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ゲームの王国
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ゲームの王国の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.97pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全61件 41~60 3/4ページ
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なるほど、上巻はマジックリアリズム系歴史小説だからリアルな報道写真を表紙にして、SF色が強くなる下巻はテクノっぽく加工したのか。この装丁の遊び心だけで高評価。 カンボジアの現実が知りたくてフィクションには興味が無いと言ってるレビュアーがいたが、だったら何故小説=フィクションに手を出したのか……しかも紹介やあらすじに「SF」と何度も書いてあるのに。 個人の感想は自由だが、八百屋に行って魚くれって言うのは不条理。 | ||||
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仕事でカンボジアに赴任してきたので読んでみた。 上巻は読み応えがあった。 自分が生まれる前に悲惨な出来事があった。来る前に勉強した歴史的情報を補完し、博物館で見た犠牲になった方達を浮き彫りにするように感じさせるものがこの小説にはあり、吸い込まれた。 自分が数ヶ月プノンペンで生活して見て感じたこと、交通ルールが存在しないが如くの街中、外から来た我々には分からないナニカにより決定される物事、高等教育を受け流暢に英語を操る人々がいる反面、文字や地図も読めない人たちもいるような状況。プノンペンは大きな不自由をせずに暮らせる都会となっているが、地方に行けば、この登場人物のような不思議な人たちがまだいるかもしれないとも思わせるこの国と小説。非常に面白い。(面白いという単語が適切か難しいが) 下巻は下巻で書きます。 | ||||
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仕事でカンボジアに赴任してきたので読んでみた。上巻は読み応えがあった。 自分が生まれる前に悲惨な出来事があった。来る前に勉強した歴史的情報を補完し、博物館で見た犠牲になった方達を浮き彫りにするように感じさせるものがこの小説にはあり、吸い込まれた。 自分が数ヶ月プノンペンで生活して見て感じたこと、交通ルールが存在しないが如くの街中、外から来た我々には分からないナニカにより決定される物事、高等教育を受け流暢に英語を操る人々がいる反面、文字や地図も読めない人たちもいるような状況。プノンペンは大きな不自由をせずに暮らせる都会となっているが、地方に行けば、この登場人物のような不思議な人たちがまだいるかもしれないとも思わせるこの国と小説。非常に面白い。 下巻に入り、現在から未来のカンボジアが描かれる。正直言って、未来も今のカンボジアとそれほど大きく変わっているようには感じられない。そのため、自分の周りで今起こっていることのようにも感じられる。 しかし後半に向けて失われるリアリティと共に、急激に理解が追いつかなくなり、最終的にはすれ違い系恋愛小説? となった。 この国のステレオタイプという感じのルールを守らないわりに上意下達それでいて妙に憎めないカンボジアの人々とそれに抗う人たちの物語。 この国を本気で変えようとした人が、別の方法で正そうと思った人に殺され、悪い人たちがどうなったかよく分からず、国の未来については最後ほったらかされるあたり、この国らしいかもしれないと思ってしまった。 読後は、犠牲になった方々を思い、小説の登場人物ほどではないにしても自分もカンボジアの未来のためにやれることをやろうという気持ちになった。 | ||||
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前作のユートリニカと全く毛色が違い驚きました。前作の卓越した人物描写はより鮮やかになり、さらにより社会学・脳科学の側面が加わっています。上巻は本当に悲惨な描写が多く、気に入った作品は何度も読む私にとって、これは精神的に準備をしないときついです。(というか、そのくらい秀作です。映画Dogvilleのような。)下巻になると突然話が変わり、白黒の歴史映画をみていたが突然カラー映画になったような感覚がありました。LGBTの描写に一部引っかかるところがありましたが、全体的な描写も現在の肌感覚に合うのでよかったです。あまり読書家とは豪語できない私ですが、今までに読んだもの小説の中ではトップクラスに入る小説でした。 | ||||
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まず、下巻をメインとするのなら上巻はほぼ全て要らないんじゃないか? 「嘘を見抜く」なんていうチート能力は設定しただけでほぼ活躍しなかったよ? 土と会話できるのもそう、綱引きでジャッジできるのもそう。もう多数の登場人物に本編とは大きく関係のない挿話にとにかく疲れる。 登場人物の描き方も頂けない。主人公の二人、幼少期から50歳超えまで、同じ話し方で描かれている。どちらかというと幼少期が異様すぎる。 脳波を利用したゲームで、第三者に自身の思考もしくは体験をトレースさせるという設定は面白かったけど、それを武器として現実を覆すような事も結局なく、消化不良。 何が書きたかったんだろうという読後感。 | ||||
