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わずか一しずくの血
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わずか一しずくの血の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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本作も随所に連城節が炸裂しており、相変わらず男女の情念が官能的に書かれています。連城三紀彦氏の幻の名作のようですから、ファンの方にとっては望外の喜びなのではと思いました。 事件は派手で日本各地で女性の体の一部が発見されるという、猟奇的な要素がふんだんに盛り込まれています。大胆に行動する事件のカギを握る男も不気味ですし、事件が繋がりだしても、複雑になりますます混乱します。最後はスケールの大きい策略が明らかにされますが、やや強引で無理な感じも若干しました。 いつもながらですが、文章から醸し出される世界は連城三紀彦氏しか出せないと思いました。 | ||||
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一年前に謎の失踪をとげた妻から、夫のもとに唐突に電話がかかる。いま温泉旅館にいること、自分のことが間もなくテレビのニュースで報道されることを告げて電話は切れる。テレビが報道したのは、切断され白骨化した女性の左脚が発見されたという事件。その左脚の指には、妻のイニシャルが刻まれた指輪がはめられ、あたかも妻の脚であるかのような状況。電話の主は本当に妻だったのか? そして翌朝には、とある温泉旅館で左脚を切断された女の死体が発見される…。 冒頭からいきなり不可解に倒錯した謎の数々が投げつけられる。そのまま息をも切らさず、被害者、容疑者、犯人、刑事…、めまぐるしく視点が変転する猟奇と官能にみちたストリーのなかで、登場人物たちの記憶と情念の風景が、次々とフラッシュバックのように描出される。その鮮烈さにめまいし、どちらを向いていいかすら分からない謎の迷路に、ひたすら彷徨させられるばかりの作品である。 巧みなレトリックをもって描かれる官能と心理の描写は、相変わらずの酩酊もの。また描き出されたその数々のパズルの断片を結合させた終章の絵が、複数の人間の死体パーツが日本各地に出現する猟奇事件の凶悪でグロテスクな様相とは、まったく違った風景となって浮かびあがるのは、さすがの連城マジックだと思った。ただ、説得力のある文章世界が構築されていれば、あまりリアリティをうるさく問わない筆者ではあるのだが、それでもスッキリとは呑み込みにくい真相説明の部分もあったので、☆一つ減じた。 | ||||
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