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長い長い殺人
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長い長い殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.97pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全78件 41~60 3/4ページ
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財布がストーリーを語るというスタイルがとても斬新。財布に目があり耳があるから自分の主人の様子をよく理解している。一緒に友達?(警察手帳とか)がそばにいたり主人のそとから放り出されたりいろいろな場面がユニークで面白い。 10人以上の財布が語る話は全て関連していて連続保険金殺人に何らかの形で関わる人たちとその周りの人たちにスポットライトをあてることで少しずつ入り組んだ事件を解き明かしていくという流れだ。 レーモンクノーの本で「文体練習」という作品を読んだが、この作品もそれに似たものがある。財布や持ち主によって文体が男口調だったり女だったり、また主人に対する言葉遣いも変わるので小説技術としてもとても面白い。 難を言えば登場人物が多すぎてちょっと混乱しそうになることだけれどギリギリのところでうまくまとめてあると思う。「長い長い〜」が、長すぎないところで終わってくれている。 これも宮部みゆきの代表作といっていいのではないだろうか。 | ||||
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財布が主人公という変わった設定ですが、お話の進み方は多数の登場人物が ある事件に様々な形で巻き込まれながら、ある者は気づき、ある者は追い、 ある者は犠牲になりと進み、各々のストーリーが最終的に収束に向かう、 という定型のものです。登場人物が多い分、それぞれのお話が少し散漫で、 特に「少年」と「探偵」には、もう少し重要な役目が欲しかったな、 と私は思いました。 財布ならでは語れることと、財布ならでは語れないことがあるところが、 面白みのひとつでしょうか。 ただ、自分にとってこの作品は完全に1箇所にスポットが当たっていて、 それは「探偵の財布」の最後の台詞です。こういう短く普通の台詞に厳しさとか、 悔しさとか、決意とか、様々なものを込めるのが、宮部さんは実に上手いな と思います。グッときて、涙が出そうでした。 | ||||
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さすが天才、宮部みゆきさんらしい作品。 事件関係者の行動が、擬人化された財布から語られることで浮き彫りになっていく。 特に感動するのがその語り口。 登場人物の所有物らしき目線と語りは引き込まれる。 | ||||
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独自の視点で事件が描かれているがとても読みやすい。というのが正直な感想である。事件の内容は、いたって普通なような・・・。 | ||||
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読み始めは期待していったのだが・・・ 尻すぼみにがっかりしてしまうのが残念・・ | ||||
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多くのレビュアーさんが書いておられるように、さまざまな登場人物の財布たちが語る11のストーリーが連なり、全体として1つの話を構成している。 私は「財布の視点」ということに驚き、そんな特殊な設定で無理なく展開していくのは、さすがに宮部みゆきだなあと感じました。 なかなか楽しめる良質のミステリーと思います。 | ||||
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語り部は登場人物の財布。 ある事件に巻き込まれた10人が持つ財布の視点から語られる 10篇の物語が次第に繋がっていき、人間模様と事件の真相が描かれていきます。 財布の視点というのが新鮮で一気に読んでしまいました。 | ||||
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財布が語るという設定自体は面白かったが、 財布のキャラクター設定は鬱陶しかった。 複数の視点から見た一つの(殺されたのは複数人)殺人事件だが、 各章が無理矢理くっついている印象を受けた。 特に犯人の設定が飛躍していて、自分にはついていけなかった。 一気に読んでしまったが、最後のあたりは萎えた。 | ||||
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財布が語るという設定自体は面白かったが、 財布のキャラクター設定は鬱陶しかった。 複数の視点から見た一つの(殺されたのは複数人)殺人事件だが、 各章が無理矢理くっついている印象を受けた。 特に犯人の設定が飛躍していて、自分にはついていけなかった。 一気に読んでしまったが、最後のあたりは萎えた。 | ||||
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財布が語り手となり、連続保険金殺人事件の顛末を語る連作短篇的構成の作品。 一〇個の財布が、それぞれの持ち主との付かず離れずな独特の距離感のもと、 持ち主の行動を観察し、内面に寄り添うことで、彼らの想いを代弁していきます。 「朱に染まれば赤くなる」という慣用句ではないですが、一〇個の財布それぞれに 持ち主に対応した性格付けがなされており、このあたり、さすがに芸が細かいです。 また、財布の「視点」による語りといっても、財布はたいてい服のポケットや バックに入れられているため、「視覚」が封じられている状況が多いです。 そのため、読者は作中でなにが行われているかを十全に把握できず、 不安や恐怖が煽られ、いやが上にも臨場感を高められてしまうのです。 これは、視点の限定というハンデを逆手にとった著者の巧緻な演出といえます。 一方、事件の背景に目を向けると、マスコミが事件を扇情的に報道し、大衆が それを娯楽として無責任に消費するという構図、そして、虚栄心が強く、他者に 対する共感や想像力を持てない犯人像、というのは今でこそ、ありきたりと 感じますが、そんなありかたが一般化してしまった現代に虚しさも覚えます。 | ||||
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読みごたえはあったけど、一方では殺人の理由が理解できたが、 もう一方では殺人の理由を理解できなかった。 それぞれの財布から見た様子は、最初の内は「何だコレって感じ だったけど、読んでいく内に引きこまれていった。 | ||||