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導入部分から複雑な人間模様が織りなす骨太なストーリー展開に期待を膨らませつつ読み進めましたが、後半は安直なこじつけとオカルト的なやっつけ仕事が目につき、残念な読後感でした。上巻は何とか読み終えましたが、下巻は読むのを止めておきます。 | ||||
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久々に難解?な作品だった。ゲームが意味するものが何だったのかな。 | ||||
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作者の頭の中はどうなっているのでしょう。めくるめくストーリー展開と膨大な知識量‼️感情的に煽ることもなく実に淡々と述べられていくが、それが逆にこの壮大な叙事詩にリアル感を与えている。実話だと思ってしまいそう。今年の大傑作‼️文庫化まで待たずに是非! | ||||
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手応えはあったが何か物足りない。『こびとが打ち上げた小さなボール』や、『死体博覧会』などにあった匂いや手触りのようなものが欠けている。ジャンル違いといってすまされないものがあった。これが日本の限界なのだろうか・・・力作労作、何と言ってもいいが、そういうものだと思ったが、やはり何かが足りない。けれど手応えがあった。この作家に注目していこうと思った。 | ||||
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ポストに投函されていました。 梱包を解くと帯に破れがありました。 帯は読むのに支障なく、返品や交換は 不要なのですが、出荷時の製品外観 確認、並びに輸送の途上の乱雑な 扱いはあり得るとの前提に立った 梱包を検討いただくべきと存じます。 | ||||
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下巻は上巻とまったく様相が異なる。上巻のあのエピソードがここにつながるのかなど、あれやこれやが伏線になっていることに驚かされる。そして、脳波に関係するゲームが開発され、人々を支配しかねない結果まで想像させられる。下巻は一気にSF作品となった。このスピード感がたまらない。一気に読んで一気に楽しさが頭の中を駆け抜ける悦び。読者もゲームの王国に誘われる。 | ||||
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カンボジアでクメール・ルージュ(クメール人の共産党のようなもの)によるクーデターが発生し、カンボジア王国を斃す。クーデター前からカンボジアの内政はひどかったが、クメール・ルージュにより、いっそうひどくなる。組織に逆らったものは拷問のうえに処刑、逆らったというより、何かにつけて理由をこじつけて処刑する。 そんな時代背景で、登場人物が幸せな未来を目指して生き抜こうとする。生き残ることがあたかもゲームをしているかのように、命を懸けたゲームであるかのように。こんなゲームは不毛であるし、参加しても参加させてもいけない。上巻では明るい未来が見えない状況が読者を絶望に陥れる。 下巻ではどのように展開するのだろうか。まだSF的要素は少ししか出ていないが、これからSF作品としてどのような展開になるのかも楽しみだ。 | ||||
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ポルポト政権に残虐な歴史があったことくらいしか知りませんでした。 フィクションとはいえ、何か下敷きになるものがあったのでしょうか。 日本も嘗てはこのような恐怖政治が行われていたのだから、他人事ではないと思い読んでみることにしました。 真実のように迫ってくる物語に引き込まれました。 とても素晴らしい本でした。 | ||||
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本書を手に取ったのは、舞台がカンボジアでポル・ポト派による大虐殺の時代という極めて珍しい設定であったからだ。 上巻は期待に違わない出来で、どのようにポル・ポト派が政権を取り、理想の共産国家を設立するために、大虐殺が行われたのかが物語を通じてわかるようになっており、共産国家になる前から腐敗していたこの国が、革命後更に悪化する様を興味深く、そして国をよくしようという試みがすべて悪い結果に繋がるこの国の様子を哀しい気持ちで読んだ。 下巻になると舞台はいきなり2025年という近未来に飛ぶ。そこでは、ゲームを通じてカンボジアを変えようとした二人の主人公の姿が描かれるが、上巻にあった緊迫感はなくなり、物語全体が矮小化したような印象を受け、結末も概ね予測できたため読み進めるのが苦痛になってしまった。 | ||||
