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比ぶ者なき
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比ぶ者なきの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全41件 1~20 1/3ページ
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藤原不比等を主役に据えた立身出世物語。 フィクションではあるのですが、変に改悪されているなぁとか思わないのですんなりと受け入れられます。 三部作なので続きも気になります。 | ||||
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藤原不比等という人物像がありありと目に浮かび、とても読みやすかった。 フィクションかノンフィクションか‥もう分からなくなるほど没頭しながら読み切った。 面白かった! | ||||
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藤原不比等が主人公。不比等は後の名で、最初は史(ふひと)という名前だった。草壁皇子に舎人として仕えていたのだが、これから草壁を大王に就けようとしたところで草壁が急死した。大后(おおきさき)の鸕野讃良(うののさらら)も、大きなショックを受けていた。それでも、大后は草壁の息子、軽(かる)皇子を次の大王にする決意をした。 史は天才的な歌人、柿本人麻呂に頼んで、大后と草壁を神に見立て、その子が玉座に就くことをほめたたえる歌を作らせる。 史は自分の権力だけを求めたのではなく、藤原家が自分の死後も繁栄できるような方法を探していた。そして、太政官という国の最高機関を作ることにした。長官に太政大臣、次に右大臣と左大臣、大納言を置く。政治は太政官の合議で決められる。太政大臣には高市皇子、右大臣には多治比嶋(たじひのしま)を任命する。 また、史は道代(後の橘三千代)を見染め、妻になるように口説く。頭が良く、藤原家にとって役立つからだ。 磯城皇子(しきのみこ)が今の天皇に対する不満があると分かり、渡来人の武という者(忍者みたいな存在)を使って磯城を毒殺した。危険だとみると、手段を選ばないのだ。 遷都も終わり、次の天皇が軽皇子になることも決まった。軽皇子はその褒美として史に「不比等」という名前を与えた。「等しく比(なら)ぶ者がない」という意味である。 不比等の欲は深かった。国の仕組みを変え、未来永劫に続く力を求めていたのだ。だが、そう気づかせないようにふるまっていた。 不比等は非常に優秀で、政治の才がある人物だったようだ。だからこそ、凡人では持たないような望みを抱いたのだろう。頭が良すぎるゆえに、現状に決して満足できない。果たして不比等は幸せだったのだろうか。 | ||||
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とても面白く、一気に読みました。歴史小説としては、珍しい時代のもので、新しい感覚の中、なんとなく現代の権力構想に通じている感じが面白かった。 | ||||
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『四神の旗』『北辰の門』を先に読んでしまった 『比ぶ者なき』の続きだった。 この三部作の中では断トツに面白い。 全編通して共通する主題は、藤原家を天皇家に並ぶ不動の地位を得ると言う野望、その為にたっぷり時間を掛けて策謀の限りを尽くす。悲願は自らの死後にまで及ぶ執念。 面白いのは、万世一系の天皇制を築くために『記紀』を編纂した事と、聖徳太子を捏造して蘇我馬子の功績を薄めると言う大胆な謀略が、巧みに織り込まれていて、物語に深みを与えていて、その自由な発想が面白い。 | ||||
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今まであまり出会ったことのない時代がテーマで面白かった。できれば雄略天皇、蘇我馬子などもテーマとして掘り下げて欲しい。 | ||||
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黒岩重吾の作品と双璧と言ってもよい出来栄え。巻末の漫画家の里中満智子氏との対談のおまけつき。 巻末の参考文献に、上山春平、上田正昭、土橋寛、直木孝次郎ら信頼出来る先行研究書が紹介されている。 黒岩作品では、不比等が一人強い存在として描かれているが、本作品では、不比等と持統天皇やその後の天皇との関係性の描写が実に多面的である。権力を巡るドラマでは、状況や目指す利害が一致している間は強固な連帯が実現するが、利害が合わなくなると同床異夢が生まれことが多い。 本作品では不比等と天皇の関係における緊張感の描写などにリアリティがある。さすがに『不夜城』で世に出た作家の面目躍如である。 権力を得る前の妃や皇太子たちの不比等にたいする従順な態度と、天皇就任後の態度の豹変が興味深かった。歴史家が史料に制約されて言えないことを、作家は想像力を駆使して、生き生きと人物を描き出す。それが小説の醍醐味である。 聖徳太子や日本書紀も不比等の創造だという学説に依拠している大胆な小説で、楽しめた。 | ||||
