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灰色の女



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【この小説が収録されている参考書籍】
灰色の女 (論創海外ミステリ)

灰色の女の評価: 4.00/5点 レビュー 9件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(5pt)

江戸川乱歩の『幽霊塔』に魅せられて半世紀後に、好事家の百年の探索の結果見出された原作の原作を読む歓び

タイトルがすべてです。
乱歩版『幽霊塔』は学生の頃よみロマンチシズムと筋立てに魅了されたものです。その当時、懐メロで聞いた二葉あきこの「古き花園」のイメージと、ピッタリだと思ったものでした。ヒロインが、古い時計塔を背景に、主人公を慕いながら離れて行かねばならない哀切さを廃園で歌う~
 その後、ネタ元の黒岩涙香版も読み、原作が分からず仕舞いになっていることを知って、驚いたものでした。それが百年かけて好事家の手で原作が突き止められて、完訳版まで出るなんて。
 翻訳大国日本に生まれてよかったな、と思ったものです。
 小森健太郎氏の解説も色々参考になりました。生前はけっこう人気作家だったのにたちまち忘れられた、だから原作探索にも百年かかったとありますが、何となくその原因もわかる気がします。やはり、主人公の青年の、探偵でも怪盗でもないのに超人的な活動ぶりは、何となく不自然さを感じてしまいます。
 やはり、乱歩版の方に惹かれます。
灰色の女 (論創海外ミステリ)Amazon書評・レビュー:灰色の女 (論創海外ミステリ)より
4846007561
No.6:
(4pt)

プレゼントため

友達の中一の娘のプレゼントために購入、とても喜んでいて、ありがとうございましたといてくれました。
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4846007561
No.5:
(5pt)

原作も翻訳も共にすばらしい傑作中の傑作

モンテ・クリスト伯やコナン・ドイルのシャーロックシリーズが好きな人なら絶対に、
現代的なミステリー専門の人でもそれなりにハマる傑作だと思う。
加えて翻訳がとても自然で読みやすく、素晴らしいと思う。
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4846007561
No.4:
(5pt)

黒岩涙香の「幽霊塔」の原作

1953年春、中学2年生の時に初めて黒岩涙香の「幽霊塔」(原文版、江戸川乱歩の現代文版ではない)を読んでその面白さに興奮、それから66年後に初めてその原作に触れることができ、更なる感激に浸っています。涙香の翻案版も、松谷秀子(原作ではコンスエロ・ホープ)、森主水(原作マーランド)など人物名の読み替えをはじめ、物語の設定が実に巧妙だと思いますが、原作はさらに緻密ですね。とにかく面白い。両方読み比べることができるようになったとは、幸せです。原作の翻訳版を出していただいたことに、感謝いたします T・H。
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4846007561
No.3:
(4pt)

女性主人公の高貴さ純粋さについて

江戸川乱歩と黒岩涙香の「幽霊塔」を読み継いでから本書にたどりついたが、やはり原作本は良い。舞台となる屋敷の規模や風情が全く異なる。女性主人公の高貴さ純粋さが原作本ではどのように表されているのかを期待しながら読んだが、翻訳文の古風さゆえか、涙香本の方によりそれが現れているように感じた。女性主人公の最後の告白は涙なしには読めない。
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4846007561
No.2:
(4pt)

ミステリーとしてもゴシック小説としても、傑作

私はこの作家の作品を読んだ事はないのですが、
明治時代に活躍した、黒岩涙香の「幽霊塔」の原作としても有名であり、
更に、私は元々、こういう、知られざる作家の知られざる傑作、というもの自体が好きなので、
そういう意味からも、非常に面白く読む事ができました。
いかにも何かを秘めていそうな、地元の不気味な伝説と共に語られる、古びた館ローン・アベイ館。そして、主人公の青年テレンスが瞬く間に心を奪われる、これも何やら独自の思惑を秘めていそうな、謎の美女コンスエロ。
そして彼らの関係に嫉妬を募らせる、婚約者のポーラ、悲痛な過去を秘めた、知的で物静かで憂愁ある、魅力的な主人公の叔父アモリー卿と、彼らを軸に展開していく物語。

本当に、全体を通じて怪奇で神秘的な雰囲気と、次々と起こる奇妙な出来事と、ぺージを操る手も、もどかしくという風に、読み進める事ができました。
ミステリーとしてだけでなく、ゴシック小説、ロマンス小説としても、読む事のできる作品だと
思います。こういう、知られざる作家の知られざる傑作を、次々と発掘していく「論創海外ミステリ」のコンセプトには、大いに共感しています。
ただポーラが、ちょっとかわいそうな気がしました。確かに、愚かで浅はかな方の女性なのでしょうが、それにしても、彼女を暴走させてしまったのは、主人公の冷淡過ぎる態度のせいもあるのではないかな?と、ふと思ってしまったのですが。コンスエロに一目惚れした途端に、婚約者ポーラの容姿上の欠点に向けられる、主人公の視線の容赦のなさときたら。主人公のこういう所などに、やや違和感を覚えてしまったせいで、諸手を上げて、ロマンス部分の方を、いまひとつ満喫しきれなかったのが、少し残念でした。

あまり勧善懲悪な人物設定にし過ぎないで、ポーラをもう少しいい子で、共感しやすい女性に描いて
いたら、物語自体にも、更に奥行きや深みが出て、一層良かったのではないか?と思ったのですが。
終始謎めいていながらも一貫して、まるで主人公にとっての女神であるかのように、一貫して魅力的に描かれる、コンスエロの描かれ方と比較して、そのあまりの扱いの差に、少しポーラに同情を感じてしまいました。
しかし、どうしても、ロマンス小説としてだと、勧善懲悪的な人物設定になってしまいやすい所が
あるのでしょうか?
灰色の女 (論創海外ミステリ)Amazon書評・レビュー:灰色の女 (論創海外ミステリ)より
4846007561
No.1:
(4pt)

発掘された『幽霊塔』の原書

私が黒岩涙香の『幽霊塔』の存在を知ったのは、もうかれこれ40年前。ミステリー小説に興味があった小学生の時、ポプラ社の江戸川乱歩、少年探偵シリーズを片端から読破していたが、一番心惹かれたのが謎の美女と宝をめぐる愛憎劇を描いた『時計塔の秘密』だった。その小説の元になったのは、乱歩が少年時代に出会い、大きな感銘を受けてその後翻案した作品、黒岩涙香の『幽霊塔』である。あまりに『時計塔の秘密』が面白かったため、子どもには難しい古い言葉で書かれていたにもかかわらず、乱歩の『幽霊塔』、涙香の『幽霊塔』を探し出し、わくわくしながら読んだことを憶えている。そんな『幽霊塔』の原案が海外作品であるのは周知だったが、涙香の研究家でさえどの作品かは当時はわからなかったとのこと。小学生だった私が大人になり、いつの頃だろうか、原案は『灰色の女』であることが判明したと知り、是非読んでみたいと出版を心待ちにしていた。本書を読んで、あらためて涙香の翻訳の実力を実感した。乱歩、涙香の『幽霊塔』を読んでいない方でも十分楽しめる作品であると同時に、古い時代の作品ながらミステリーとして遜色なく現代にも受け入れられるのではと思う。
灰色の女 (論創海外ミステリ)Amazon書評・レビュー:灰色の女 (論創海外ミステリ)より
4846007561

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