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失われた地図
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失われた地図の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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いかにも恩田さんらしい、つまりいい点もいまひとつの点も共に凝縮されたような作品だと思いました。恩田さんは、まず印象的なスタート、謎めいた状況とどんどん膨れ上がる不穏な雰囲気で読者を魅了し、作品に引き込むのがとてもうまい作家さんです。が、それは逆にいうと最初は詳細な説明がほとんどないままに話が進むということで、読者も懸命にその状況を推測しながら読み込んでいかないといけません。 この小説も、まず女性1人、男性2人が登場し、この世に突然裂け目ができて、そこから”グンカ”なるものがわらわらとわいてきます。それはどうも軍服を着たゾンビのような木偶のようなものらしいですが、それがなぜわいてくるのか、わいてきてこの世に大量に入り込んだらいったいどうなるのかなどはほとんど説明されません。 そしてそれはどうやら一般人にはまったく見えなくて、彼ら一族だけに見えるらしい、彼らにはそのほころびを縫って閉じ、やつらを封じ込める特殊な能力があり、その役目を代々ずっと担ってきたのだということがわかってきます。 それとあわせて、その女性と男性はかつて結婚していて、息子が1人いるということが明かされます。仲が良くまだ愛情も残っているようなのにどうして彼らは別れなくてはならなかったのか?それがわかるのは作品の最後近くなってからです。 ”グンカ”だから、漢字を当てはめるとしたら”軍禍”なのかな・・と考えました。過去の妄執から湧き出す災い=禍だとこの漢字がぴったりかな、と。 ただ、いろいろと釈然としないことも多く、たとえばその”グンカ”は一般人にはその存在が見えなくて察知もできず、特に人を殺傷するわけでもないようで、だったらいったい具体的にどんな害があるのかが明らかにされないので、それも茫漠とした印象を持ってしまう一因かもしれません。 女性が再婚したのはどうやら大臣らしいのですが、これも何か意味があるのか?「常野物語」のように特殊能力を持つ一族の物語として、続いていくのでしょうか? また、”人間もどき”をテーマにした異様な雰囲気が強烈だった「月の裏側」とも少し似ています。恩田ファンとしてはさらに世界を拡大した続編をお願いしたいです。 最後に苦言をひとつ。このいかにも禍々しい”グンカ”が象徴的に持っているのが旭日旗であるとわざわざ記述してあるのはどんなものでしょう。特に韓国が過去の軍国主義の象徴として事あるごとにつるし上げていますが、これは現在、日本を守ってくれている陸上自衛隊、海上自衛隊の正式な旗です。それを恩田さんはまさかご存知ではありませんか? この作品が海外に翻訳されているかどうかはわかりませんが、同じ日本人が他国の誤解を助長するような記述はどうかと思ってしまいました。 | ||||
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この連作集は残念ながらあまり感心しなかった。初めから設定を明かさず、連作の最後になってようやくこの元夫婦が別れねばならなかった事情がわかるのだけど、エンタメ作として書き方が良くなかったと思う。この作品の根幹に関わる部分だけに、初めから明かすべきだったのではないだろうか。さらに致命的に感じたのはキャラクターの魅力が乏しく、印象に残らなかったこと。夫の方は奇妙な髪型なのでまだしも、妻の方が全く容姿が浮かばないのはいかがなものか。一番強烈な印象だったのが、脇役である大阪のカオルではちょっと寂しい。あと「グンカ」は軍靴を連想したが、結局よくわからずモヤモヤがあり、メンタメ作としては不満が残る。文学寄りの作品ではないのだから、もっと明快にわかり易く書いて欲しかった。 | ||||
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恩田さんの作品は、私の中ではものすごく面白いと思う作品と、まったく感情移入ができずに文字が目に映り過ぎ去っていくだけの作品と二通りあります。この作品は後者。どうも場面が頭の中に像を結ばない。これを読んで面白いと評価する人もいるのかも知れないけれど、自分にはそう感じる能力が備わっていないようです。 | ||||
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初めてこの人の本を読みましたが、設定がわかりません。。 読んでても何か進展するわけでもないし、ファンタジーみたいな設定なのに 全然スリルもありません。よくわかりません。 この人の作品はもう読みません。 | ||||
