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シャイニング
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シャイニングの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.26pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全72件 41~60 3/4ページ
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映画で見てずーっと好きな作品だったのですが、 キングが映画化を気に入っていなかったという情報を得て 原作が読みたくなり手にとりました。 物語は、冒頭から不吉な予感に溢れ、 次から次へと読み進む さすがの展開。 暖かい部屋にいながら 窓の外に吹雪く雪、青と漆黒の夜、鮮やかに蘇る過去の亡霊、 真っ白の世界に鎮座するライオン、犬、うさぎたちの情景が 鮮やかに心に映し出されます。 映画をみた記憶が遠いので 原作とどこが違うのか、キングがどこを気に入らなかったのかは わからなかったけれど どちらも秀作だと思います。 今度は映画を借りてみてみたくなりました。 | ||||
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上巻はなかなか読み進まなかったが、下巻はいっきに読んでしまった。 うーん・・・。 「そっちに行ったら危ないのわかってるだろ!なんで行くんだよ!」って思うことたびたび・・・。 恐怖、ちょっとの間をおいてまた恐怖、という構成はすごい。確かに面白いのだが、次々起こる怪異に対し 「怖いけど、これをしかけてる怨霊ってあんまり頭よくない・・・何がしたいの??」という気がしてしまう。 そしてこの話の本当の主人公は「ボイラー」です。 とても重要なものでありながらたびたび忘れられ、無視され続けたボイラーが「俺を無視すんなああああ!」と最後にブチ切れる・・・そういう話だと思いました。 | ||||
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これおもしろいですかね? わたしは3人の誰にも感情移入できませんでした。特にアル中ぎみで気が狂っていく父親には。 それと植木の動物たちが動きだすところなど、ほとんど「ダルマさんが転んだ」で、喜劇かと。 子を持つ親としては、「ペットセメタリー」が同じ家族ものでも、悲しいくらい入り込めてお勧めします。 | ||||
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さすがはS・キングです。心理描写が上手い 序盤で妻が、夫と離婚しようか母に反抗するためこのまま関係を続けようと悩む描写は感心しました 息子のことで関係を続けようと決心するんですが、そのときに「私たち家族は結局のところ三位一体 もしその関係が壊れるとしたら内部から出なく外部からだろう」と書かれています。 とても家族愛溢れる言葉なのですがその後のことを思うと胸が裂ける思いでした。 それにしてもS・キングは理由のない化け物をよく書きますね このシャイニングのホテルもですが、IT グリーンマイル ミザリーなど どういう経緯で化け物となったのかわかりません そういった化け物を出すから怖さが引き出すんでしょうね。 逆にT.ハリスのハンニバルはなぜこのような怪物が生まれたのかライジングでしっかりわかりましたね(個人的にはしりたくなかったです) | ||||
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「シャイニング」は、映画から原作の順番だったので、原作を読んでいても ジャック・ニコルソン=ジャック・トランスというイメージが抜けきりませんでした。 映画の恐怖と、原作の恐怖は別物ですね。 映画は「ホテル」の影響により精神異常を起こしますが、原作は「ホテル」の意思により、 ジャックが獲りこまれます。 また、「輝き(シャイニング)」能力を持つダニーの「ホテル」に対する漠然とした恐怖と、 明確な恐怖な差といった、やはり活字ならではの恐怖(人間の空想力を刺激)は必読の価値ありですね。 映画自体にスティーブン・キングは酷評をしたそうですが、活字のパワーにはやはり勝てるものは無いので仕方ないでしょう。 私自身、2度3度と読んでいますが、この作品は読むたびに見えてくるイメージが違うのが面白いです。 成長と共に読むと良いですよ。 ただし、映画を観るとどうしても”あのシーン”ではジャック・ニコルソンの顔しか出てきませんけど。 | ||||
