真夏の航海



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    初公開日(参考)2015年03月
    分類

    長編小説

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    真夏の航海 (講談社文庫)

    2015年03月13日 真夏の航海 (講談社文庫)

    かくも危うく、みずみずしい。安西水丸が熱烈に惚れ込み、自ら翻訳した若きカポーティ、まぼろしの傑作。まだ女ではなく、もう少女でもない。上流階級の娘グレディが、心をかき乱された初めての恋。華々しい’40年代のN.Y.社交界と、その陰りの中に生きる人々のコントラストをくっきり描く長編を初文庫化!(「BOOK」データベースより)




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    真夏の航海の総合評価:6.29/10点レビュー 7件。Dランク


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    No.7:
    (1pt)

    明らかに訳がおかしい

    物語の内容がどうのこうのという以前に、明らかに翻訳がおかしいです。
    文章として不自然な部分が多すぎて素直に物語に入っていけません。
    翻訳者がご自分の文体を持っていないとしか思えないのですが。
    別の訳でこの本が再発されることを強く望みます。
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    No.6:
    (2pt)

    うーん

    訳が下手なのか、「捨ててくれ」というような作品だからかわかりませんが、序盤全然文章が頭に入ってきません。しかしカポーティファンなら、とりあえず必読という感じ。
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    No.5:
    (3pt)

    カポーティ節の片鱗

    カポーティの小説は大好きでだいたい読んでいるが、こんな幻の処女作がこっそり出版されていたとは知らなかった。なぜ今ごろになってこれが日の目を見るに至ったか? という経緯は、巻末にアラン・U・シュワルツさんという人が詳しく書いていて、こう言ってはなんだが本編以上に面白い。カポーティがアパートを引き払うときに「捨ててくれ」と頼んだものを、守衛がこっそり取っておき…。おっと、つづきは本作でどうぞ。

    小説そのものは、やはりシュワルツさんの言葉がドンピシャリと的を射ているように思われる。「独自の天性と、驚くべき熟達した散文の書き手の出現を予言している」。まさに、おっしゃる通りだ。まあ、ちょっと冷めた言い方をすれば、それ以上でもそれ以下でもない、というのが僕の読了後の感想ではある。文壇デビューしてからのカポーティの濃密な作品世界を知っている読者には、いささか物足りない“習作”だろう。しかし、若書きの中にも優れた原石を垣間見るような喜びは確かにあった。

    でも…誤解を恐れずに言うと、安西水丸さんの訳はちょっと硬い。僕は水丸さんのエッセイや映画評の大ファンだけれど、それとこれとはまた別の話。シンプルな文章のときはとてもリズムよく読ませるのだが、カポーティらしい凝った言い回しや流麗な比喩表現が出てくると、途端にぎこちない訳文になってしまう、と感じた。だから、この原石をカットするのは、やはり専門の名工の手(プロの翻訳家)に委ねてほしかった、というのが偽らざる気持ちだ。もちろん、そもそもの原文がぎこちないのかもしれないが…。

    それでも、カポーティ節とでもいうべき片鱗に触れてドキッとすることもしばしばあった。例えば150ページ、主人公のグレディが友人のピーターと部屋で話をする場面のこんな描写。「さほど重要ではないことについては話すことがたくさんあったので、二人は同じ言葉と同じ価値観を分け合うことができた」。20歳になるやならずの作品で、この辛辣! さらりとしているだけに、かえって凄味のある一文だ。ちなみに、本作は女優のスカーレット・ヨハンソンによって映画化されるらしい、とウェブ上のニュースで読んだが…その後どうなったのだろう?
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    No.4:
    (4pt)