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藤原不比等ならびに藤原一族台頭のヒストリーであり、実に面白かった。女人であるも類い稀なる政治家としての資質を持つ「持統天皇」と、とてつもない野心(天皇家から政を乗っ取ること)を抱き、権謀術数に長けた「藤原不比等」との駆け引きである。持統天皇は持ち前の洞察力で、不比等の企みを見抜き、不比等を危険視していたが、孫の軽皇子(後の文武天皇)を天皇にするために不比等を重用した。不比等は、持統天皇の期待に応えて、軽皇子を天皇に押し上げる仕事をやり遂げるとともに、その機会を活かして「軽皇子」に自分の娘「宮子」を嫁がせて絶大なる力を得た(その二人の間にできた子が首皇子(後の聖武天皇))。持統天皇は策をめぐらせて、不比等に権力が集中しないよう努めるも、不比等は軽皇子のほか多くの者を味方につけ、敵対する者を排斥し、絶大なる権力を掌握した。持統天皇は後悔と不安を残しながらも老いて死んでいく。馳星周先生は、この辺りの心の葛藤を見事に描写している。これまで、馳先生の書いた小説では「不夜城」がもっともススリングで面白かった。このたびは、「不夜城」等で描かれていた「バイオレンスや残酷さ(=馳カラー)」を封じつつも、「ロワール(=馳カラー=持統天皇や藤原不比等の心の闇)」を感じさせてくれた。高評価の一冊だと思う。 | ||||
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今も昔も同じ事の繰り返しです。 | ||||
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たまたまここ数年、古代史にはまっていろんなものを読んでいたところに、馳星周氏が藤原氏3代の小説を書いていると知ってびっくり。馳星周氏といえばなんといっても「不夜城」から始まった血みどろのノワールもののイメージでしたから。 あとがきの里中満智子氏との対談で、この小説を書くと決めたきっかけを話しておられるのが興味深かったです。 「僕は古代史にまったく興味がなかったんです」 「妻が読んでいた新聞の特集で、古代史学者の大山誠一先生の”聖徳太子も日本書紀の神話もすべて藤原不比等の捏造である”という説が取り上げられていて、日本人は1500年も1人の男に騙され続けてきたのか!と驚愕、それから勉強し始めたらおもしろくて受験の時よりよく勉強しました」と。 歴史小説のベテランではなく言わば新規参入なのでどんなものだろうと思いながら読みました(実際には先に読み始めたのは、現在読売新聞オンラインに連載されている不比等の孫である藤原仲麻呂を描いた「北辰の門」でした)。 結論から言うと、まずベースになっている大山誠一先生の学説が斬新でおもしろいせいもあるのですが、不比等が静かにけれど着々と権力を得てゆく過程がスリリングで引き込まれます。ただ他のレビューアさんもおっしゃっているように、会話がほとんどでその積み重ねで話が進んでいくので、歴史小説としての格調高さや時代の雰囲気が薄いのは残念でした。逆にいうと今まで歴史小説が苦手だった方には読みやすいかもしれません。 それにしても不比等とはすごい名前ですね。”他に比べる者がいない”ほどすぐれた人という意味。自分に息子がいたらぜひつけたいと思うような名前です(笑)。若い頃の史(ふひと)からいつどうして不比等になったかはわかっていないようですが、この小説では文武天皇から与えられたということになっています。 当時は嫡子が皇位を継ぐことがまだ当たり前ではありませんでした。それを持統女帝から息子の草壁皇子、そして孫の軽皇子へと皇位継承するために、持統をアマテラスに、息子を瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)になぞらえて”女帝が玉座につき、それを息子に、孫に伝えることは正しい”と不比等は日本神話まで創作し、それを天皇の詔として発しごり押しで誰も異論を唱えられないようにした、そうして盤石になった皇室に自分の娘たちを嫁として送り込むことによって、皇室を藤原家の一部にしてしまおうと企てました。 実際その後、不比等自身が亡くなった後も、不比等の娘、安宿媛が入内し民間人では初めて皇后となり、不比等の孫は聖武天皇となって即位しました。