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何故、不思議な能力を持っているのか? 何故、戦うのか? ピンチに助けてくれるものは何か? 息子は何者か? などミステリー要素が幾つかありますが、どれも読者を引っ張るほど魅力的ではないと思います。 グンカのいうモンスターは恐らくネトウヨなどの右翼のことを表現しているのだと思いますが、それに旭日旗を持たせて木偶と称して、プチプチに例えて殺していく描写などは思想が左に傾いていて読んでいて気分の良いものではありません。 どうして作家というのは、中立ではなく左側に立ってしまうのか理解に苦しみます。 | ||||
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どうしちゃったの?という位につまらないです。 何が言いたいのかも分からないですし、ストーリー展開も何もかもダメで、最初から最後まで引き込まれませんでした。 同じ時間を使うなら、他の本を読むことをお勧めします。 | ||||
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いかにも恩田陸さんの描く世界という作品。 なんの前触れもなく魅力的な登場人物と不穏な設定で、世界に放り込み、ゾクゾクするほどの展開で読ませ、「えっ?」と思うくらいにスパッと読者を投げ捨てる。 その世界の切り取り方が好きな人には好きだろうし、読者は著者の切り取った世界しか覗くことができないんだと思うとちょっと悔しさを感じます。 私は恩田陸さんの作品のこの投げっぱなし感を「足りない」と思うのですが、恩田陸さんは「足りている」として作品として仕上げているはずなので、その差を埋められないのは作品を読み取る、感じる力が「足りない」と思うしかないのかなと思います。 物語は恩田さんがかつて描いた常野物語のシリーズに近い雰囲気。「グンカ」があふれ出る裂け目を縫い封じ込める力を持つ男と仲間の活動を描きながら、それぞれの地や現代の不穏な感覚を物語に込めているように思えます。 続きが読みたいと思う一方で、出ないんだろうなぁという諦めもあったり…… 町の夜景に古地図を白く描いた透明なカバーでかぶせる装丁は大好きです。 | ||||
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「蜜蜂と遠雷」とは、180度違う恩田陸らしい1作。 ファンタジーというか、おとぎ話というか、ゲーム脚本というか、そんな感じ。 まだまだ、話は始まったばかりで、これで終結では、なんとも悲しい。 話としては、これから、続、続々があってほしい。 主人公たち一族の姿が、まだまだ描かれるのを楽しみにしたい。 装丁がいい。 とてもいい。 | ||||
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直木賞受賞作の 蜜蜂と遠雷 に著作のエネルギーを集中してしまって、こっちはついでという感じの内容。 結構努力して最後まで読んだけどえらく疲労感が残った。 正直言って著者は自身の思い入れほどには超能力系や非現実の話は上手くない、というより筆致と思い入れにギャップがあると感じる。上滑りしてて、読んでいて痛々しい。 チョコレートコスモスや蜜蜂と遠雷みたいな少女漫画にでもなりそうな(あるいは少女漫画から影響を受けた)作品のほうが無理なく読める。 | ||||
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直木賞受賞作を読んですぐにこれに手を出すとがっかりするでしょう。 が、私は「恩田さんらしいな」と思いました。この話をまとめる気が無い感じが。 足りないピースは自分で勝手に想像して楽しむしかないです。 最後のエピソードは常野物語のエンド・ゲームを思い出しました。 私はこのようなダークサイドの恩田作品の方が好きですが、 たしかにあまりに淡泊な内容だったのでいずれ加筆修正されることを期待しています。 星2つはファンとしてではなく客観的な読者としての評価です。 ちなみに私が唯一途中で読むのをやめたのは「雪月花黙示録」です。 | ||||
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蜜蜂と遠雷を書いた同じ作者の作品とは思えない、途中で読むのをやめました。どこまで読んでもつまらないので。 | ||||
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内容がほとんどない。時間、お金の無駄。この作家の才能は涸れて清終わったか | ||||
