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竜を駆る種族
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竜を駆る種族の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.33pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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「竜を駆る種族」は1963年ヒューゴー賞(短編部門)を受けたヴァンスの代表作。実際は短編でなく中編であるが、ヒューゴー賞中編部門が新設されたのが1967年からであるが故。本書の末尾の作者紹介欄によると作者は「奇怪な世界と異様な文化を活写する個性的な作風」だそうですが、竜は竜でなく、阿修羅(アシュラ)、韋駄天(イダテン)、一角竜(イッカクリュウ)、巨蜘蛛(オオグモ)、金剛(コンゴウ)、青面夜叉(ショウメンヤシャ)、羅刹(ラセツ)といった類名で記されている。これらの竜の類名は、作者ヴェンスの造語を訳者が工夫のうえ訳語を充てたもの。 そして、ここでは人が暮らすエーリスというさいはての惑星が舞台であり、エーリスは異星コラリンから過去に六度、とかげと呼ばれたベイシックの侵攻を受けていた。その際に人はそのとかげを捕らえて、飼育・交配し、できたのが上記の名称の竜で、現在奴隷戦士に仕立てられている。現在のエーリスではアービス・カーコロの一族とジョアズ・バンベックの一族とが対立して、竜を仕立ててお互いに争いを繰り返している。またエーリスには、波羅門(バラモン)と称する古くからの民もいる。エーリスの竜とは、よくあるファンタジーの「竜」とはまったく趣が異なっていて、「竜」ではなくむしろ「蜥蜴」といった印象が合っている。そしてそれを二つの一族が「蜥蜴」を操って戦いに呉れている日々。実際ファンタジー小説のような物語の展開はなく、ここでは延々と戦いの描写が続いていく。9章からは、異星人ベイシックの侵攻が始まり、ベイシックも過去にエーリスに侵攻した際に人を捕虜とし育成し、今回の侵攻にベイシックも奴隷戦士としてそれらを探索兵、重装歩兵、掌砲手として引き連れている。お互いが奴隷戦士を使っての血生臭い戦い。こういった人類の危機に際し、対立するカーコロ一族とバンベック一族は結束することはないが、結局本作の終わる13章にはどうやら人は異星人ベイシックを撃退する。 ところで、2章まではジョアズの祖父のカーガン・バンベックの話。最終頁は225頁でしたから、長編を読み終えるほどの労力は必要とはしない。40頁「幸いの谷の人口が旧に倍しているにもかかわらず」の「旧」は誤植で「急」が正しいのだろうか?末尾に「2006年発行」とある前の頁には「本書は、一九七六年十二月に刊行されたハヤカワ文庫SF『竜を駆る種族』の新装版です。」とあるのだから、きっと誤植は直されずにそのまま引き継がれたのだろう。 | ||||
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