そしてそれは平安時代の藤原道長を経て、旧華族の近衛や九条などの五節家、三条や西園寺と現在まで続いているのだからすごいものです。 不比等のそんな秘めたたくらみを見破った持統女帝でしたが、すでに娘の元明女帝も軽皇子も不比等に取り込まれてしまい、あせりの中とうとう病で崩御してしまいます。 この小説では不比等の死までを描いていますが、この後は不比等の4人の息子たち、彼らの陰謀で無実の罪をきせられ殺された長屋王の変、そして藤原仲麻呂の時代へと続きます。引き続き読んでいきたいです。 古代史に興味を持ってからわかってきたのは、資料が少ないため実際に何があったかは推測するしかない、何が史実なのか100%これが正しいということは結局わからないということです。その時代時代の傾向や主流、傍流というのはありますが、学者さんの数だけ学説があるような状態です。 小説家では黒岩重吾氏や永井路子氏、漫画では長岡良子氏に里中満智子氏などそれぞれの不比等像はかなり違っています。多くを読み比べてみて、自分なりの人物像を考えてみるのもまた楽しいと思います。 | ||||
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藤原不比等の後半生(草壁皇子の死の場面から不比等自身の死まで)の物語です(巻末の参考文献と里中満智子との対談(文庫版)によると、大山誠一の『天孫降臨の夢 藤原不比等のプロジェクト』、上山春平の『神々の体系』(正・続)、上田正昭の『藤原不比等』などの各種説をベースとして物語が展開しているように思います(私は、たまたま、これら3冊を前に読んでいたのですが))。 他のレビューアーさんも既に書かれているように、会話の部分が7~8割あり(多くは不比等と誰かとの対話。ほとんどが屋内で、延々と会話が続く)、不比等と対話者との関係(腹の探り合いのような会話もある)や不比等の口のうまさが一見分かり易そうではあるのですが、上記の各種説などを会話の中で説明することが多く冗長で(地の文を織り交ぜた方が簡潔になるように思いますが)、またドラマのシナリオや劇の台本のようで、内容的にコミカルなところなどは、もちろんないので単調にもなりがちです。また個々の対話部分が次々に出てきて(私は飛鳥・奈良時代の年表を結構認識しているのですが、いつ頃のどこでの会話なのかが分かりにくいところが多いです。また、各種説を会話などに盛り込んで展開しているだけという感じもしました)、物語にグイグイとは引き込まれませんでした(なので読むのに時間がかかりました)。 小説に、地の文による説明や叙述、自然や人物の描写、場面転換とか省略(メリハリ)や急展開(ダイナミズム)、あるいは登場人物の心理や心の内の描写とか、余韻とかがないと、読みにくく味気ないものだなあと思いました(この作品は、多くを各史実に沿って展開する必要があるので、難しいのかもしれませんが)。 ちなみに、個人的には、柿本人麻呂が、登場しなくなるまで不比等に友好的・協力的な点がかなり意外でした。1970年代に古代(飛鳥・奈良時代)の国家形成における藤原不比等の役割が注目されるようになったのは、上記の上山春平と上田正昭の著作とともに、梅原猛の『神々の流竄』や『水底の歌』などの一連の著作によるものと思われ、『水底の歌』では、不比等が人麻呂を刑死に追いやったと推測されているためです(この小説よりも前に創作された、同じ時代が描かれた小説やマンガでは、多かれ少なかれ梅原猛の影響が感じられるものが多いです。また参考文献に梅原猛の著書が一冊もないのも意外でした。)。 なお、不比等が主人公の作品には、長岡良子のマンガ『眉月の誓』、黒岩重吾の小説『天風の彩王』、黒須紀一郎の小説『覇王不比等』(三部作)などがあり、不比等が脇役で登場する作品には、永井路子の『美貌の女帝』、小石房子の小説『天照らす、持統』(後に『鉄の女帝持統』に改題)、梓沢要の小説『橘三千代』、黒岩重吾の小説『闇の左大臣 石上朝臣麻呂 』、澤田瞳子の小説『日輪の賦』、里中満智子のマンガ『天上の虹』などがあります。 | ||||