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ホテル景観荘という美しいながらも色々ないわくもあるホテルに 冬季休業中の管理人として住み込まざるを得なかった親子三人が 巻き込まれる幽霊屋敷ものです。 最終部の幽霊屋敷たるホテルがなす恐怖・悪意はこれぞスティーブン・キング という圧巻の出来です。ホラーの醍醐味といえる筆致で読者を圧倒してくれ、 ジェットコースター的な怖さでわくわくしてきます。 しかし、不満が少々あります。 まず、シャーリー・ジャクソンの『たたり(丘の屋敷)』を意識して それと変えたのか、恐怖の本質が心理的なものでなく、 専ら物理的な怖さに限定されているところが残念です。 それは、恐怖の本質がどこから来るのか全くわからなかった『たたり』 に比べると幽霊屋敷自体が正体だとわかっていることにより 視覚的な怖さに限定されたように思います。 次に、父親たるジャックがホテルに徐々に取り憑かれ、 遂には禁酒していた酒を口にすることによって、 完全にホテルに一体化してしまう心の動きが第三者視点で 話が進行していくために、感情移入しにくく あれだけ人間描写を書き連らねていたのに読者にはついていけなくなります。 最後に、タイトルにもなっている“輝き/シャイニング” と言われる超能力設定があまりにも無意味なことです。 ガンダムのニュータイプと言えばわかりやすいですが、 ホテルがダニーの“輝き”を取り込もうとしたことが一家が襲われた理由ですが、 ホテルはそれ以前にも怪奇現象のあるホテルですし、 最後の解決にも“輝き”はイマイチ関係無かったところが残念なところです。 | ||||
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思いおこせば、1979年にアメリカに住みはじめた頃、近所のスーパーマーケットのレジのところに、ベストセラーと銘うった黄色の表紙のペーパーバックがある。The Shining、タイトルの意味はまったくわかりませんでした。それで読み始めたのが、運のつき。読みきるのに、徹夜をしてしまいました。 映画版で、ストーリーは周知のことですので、あらためて詳細のご紹介はしません。ただ、売れない小説家である主人公が、コロラドにある Overlook ホテルで、一冬を管理人として家族ともども過ごすアルバイトをする。ホテルに巣食う魑魅魍魎がとりついたのか、主人公はだんだん狂気の世界へ。このあたりの描写が鬼気迫る。 Shining というのは、実は主人公の息子である少年が持っていた能力。ある種の予知能力で、Redrum と書く。それが鏡に写って反転して見えたとき。惨劇の予感である。 著者は、Stanley Kubrick 版の映画にあまり満足したかったといいます。しかし、Kubrick 版は、それはそれで名作。Jack Nicholson 以外の適役はいないですし、広角レンズの多用やら、白と赤をベースにした色彩感覚。 繰り返し申し上げますが、本書は Stepen King ファンになる記念的著作でした。 | ||||
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映画とは、設定を除けば雰囲気も内容もだいぶ違います。 主人公の少年の気持ちを思うと、最期は本当に涙が出そうになりました。 キューブリックの映画は映画で嫌いではないのですが、まったく別物として楽しめました。 | ||||
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キングは家族の崩壊(脅威にさらされる子ども)を描いた作品が少なくないです。 本作品の主人公である少年ダニーの両親も離婚の危機にあります。 そして本作では山と雪に閉ざされたホテルで家族三人が孤立する。そのホテルには邪悪な存在が受け継がれており, ほんの六歳の少年ダニーにとって耐え難くつらい出来事に直面する。 ダニーの父親は,その邪悪な存在によって,次第に狂気に取り憑かれていく。 しかし,少年にとってどんな父親であろうと,やはり愛する父親なのだ。 黒人のコック,ハローランは言う。「世の中ってのはむごいところなのさ。世の中にはつらいことが山ほどあるが, どうしてそういうことが起こるのか誰にも説明できないんだ。」 神は残酷である。これはキング作品に共通するテーマです。 本作品は,本当に怖い。 幽霊屋敷ものとしても本当に怖いが,愛する家族が狂気に取り憑かれ,家族が崩壊していく様は最も怖いことです。 さて,本作に登場した黒人コックのハローランは,その後「IT」にも登場します。 「IT」では子どもたちの純粋な恐怖とともに,その解決が描かれており,初期キング作品の集大成と言われています。 こちらもお奨めします。 | ||||
