げ出そうともせず、おとなしくなる。だが、ソムはその後秘密警察に殺される。それが1964年。 同じ年、バタンバンでムイタックという男の子が生まれる。家は農家で父は村長。村の中では裕福なほうだった。 ムイタックが言葉を覚えるのは早かったが、奇行も目立った。農家なのに虫や土を恐れ、ばい菌を徹底して避けようとした。 しかし、頭は本当に良かった。8歳にして天才的な記憶力を備えており、5人前の料理を作るときには、以前3人前の料理を作ったときの3分の5倍の調味料を使い、住民が近道だと思っている農道(実際は遠道)を使わなかった。 そして、共産党員の叔父、スン・フオンを探しに来た秘密警察の警官に嘘をつき、フオンを助けたのだ。 ムイタックは算数が特に好きだった。家の畑が何ヘクタールなのか計算することができ、適切な肥料の量が分かると父を説得したが、父は聞こうとしなかった。 そして、輪ゴムと会話するクワン、土と会話する泥(プク)、13年間一言も話さない鉄板(リラ)など、個性的な登場人物たちの中でムイタックは日々を過ごしていく。 その後、ムイタックの叔母の結婚式でムイタックはソリヤと出会う。そこでソリヤはムイタックとトランプをし、ムイタックは生まれて初めて負けた。 天才児ムイタックと、人の嘘が分かるソリヤをカンボジアで待ち受ける運命とは……。 この先の展開が非常に楽しみな上巻である。 | ||||
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まだ、読み途中ですが、あっという間に半分読み終えました。 | ||||
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分量、内容共にちょうど良い。 3時間程度で読めました。 | ||||
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上巻は1960年〜1970年代の革命の混乱の最中にあるカンボジアが描かれる。 小説はゲームのルールを世界に照応させながら展開されていく。ルールを理解できないものはあえなく脱落、命を落としてしまう。 しかし、現実はゲームと似て非なるものであるから、ゲームのルールとして捉える方法ではやはり、現実は収まりきらず、どこか遊離してしまう。その遊離を埋めるのは上巻ではガルシア・マルケスの『百年の孤独』のような幻想小説ふうなエピソードである。 現実をゲームのルールに当てはめた場合そのルール内に収まりきらない理由は人間各々に記憶、物語、つまりはひとりひとりの持つ小説、そしてそれにともなう感情があるからだ。 下巻では時代も進み現実との遊離を埋めるのはSF的なガジェットとなる。ひとりひとりの記憶、感情をP120という脳波に代替してゲームのルールと現実との遊離を小説に落とし込んでいる。 上巻のガルシア・マルケス風の幻想小説的な物語を楽しめた読者にとって下巻はつまらない、よくわからない可能性がある。 逆に下巻のSF要素を楽しめるのなら上巻も楽しんで読めているだろうと思う。 ソリヤは現実とルールとの遊離を破壊して、現実をしかと包含するルールを作り、それでもさらに遊離していく現実とゲームのルールとの関係を破壊してゲームの王国を創ろうとし…、と闇の連鎖に堕ちていく。 一方でムイタックは現実とルールとの遊離を破壊することなく遊離は遊離のままで、楽しむことそのものがゲームのルールに組み込まれているようなものを作ろうとする。勝者に権力が与えられるという報酬のない純粋なゲームをと。 ムイタックにとってソリヤは闇の中で光り輝く太陽だ。 ソリヤVSムイタックは権謀術数の応酬ではなく、子ども時代に純粋にゲームを楽しんだあの頃に戻りたいという、互いに救いを求めたラブコールの応酬なのである。 | ||||
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拷問の描写がキツかったが、いずれも手短に終わってくれて良かった。 | ||||
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緊張感の中にもクスッと笑える文章があって良かった。殺し屋から逃れる際に、「いまは医師の異常さだけが頼りだった。」のくだりが好き。上巻の歴史小説テイストとうって変わって進行する下巻は、生々しさがなく不満もあるが、最後まで読んで良かった。 | ||||
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