■スポンサードリンク
(短編集)
岬にて: 乃南アサ短編傑作選
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
岬にて: 乃南アサ短編傑作選の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
暗~い話からハッピーエンドの予感。続編が見たい。 やはり短編が好きです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作者の数多い既刊の短編集から何本かの作品を引っ張り出し、それに新作の短編1話だけを加え、 それを「新たな作品集」として刊行したものの1冊。林真理子然り、すでに単行本収録された短編を、 さらに別の単行本に収録して売る……人気のある作家と下品な出版社が手を組んだ「強者の商法」だ。 林真理子は新作を加えることもなかったはずで、だとしたら乃南アサのほうが少しはマシか。 汚い売り方に関して意見を述べると、自分を真摯で優しいと思い込んでいる人たちがAmazon事務局に 通報して削除されちゃうので、ともあれ内容について。表題作であり唯一の新作の『岬にて』、これは まったく酷い! 既婚のキャリアウーマンが仕事で四国の宇和島を訪れ、そこで生まれた元彼のことを 切なく思い出し、葛藤し、納得し、前向きになる話なのだが、宇和島の観光案内・風土紹介的な記述が さしたる工夫もなく続き、そこに素人が考えたレベルの薄ーい恋バナを混ぜ込んだだけ。乃南さんって こんなにダメ作家だったかな……と戦慄が走った。 収録されているほかの短編と比べてみれば、その質の差は歴然。職人の男の恋心が秘かで心に染み入る 『鈍色の春』や『泥眼』は何度も読み返したくなるし、『悪魔の羽根』は展開こそ単純だが、主人公が 追い込まれる描写に目が離せない。『愛情弁当』の厭らしさは、乃南さんのいい意味での性格の悪さが 実によく出ている。全般に既刊の短編集『行きつ、戻りつ』から引っ張ってきたやつは今イチかな…… そもそもあの本は「短編小説集」じゃなく「紀行文の寄せ集め」って感じだし。『湯呑み茶碗』だけは アホで軽薄な主婦の偽善たらしさが制裁された上で温かい内容がよかったけど。 そう、表題作『岬にて』は、もろに『行きつ、戻りつ』に収録されたうちの、つまんない話のテイスト。 大して情感のない紀行文にチャカチャカッと人間ドラマ(笑)を加味しただけ。もともと乃南さんって 人間の醜悪さを切れ味よく表現して、うんざりさせながら楽しませるのが真骨頂の人だと思う。情感で 勝負しようとすると内容がないよーになる。というよりも……この1遍だけが初収録だから当然だけど、 ほかの短編よりも新しいのね。最近のやつ。『鈍色の春』や『泥眼』が収録された『氷雨心中』は確か 2000年代前半の作品集。表題作は3年前ぐらい……乃南さん、才能が経年劣化してるんじゃ…… もしもこの最悪の懸念が当たっていれば。出版社側が「この作家さんはもう良作は描けなくなってきた」 と判断し、ゆえにこのような「強者の商法」による(全盛期の財産を切り売りした的な)作品集を刊行 したんじゃないか……という想像すらしてしまう。はっきり言って『岬にて』レベルの短編が5、6篇 収録された短編集が刊行されたら、すべて初録作品でも絶対に買って損すると思う。 ただ、これと同じ方式で刊行された短編集『すずの爪あと』は、その表題作=初収録作品も面白かった。 ネコちゃんが可愛いだけで大した話じゃないけど。だからまだ大丈夫かな。 ついでに言うと、近年の短編集『それは秘密の』はとても気色悪い話が多かった。甘ったるい色欲話が 絶望的にヘタクソな作家。前述したが『鈍色の春』の主人公の恋心など、男の硬質な恋愛感情の描写は あんなに芸術的なのに。作風の幅が広いと言われる人だけど、駄作でも書けば「守備範囲」になるのが 何とも……ご自分のお得意な分野で楽しませていただきたいんですよね。作品の質に差があり過ぎる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
乃南アサの短編小説を集めた作品。 表題作「岬にて」を含めて14作収録されている。 主人公はすべて女性。それぞれクセがあったり事情を抱えている物語。 女性の話だからと言って、必ずしも女性向けの小説というわけでもないように見える。 現に男である私が読んでも普通に楽しめる。 作品の展開は必ずしも統一されているわけでは無く、面白いと思えるものから、?と思うものまで様々であった。 全てをまとめて「万人受け」を狙っているのではないだろうか。 だから面白くないと思った作品は読み飛ばして、面白いと思った作品のみ読むという読み方もありだと思う。 全体的にゾッとするものが多めな印象。この作者の作流をあまりよく分かっていないが、人間のある種生々しさがきちんと表現されている。 この本を読んで爽快感を得たり、ホッコリしたいという方にはこの本はおすすめ出来ないが、心のもやもやをスッキリさせたいという方はこの本にその思いをぶつけてみてはいかがだろうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
昨年、乃南アサ短編傑作集「最後の花束」が出ていますから、本書は、その第2弾ということになります。 帯にサスペンスの名手と書いてありますが、乃南さんは、決してサスペンスだけの人ではありません! 解説を書いている堀井憲一郎さんによると、シリーズものの連作短編を除いて、現在のところ短編の総数は、106だそうです。 そのジャンルは、旅もの、職人もの、一般家庭もの、など多岐にわたっているようですが、乃南さんの描きたいのは、 人間の業、性、とりわけ女の業、性ということではないでしょうか!! 本書の収録作品は、以下の通りです。 1:岬にて 2:今夜も笑ってる 3:ママは何でも知っている 4:母の家出 5:鈍色の春 6:脱出 7:泥顔 8:春の香り 9:花盗人 10:微笑む女 11:はびこる思い出 12:湯飲み茶碗 13:愛情弁当 14:悪魔の羽根 なお、1を除いたすべての作品は、新潮文庫からセレクトされたものです。 以下、少し記憶に残った作品を紹介します。未読の人は、注意して下さい!! 1:仕事の都合で、元彼の故郷に足をのばした杦子、そこで彼女の見たものは・・・・・・。彼女は、初めて彼がなぜ去って行ったのかを悟ります・・・。 2:これは怖い!男を引き寄せる不思議な魔力を持った女性・・・私たちの周りにもいますね!・・・、他人のことは笑っていられますが・・・。 3:これも怖い!さえない美術教師に彼女が、しかも勤めている学校の経営者の一人娘で・・・。 とんとん拍子に話が進み、結婚しますが・・・・。しかし、おいしい話には裏があるようで!! 5:これもまた怖いお話です!染物師とそのお得意さんの女性のお話ですが、ラストが怖い!! 6:これは見事に騙されました!女房とその愛人に殺されかけている男のお話かと思っていると・・・・。 7:これは面白い。能面の彫師と女流日本舞踊の名手のお話です。芸に人生をかけた女性の凄さが・・・・・。 11:カビの生えたアルバム写真を夫が修復してくれたことをきっかけに、写真に写っていた叔母の行方を探るお話かと思っていたら・・・。 13:これは怖いです!!ダンセイニの有名な短編を思い出しました!! 私個人の感想としては、非常に面白く読ませてもらいました!難を言えば、単行本未収録作品がもう少しあれば!! | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!