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この作品を読む人の半分かそれ以上が映画から入ってるような気がするがどうだろうか。 キューブリック作品は映像や内容、俳優の怪演で非常に記憶に残る作品だった。 しかし、キングはこの映画が好きではなかったと聞く。 本と映画はまったく別物といえるかもしれない。 コアの内容は同じだけれども、小説の結末や、とくにクライマックスのあたりなど映画と全く違うことに容易に気づくだろう。 どちらがいいか、という議論になるといつまでたっても結論は出ないだろう。 はっきり言って別の作品なのだから。 ちなみに私はどちらも好きである。 小説の方はやはりキング、主人公の心理の微妙な移り変わりを非常に絶妙に書きあげている。 最後のクライマックスといも言える場面はあまりにもグロテスクでなかなか読み終えることができなかった。。 電車で読むときは気をつけた方がいいかもしれない。私は気分が何度も悪くなった。。 それくらい強烈な作品。 | ||||
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おそらく皆はジャック・ニコルソン扮するジャックを想像するのだろうが、 原作を読み終わるとジャックの印象が180度変わる。 ドラマ版は忠実に再現されているので見てほしい。 ジャックとダニーの最後のやり取りは涙無しでは語れない。 さてキング氏の小説家としてのトンデモナイ技術についてだが、 語ると長くなるので要約すると、 @登場人物が非常に少ない中で物凄い掘り下げる A基本的に1人称の書き方なのだが、それぞれがきちんと個性を持っていて非常に深く心理描写を丁寧に表現出来ている 常人の人間の想像の域を遥かに超えた技術である。 こんな小説は5〜6人が集まって話し合わなければ不可能だと思う。 なんで書けるの? 本当に不思議だ。 彼の頭の中には筋道がきちんと出来ていて、その上で個々の登場人物を究極的に掘り下げるので信じられないのだ。 他の凡庸な小説家の作品を見れば分かるが、みんな途中で飽きて新たに登場人物を登場させたりするものなのだ。 そうでもなければ、連載は本当に厳しいのだ。 とにかく凄い、凄過ぎる。 英文の原作を読むことを強く勧める。 訳があまり良くないので星マイナス1 | ||||
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「シャイニング」はモダンホラー好きな読者なら、 モダンホラーの最高傑作だと一致する作品だ。 あらためて読み直してみると、 上巻は、主人公ジャックとその家族の状況、内面が丁寧に描かれて行く。 怪異は未だおこらない。 ジャックのアルコール依存とかんしゃくがこれでもかと描かれ、 家族が袋小路に入り込んで、出口なしの状況にはまり込んで行く姿を描き込んでいる。 ジャックのかんしゃくの描写が素晴らしい。 自尊心と尊大さ、焦燥感、繊細さ、家族への愛が混在するジャックの内面が、 孤高のホテル「オーバールック」にて、 どんどん狂気へと変化しつつある様子が怖い。 何も起こっていないが事件の予感を感じさせる。 そしてご存知の下巻。 雪に閉ざされた忌まわしいホテルは怪異のジェットコースターとなるのだ。 | ||||
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キューブリックの「シャイニング」を見たときは、親父が子供を追っかけ回しているだけの訳の分からないものでがっかりした覚えがあります.キャリーもそうですが、映画が話題の割に面白くないとつい原作にも手が伸びない。とてももったいない気がします.雪に閉ざされたホテルでおこる怪異現象と、徐々に飲み込まれていく家族。そして、映画ではわからなかったダニーの持つ力の意味、シャイニングの意味が原作を読みやっと理解できました.現実か妄想か、正気か狂気かの狭間で苦悩するジャック。とくにアルコール依存症で幻視経験のある彼には精神の変調を来すに十分な環境、ストレスがあったと思います.このような人物の心理描写が映画ではまったくなく、上辺だけを追いかけているのでまったく面白くありません.話題になった映画があれば、まず原作から入ること、これが原則です. | ||||