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主人公の不比等が、なぜ権力を目指すようになったのか、その理由が薄っぺらい。要約すると「不遇の時代があったから」だけ。それも地の文で二行ほど書かれているだけで、どう不遇だったのかは書かれていない。 不人以外の人物もそう。ただ「恨みがあるから」「恩があるから」「得だから」「損だから」のようなひとつだけの理由で動いている人が多い。人間はそんなに薄っぺらいものじゃない。「恩はあるけどその人の味方をすると損になる、その合間でどうするべきか」のような葛藤を持っている人物がいない。 それに登場人物の離す内容といえば、皇位のことだけ。ひたすら皇位のことについて、ときに説明的で不自然な会話だけがかわされいている。おそらくはそれが原因で、登場人物の名前が覚えにくい。登場人物が、ストーリーを進めるための駒になっているせいで、人物像の作りが薄いというか雑。 ストーリーの面を見ても、この先どうなるのだろうというドキドキ感、ワクワク感がない。不比等が強すぎてライバルとして立ちはだかる人物が少なすぎるのが原因。それから、それまで出てこなかった階位が突然出てきたりするから「なにそれ?」ってなって、そこで目が止まる。没入できない。 着眼点は良いけど着眼点しかよくない。読んで良かったとは思えなかったし、読後感も残らなかった。ページ数が多くて分厚いくせに、内容が薄っぺらいどうしようもない感じの本。 | ||||
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巻頭の系図があるが、この時代の人物の名前がなかなか覚えられないので ルビを入れて欲しがった。 | ||||
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日本史の教科書には登場しない現在につながる権威と権力の担い手の創造者の生き様。一気に読み終えました。 | ||||
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史実に基づいたストーリー展開になっているので、歴史の流れを理解するのに役立つだけでなく、読み進める内に古代社会に現実味が感じられるようになって面白い。藤原氏の成り立ちは、きっとこうだったのだろうと思わされる。勉強にも娯楽にもなる、お勧めの一冊です。 | ||||
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日本の古代史に興味が湧きました。 | ||||
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もう少し歴史的事実を数多く取り入れてもらえば、全体に現実味を帯びた臨場感あふれる内容になったと思う。 | ||||
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不夜城の作者が歴史小説を、しかもこの時代を取り上げたことに驚きました。 内容も読みやすく、これは面白いです。 | ||||
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馳星周は「不夜城」の時からのファンでずっと追いかけている作家だが、これは新境地と言ってもよい。 まさか古代を舞台にした歴史小説を書くとは! 古代っていう選択が絶妙である。 これが江戸時代とかなら史料もかなり残っており、束縛が多い。 しかし、古代は史料も少なくちょっとした発見でそれまでの学説が一発で変わってしまう可能性がある時代なのだ。 なので、想像力を存分に働かせる事ができるし、「もしかしたらそうなのかも」と思わせてくれる時代なのだ。 藤原不比等によって天皇、皇室の物語が創られ、現代まで不比等によって騙されてるっていう設定は抜群に面白かった。 元々、文章が上手くてグイグイ読ませてくれる作家だったが、テーマの面白さもあって一気に読了した。 それにしてもここ数年の馳星周は目が離せない。 ノワールという軛から解き放たれ、自由に好きなものを書いている。 コメディを書いたり、動物物を書いたり、山岳小説を書いたり、そして歴史小説。 良い感じで肩の力が抜け、作家として全盛時を迎えてきている気がする。 本作も続編があるみたいなので、続編も楽しみで仕方ない。 | ||||
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ノワール小説の旗手、馳星周氏の歴史小説です。しかも古代史、渋いですね。藤原不比等が主人公の小説なんて、そそられますね。中臣鎌足の子にして、藤原氏の礎を築いた人物ですね。いいですね。 藤原不比等を完全なマキャヴェリストとして描いています。いいです。日本書紀や厩戸皇子の件とか、「そんな風に書いて大丈夫ですか?」と思うことも多々あり。まぁ、そこは読んでください。 古代史をテーマにした歴史小説って、重鎮・黒岩重吾先生とか、井上靖先生が『額田王』とか書いてますが、それ以外は小説的にあまりないテーマだったりします。それを『不夜城』とか『生誕祭』の馳星周氏が執筆してるのはとても貴重な感じがします。文体は馳氏のいつもの作品と変わりなくとても読み進めやすいので、おススメです。藤原四家を描いた次作も文庫化されたら必ず読もうと思います。 | ||||
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