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ティファニーで朝食を
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【この小説が収録されている参考書籍】
ティファニーで朝食をの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全72件 61~72 4/4ページ
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中篇というには長く、長篇というには短めの「ティファニーで朝食を」。 ニューヨークで作家修行中の「ぼく」が出会った超個性的で不思議な美少女、ホリー。自由気ままに、奔放に生きるホリーの言動と行状を「ぼく」の観点から描写するだけでストーリーが成り立っている。 ホリーの心理描写はいっさいない。それを短篇ではなくかなり長い話として見事に成立させている。展開のメリハリの付け方は巧いとしか言いようがない。 ある意味、ファンタジーとも言える物語だが、アラバマもの/ニューヨークものという観点からするとちょうど中間に位置するだろう。「ぼく」の年もたぶん20代だし、ホリーは20歳直前くらいだ。だから、ニューヨークものの特徴である「得体の知れない不安、恐怖」も一瞬現れるだけだ。 《 いやったらしいアカに染まったときどうする? いちばんいいのはタクシーを拾ってティファニーに行くこと 》 だから、タイトルは意味がある。《 自分とものごとが一つになれる場所がティファニー 》とホリーは思っている。 同じ理由で、アラバマものにみられる子供の目を通したピュアな美しさは感じられない。本来のカポーティからすればどっちつかずで中途半端だが、洒落て洗練された上質の都会小説ではある。 「花盛りの家」。 カリブ海(と思う)の島の港町の娼婦。美人で客には人気があったのだが、初めて恋した若者と田舎に所帯を持ち、お姑さんのブードゥ祈祷師にいじめられて苦労する。そんなとき、昔の親友(娼館仲間)がやって来て町に戻るように説得するが・・・。 南国の明るい風景の中で、気だてのいい少女の心理が的確に描かれる。細かな仕掛けも効果的で、後味の良い小品。 「ダイヤモンドのギター」。 99年の刑に服している初老の囚人が新入りのラテン系の若者と仲良くなる。彼は模造ダイヤを散りばめたギターを弾き、この模範囚に娑婆を思い起こさせる。ある日、作業に出た二人は脱走を決行するのだが・・・。人生の空しさを強調する作品でとても読みやすいが、結末は盛り上がりに欠ける。 「クリスマスの思い出」。 本当に美しい、心の底にまで染み通る傑作。 クリスマスの準備にいそしむ少年(作者)とスック叔母さん(本当は年の離れた従姉妹)の会話を通して心の交流が的確に描かれ、それに素晴らしい自然描写が加わる。スック叔母さんの無垢な心が印象的。 | ||||
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『ミス サンデー ゴライトリー トラヴェリング』 作中で主人公が一瞬で魅了された一文は私も虜にしました。 美しい響きに、きっと読者の全てが心を奪われるでしょう。 そして、作品を読みをおわったあとに この言葉の持つ深さに打ちのめされることでしょう。 ミス ゴライトリーが 『なんだかよくわからないけれどもキラキラした何か。』 だったり、 『大人になって失ったもの』 だったりの象徴であるのだとすれば このトラヴェリング(旅行中)という言葉はとてもしっくりくるのです。 もしかしたら 帰ってくるかもしれない。(でも、帰ってこないかもしれない。) 帰ってくるとしても、それがいつだかはわからない。 もし、帰ってきてくれたならば一瞬は自分を夢見心地にしてくれるかもしれない。 戻ってきてほしいかもしれないし、今の自分には必要のないものかもしれない…。 そんな複雑な哀愁をこの一文は見事に表しているような気がします。 作品の最後の猫の下りは『故郷は遠くにあっておもうもの』を美しく表していると思います。 大人になっても失われることのなかった瑞々しい感性の表現が簡潔な、無駄の削ぎ落とされた文章であらわされています。 美しくて、ちょっと切なくて、なんとなくオシャレな作品だと思いました。 村上春樹さんの作品は苦手なのですが、訳は とても瑞々しくて、素晴らしいと感じました。 映画のオードリーとは違う魅了が小説の中のホリーにはあります。 谷崎潤一郎の『痴人の愛』の中のナオミのような、捉えどころのない胡散臭くて瑞々しい愛しさに溢れています。 いつの時代でも新鮮さを感じられる数少ない小説の一つだと感じました。 | ||||
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作品自体は最高に面白い。しかし訳というものはやはり鮮度がある。村上春樹は好きではないが、こればかりは村上訳を手に取るべき。 | ||||