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映画の方は30年近く前の初上映のときから、かれこれ5回くらい観ましたが、今回(やっと!)初めて原作を読みました。やはり素晴らしい作品でした。 ただ星5とならなかった理由は(※あくまで私的に映画と比較してですが) ・ラストの謎めいた感。 ・ゴーストをあまり前面に出さなかった点。 ・残酷さ。(ハローランの救出の場面等)← オレが残酷なのかなぁ ・三人それぞれホテル(ゴースト)から見た「立場」を完全に分けた点。 (ゴーストに利用される人間・ゴーストが見えるのにそれをどうすることもできない人間・フツウの人間) に限ってはスタンリーキューブリックの方が上(というより恐い表現)だと思いました。それに映画はゴーストの存在がダニーの幻想やイメージ的な表現が主でしたが、原作はホテル(ゴースト)が前面に出ていてかなり強力です。その辺りを比較しながら読むのもおもしろいかなと。 しかし全編にわたる内容そのものでいえば完全に原作の方が◎。読み応えありでページを捲る手が止まらなくなります。特にジャックの言動や行動の日々の変化、そしてホテルの過去の事情がわかってくるシーン(コレは映画には全くないので)は相当恐いです。個人的には、そのことでアルマンに電話するシーンが恐かったな。 ラストシーンは映画と全く違うので、もし読んでない方はお楽しみに! 私も他の方々が書かれているとおり、映画も原作も両方とも好です。 それより原作をとことん忠実に再現した(現在の技術ならぜ〜んぜん可能なので) ジャック = ジョニーデップあたりでリメイクされないかなぁ・・ と期待。 | ||||
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映画を見た後、原作を読みたくなって手にしてみました。 個人的にはどちらも好きです。手に汗を握らされました。 主人公の父親を生垣動物たちが追跡するシーンが、いちばんドキドキでした。 こどもの頃遊んだ「だるまさんが転んだ」を思い出してしまいました。 唯一気に入らないのが、息子ダニーが例の魔の客室で女性の腐乱死体に襲われたその晩に、 両親がセックスをする場面。 いくら夫婦でも、息子がわけのわからない魔物に襲われてやっとのことで逃げ帰り、恐ろしさのあまり寝込んでいるというのに よくそういう気になれるものだなあと・・・ 国民性の違い??? | ||||
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キューブリック版の映画と比較すると、映画はサイコスリラー、小説はホラーという感じを持ちました。小説で一番怖いとされる場面(興を削ぐので書きませんが)も確か映画にはなかったと思うけど、これは多分当時の映像技術ではまだ再現できなかったか、予算の問題かもしれません。映画版の脚本を担当したダイアン・ジョンソンという作家が心理サスペンス風の小説を書いているので、もしかしたら全体の雰囲気を禍々しくする為、サイコスリラー風にする為の起用だったのかも(因みにこの人はダシール・ハメットの伝記も書いてます)。以上は私の勝手な憶測ですが、ひょっとしたら間違ってないかもしれないし、全然的外れかもしれません。暇な人は私見たく比較してみたらと思います。個人的には映画も小説も両方共すきですが。 | ||||
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映画「シャイニング」はとにかく怖かった。それもそのはず、スタンリー・キューブリックは、観客を怖がらす事にのみ焦点を当てたのである。 それに、スティーブン・キングは反発した。 彼の小説を読めば、それが理解できる。キューブリックの映画では、結末に何の希望もなかったが、小説では狂気に陥った父にも、残された母と息子にも、すべての人に希望が残されているのだから。後に、キングは自分でメガホンを取り、忠実にシャイニングを映像化した。 キングの小説には、常に希望が根底にあり、善と悪、そして人間の本質が恐ろしいほど、冷静に描きだされている。 そして、この小説はまさに、その代表的作品といえる。 この作品のラストは、キング作品の中でも突出して美しく、悲しいほど静謐である。 | ||||
