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わずか一しずくの血



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【この小説が収録されている参考書籍】
わずか一しずくの血
わずか一しずくの血 (文春文庫)

わずか一しずくの血の評価: 3.25/5点 レビュー 4件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.25pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(2pt)

物語構成がテーマに対して遠過ぎて隔靴掻痒の感を免れない凡作

私は作者のデビュー当時(「変調二人羽織」)からのファンで、作者の"騙し"の技巧を愛好して来た(その意味では短編集「夜よ鼠たちのために」が最高傑作だろう)。本作は作者の遺作群の一部として発表された幻の大作という事で期待を寄せたのだが、残念な出来だと思う。

トリックの冴え("騙し"の技巧)というよりは、構想の雄大さ(奇抜さ)で勝負するタイプの作品だが、その全体構想に無理がある(何時から社会派作家になったのか?)上に、登場人物の扱いにも無理がある。一番重要な登場人物(の名)を全体の4/5まで隠しているのは、本格ミステリのルールに反している様に思えるし、その4/5までに登場する人物間の関係付けも人間心理を無視していて強引過ぎる。人間関係が錯綜しているだけで、読んでいて少しも面白くない。物語構成がテーマに対して遠過ぎて隔靴掻痒の感を免れないのである。

作者らしい男女間の濃密な雰囲気こそ漂っては来るものの、本格ミステリとしては凡作という他はない。本当に残念な作品である。
わずか一しずくの血Amazon書評・レビュー:わずか一しずくの血より
4163903011

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