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村上春樹の手による新訳版が出ているそうだが、どういう訳か旧訳版が家にあったので、そちらに手を出してみた。 「ティファニーで朝食を」 「わが家は花ざかり」 「ダイヤのギター」 「クリスマスの思い出」 の四篇に龍口直太郎氏の解説が添えられた作品集である。 翻訳体はたしかに今どきの文章と比べれば古かったが、読みづらく感じるほどではなかった。 個人的にもっと読みづらくてタイクツな日本人作家の文章を読んだことがあった為かもしれない。 「ティファニーで朝食を」は、若い女優:ホリー・ゴライトリーをある作家志望の青年の目線から描いた作品。 ホリーの能動的かつ自由奔放な姿勢がなにより素晴しい。 こう言ってはカポーティファンに悪いかもしれないが、「ノルウェイの森」の緑の性格の元ネタとなったことは間違いないと思う。 実在の固有名詞がたくさん散りばめてあるのも大きな特徴で、たとえば本書に出てくる語学学校のベルリッツは今は日本でも有名である。 強いてケチをつけると、語り手の青年の妙なボンクラ臭い雰囲気だろうか。 終始受動的で全てを他人事のように語る彼が、自作をとやかく言った女に対して手を上げるところには小さな違和感を覚えた。 「わが家は花ざかり」はドミニカで娼婦として生活しているハイチ人女性の話。 これは純粋に意味が分からなかった。山家生まれだから山家生まれのボンクラ男に惹かれる?エー。 「ダイヤのギター」は収監された老人と少年の交流を描いた作品、 「クリスマスの思い出」は、とある少年と信じ難いほど年の離れた従姉の交流を描いた作品である。 | ||||
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オードリーの発音の綺麗なことに驚き! 真似てみたくても、聞き取れないと不可能なので、本があると理解でき助かっています。本当の英語に親しめた感じです。 | ||||
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言わずと知れたカポーティの代表作。 ヘプバーン主演で映画化もされていますし、 村上春樹による新訳も発売されていますので、 内容の良し悪しに関しては書きません。 読みやすさ・携帯性に関しては文句ありません。 文庫サイズですし、薄いので気軽に持ち運べます。 ただ、彼独特なのか、言い回しが難しく、 巻末のセンテンスの訳を度々見る必要があります。 そういう意味で読むの時間がかかる本だと思いました。 しかしこの本の一番の魅力はジャケットでしょう。 このヴァージョンのものに限定されてしまいますが、 ヘプバーンを意識しつつもホリー・ゴライトリーです。 僕はジャケ買いでした。 | ||||
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僕は英語はダメで、だから日本語訳を買ったわけです。 しかし、はじめっから読みにくかった。 初めはきっと古い翻訳だからだろうと思った。何となくおかしな日本語も当時の邦訳本で使われてた言葉遣いなんだろうと思ったけど、読み進めていくと大学受験みたいな和訳がチラチラ目についた。 でも、自分は英語が出来ないから、なかなか自信が持てなかったのでネットでこの本を調べた。そしたら同じようなことが書いてあるblogがあり、しかも、どうやら英語が出来る人のようなので、おっ、となり更にアマゾンでレビューを調べたら、やはり、でした。 小説の翻訳者ってのは詩人じゃないとダメなんだろうな〜と英語が出来ない身ながら感じた。日本語のセンスがないと。(指輪物語の人なんか評判がいいみたいだけど) しかし、それが恣意的な訳と批判されることもあるみたいですね。僕には判断つきませんが。 やはり、原文を自分でガリガリ読み進めるのが一番納得できるやり方ですね。(多少、間違えても) しかし、気になるのは(おそらく)「バーボン」を「ブアボン酒」と訳したり、「カリフォルニア」を「キャリフォーニア」としたり「マティーニ」を「マルチニ」としたりするのは古いからなんですかね? つまり、誤訳ではなく当時の日本では「バーボン」は「ブアボン」と呼ばれていたんですかね?「キャリフォーニア」にについてはよりわからないんですが、ここは原文でも特徴をつけて発音してるんですかね?まさか、カリフォルニアが昔の日本では「キャリフォーニア」で通ってたわけではないですよね?(わかんないけど) 訳者のセンスでカリフォルニアを「キャリフォーニア」と訳したなら、バーボンが「ブアボン」と訳されたのはおかしい気がするんだけど。 まぁ、取りあえず村上春樹訳を読みます。あっちはレビューでも好評みたいだから。 | ||||
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カポーティのキャリアを見た時に中期に当たるのでしょうか。作品数がそんなに多くなく、ひとつひとつに粒が揃っている作品を残したカポーティにしては比較的軽めで、瀟洒な感じにまとめられた一冊です。ヘップバーンの主演の映画やそれにまつわる話題の影響かもしれませんが、この作品の成立には、この作者の他の作品に見られるような、作者に内在するものだけではなく、外的な要因もあるような気もします。それに、海外の名作と言われる作品の多くが改訳される昨今の状況から考えて、本書なんかもぜひ俎上に載せてもらいたい作品です。 | ||||