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人が狂気に走る過程を、こんなにも緻密な描写で文章にする人がいるなんて。 私は、見える人です。 ときどき、この世に存在しないものが見えたりします。 そのときの描写、自分の気持ちが暗い方へをひきずられる感じ。 キングは、きっと見える人なんだろうと感じたりしました。 それくらいに、私が現実に感じることがこの本には書かれていました。 キングが酷評した映画「シャイニング」も、そのあとに原作通りに作られた「シャイニング」もみましたが、ぜひ、原作で楽しんでいただきたいです。 | ||||
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私事ですが、インフルエンザを患いまして病床で読んでいました。 以前にテレビドラマで前後編に分かれて放送されていて(悪評高い映画版とは別ですよ)、原作を読んでみたいと思いながらなかなか読む機会がなかったのでこれを機に読みました。 深い雪に閉ざされた山の中にそびえるシーズンオフの由緒あるリゾートホテルが舞台です。 ここに元教師の主人公が妻、不思議な直観力(この作品では「かがやき」と表現されます)を持つ幼い子供と一緒に一冬だけの管理人としてやってきます。 外界との接触を絶たれたこのホテルをほとんど自分たちの好きなように使っていいというのは一見、「大きな森の小さな家」のように暖炉を囲んで家族団欒楽しく・・・というイメージが湧きますが、キングの小説ではこれもまたホラーです。 先ずこの「由緒あるホテル」がこわい!長い歴史を通して建物自体が息づいています。エレベーターや帳簿の山などの目に見えるものだけでなく、何か別のモノも存在しているのです。 そしてホテルにやってきた一家が少しずつ崩壊していく過程、これもこわい!アルコール依存症の過去を持つ主人公が正気を失っていく様子、「かがやき」を持つ子供が体験する恐怖、2人を見守る妻の精神状態。 派手さはない、じんわりとした恐怖の描写についついページをめくってしまいました。 腰を落ち着けて、誰にも邪魔されずに読みたい作品です。 そういった意味で病床で読めたことは幸せだったかもしれません。 下巻も、上巻を超える面白さです。というよりも最初から最後までページの飛ばし読みなんてしなくていい贅沢な作品でした。 | ||||
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S.キングは現在の"ホラー小説"というジャンルを一人で創ってしまった人で、後進の同業者に多大の貢献をした。私は元々本格志向なので、ホラー小説の類はあまり読まないのだが、さすがにS.キングのものはある程度目を通していた。本作は映画(鬼才キューブリックにしては、J.ニコルソンの怪演が目立つだけの凡作)も観た。本作は国内外で評価が高く、作者の最高傑作という人も多い。 作者の出世作「キャリー」も映画では観ているが、後の作品同様、宗教に関する知識がないと真の理解は難しい気がした(作者はキャリーの初潮の様子をどうやって書いて良いのか分からず、奥さんに尋ねたというのは有名な話)。 本作は売れない作家が執筆に専念するため、冬の間閉鎖されるホテルの管理人として妻と息子と一緒に住み込むところから始まる。題名の「シャイニング」は近未来を予知する能力のことで、息子はこの能力を持つ。しかし、そのホテルは昔惨劇があったらしい呪いのホテルで、作家は次第にホテルの魔力に取り憑かれ、狂気の世界に引きずり込まれる。 そして、妻と息子の命を奪おうとするのだが...。 こうして書くとゴシック・ホラーの域を一歩も出ていないことが分かる。最後で少し捻りがあるのだが、どうということもない。本作を「ゴシック・ホラー」を現代風にアレンジした傑作という人がいる(多い)が、私はそれに与しない。確かにS.キングの筆力はたいしたもので、読者を引っ張る力は凄いし、「書けない作家」というのは作者自身にも身につまされる(読者にとっては面白い)話題であろう。だが、それだけなのである。 もう一つの不満は、何故息子が「シャイニング」の力を持っている必要性があったかという点だ。私は呪いのホテルに対抗して、息子の能力が増大し、逆にホテルを崩壊させるというような展開を期待していた(「ドラゴンボール」のようだが)。「シャイング」に関わるエピソードは最後に申し訳程度に出てくるだけで、存在理由が不可解である。 ゴシックの様式美と、書けない作家の狂気とが交錯し損ねた作品。 | ||||
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