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比ぶ者なき



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【この小説が収録されている参考書籍】
比ぶ者なき

比ぶ者なきの評価: 4.15/5点 レビュー 41件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.15pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全5件 1~5 1/1ページ
No.5:
(3pt)

物語のベースとなる藤原不比等に関する古代史の各種説は結構興味深いものなのですが、小説としては、会話の部分が多く、物語にグイグイとは引き込まれませんでした

藤原不比等の後半生(草壁皇子の死の場面から不比等自身の死まで)の物語です(巻末の参考文献と里中満智子との対談(文庫版)によると、大山誠一の『天孫降臨の夢 藤原不比等のプロジェクト』、上山春平の『神々の体系』(正・続)、上田正昭の『藤原不比等』などの各種説をベースとして物語が展開しているように思います(私は、たまたま、これら3冊を前に読んでいたのですが))。

他のレビューアーさんも既に書かれているように、会話の部分が7~8割あり(多くは不比等と誰かとの対話。ほとんどが屋内で、延々と会話が続く)、不比等と対話者との関係(腹の探り合いのような会話もある)や不比等の口のうまさが一見分かり易そうではあるのですが、上記の各種説などを会話の中で説明することが多く冗長で(地の文を織り交ぜた方が簡潔になるように思いますが)、またドラマのシナリオや劇の台本のようで、内容的にコミカルなところなどは、もちろんないので単調にもなりがちです。また個々の対話部分が次々に出てきて(私は飛鳥・奈良時代の年表を結構認識しているのですが、いつ頃のどこでの会話なのかが分かりにくいところが多いです。また、各種説を会話などに盛り込んで展開しているだけという感じもしました)、物語にグイグイとは引き込まれませんでした(なので読むのに時間がかかりました)。

小説に、地の文による説明や叙述、自然や人物の描写、場面転換とか省略(メリハリ)や急展開(ダイナミズム)、あるいは登場人物の心理や心の内の描写とか、余韻とかがないと、読みにくく味気ないものだなあと思いました(この作品は、多くを各史実に沿って展開する必要があるので、難しいのかもしれませんが)。

ちなみに、個人的には、柿本人麻呂が、登場しなくなるまで不比等に友好的・協力的な点がかなり意外でした。1970年代に古代(飛鳥・奈良時代)の国家形成における藤原不比等の役割が注目されるようになったのは、上記の上山春平と上田正昭の著作とともに、梅原猛の『神々の流竄』や『水底の歌』などの一連の著作によるものと思われ、『水底の歌』では、不比等が人麻呂を刑死に追いやったと推測されているためです(この小説よりも前に創作された、同じ時代が描かれた小説やマンガでは、多かれ少なかれ梅原猛の影響が感じられるものが多いです。また参考文献に梅原猛の著書が一冊もないのも意外でした。)。

なお、不比等が主人公の作品には、長岡良子のマンガ『眉月の誓』、黒岩重吾の小説『天風の彩王』、黒須紀一郎の小説『覇王不比等』(三部作)などがあり、不比等が脇役で登場する作品には、永井路子の『美貌の女帝』、小石房子の小説『天照らす、持統』(後に『鉄の女帝持統』に改題)、梓沢要の小説『橘三千代』、黒岩重吾の小説『闇の左大臣 石上朝臣麻呂 』、澤田瞳子の小説『日輪の賦』、里中満智子のマンガ『天上の虹』などがあります。
比ぶ者なきAmazon書評・レビュー:比ぶ者なきより
4120049094
No.4:
(3pt)

この時代の人物の名前が覚えられない

巻頭の系図があるが、この時代の人物の名前がなかなか覚えられないので
ルビを入れて欲しがった。
比ぶ者なきAmazon書評・レビュー:比ぶ者なきより
4120049094
No.3:
(3pt)

歴史は勝者が作る

結局、歴史は勝者が作るものなのか。フィクションとはいえ、読んでいると、ええ? これって全部そうだったの?と思ってしまいそう。
昔読んでいた少女漫画の絵が頭のなかでちらつきもしました。
小説としては面白いのですが、結局、口では忠誠を訴えながら、天皇家や皇族をもてあそんだ主人公に共感できません。権力の頂点に立つ天皇も、結局は弱いものなのですね。
比ぶ者なきAmazon書評・レビュー:比ぶ者なきより
4120049094
No.2:
(3pt)

期待した程では・・・

影のフィクサーとして、皇族家を翻弄し、巧みに操って自らの一族を繫栄させた男の話です。
しかしながら、権力闘争の駆け引きも、単に言葉のやり取りだけのようで、彼の野心の奥底を
掘り下げるような迫力が感じられません。他の誰かも言ってましたが、淡々とただ皇族もやられっぱなし、
不比等一族のルール違反の傲慢な厚かましい要求も結局は通ってしまったの?としか感想がない。
もう少し胸躍るワクワクするような展開を期待したのですが、物足りなさを感じます。
比ぶ者なきAmazon書評・レビュー:比ぶ者なきより
4120049094
No.1:
(3pt)

淡々とした歴史小説

歴史小説です。
架空の物語である時代小説と違い、歴史小説は難しい。何せ、大半の事象の結末を読者は知っているのだから。持統天皇、元明天皇、不比等がどうなるのかを知っている。不比等の息子達や長屋王の運命も知っている。
それだけに物語る筆力が評価の分かれ目となります。
当該作品は淡々と進んでいく印象を持ちました。
ノワール系作家といっていい筆者がなぜ古代史を選んだのかは判りませんが、正直、小説としての面白さは感じませんでした。
日本書紀・天皇制成立についての説は納得のいくものです。
どうやら続編がありそうなので、期待しつつもう少し様子を見たいと思っています。
比ぶ者なきAmazon書評・レビュー:比ぶ者なきより
4120049094

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