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携帯時代以前に、誰もが所持している財布を人物化し、殺人事件の関係者の視点から殺人事件のストリーを展開させている。さすが宮部ワールドという感じがする。 但し、その分殺人事件のストーリーの深みがないと言わざるを得ない。 現代では財布ではなく携帯電話でしょうか? | ||||
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財布が語っていく構成は、斬新。 宮部氏の作品には、結構、こういう、「直接的には 読者には、みせないで、語りで想像力をかきたてる」という、 手法があって、そこが一層、好奇心をかきたてられて、どんどん読んでいく うちに・・という、カタルシス的構成が、結構、利いている。 登場人物の心の「ひだ」を、ときどき、ドキッとさせる語り口調、 台詞で、思わず、涙が出そうなくらい(だけど、ぐっとこらえて読み進める) なシーンが、今回も、随所に。 最後の「落ち」は、論理的な本格推理を期待すると、少々肩透かし ですが、後の社会派的な作品「理由」「火車」「模倣犯」を考えると、 こういう展開も「あり」かもしれません。 とにかく、最初は「財布がしゃべる?」と、とまどいぎみに読み始める のですが、そのうち、気にならなくなり、そして、まったく、そんな 設定を忘れてしまうラスト。ぐいぐいと引っ張っていき、徹夜覚悟な 佳作です。人物関係がワタシには、ちょっとわかりにくかったかな。 | ||||
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10個の財布が話を語り継ぐと言う、面白い設定の作品になっています。 その「目」のない語り手、行動できない語り手という制約での話の展開で、非常に面白く、一気に読むことが出来ました。 作者の上手さは、そうした特殊な設定の中で、財布とその持ち主の関係、最初から犯人が解っているようで、なかなか真実に迫れない、そうしたいらいらのようなものを読者に感じさせながら、どんどん読ませてくれます。しかも、ちゃんと社会問題を捉えた作品になっています。 もう少し推理小説らしい作品になっていれば、もっと良かったと思うのですが・・・。 | ||||
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殺人犯はもちろん、その共犯者の動機が意外。よく現実に照らして考えてみると、こういうことってあるかもしれない。自分にだって、この犯人たちのような側面を持っていないとは言い切れない。だから恐いと思う。 基本的に財布の視点から物語が進む為か、何となく淡々としている気がする。 | ||||
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様々な人間が主人公となり、やがてひとつの物語へと繋がっていく、という手法は珍しいものではない。 だが辻褄を合わせたり、物語の関連性を見つけられずヤキモキする前半部分も読者を飽きさせない作者の手腕が必要となる。 それを宮部氏は見事にやってのけた。しかも「財布」という複数の主人公を使って。 人間とたいていいつでも一緒に行動する「財布」に目をつけたのもさすがだが、その財布に個性を持たせ、語らせ、ひとつの事件の真相を導いていった手腕はさすがだと思う。 後半部分は坂道を駆けていくように1ページごとの展開の先が気になって仕方なくなる。 文章に変な癖もない作家なので、誰でも気軽にこの奇妙な「財布劇場」にのめりこむことができると思う。 | ||||
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前半はやや間延びした感じと、関連の少ない独立した話の連続でしんどかったのですが 犯人の全貌が明らかにされる中盤から後半にかけて、ぐっと面白くなってきました。 しかも独立していた話が最後につながっていくのは、宮部みゆきさんお得意の展開。 最後まで楽しめました。宮部ファンならば、一読の価値ありだと思います。 | ||||
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ご存知のとおり、表紙のとおり”財布”がキーワードになってる。財布の視点だね。ありえないシチュエーションであるにしてもそこは宮部氏と言うことかそれはそれでまとめている。でもそれでも難しい。無理があると言うのが感想。感心はすれどそこに感情移入が出来ないのは財布のせいかも知れない。まとめてはいるがまとまっているとは思わない作品だった。最近宮部作品を連続で読んでるから作風に飽きてしまっているのかもしれない。当分見るのを控えよう。良かったら私のHPもご覧になってください。 | ||||
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ある深夜、人気の無い路地で起こった轢き逃げ事件。そこから次々と発生する事件。そして、その中心にいて、世間の注目を浴びる黒い噂に包まれた男女…。この作品、まず注目をされるのはその内容云々ではなくて、語り部が財布である、ということになると思う。宮部氏はデビュー作『パーフェクト・ブルー』で犬を語り部とした作品を書いているわけだが、確かに前代未聞の形式だと思う。また、語り部である財布自身は真相を知っているんだけれども、それを持ち主に伝えられないもどかしさ、みたいな面白さもある。ただ、この作品の良さは、「語り部が財布」というある種の一発ネタに依存しているところではない点だと思う。人間のプライドとか、そういう部分が犯罪に繋がりかねない危うさだとか、そういうものがキッチリと描かれている部分も上手いと思う。ところでこの作品、基本的には事件の周囲にいる人間(の財布)が、その立場で見聞きしたことを語る…という形を取っている。そして、それがぐるりとまわって真相へ…となるわけである。この形、この作品の後に書かれ、直木賞を受賞した『理由』そっくりに思えてならなかった。勿論、作品そのものも面白いのだが、それとは全く別個の部分でも私は面白さを感じた。 | ||||
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例によって、やはり1日で読んでしまいました。宮部小説恐るべし。2日後に移動の電車で読むから、一気に読まないでおこう、と思っていても、その2日後までにまた新しい小説を買わなければならない、お財布にダメージ大な作家さんだと思っています。(もちろんほめ言葉です)さて、この小説はそのお財布が語る、という作風だというのは上記のとおりですが、面白い!上着のポケットやバッグの中などにしまわれ、持ち主と誰かの会話を聞くことしか出来ない財布。しまわれている以上、持ち主がどこにいるのかすら分かりません。描写や説明を必要とする小説にとって、ネックになってもいいようなこの設定が非常によく活きています。宮部さんの作品は「どうだ、驚いたか!」的な驚くべきトリックはありませんが、それが逆に心地よい。その台詞1つとっても、優しくて、だからこそ多くの人を虜にするのだと思います。 | ||||
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