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「クメール・ルージュ」の単語検索で「ゲームの王国」が出てきたので読みました。 下巻最後に記載されている「主要参考文献」のほとんどは、 私も過去に読んできました。 作者さんは「1986年」生まれなので、 ニュースで毎日のように「ポル・ポト派」の単語が流れ、 幼稚園児未満にさえも刷り込まれた世代の「後」になります。 幼心に「とんでもない事が起こって大人が騒いでいる」と、 不穏な空気を体感した事もないでしょう。 「クメール・ルージュ」等カンボジア内戦は、 「あくまで小説の主題のネタ」として中途半端に描かれます。 「外部者の日本人ごときが面白がって創作して、何を偉そうに」と 読み進めるうちに、実に白けた気持ちになりました。 若い日本人作家のフィクションSFは、 私にとっては「興味の対象外」でした。 | ||||
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本作の上巻にはSF要素は全くない。少しのマルケス風のマジック・リアリズム要素はある。70年代カンボジアのロン・ノル政権からポル・ポト政権当時のいくつかの家族の受難劇である。主人公の少年と少女はそれぞれの人生での重大な時点でたった2回しかすれ違うことはなかった。全体の印象は冒険小説であろうが、何しろ人民抹殺で有名なポル・ポト政権下での話だから、登場人物の死亡率もかなり高い。人物の行動を決定する動機が、えったったそれだけで、と思える点がいくつかあったが、シーンの描写力が高いので読ませてしまう力がある。大きな破綻もなく複雑なストーリーを一気に展開する。評者は引き込まれてグイグイ読んでしまった。 | ||||
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下巻は21世紀の現代カンボジアに舞台を移す。かつての少年と少女は大人になり、それぞれの人生を歩んでいる。SF的ガジェットとして、脳波と記憶、それからその応用としてのゲームが出てくるが、それ自体はよくある感じで、やはり人間関係のもつれが中心だろう。そういう意味では普通の小説で戸口は狭くない、ただ舞台がカンボジアだからその意味では読者を狭めているかもしれない。ますます気が変になっているソングマスターだった人物、土を食べて土地の生産性を予言するコンサル業で大儲けした人物、正義感でボッキするおかしなTV製作者の登場などのマジック・リアリズム風エピソードは秀逸。それなりに衝撃的な結末まで大いに読ませるが、SFとしての展開を求めすぎない方が良い、上巻の惹句で大森さんが言っているのはそういうことだろう。 | ||||
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以前、クメール・ルージュによって殺された人々の、骸骨が積み上がった村の虐殺現場に行った。 同族殺し、それは戦争の悲劇とはまた違って、カンボジアでは中高年は、その時代を語らないと言われていた。 生きているということは、殺したということだから。 舞台はカンボジア、時代はまさにクメール・ルージュが台頭してきた頃から始まり、そうか、この不条理さはSFが描いてきたそのものだったと思う間もなく、ぐいぐいと世界に引き込まれた。 SFには詳しくない。だが、人間の不条理を、この世界の混沌を描く中で、「ルール」が確固としてあるゲームに救いの光を見出すのと、この著者がSFという手段を見出したのは、必然だったのかもしれないと思った。 | ||||
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ゲームにはルールがある。ゲームに勝つためにはルールの枠内で相手を上回るか、自分たちがルールを支配すれば良い。では、鬼ごっこに勝つには相手を北極まで追いかけていけば良いのか。チェスの対戦相手を撃ち殺せば、勝ったことになるのか。他の全ての政治家が不正を行っている状況下で、選挙に勝つために不正を行うのは。相手を告発しないと自分が告発され殺される収容所国家で行われる虐殺に不作為を決め込むのは。 ややメタフィクショナルなテーマを、歴史小説、教養小説、魔術的リアリズム、ピカレスク、SF、ボーイ・ミーツ・ガールの要素をふんだんに盛り込んだ娯楽小説です。特に上巻のクメール・ルージュという史実を下敷きにしたムイタックとソリヤの成長物語は出色。下巻の脳波モニタリングによるゲームというアイデアも面白かった。上下2巻800ページ弱を、文章力で飽きずに一気に読ませてくれます。 | ||||
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上巻は、ポルポト時代のカンボジアが、それこそ”まるで見てきたように”生き生きと丁寧に表現され、このような苛烈な歴史を負った国をゲームに繋げてゆくことに興味も沸き、下巻を期待しておりましたが、ちょっと期待外れでした。 まず脳作用をゲームに応用する、またゲームを通じてプレーヤーの脳作用に意図的に影響を与えるというSFとしてはメインとなるテーマが、あまり説得性のある小説とはなっておりませんでした。 いかにファンタジーとはいえ、それらしき説得性は必要と思います。 次に終わり方が唐突で、「死」で全てを終わらせることに、作家の無責任さを些少ながら感じてしまいました。 | ||||
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