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あんまり、誤訳云々は言いたくないですけれども、確かに読みにくいです。一時的に流行した言い回しを多用したり、彼とか彼女がそこにいる誰なのかという所までこんがらがったり。誰が何を言っているのか、解らない訳では無いですがもう少しはっきりさせて欲しい、ちょっとそう思いました。他の訳者の方で出回っているのを見たことがないので、映画も見て大筋をつかんでおくと読みやすいかも知れません(ストーリー展開や結末は原作と異なります)。 さて、訳は置いておくとして、内容の方には結構満足しました。カポーティの作品は初めて読んだのですが、人間の心境や微妙な所為をとらえるのが非常に巧いです。表題作の『ティファニー…』では奔放さ、『ダイヤのギター』では囚人の自由への憧れ、『クリスマスの思い出』などは少年時代のセンチメンタルな思い出を、描いています。これらの作品を振り返ってみるとカポーティの作風の幅は、とても広いのだなぁ、と感心させられてしました。『ティファニー…』と『クリスマスの思い出』はジャンルから言っても一人の作家が書いたにしてはかなり開きがあるように感じますしね。主人公の生き方に憧れたり、同情したり、郷愁を抱いたり、なかなか良かったです。 短編集としては彩り豊か、ですかね? ただ、やっぱり訳が気になります。お金を掛けたくなければ図書館で借りて読んでも良いかもしれないです。買う価値がない、と言ってるわけでは無いですけど…… | ||||
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「ティファニーで朝食を」というタイトル名は、おそらく、映画やこの原作を見たことがない誰もが知っており、また、そのうちの大半の人が、その洒落たタイトル名から、素晴らしい名作を思い描いているのではないだろうか。 私の場合は、この作品に映画から入ったのだが、そんな先入観に反し、意外に平凡な映画であることに拍子抜けしてしまい、「オードリーが演じたからこそ、後世に残った映画」としか思えなかったのだ。ただ、総じて、原作物のドラマというものは、原作にあった大切なものが抜け落ちてしまっていることが多いものであり、私は、「カポーティの小説には、何かがあるのではないか」と期待し、この原作の方も読んでみることにしたのである。 しかし、残念ながら、その期待は、裏切られてしまった。たしかに、映画の方では、多少の改変が行われていることはわかったものの、映画で感じた物足りなさは、そっくりそのまま、この原作の方にも感じてしまったのである。 「この物足りなさは、どこからくるのだろうか?」と考えてみたのだが、やはり、ストーリー自体に、名作には必要不可欠の、読む者を惹き付け、捉えて離さないだけの劇的な起伏が乏しいと思う。カポーティ独特の筆致とともに、このストーリーの流れの中に身を置き、148ページを付き合うのは、私には少々辛かった。 ホリーという女性も、漠として捉えようがなく、必ずしも魅力的な女性としては描かれておらず、むしろ、この原作のホリーを、映画の中で、あそこまで強烈な存在感を放つ女性として演じ切ってしまったオードリーの偉大さの方を思い知らされる結果となってしまったのである。 併録の三つの短編も今一つだったが、特に気になったのが、「わが家は花ざかり」だ。タイトル名とは裏腹の、ストーリー展開にさして必要とも思えないグロテスクな描写は、私には、悪趣味としか思えない。繊細な人は、読まない方がいいだろう。 | ||||
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最初の1〜2ページを読んだだけでこの作品の素晴らしさがわかりました。とにかくこの物語の中の人々は実際に生きていたんじゃないかと思うほど、顔かたちから、髪の揺れ具合までクッキリと浮かび上がってきます。ただただ、カポーティの才能に驚くばかり。ややシニカルに、ほとんどは淡々と、語り手の目線から主人公ホリーを描写する手法ですが、いとも簡単に僕の心は弄ばされてしまいました。本来のハードボイルドの姿なんでしょうね。 もともと苦手な英語を独学ではじめて5年、ラジオ英会話だけの勉強方法ですが、語彙的にはまったく心配なし。ルビが多すぎると感じたくらいでしたヨ。 | ||||
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使用される単語が難しく、ルビばかり読む羽目になりストーリーがなかなか追いかけられませんでした。同じルビ訳シリーズの「アルジャーノンに花束を」の方が、英語の難易度から言うと私には丁度良いようです。ちなみに私のTOEICは695点ですので、このシリーズで何を買おうか悩んでいる方は参考にしてください。 | ||||
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