    真夏の後悔

    ストーリーとしては極々平担だし、展開にしても多少単調で稚弱にも思えなくもないが、カポーティに委ねると傑作になる。これ程までに感受性が深く濃い描写には驚かされる。令嬢特有の”ぬるま湯に浸かった様な”退屈さに彼女は我慢ならなかった。彼女の”神経質で大胆な強さ”は更に痺れる様な世界に、彼女を踏み込ませることになる。彼女にとって若さは不足であり、派手な社交界は退屈でもあった。
     令嬢の典型であるクレディは、クライドの危険で貧しい匂いにある種の快楽を覚える。愛してたというより羨ましかった。彼のみすぼらしさから滲み出るあやふやさと儚さは彼女の救いだった。何不自由なく恵まれ、育ちながらも”個人主義の冷静な排他的気質を持つ”彼女は、”感受性の幅の広さと単純さ”が重なり合い、スラムに塗れ育ったクライドの必死で純朴な愛に身を委ねる。
     彼の存在は彼女にとって、単に快楽のはけ口に過ぎなかった。未熟な令嬢の、身勝手な暴走化した愛ほど冷酷なものはない。狂走する車に身を委ね、クライドを道連れに”失神した鳥”のように身を投げるエンディングに、カポーティ自身の危うさを連想させる。
     カポーティ特有の自暴自棄なトゲのある側面もしばし見られるし、凡庸的な描写も見られるが、時折見せる濃密な描写が優雅さを漂わせ、緩衝材の役割を果たしてる。未完ではあるが幻の処女作ではあるが、それなりに熟成してる。彼はこの作品が出版される事を渋った。それだけこの作品には、あるがままのカポーティが色濃く映し出されてるのかもしれない。あるがままほど、退屈で嫌なものはない。
    追記9/4 他のレヴューにもある様に、カポーティにしては多少?かなってのもないではなかった。露骨に気になる程ではないが、専門の翻訳家に任せた方がこういった微妙な誤解はなくなる。翻訳のスペシャリストに任せた方が無難であると思う。
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    No.3:
    (5pt)

    「大人になりきれなかった代償」

    作品はカポーティの初期作品である。
    ゴミとして破棄されようとしていた原稿である。彼の死後発見されている。生前、彼の口
    から本作品について語られたことは一切ないといってもよい。なぜ捨て去ろうとしたのか
    理由はわからない。
     本作品には、彼が四歳のとき両親が複雑な離婚をし、決して幸せではなかった幼少時代
    の暗い影と家族への憧れが表現されているように思う。特に、母親からの「愛情」に飢え
    ていたのではなかろうか。

     舞台は1940~50年代(推定)の真夏のニューヨークが舞台である。
    セレブリティのマクニール一家、両親と娘二人がプラザホテルで、朝食時の会話で物語が
    始まる。これから両親は、休暇で豪華なパリ観光に「航海」しようとしている。物語の中
    心は、母親ルーシー、娘グレディ(17歳)とボーイフレンドである同じセレブのピーター、
    ユダヤ系で下層階級のクライドである。
     
     著者は第一章でグレディの暗い先行きを暗示している。「彼ら(両親)はグレディを残
    しておくことはしてはならなかった。子供をまだ未完成のままおいていってはいけなかっ
    たのだ」と。
     母親は「あなたってふしぎな子ね」と云いながら、自分が辿ってきた社交界へのデヴュ
    をグレディに夢見ている。しかし、グレディは母親の「虚栄心という鏡にサーチライト」
    をあてている。また、死産した兄の名前をつけられたこと、幼い時に拾ってきた人形に、
    家族から「あなたそっくり」と云われたことなど、「もう子供ではないのだ」という反
    抗心とあいまって疎外感を感じていく。
     ダンスパーティで知り合った両親と、駐車場で知り合ったグレディとクライドの対照
    的な恋の行方を微妙に描いている。
     ユダヤ人のクライドの母親は、息子が野球選手、弁護士になることを希望していたが、
    「学歴の低さ」で拒絶された。「みんな飛び去っていくのね」と離れていく子供たちへの
    哀歓を訴える。
     どちらの母親も子供たちへの愛情は強いが、ズレが生じ自分の思う通りにならない焦燥
    感が浮き彫りにされていく。母親の夢を裏切った子供たちの苦い物語でもある。

     青いブユックのコンバーチブルを乗り回すグレディ。家庭環境が違う男友だちの間で翻
    弄され荒波に弄ばれる「航海」である。お互い相手が、自分にふさわしくないなと思いつ
    つも破滅に向かい難破する「航路」でもあった。

     清冽な表現と独特の比喩描写が印象に残る。
    例えば、グレディとクライドの恋が、寄港地のない一艘の「帆船」のように描写され、美し
    くもあるが悲しみが待ち受けている表現、また、クライドからプレゼントされた風船が、萎
    んだり、他人の手にわたることで、危うい結末を予期させることなど。
     クレディの女性らしい繊細な内面を表出する心理描写、視線の行方など、時間をかけて文
    章を楽しめる中編小説である。

     真夏のニューヨークの暑く熱い季節や当時の街並み、レコード曲は「ビリーホリデイ」と
    か、時代を感じさせる描写も新鮮である。著者の初々しい感情が読者の胸に響いてくる。
    カポーティを捨て自殺した母親への「決別」の鎮魂歌として、原稿を破棄したのかもしれな
    い。
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