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どっちかというと「序章」な感じ。「古よりの宿命と役割持担った」の恩田氏お得意の系統。 楽しく読んだ。 読後感は、親が「畏怖」を感じる子を持ったら、親は大変だろうなあ。です。 | ||||
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直木賞受賞後第一作なので期待していたが、見事に裏切られた。訳の分からないまがい物との格闘が、場所を変えて、繰り返される。全然面白くもないので、途中で読むのを止めた。買うと絶対損なので、図書館で借りるに限る。 | ||||
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恩田ワールド全開な作品だ。 恩田陸のこうゆうSF作品が好きだ。 ただ、『常野物語』シリーズ、『ネクロポリス』、『夜の底は柔らかな幻』等似たようなジャンルのものに比べると内容に劣る。 他の作品は舞台設定を緻密な描写から想像することができるが、この作品の世界観は大雑把なような気がした。 しかし、最近の恩田陸のSFミステリものはぶっ飛んでいてついていけなかった。 この作品は自分の中では復活してきた感じがある。 シリーズ化しそうな内容なので期待したい。 | ||||
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恩田陸の直木賞受賞後、待望の第一作。 見えない悪意と人知れず戦う一族の物語。 SF格闘+紀行モノ+ミリタリーの三本柱の作品。 テーマが盛り沢山なぶん、個々の要素にもうちょっと踏み込んで欲しかった感が残る。 同著者でも、テーマに絞った下記作品の方が、読み応えがあったと感じる。 SF能力モノ『光の帝国』 ミリタリー『ねじの回転』 また、直木賞を機に『蜜蜂と遠雷』から恩田陸を読み始めた読者には、 本作よりまず、同じコンクールものの『チョコレートコスモス』を薦めたい。 取っつきやすい作品から入り込んだ恩田陸ファンが増えることを祈る。 とはいうもの、ストーリー展開以上に、 文章表現や情景描写を味わうことを楽しむ恩田陸信者としては、魅力にあふれた納得の一作。 | ||||
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…なのではあるが、直木賞を受賞した「蜜蜂と遠雷」とは、 180度というくらいジャンルが異なり、こちらも彼女の得意とする一つ 不穏な雰囲気を常に纏う暗い雰囲気が特徴的。 現代日本を舞台にした異形のものとの戦いをテーマとした全6編の連作短編小説。 恩田陸女史を良く知る読者なら、遠野シリーズ、特に「エンド・ゲーム」を思い浮かべられる内容。 というよりも、いつ遠野シリーズとの関わりが描かれるのかと追っていたが、 最後まで明示されることはなかった。 現代ファンタジーであるが、舞台が上野、川崎、呉、大阪、六本木と各地を回り、 その土地土地の描写はさながら紀行小説のようで、 「まひるの月を追いかけて」を連想させる。 とりわけ、上野そして花見に関する知性に基づいた多彩な表現は、 さすが!恩田陸!と思わせる描写で、こういう誰もが思う表現を文字に出来ることが、 唯一無二の才能なんだよなあと改めて思わされた。 ちなみに、本作は良く言えば不思議な、広がりのある読後感、 悪く言えば、こちらも彼女には良くある、ワールド全開の終わり方。 いずれにしても、受賞後一作目にこれをもってきたKADOKAWAには敬意を表したい。 帯や文句には「直木賞受賞第一作! “恩田ワールド”全開のエンターテインメント長編」 …うん、これ以上無い、適切な表現ですよ笑 「桜という花もうっとうしい。いつ咲くか、まだ咲かないか、咲き始めたか、いつ満開か、もう散り始めたか、まだ散らないか、ああ散っちゃった、と 視界の隅にあの薄ピンク色の花が目に入ったとたん、誰もが浮き足立ってさまざまな脅迫観念に駆られる。」(78ページより) | ||||
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ある異形のものから現代を守るために奔走する一族の男女、遼平・鮎観が主人公です。 登場人物は他にもいますが限られていて、一話完結の連作のような流れなので読みやすいです。 ストーリーや会話文もテンポ良く、遼平の小ボケに笑みがこぼれます。 第六話では二人の間にある不安と恐怖が語られ終盤に向かいます。 心に不思議な余韻を残す終わり方は先生らしい終わり方かと。 読後にも想像して楽しめます。 | ||||
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